キム・ドンウォン『送還日記』

 先月中旬に、これもずっと観たかった『送還日記』を観ました。渋谷シネアミューズにて(観客は20人もいませんでした……)。これはもう公開前……っていうか、1年くらい前から森達也さん綿井健陽さんがオススメしまくっていたもので、おふたりは2003年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で観て衝撃を受けまくった、という作品。

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ちーねま | Posted by at 4 5, 2006 17:34 | TrackBacks (0)

スティーヴ・ジェイムス『スティーヴィ-』

 先月のあたまに、ずっと観たかったスティーヴ・ジェイムス監督『スティーヴィ-』(2003年山形国際ドキュメンタリー最優秀賞)を観てきました。ポレポレ東中野にて。観客は私を入れて9人……。あらすじは公式サイトで見てみて下さい。

 いやあ……まいりました。突きつけられた。なんていうか……タイヘンです。

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ちーねま | Posted by at 4 5, 2006 17:10 | TrackBacks (1)

備忘録 060324

 久々の備忘録です。以下を見るとわかるように、1月、2月は意識的に活動しないようにしていました。精神的に完全に参ってしまったため、人に会うのがしんどく、自分の時間が作れるときはひたすら家にこもっていたような気がします。厭世観と虚無感が酷かった1月、2月。やっと抜け出し、直島旅行からまた徐々に活動していったら、やっぱりちょっとしんどくなってきました。何事もバランスが大事ですね。


<最近行った色々>
・1/30【ライブ】RAUL MIDON@渋谷AX
・2/12【ショー】ESMODE JAPAN OPENDAY@エスモード・ジャポン
・2/14【ライブ出演】角森隆浩withダイナミックオーシャンズ@下北沢 lete
・3/03【パーティー】dance rodriguez@渋谷 module
・3/05【鑑賞】The Forsythe Company 2006@彩の国さいたま芸術劇場
・3/08【ライブ出演】角森隆浩withダイナミックオーシャンズ@恵比寿 switch
・3/09~11【旅行】直島、高松
・3/14【ライブ】ATAK NIGHT2@中目黒 space force
・3/17【鑑賞】カンパニー マリー・シュイナール@新宿パークタワーホール
・3/21【観戦】川崎フロンターレ×FC東京@等々力競技場
・3/22【鑑賞】ブエノス・タンゴ@文京シビックホール
・3/23【観戦】よしもとフットサルリーグ“heat”@駒沢体育館

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乙女日記 | Posted by at 3 24, 2006 15:58 | Comments (2) | TrackBacks (0)

直島とドイツ

 そういや最近「備忘録」書いてないなあ……また近々(誰も待ってはいないと思いますが)。

 バタバタしているのです。オリンピックとかチャンピオンズリーグとかやってて。そして個人的に今年の上半期にふたつ(もしかしたら3つ)旅行を計画してて、その準備を地味にすすめております。で、オススメ建築を教えていただけたら嬉しいなあと。

 まず、もう来週に迫ってしまった“お誕生日割引を使って直島・高松かけあし2泊3日”(3/9~3/11)。なんだか予約しないといけないことが多々あり、今年あたまから色々やってましたけど、だいたい決定。直島ではベネッセハウス泊、地中美術館、野外作品、家プロジェクト(「角屋」「南寺」「護王神社石室」「ぎんざ」)、高松ではイサムノグチ庭園美術館、さぬきうどん三昧、香川県立歴史博物館も寄れたら行きたいなあ……。直島は10月からさらに新しくなるらしく。それも興味あるけど、ま、いいや。行ける時に行っとかないと。

 で、ドイツ。これはモチロン! “2006ワールドカップドイツ大会ぶらり旅”(6/21~7/2)です。ハンブルグ→ベルリン→ケルン→ドルトムント→ハノーバ→ハンブルグと北部をちょろちょろします。試合観戦は5つ。イタリア×チェコ、ウクライナ×チュニジア、ベスト16を2試合、準々決勝1試合。
 ベルリンに3泊予定で、いまのところハンブルガーバンホフ現代美術館、新ナショナルギャラリー、ライヒスターク、ユダヤ博物館、ギャラリー・ラファイエット、オランダ大使館とか行く予定ですが、時間があるかどうか……必見なのを教えてください。デッサウにも寄りたいなあ。

しつもん | Posted by at 2 27, 2006 12:02 | Comments (5) | TrackBacks (0)

