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バラックに捧ぐ(仮)

ゆっきーインタビュー中

 先日、大学時代の友人に会って話をしたところ、私のブログが大変気持ち悪いと後輩サンたちに言われているということを聞きました。気持ち悪くてスイマセン。正直、知り合い以外のみなさんに読まれているとはまったく思ってなかったので、ちょっと暴走したかもしれませんが、この世の中には建築の他にもいろんなことがあるんだよ、ってことを知ってもらいたくて……なんつって。

 ただ単に私が気持ち悪い趣味を持っているだけです、えぇ。

 ということでたまには気持ち悪くない話でも。ochiaiさんのとこかな? サッカー話でちょっと盛り上がったので、せっかくだからスポーツメディア話でもしよかなと。

 私はたしか高宮研を卒業したはずなんですが、で、いちおう建築の仕事もしていたはずなんですが、気がついたら(正しくは卒業してから2年も経たないうちに)フリーでスポーツライターをやっていたわけですね(現在は某媒体に所属しています)。なんでだろか。
 1999年から2000年にかけて、インターネットのスポーツメディアがボコボコと乱立しました。特にサッカーに関しては2000年にシドニー五輪、2002年日韓共催ワールドカップが控えていたもんだから、それこそ無名のベンチャー企業がスポーツサイトを立ち上げ、わけもわかってない素人に毛が生えたような編集者たちがワサワサいたんですね。そこにつけこんで、サッカーが大好きだった私はただ選手と喋りたいっていう理由だけで「○○選手のインタビュー記事買いませんか?」と素人編集者に記事を(紙媒体の相場よりは)安く売りつける阿漕な商売をやっていたのです(あとは当時まだ選手の公式サイトが珍しく、私はたまたまスキルを持ってたので「公式サイト作りませんか?」といくつかのオフィシャルサイトを立ち上げたりもしました。今でもいくつか動いています)。

 WEB媒体のイイところは、まず紙媒体と違って取材にお金がかからないことです。家庭用レベルの一眼レフやデジカメがあれば掲載に耐えうる写真が撮れるので、最悪インタビュアーがひとりで行って、インタビューしてからパシャパシャと写真を撮ることだって出来て、取材コストが減らせるんですね。それから文字の制限がないから(制限アリのところもあるけど、そういうところは紙媒体に載せたものを掲載するとかの2次的な意味でのWEB媒体で、だいたいテキストが長くなったら分割して1ヶ月かけて全文掲載とかにすることが多いですね)、取材したことすべてを伝えることができて読み応えのある記事になる、というのも大きいと思います。

 そんな具合でサッカーのWEBメディアがボコボコと乱立していた時代は(野球とかはメディアに関する体制が確立していたので入り込めない部分もあり、せいぜい公式サイトくらいしか関与する部分がなかった)、3日でインタビュー5本とか平気でやっていたなあ……。あげく、Jリーグ某チームの公式サイト上で、なぜか私がパーソナリティーになってインターネットラジオまでやっていました。毎回選手2名をゲストに招いて雑談するという……本当に雑談なんですけどね。監督の髪型はどうかと思うとか(笑)。
 で、なぜ淘汰されてしまったかというと簡単な話で、JリーグがWEB媒体に規制をかけてしまったんですね。情報を専売したかったから。ここの「Jリーグが定義する「報道利用」と「報道利用以外(商業利用含む)」のところを見てもらえればわかると思うんですが、おもいっきり注意書きで※但し、インターネットメディアについては、報道媒体としての位置づけが確立されていない状況ですので、原則としてこの限りではありません。公式試合やイベントでの取材もお断りしているのが現状です。と書かれています。実際、この規約ができてから、公式試合にWEB媒体として申請したらハネられるようになりました。で、材料がなくなった(チームに行ってインタビュー取材というのもあるけど、移動費やら取材対象へのギャランティやらでコストがかかる。ということを考えると、公式試合の取材がいちばん安価で手っ取り早いわけで)WEB媒体たちはどんどん淘汰されていくんですね。取材が出来ない上に、取材できた材料に対しても課金できないんだったら商売にならないので。日本サッカー協会はまたちょっと違うんですが、まあ似たり寄ったりです。
 チームごとでもWEB媒体に関してはスタンスが違って、少しでも多くの人にチームのことを知ってもらおうと(試合以外の)取材を大歓迎してくれるチームもあるし、取材対象に対してギャランティを払わなくてもいいチームまである一方、「は? WEB媒体の取材? Jリーグに許可とってから出直してきて」というチーム(地域の人気が根強いので危機感がないわけですね、とか書くとどのチームかバレバレですけど)もあって千差万別です。

