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nino trinca プチワンマンライブ
先日、私もスタッフとして参加してるバンド、nino trincaのプチワンマンライブを下北沢のモナレコードというステキなお店でやりました。
nino trincaは基本的にはボーカル、キーボード/ギター、ベース/ウッドベース、ヴァイオリン、アコーディオン/ミュージックソウ/クラリネット、ドラム、トロンボーンの7人構成ですが、時と場合によって、いろんな人がいろんな楽器を持って参加(乱入?)してくるアットホームなバンドです。いちおう簡単にメンバー紹介。
★ | 角森隆浩(ボーカル) |
普段は某百貨店の店員としてあくせく働く変態ボーカル。 ゲイ疑惑あり。というか、今年中に彼女ができなかったらゲイになるらしい。 |
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★ | 鹿島達也(ベース) |
知る人ぞ知る天才ベーシスト。nino trincaの頼れるアニキ。 オリジナルラブ、堂島孝平、玲葉奈、真心ブラザーズ、the Pillows等、数多くのアーティストと共演。 |
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★ | HONZI(ヴァイオリン) |
知る人ぞ知る天才ヴァイオリニスト。nino trincaの妖精。 フィッシュマンズ、UA、有山淳二、リクオ等、数多くのアーティストと共演。 |
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★ | CHACO(ドラム) |
かなり天然なnino trincaのマスコットガール+歌姫。 森山良子、高橋徹也、東田トモヒロ等のツアーサポートで活躍中。 |
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★ | Alan Patton(アコーディオンetc) |
外見はイギリス人ぽいけど、本当は変態アメリカ人で変態画家。 アコーディオン、ミュージックソウ、クラリネット等々、音の鳴るものは何でも触る。ヴァイオリンとのデュオ、ケチカブラスカでも活躍中。 |
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★ | Yassy(トロンボーン) |
いつも陽気なパワフル天才トロンボーン奏者。 ホームバンドのBlack Bottom Brass Bandは現在三越のCMで全国区。こちらも最高。 |
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★ | 上田禎(キーボード / ギター) |
nino trincaの最高責任者。“帰属意識”について延々と語ってくれる人。 オリジナルラブ、フィッシュマンズ、bird、SCOF、あがた森魚、The Carnation、加藤いづみ等、数多くのアーティストと共演。映画音楽制作などを手掛ける。 |
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★ | 松本健一(サックス / フルート) |
前回からnino trincaにゲスト参加してくれているステキな殿方。 オリジナルラブ、world's end girlfriend等を強力サポートしてるすごい人。このままnino trincaに居ついてくれることを願って、他のメンバーよりも大事に扱い中。 |
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という具合なんですが、おわかりのとおり、けっこう玄人向けなメンツなんですね。よくよく見たら、あちこちで活躍してる流しの(?)ミュージシャンが集まっているバンドだった、っていう(ちなみに結成当時はデミセミのエミ・エレオノーラさんもいました。この人も、とある業界では超有名人)。よく言われるのが、“ミュージシャンズミュージシャン”。つまり音楽をやっている人たちに人気があるバンドです。
が、普通の人たちでも十分楽しめます。というのもボーカル角森隆浩の話術がすごい! 春風亭昇太氏に似た風貌で、コテコテの関西弁で下品なネタをまくしたてる彼のMCは、1度聞いたら病みつきになります。品のいい(歌詞はかなりふざけてる)ヨーロピアンな音楽と不釣合いなMC、そして、なんだかわかんないけどステージにはメンバー以外のミュージシャンがいたりして、まあ簡単にいうと変態バンドなので、みなさんよかったらぜひ遊びに来てください。私はだいたい受付とかやってますので。
……と、うっかり宣伝してしまいましたが、こないだのライブのことを書くんでした。
こないだはドラムのチャコちゃんとトロンボーンのヤッシーが欠席だったので、急きょ助っ人でSmall Circle of Friendsや遊佐未森等で活躍中のドラマー楠均さんと、ナゾのパーカッショニスト宮ちゃんが参加。せまいステージに大人8人ギュウギュウ詰めで。
お客さんもいい具合に入り、会場は満席。ボーカルの乗ったメロディアスな曲から、鹿島さんのウッドベースとHONZIさんのヴァイオリンと松本さんのアルトサックスがギュンギュンうなるインストもの、ふたたびボーカルが乗ってルンバのリズムでガシガシ躍れる曲などなど、めちゃくちゃ盛り上がりました。MCも絶好調。楠さんと宮ちゃんは当日のリハーサルで初めて譜面を見たという状況で、即席だったためにハラハラしてたらしく、1曲終わるごとにふたりで「できたよー! 叩けたよー! よくやったー!」とジャンプしながらハイタッチしてました(笑)。オツカレサマでした。本当はアラン(クラリネット)、松本さん(サックス、フルート)、ヤッシー(トロンボーン)の3人がそろえば、ホーンが3つで豪華なのになあ。
にしても、こないだはHONZIさん(ヴァイオリン)が欠席だったので気がつかなかったんだけど、フルートの音にヴァイオリンが乗ると、めちゅくちゃイイですね。どっちもソロより音がグンと引き立つ。ウッドベースとヴァイオリンしかり。こういう楽器の相性とかを聞き分けるのは楽しい。
という具合でした。よろしかったらみなさんもぜひ! 次回ライブは……未定。みんな年末に向けてそれぞれの活動が忙しく。
行ってきました♪ | Posted by at 9 28, 2004 18:01 | Comments (5) | TrackBack (0)
チェ・ゲバラを知っていますか?