ジャパニーズ・スマイル

 現在開催中のベルリン映画祭のコンペティション部門に出品している、ペンエーグ・ナッタアルナーン監督(タイ)『Invisible Waves』のレッドカーペット映像+プレスカンファレンス映像を見ました。【映像はこちら】


 ■『Invisible Waves』プレスカンファレンス登場の面々

  ヴァウター・バレンドレクト(プロデューサー)
  クリストファー・ドイル(撮影監督)
  浅野忠信(俳優)
  ペンエーグ・ナッタアルナーン(監督)
  光石研(俳優)
  プラープダー・ユン(脚本)
  マイケル・J・ワーナー(プロデューサー)
  アナトール・ウェーバー(司会)

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ちーねま | Posted by at 2 16, 2006 17:01 | TrackBacks (0)

また落ちたYO!

 石垣島に住む友人が、「内地でこれ報道してる?」と教えてくれました。こちらでは事故当日の17日に毎日新聞と産経新聞に掲載されたようですが、私が見たかぎりテレビでは報道してなかったなあ(といってもテレビをほとんど見ないのでアレですけど)。こちらでは連日ホリエモンと耐震構造偽装問題ですからね。

 コレです(以下、毎日新聞 2006年1月17日東京夕刊より)。

 墜落:米軍機、那覇の東北東沖に パイロットは無事

 17日午前10時ごろ、那覇市の東北東沖約120キロの太平洋上で、訓練中の米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機(1人乗り)が墜落した。防衛庁などによると、パイロットは緊急脱出し、救出に向かった米軍ヘリコプターが午前11時ごろ、洋上を漂流しているパイロットを救助した。嘉手納基地は「パイロットは無事」としている。
 嘉手納基地や第11管区海上保安本部によると、現場は公海上で、米軍の訓練空域。周辺には南北約8キロ、東西に約1・8キロにわたって油が浮いているという。
 沖縄県基地対策課のまとめでは、同県内で昨年1年間に発生した米軍機のトラブルは63件あり、うち26件がF15戦闘機。【三森輝久】

※補足
 墜落機は嘉手納基地の第44戦闘中隊に配備。宜野座漁協によると、現場はソデイカ漁やパヤオ漁の漁場で、組合員も漁に行く場所。琉球新報は連日この事故について、詳しく報道しています。

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乙女日記 | Posted by at 1 20, 2006 18:00 | Comments (2) | TrackBacks (0)

ご臨終メディア

 simonさんのところで、ちょうどこの話になっていたので、別の場所に書いたテキストを貼り付けておきます。

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乙女日記 | Posted by at 1 18, 2006 13:33 | Comments (7) | TrackBacks (0)

備忘録 060105

 新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。今年の目標は“力を抜く”にしました。惰性で生きていきます。ということで、お正月は携帯の電源を切って、ひたすらひきこもっておりました。飲酒三昧。フォアグラ並みの肝臓です(10月にやった健康診断でγ-GTPが148という結果が出ました。女性の平常値は0~32)。


<最近行った色々>
・12/09【鑑賞】パパ・タラフマラ『百年の孤独』@世田谷パブリックシアター
・12/13【鑑賞】ザ・ニュースペーパー第68回公演@こまばエミナース
・12/14【ライブ】PEPPERMINT CAFE 25周年記念ライブパーティー@吉祥寺スターパインズカフェ
・12/15【受講】茂木健一郎×保坂和志@東京芸術大学美術解剖学
・12/17【鑑賞】茂木健一郎×高橋悠治@ICC
・12/17【ライブ】高橋悠治、高橋悠治×渋谷慶一郎@ICC
・12/18【ライブ】池上高志×渋谷慶一郎@ICC
・12/22【ライブ出演】角森隆浩withダイナミックオーシャンズ@下北沢 lete
・12/23【テクノ】CHaOS@西麻布 yellow
・12/27【ライブ】Mr.Children@東京ドーム
・12/27【鑑賞】森達也×綿井健陽×鈴木邦男×阿曽山大噴火×篠田博之@ロフトプラスワン


<最近観た映画>
・サム・メンデス『ジャーヘッド』(初)@完成披露試写
・パク・チャヌク『オールドボーイ』(初)
・パク・チャヌク『復讐者に憐れみを』(初)
・エイアル・シヴァン『スペシャリスト』(初)
・イングマール・ベルイマン『叫びとささやき』(初)
・ジャン・ヴィゴ『ニースについて/競泳選手ジャン・タリス』(初)
・ジャン・ヴィゴ『新学期 操行ゼロ』(初)
・ジャン・ヴィゴ『アタラント号』(初)
・パク・チャヌク『JSA』(再)


