« 2004年09月 | Main | 2004年11月 »

第7回 サントリープレゼンツ「ウイスキー&ミステリー」

 お久しぶりです。どうにもこうにも仕事が忙しすぎて、もうなんか発狂しそうなんですが、とりあえずこの地獄の日々もあと3日間の辛抱です。あーつかれたー。

 ということで、最近あまり活動できてないんですが、これはどうしても行きたかった第7回 サントリープレゼンツ「ウイスキー&ミステリー」
 ユルめな気持ちで会場の六本木アカデミーヒルズ ライブラリーカフェとやらに向かうと、なんだかとてつもなくセレブっつーか、ラグジュアリーな雰囲気で、みなさんかなりオシャレしてきてて焦りました。黒のニットに迷彩柄のパンツ履いてきちゃったよ……みたいな。

 今回のこのイベントは毎年開催されているものなんだけど、有名作家が6人も見れて100名限定ということで、かなりのプラチナチケットぶりなんだそうです。本当はプレスで入る予定だったんだけど、プレスで入ると石田衣良さんがブレンドしたウイスキーが飲めない(しかも飲み放題)ので、お客さんとして入りました。
 ということで、もちろんイベントが始まる前からウイスキーをグイグイいくわけで。日本推理作家協会オリジナルブレンドウイスキー“謎2004”として今年選ばれた石田衣良さんの“爽”が飲み放題だったんですが、これがものすごい美味しい! あまりウイスキーを好んで飲まない私ですらグイグイいけてしまうほど、口当たりが優しくて、非常に飲みやすいです。オススメ。すでにもう3本予約しちゃいました。お酒に弱い女の子がハーフロックで飲むのに適してるカンジで……私はロックでいいくらいだけども。ちなみに各テーブルにオードブルまでついてて、すっかり飲みモードに。

 そうこうしているうちに作家さんたち登場。会場は広いんだけど、ゆったりめの扇状に席が配置されているため舞台とのキョリが近く、石田さん(この日のいちばんのお目当て)が間近で見れました。想像してましたが、めちゃくちゃ色っぽい。本当にズルイくらい色気ムンムンなのに、本人はどこ吹く風なカンジで3枚目というかイジられキャラに徹してて、うしろに座ってる北方謙三さんからピーナッツを投げられまくってました。
 にしても、北方さんと逢坂さんは本当にオチャメなオジサンでした。すっごいカワイイ。北方さんとはぜひとも酒を飲みたい! ハードボイルドを気取ってるつもりが、すごい気のいいオジサンで微笑ましかった。神崎さんはかなりの男前でした。顔は石田さんなんかよりぜんぜんカッコイイんだけど、真面目だし、かっこよすぎて色気がなかった。篠田さんはカマトトぶったかなりの悪女でステキ。大沢さんもキャラが濃い。

 という具合に、全員アクの強い人ばかりだったので、トークショーはかなり面白かったです。っていうか、客も作家たちも相当飲んだくれて酔っぱらい、エロ話に何度もいきかけていたのが笑える。
 神崎さんのブレンドした“情味”というウイスキーの話になって、神崎さんは「長年連れ添った夫婦が、ホテルの部屋で静かに並んで夜景を眺めながら飲むのをイメージしました」とかいいことを言ってるのに、石田さんがすかさず「え? それってさ、前? 後?」とか茶化し、「君は下品だよ!」とか神崎さんに怒られたり。北方さんは「酒はイイ女を眺めながら一人で飲むんだよ!」の一点張り。

 作家さんたちもかなり酔っぱらってきたところでお客さんからの質問コーナー。これは参加申し込みの時と、イベントが始まる前にアンケートされたなかから、面白そうな質問を大沢さんが選んで発表し、選ばれたお客さんは手を挙げて、なんか記念品までもらえちゃうというので。アンケートされたことをすっかり忘れててボーっとしてたら「えーと、次は……東京都からお越しの富田舞さん!」とか呼ばれて驚きました。とりあえず何か書いときゃいいかと、適当にチャラい質問をしたんだっけなあと聞いてると「えーと、質問は……女性のどんなお酒の飲み方がグッときますか? です」だって(苦笑)。
 石田さんは「僕はねえ、乱れちゃう人が好きだな。ちょっとほら、ダラーン(とシャツの襟元をべローンとまくって鎖骨を見せる)ってカンジで!」とか言ってました……。