先日、ちょっと驚愕することがありました。
イタリア語教室にて。うちのクラスは毎回、授業の最初にみんなで(その日はイタリア人の先生+クラスメイトのOLちゃん3名+私)イタリア語の雑談をします。で、先生がカストレーゼっていう名前なので、「イタリアでのあだ名って何だったの?」と聞いたら、「フィデル。まあわりと冗談でみんな言うけどね」と苦笑しながら答えたのです。もちろんこれはフィデル・カストロとカストレーゼをかけてるわけだけど、OLちゃん3名(28、29歳)がポカンとしてるのです。「……なんでフィデルなの?」と。「え? だってフィデル・カストロだからでしょ」と答えると……
「カストロって誰?」
って……まじかよー! フィデル・カストロ知らんのかいこのお嬢さんたちは! 先生と私は唖然呆然。先生がフォロー気味に苦笑しながら「チェ・ゲバラは知ってるよね?」と聞くと「……誰それ?」「なんとなく聞いたことあるかも」
えええええええ!!!!! チェ・ゲバラを知らないですと?!!!
驚きました。驚くというか、ショックを受けた私はイタリア語会話教室ということをすっかり忘れ、日本語でカストロおよびゲバラの概要を説明。いつもは日本語を喋ると注意する先生も「このお嬢さんたちに説明してあげて……」みたいな視線を投げかけてくるし(ちなみに彼は非常にジェントルで、今まで皮肉のひとつも言ったことがないんですが「イタリア人でカストロ知らない人はいないよ」とサクッと言ってました)。
なんかもう驚愕しすぎて疲れが。しかもみなさんに悪意はまったくなく、ものすごい無邪気に「マイちゃんってほんとに何でも知ってるよね〜♪」とか言うんですよ。このOLちゃんたちですが、それぞれ名のある会社で営業とか企画とかバリバリ働いてる人たちですよ。
なんつーかもう……憂国? 「憂国ってこういうことなんだ!」と体感しましたよ松陰先生。100歩ゆずってカストロはまだしも、ゲバラぐらいは知っててほしい。というか、こうもみんな知らなかったので私の頭がおかしいんじゃないかと錯覚に陥るほどでした。
ひとそれぞれ常識にもプライオリティっていうのはあると思いますが(政治経済はよく知ってるとか、歴史については詳しいとか)、ゲバラやカストロってそれ以前の問題じゃないかと思うんですよ。そもそも、ケネディを知ってるのに、なんでカストロを知らないのかと。ケネディとカストロはセットで覚える(というより、歴史の流れで常識として知ってる)もので、それは本当に普通のことだと思っていたんだけど……憂国。なにも詳しく知ってろってわけじゃなくて、「フィデル・カストロ=もう長いことキューバの長」「チェ・ゲバラ=革命家っていうか革命マニアで男前」くらいはみんな知ってて当然のことだと思ってたんだけどなあ。そういえば前に、勝海舟のことを中国人と思ってた知り合いがいたなとか思い出したり。
日本は平和ボケしてるんですかねえ……とかいうレベルの問題ではないと思うけれども。憂国すぎて、もうなんか恋とかしないとやっていけないカンジ。浮き足立ちたい。マジで。婿募集!