<最近読んだ本>
・オーシュ卿(G・バタイユ)『眼球譚(初稿)』(初)
・野矢雅彦『猫のほんね』(初)
・中島らも『とらちゃん的日常』(初)
・五木寛之『不安の力』(初)
・森達也、森巣博『ご臨終メディア』(初)
・吉田修一『パーク・ライフ』(初)
・石丸元章『平壌ハイ』(初)
・見沢知廉『七号病室』(初)


 茂木さんの芸大の授業にまたまたお邪魔してきたんですが、保坂和志さんの話し方はけっこうユルくて拍子抜けしました。こういうキャラの方なんですね。授業の内容を聴きたい方はこちら。散文と韻文のくだりがとても興味深い。保坂さんは(当然なんだけど)本当に小説が大好きで、小説のことばかり考えてるんだなあと羨ましく思いました。私も小説が書けるような人間に生まれたかった……。
 授業の後、茂木さんの研究室にオジャマしてお鍋をご馳走になりました。ありがとうございました(茂木さんはたまにここを読んでいらっしゃるようで・笑)。インディペンデントのキュレーター、渡辺真也さん(「もう一つの万博」を作った人)を紹介していただき、色々とオシャベリしました。私の大好きなマリーナ・アブラモビッチと親交が深いそうで、11月にマリーナがグッゲンハイム美術館で行ったパフォーマンス「Seven Easy Pieces」についても色々と聞かせていただきました。真也さんによる詳細レポートはこちら。いいなあ。生で観たかった。

 ICCで行われたATAKによるイベントはもうすごかったのです。茂木さんと、音楽家の高橋悠治さんの対談はここ最近でベストの内容。色々と考えさせらることが多く、いまだに引きずっています。内容を聴きたい方はこちら。これはぜひみなさんも聴いて、考えてほしいです。モノを創ること、批評すること、言語の限界などなど……考えることが多い。
 翌日の池上さん(複雑系研究者で、うちのご近所さん)と音楽家の渋谷慶一郎氏による“第三項音楽”も大変興味深いものでした。非フーリエ的思考によるプログラム(セルオートマトン等)で吐き出された音たちは渋谷氏いわく「(いままでを刺身とすると)生の魚を扱っているようだ」とのこと。その感覚が聴いてる側も非常によくわかる。音が生きてるカンジがして不思議な体験をしました。今後このプロジェクトは色々な方向へ進んでいくようなので注目です。

 映画はイングマール・ベルイマン『叫びとささやき』が図抜けていました。70年代初頭に撮られたこの映画の色はとんでもなく美しい。北欧の森、真紅の部屋、純白と漆黒の衣装、女たちの静かな情動。これらすべてが静寂の中で、まばゆいほどのコントラストを作りあげています。傑作+必見。ベルイマンは天才ですなあ。
 ジャン・ヴィゴ作品はどれも良いです。『ニースについて』がいちばん好きかな。
 アドルフ・アイヒマン(ナチス親衛隊でユダヤ人強制移送の専門家=スペシャリストと呼ばれた)の裁判についてのドキュメンタリー映画、エイアル・シヴァン監督の『スペシャリスト』もすごかった。数百万人をガス室に送ったひとりの男が語る言葉は、あまりにも淡々としていて驚きました。「自分はただ忠実に義務を果たしただけで、組織の歯車として働いた自分に責任はない」と平然と言ってのけるアイヒマン。感情をあらわに激怒する検事長と、アウシュビッツから生還してきた証人たちの生々しい告白、そして冷静にこの裁判の目的(ユダヤ人虐殺について問うのではなくて、強制移送という役目にいたアイヒマンの罪について言及する)へ話の筋を戻そうと心掛ける裁判長。『フォッグ・オブ・ウォー』、『東京裁判』と並んで“人間の本質3部作”と呼びたいような作品。

 読書はえーと……バタイユの『眼球譚』ですね。第二部「暗号」のところを読んで、不覚にも泣きました(あまり泣くような内容じゃないらしいですが・苦笑)。いままで読んだバタイユのなかでいちばん心に響いた作品。これを最初に書いてしまったバタイユは、あとはもう違うアプローチからこれをなぞるしかなかったんじゃないか、と思わせるほどでした。
 石丸元章『平壌ハイ』を読んだら、がぜん北朝鮮ツアーに行きたくなりました。

乙女日記 | Posted by at 1 5, 2006 17:40 | TrackBacks (0)

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