みなさんのサイン で、記念品をいただく。「重いからがんばって持って帰って下さい」と、6人全員のそれぞれの直筆サイン入り著書でした。しかもハードカバー。北方さんにいたっては上下巻(笑)。計7冊総額15000円弱で、相当な重さ。石田衣良『ブルータワー』篠田節子『秋の花火』神崎京介『好きの果実』逢坂剛『恩はあだで返せ』北方謙三『楊家将』上・下大沢在昌『パンドラ・アイランド』
 ぶっちゃけ、ミステリー小説は苦手でほとんど読まないんですけど、せっかくいただいたので頑張って読みます。んで、それぞれのサイン。神崎さんのはなんかカッコイイ。あ、あとなんか日本推理作家協会オリジナルのトランプと、北方さんが原作を書いたお芝居(?)のビデオ(VHSのビデオにペタッとラベルが貼ってあるだけの、ある意味かなりレアっぽいビデオ)もいただきました。

 ということで、2時間近く続いたこのイベントはかなり面白かったです。作家さんたちが酔っぱらって好き勝手言ってるのを、お酒を飲みながらウヒャウヒャ眺めるということは滅多にできないだろうなと。来年も機会があったら行きたいです。
 ちなみにこの選ばれた石田さんのウイスキー、なんと5分でブレンドしちゃったらしいです。「いやー、前の晩飲んでてね、二日酔いでサントリーの蒸溜所に行って、5分でブレンドしたのが選ばれちゃってゴメンナサイ♪ 北方さんや逢坂さんは毎回チャレンジしてるけど選ばれたことないんですよね♪」とかサラッと嫌味を言うと、「樽がよかったんだよ!」と毒づく逢坂さん。「お前の小説みたいじゃないか! 寝かしたら絶対これ不味いぞ!」と、石田さんの後頭部めがけてピーナッツを投げながら言う北方さん。おもしろい。「爽っていうコンセプト? あー、だって僕ほら爽やかじゃないですかぁ〜」とか。ニクイですね石田衣良。

行ってきました♪ | Posted by at 10 26, 2004 17:12 | TrackBack (0)

日米地位協定とかトマホークとか

 昨日は一水会のフォーラムに初めてお邪魔してきました。べつに一水会に入ってなくても、誰でも参加できるのでね。会場に行くと、あきらかに場違いな私(ジーンズにセーター)と友人(超ミニスカートにロングブーツ)に驚くみなさん……スイマセン。鈴木邦男顧問に向かって「あ、くーにんだ! こんにちはー!」と手を振り、木村三浩代表に向かって「4代目は私がいただきますっ!」とか言ってる私たちは、そのうち粛清されるんじゃないかと思います……冗談です。ちなみに、なぜか友人は、駅で私を待ってるときに近寄ってきた民主党の人から買ったという機関紙『日本再生』を手にしてました。

 今回のフォーラムのお題は『日米地位協定の諸問題〜国家安保戦略形成に向けて〜』。講師は軍事評論家の宇垣大成氏。

 アテネオリンピックで日本中が沸いている最中、沖縄国際大学へ米軍ヘリが墜落した事件がありましたが、アメリカは事件当初、沖縄県警との合同調査すら許さないで勝手都合よく処理しようとして沖縄の人たちが憤慨していましたね、こういう事件が起こらないと本土の人間は忘れがちになってしまう、日米地位協定について専門家に話をしてもらいましょう……ということでした。
 私は「日米地位協定? ようするにアメリカの治外法権とかすごいんでしょ? 安保条約? なんかよくわかんないけど、井伊直弼が先走って調印した安政五か国条約の現代版みたいな、まだまだ不平等な条約なんでしょ?」くらいなイメージ(たぶん間違ってる)しかないままに参加したので……ちんぷんかんぷんでした。