 とはいえ、抜け道はいくつもあるので、現存するWEB媒体は色々と模索しながらやっていますが。にしても、WEBはもはや欠かせないメディアとなっている現状で、そこをシャットアウトするという保守的で排他的な組織は成長しないですね……見てのとおり。でもまあたしかに最初に乱立したWEB媒体のなかにはレベルが低くて酷いものが多かったからなあ……という気持ちもありますけど。

 ということで、たまには普通の話もできますよっていうアピールでした(笑)。また気が向いたらこの手の話も書いていこかなと。
 今日は日本代表×ドイツ代表戦ですね。バラックにウットリしてきます。

すぽると | Posted by at 12 16, 2004 12:32 | Comments (4) | TrackBack (0)

鈴木邦男×森達也

 以前ここに書いた“鈴木邦男×鳥井守幸”と同じ企画で、今回は鈴木邦男氏とドキュメンタリー映画監督の森達也氏のトークライブ「表現・虚と実」に行ってきました。

 森達也氏はご存知『A』『A2』でオウム真理教と徹底的に向き合った監督さんです。この2作品は本当に興味深い内容で、あらためてメディアの恐ろしさとか、集団心理(世論とかね)の危うさとかを体感できるのでオススメです。ウワサの“転び公妨”(わからない方は鈴木邦男著『公安警察の手口』を読んでみて下さい。おもしろいです)も生々しく撮影されています。以下イベント告知より抜粋。

あの『地下鉄サリン事件』から半年が過ぎ、マスコミの熱狂的なオウム報道が続いていた1995年にテレビディレクターとしてドキュメンタリー番組に携わっていた森達也氏。オウム真理教を絶対的な悪として描くことを強要した制作会社との衝突。そして契約解除。その後、自主制作として公開した「A」の社会的波紋。ドキュメンタリー映像という表現の世界の表も裏も知りつくした森田氏が表現の虚と実を熱く語る!!

 トークライブの内容は前回同様ほとんどここには書けないんですが(苦笑)、森さんが言っていたことでひとつ印象的なものがありました。松本智津夫被告は実際のところ本当に眼が見えなかったらしく、指示は出すものの監督不行き届きだったわけで、そのためにあそこまで組織が暴走してしまったのではないか、という話で。ヒトラーもそうだったけど、カリスマは持ち合わせているものの、完全には組織をコントロールできない人間が上に立つ組織ほど暴走を起こしやすい、ということを言っていたんですね。
 そこで私は幕末の長州藩のことを瞬時に思い出して「なるほど!」と実感したわけです。というのも、幕末の長州藩主だった毛利敬親は、家臣の提案する事柄ほとんどに「そうせい」と承認を与える、一見愚鈍な藩主だったために“そうせい候”と陰口を叩かれていた人物だったんですが、彼のなんでも許可する気質があったからこそ、長州の過激な活動家たちが大暴れをして明治維新の火種を作ったんじゃないかなあと思うのです。
 過激な組織が作られていくシステムって、いつの時代も、どこの国でも同じなんだなあと思いました。

 トークライブの内容が途中からなぜか“昭和天皇の戦争責任について”になり、お客さん同士で大激論にまで発展していましたが、私は正直、戦争体験をしていないからか実感が湧かない。けっきょく激論の末、「戦後処理については責任を果たしたと思うけど、戦争を始めたことについては責任を取っていないのではないか」というカンジで話がまとまったんだけど、それでもなんかよくわかりませんでした。誰だってあの状況で戦争を迫られたらゴーサインを出しちゃうんじゃないかなあとか思うんですけどね。靖国参拝とかね、本当にわかんないんですよ、毎年毎年騒がれるのが。国のために死んでいった人のお墓参りくらいしても罰は当たらないと思うんですけどね。当事者じゃないと理解が出来ないと思うんですが、なぜ当事者じゃない人たちまで騒ぐのかがわかりません。このへんのことについては勉強不足なので今後、機会があれば調べてみようと思います(最近はもっぱら戦国時代の男色文化に夢中です。かなり面白い!『武士道とエロス』はオススメ本)。
 ちなみに今上天皇は国歌斉唱しないらしいですね。先日の国旗国歌問題についての発言にしても(それにしても米長邦雄さんのキバリっぷりは面白かった)、今上天皇はいい意味で非常にリベラルで、そういった意味でも日本の歴史に大きく名を残す人格だと思うんですけど、いかがでしょうか? 私は大好きです♪

 ……と、わりと内容がギリギリのところにきているので終わります(苦笑)。

行ってきました♪ | Posted by at 12 10, 2004 17:47 | TrackBack (0)