 というかこの講師の宇垣大成氏ですが、めちゃくちゃ軍事オタクで(ちなみに若かりし頃は鉄道マニアだったらしい)、地位協定とか安保とかをすっとばして、延々とあらゆる兵器の値段やら解説やらを目を輝かせて喋りまくっていたのが笑える。みなさん苦笑。地位協定は? 安保は? あげく携帯の着信音が鳴り「あー、ちょっとごめんなさいね。もしもし〜? え? なに? あ〜、いまねえ、取り込んでんの。え? そうそう。はいはい」とか言って、何事もなかったように講義を続けること2度……携帯の電源切っとけよ。
 そんな無茶苦茶な講義が2時間ちかく続き、ウンザリしてたところに木村さんが話を元に戻すような素敵な質問をしてくれたので、そこからの話は大変おもしろかったです。

 この私の貧弱な理解力と解説力でまとめてみますと……

 日本は自力で兵器を作れるほど、技術が発達していない(世界水準から考えると相当遅れているらしいです)→そのため、どうしてもアメリカ(世界最高水準。いってみれば20馬身差でぶっちぎりくらいに。病院をたくさん潰した費用を軍備にまわすほどの必死さ)から兵器を買うしかない→兵器はアホみたいに高い。維持費も相当かかる(母艦ひとつで3兆円とかいうレベルで)→トマホークはかなりお買い得♪ だけど、トマホークのコントロールシステムはアメリカにあるので、軌道とかはすべてアメリカの監視下に置かれる→でも必要→だから日米地位協定は絶対に避けられない、ということでうまくやれよと。
 ちなみに欧州とかは開き直ってうまく作戦を練ってるようです……たとえばイギリスは、中東のあらゆる国から優れた人材を発掘して、彼らをアメリカで学ばせて技術を習得させ自国に還元し、その見返りとして中東の情報をアメリカに提供する、みたいなシステムをとっているらしいです。賢い。

 まあだいたいそんなカンジの内容だったんですが、最後の「うまくやれよ」ってところが具体的にどうすればいいのかっていうのを聞きたかったです。
 他に興味深い話としては、『国内の貧富の差』について。アメリカ人の87%は、今の国内の凄まじい貧富の差について「私は一攫千金を狙ってるから、このままでいい」という意見らしいです。独立したての頃は人民の平等が盛んに叫ばれていたため、貧富の差が激しいブラジルを「信じらんな〜い」と声を大にして国家レベルでけなしていたアメリカが、いまやこの現状。一方イギリスは75%の人が「人間は生まれながらにして不平等である」という意見らしい(笑)。帝国主義は遺伝子レベルで組み込まれてるんですかね。オランダとかは「平等であるべき」「いや、不平等だ」が半々の割合とのことでした。面白い。
 で、最後に「すでに国民単位で国の姿勢に対しての不平や不満が出てきてるアメリカは、この先どうなっちゃうんだろうかね」みたいな余談になりました。「あと10年以内で滅茶苦茶になって、国としての機能を失うんじゃないか。だから日本はそろそろアメリカから離れといたほうがいいんじゃないの? 共倒れしたらたまんないしー。くわばらくわばら」という結論でした。

 そのあとみんなで飲んだんですが、木村さんに「今日の感想は?」と聞かれて、「んー、難しくて半分以上わかんなかったけど、ようするにあれですよね? アメリカは“ぶっちぎりで軍備を整えている”っていう部分が最大の武器で、それにしがみついて世界での権威を保っているわけですよね? だったら他の国ぜんぶ、ぜーんぶが軍備を棄てて、“はぁ? あんた何してんの? いまどき流行らないオモチャをそんなに抱えてどおすんの? 誰もそのオモチャ持ってないから遊べないじゃん。バッカじゃないの? だっさー。ちょっとちょっとー、このアメリカっていう人、いまだにこんなダサくて値段だけは高いオモチャ抱えてますよー。見てこれ! うっわー、アホくさ!”ってバカにしてやればいいんじゃないですか? そしたら軍備にお金かける必要もなくなるから家計も潤うし♪」と答えたら、「そうなんだよ! それなのそれ!」と言われました。まあなんか、ようするにそういうことらしいです地位協定って(笑)。

 でもなあ、軍備がもしなくなったとしても、今度は他のどこかの国が、また違うオモチャを作り出してしまう可能性は高いわけで……まあ軍備よりタチの悪いオモチャはないとは思うけど。

行ってきました♪ | Posted by at 10 7, 2004 18:42 | TrackBack (0)

半野善弘と松尾貴史

 近況報告もろもろ。

 10月1日は、銀座のアップルストアへ、サウンド&レコーディング・マガジンが主催してる“Made on a Mac”を見に行きました。ゲストは先日RADIQという別名義でアルバム『GRAFFITI&RUDE BOY 67'』を出したばかりの半野善弘氏(現在フランス在住)です。
 アップルストアではこういう無料の音楽イベントが頻繁に催されていて、いままで何度か行きましたが、どれも内容充実のいいイベントばかりです。これで無料はかなりお得。イベント会場となる3階のシアター空間は、音がけっこうイイので快適だし。機会があったらみなさんも是非。ちなみに明日は同じ企画で、ゲストが半野さんと仲良しの青木孝允さんなので、面白くなりそうです。行けそうだったら行く予定。

 で半野さん。半野さんの音源は今までいくつか聞きましたが、私にはいまいちわからず。んー、なんていうんだろうか、ニュートラルすぎるというか情趣的すぎるというか。もっとソリッドなものが聞きたい私にはちょっと物足りない感があります。CHAOSという、私がよく行くパーティーにもライブで参加したりしていて、まわりはみんな絶賛するも、やっぱり理解できず。おまけに長身でコワモテなので近寄りがたいカンジだし、坂本教授系列の人ってことで敷居が高いというか……ようするに半野さんに関して、めちゃくちゃ偏見があったわけですね(苦笑)。で、今回もぜんぜん期待しないで見に行ったんですが……

 はい、非常に面白かったです。

 今回は半野さんがMacでどんなふうに音楽を作ってるのか、画面をモニターしながら説明するという企画で、彼はおもにMax/MSPを使って曲作りをしてるんだけど、えーと、説明はもちろん素人の私にはぜんぜんわからないわけで。でもなんか「これを押すとこう変わったりですね」とか、視覚と聴覚で確認できるように説明してくれたので、退屈しないで楽しめました。「へー、そーなんだー、おもしろーい」みたいな。
 ヨーロッパとかでのライブ動画もいくつか見せてくれて、これもかなり面白い。それぞれの民族性っていうか、「ドイツ人はぜんぜん踊らないで目の前でずーっとオシャベリしてんのに、ライブが終わったら“いやー、すごいいいライヴだったよー。また来てね”とか普通に言うし(笑)。中国ではレイヴとかで人が集まりすぎちゃったら警察が来るんですよね。なんか思想とかで結託されたらマズイってことだろうけど」みたいな話をしてくれて、それも非常に興味深かったです。
 で、最後に10分くらいライブ。これも画面をモニターしながらやってくれたので、なんかよくわからないなりに楽しめました。こういう企画は面白いですね。実際、ラップトップでライヴしてる人たちって、どんな画面をみて、どんなソフトをいじってやってるのかなあと知りたい欲求が普段からすごくあって、それが全部見れると、理解できなくても面白い。当然のことなんだけど、現場で作ってるんだ! と実感できる。

 ということで、いいイベントでした。ちなみに半野さんはやわらかな関西弁で喋る、すごく気さくで優しい人です。偏見スイマセン。


 おとついは下北沢のしもきた空間リバティで、松尾貴史さんが出るお笑いライブ“絹6”を見てきました。鈴木邦男さんとかと一緒に(笑)。会場で春風亭昇太さんを見かけてご挨拶。あいかわらずの癒しキャラです。

 私はいままでお笑いライブというと、(まだワハハ本舗にいた時代の)吹越満の“フキコシ・ソロ・アクト・ライブ”と、千原兄弟コントライブ『プロペラを止めた、僕の声を聞くために』と、たまにルミネtheよしもとのネタ祭り(新喜劇がない、ネタだけの回)に行くくらいで、そんなに詳しくないんですが。
 この日は ENBU-0410→ユリオカ超特Q→THE GEESE&第三期コントサンプル→バカリズム→松尾貴史→すわ親治 の順番。それぞれ持ち時間は15分。と言われても、なんのことやら、どんなネタをやる人たちかぜんぜん知らなかったんですけどね。

 いろいろ端折りますが、4番目に出てきたバカリズムという人たちのコントが本当に面白かったです。最初から最後まで爆笑して、笑い泣きしてしまいました。ウワサ(どこの?)によると、この人たちは出来不出来の差が激しいらしく、この日はめちゃくちゃ当たり日だったらしいです。らっきー。あと、THE GEESEの片方の男の子がすごくキレイな顔立ちでウットリしました。ごちです。着ていたタンクトップから見える二の腕がまた、えらく貧弱で可愛かったです♪

 肝心の松尾さんは、案の定いろんな人のモノマネをやっていました。小泉首相がかなりツボ。最後に中島らもさんのモノマネを解禁。ご存知のとおり、らもさんと松尾さんは師弟みたいな関係で、本当にお互いを大切にしていたんですね。らもさんが病院に運ばれて生死をさまよっていたころ、松尾さんもふくめて某バーでみんなで飲んでいたんだけど、そのときの彼の心痛は尋常じゃなかったわけで。
 そんな具合だったので、らもさんのモノマネはあれ以来やってなかったらしいんですが、この日に解禁。松尾さんがやるらもさんのモノマネは、細かいところまで本当によく似ていて、その愛情にグッとくる。ライブ後、挨拶に行った私たちに、恥ずかしそうな顔をして「49日も過ぎたしね!」と笑っていた松尾さんのそのカンジにもグッとくる。いつもはイヤミなほどにインテリ風味を(わざと)醸し出してる松尾さんですが、ああいう表情は初めて見た気がする。

 ということで、バカリズム最高。

行ってきました♪ | Posted by at 10 6, 2004 17:14 | Comments (2) | TrackBack (0)

『SURVIVE STYLE5+』とonedotzero

 昨日は六本木ヒルズにて、映画『SURVIVE STYLE5+』を観て、そのあと六本木ヒルズの東京シティビューでやってた『onedotzero_nippon 2004 opening events』とやらに行ってきました。

 まず『SURVIVE STYLE5+』。これは人気CMプランナー+ディレクターである多田琢氏と関口現氏がコンビを組んだデビュー作ですね。富士ゼロックス、アコムむじんくん、サントリーDAKARA、富士通FMV、サントリーBOSS etc...を手がけてる人たちが作って、浅野忠信、小泉今日子、阿部寛、岸部一徳、荒川良々が出演……ときたら、なんとなく想像がつく気もするんですが。

 はい、タイヘン楽しかったです。

 もちろん観る前からビールを飲んでゴキゲンだったので、純粋にこの作品の下品さ(もっと下品でもいいと思う)、くだらなさ、ポップさ、キッチュさ、を楽しむ余裕がありました。もうね、こういう作品はストーリーがどうとか、映画の撮り方がどうとか、意味の有無とか、そんなのはどうでも良くて、お酒でも飲んでポップコーンをつまみ、足を投げ出して「くだんねー。こいつらバッカだなー」とウヒャウヒャ笑うカンジでいいんだと思います。楽しんだもの勝ちというか。それにお金を払うかどうかは、観る側の心意気なわけで。真顔で批評するものではないような気がします。そういう映画もあってイイと思うんですけどね。映画フリークには許せないんですかね、こういうのは。

 まあ途中ダレた感は多分にありました。それが残念。こういう映画は客を飽きさせたらいけないと思うので、次から次へとガンガン押していくパワーが欲しかったです。最初の加速してるカンジはすごい良かったんですけどね。前半の阿部寛最高。もうなんか阿部寛は神でした(笑)。後半は岸部一徳が神。『鮫肌男と桃尻女』の岸部さんも最高に好きだったんだけど、今回の岸部さんも素敵。
 そういえばベタ塗りしたみたいな、ロモで撮った写真みたいな、ものすごいビビッドな色味と質感や、音楽の入れ方とかは『鮫肌男と桃尻女』に似ていました。細かいことを言えば、ストーリーの繋げ方が『アモーレス・ぺロス』みたいにスムーズだったらよかったなあと。かなり強引なのでちょっと萎える。

 総評としては、感じるものは何もなかったけど、タイヘン楽しかった。以上(笑)。


 で、映画をみたあとに展望台でやってる『onedotzero_nippon 2004 opening events』へ。イベントそのものは20時半からやってたみたいですが、単に友人がレコードを回すってことで行っただけなのでスルー。
 23時すぎに行ったら……なんだかものすごい人で驚く。すごい人なのにバーカウンターはひとつしかなくて、お酒を買うのも20分待ち、みたいな状況。業界人だらけで、椎名林檎とか岡本健一とか滝見憲司とかモデルさんとか、とにかくテレビや雑誌で見たことのある人がワサワサいました。すごいですね六本木ヒルズは。一般人もなんだかバキバキにオシャレしてました。その帽子どこに売ってんの? っていうようなオサレさんばかりで。

 友人のDJまで時間があったので、フロア(?)に行くと、four tetがライブをしていました。イマイチ。というか、音環境が非常に悪く、使ってるスピーカーとかもうぜんぜんダメで、音圧もなにもあったものではない。
 ので、友人(いつもはミニマルテクノ。この日はKARAFUTOというハウスめの名義で出演)のDJもイマイチ。聞いたところによると、かける曲のカンジとかも大まかに指定されていたようで(まあ田中フミヤにDJの内容を指定するバカがこの世の中にいること自体かなり驚くけど)、あげく即席のDJブースが客と同じレベルでろくな隔たりもないために、なんともやりずらそうにしていました。2面のスクリーン(壁にA3の紙を何枚もベタベタ貼ってるだけ……)に映し出された29970とかいうアーティストのVJも、何がいいのかサッパリわかんない。そもそもなぜ、わざわざ東京の美しい夜景を背中にしてまで、A3の紙がベタベタ貼ってあるスクリーンに映し出される映像を見ないといけないのかと……意味がわかんない。

 そんなこんなでまた憂国ですよ。

 別に期待してたわけでもないけど、こういうイベントは本当にいかがなものかと思います。最近この手の業界人イベントが多いんですが、どれもこれも質が低すぎて呆れる。音楽や映像を発信している人たちが、このレベルのイベントで楽しそうにお酒を飲んでオシャベリしているということが信じられません。「六本木ヒルズの展望台でfour tet呼んどきゃ客来るでしょ。DJはあえてハウス畑から呼ばないで田中フミヤにするってとこがセンスいいね俺たち♪」みたいな。
 特に“レセプション”とかいう名目のクラブイベントは本当にことごとく終わってるわけで、それはここ最近の“セレブ”の安売りとかもそうだけど、ようは選民意識を持った時点で人間は成長しないということですよ。選ばれてるという意識が安心を生み、そのぬくぬくとした狭い世界のなかだけで生きることで危機感を失い、問題意識を持つことがなくなった人間は終了しちゃってるなと(えーと、話がいきなり飛躍していますのでご注意下さい)。吉田松陰先生が『講孟剳記』(必読!)で言ってるように「無知無覚、すなわち目覚めることがなくて、みだりにみずから避け隠れるならば、これは自棄、すなわち自分で自分を投げ棄てるのと同じだと思う」ということですね。

 ……おあとがよろしいようで。

ちーねま | Posted by at 10 1, 2004 16:49 | Comments (3) | TrackBack (0)