結論としては『無知の知』は『無知の恥』でもあるということで。
乙女日記 | Posted by at 9 24, 2004 19:29 | TrackBack (0)
『ヤマトタケル』読書会
先週は“『ヤマトタケル』読書会”なるイベントに行ってきました。これは何かというと、一水会顧問の鈴木邦男氏の著書『ヤマトタケル』を、氏を囲んでみんなで読もうというものです。
ヤマトタケルはもちろん古事記、日本書紀に出てくる我が国のヒーロー、景行天皇の皇子である“やまとたけるのみこと”ですが、古事記と日本書紀では若干(というか、だいぶ)違うイメージで描かれています。そもそも古事記では“倭建命”、日本書紀では“日本武尊”と、表記からして違うし。
かんたんに言うと、『古事記』は宮中だけで読まれた物語なのでかなりフランク、『日本書紀』は中国正史みたいのを日本も作ろう! ということで、意図的に神々や皇族をキレイに描いた歴史書なので堅い。そんなことはまったく知らなかった私は、ずっと昔に『日本書紀』だけ読んで「全然おもしろくない」と『古事記』は読まなかったわけで……もったいない。『古事記』はかなり面白いので、興味があったら読んでみてください。その前に阿刀田高氏の『楽しい古事記』をザーッと読むとさらにわかりやすいと思います。
前置きが長くなりましたが、読書会です。
ご存知のように鈴木邦男氏は右側の人間なのですが、そういった右の人間にヤマトタケルを描かせるっていうのは画期的だと思いました。現代書館が出してる、このFOR BEGGINERSシリーズはかなり面白い企画ばかりでオススメ。文章と絵が6対4くらいなので読みやすいし、前田哲男氏が「日本の軍隊」を書いてたり、竹中労氏が「大杉栄」を書いてたりしています。三浦実氏の「吉田松陰」も面白かった!
読書会ではこの『ヤマトタケル』に対する鈴木氏の思い入れ等を聞きながら、学生さんが音読して感想を述べあったりするんですが、まあすでに読み終わっていた私は新しい発見もそんなになくてイマイチ。いちばん好きだった「魔性の女・美夜受比売」っていう章は読まなかったし。
本のなかにクリムトの『ユーディット?』が載ってて、「鈴木さんクリムト好きなんですか?」「うん、マイちゃんも?」「普通に好きなんだけど、ユーディットだけはものすごい好き! 一緒に琳派展見に行きましょうか、クリムト2つしかないみたいですけど」とか言って、邦男さんがクリムト好きっていうことがわかったのが新発見ですかね。あ、あとボツになったエロい挿絵を見せてもらいました。あ、それから挿絵を描いてる清重伸之氏は右嫌いのわりと左寄りの人らしく(笑)、この本を作るにあたって一度も顔をあわせなかったんだけど、原稿を書いたあとに挿絵入りで返ってくるゲラに挑戦的な(っていうか、清重氏の思いみたいな)吹き出しがあったりして面白かったと言ってました。それをふまえて読み直してみたらかなり面白い。
そのあとの雑談で、なんで神話って人種も土地もぜんぜん違うところから発生してるのに、似たような話が出てくるんだろうねという話になりました。これは私も古事記を読んでて思ったんだけど、ギリシャ神話に出てくる話と同じような概念がけっこうあるんです。
美夜受比売はヘレネみたいなもんだし、弟橘比売命はアンドロメダみたいだし(アンドロメダは助かったけど)、雄略天皇はゼウスみたいにどうしようもない女好きだし、描かれてるキャラクターがことごとく重なるんですね。これはすごく不思議。やっぱり人間は遺伝子レベルで繋がってるってことでしょうかね。
ま、とにかく機会があったら『ヤマトタケル』、読んでみてください。基本的には古事記のヤマトタケルの解説ですが、なぜか梅原猛や鶴見俊輔、右翼の中村武彦や平泉澄のことも書いてあるし、あげく邦男さんと野村秋介氏のツーショット写真まで載ってます(笑)。野村氏めちゃくちゃカッコイイ。
……とか書くと、またshinyaさんをハラハラさせちゃうわけですね♪
行ってきました♪ | Posted by at 9 22, 2004 18:29 | Comments (1) | TrackBack (0)
『華氏911』
9月10日の夜に、六本木ヒルズの映画館で『華氏911』を観てきました。その日は前日からほとんど寝てないのに、朝9時から夕方6時までヒルズの某企業で研修、という寝不足+疲労という状況だったものの、9月11日の前日ということもあって急きょ観賞。
しかしヒルズの映画館ってすごいんですね。チケットを買うときに席を選べるので、一度チケットを買っちゃったら上映時間までフラフラできる。ビール、ワイン、シャンパンとかも売ってる。上映まで30分もあったため、童門冬二の『吉田松陰』(←オススメ!)をツマミにビールをぐいぐいいきました。映画が始まるまでにすでに2杯半を平らげていい気分。わりと空いてたので(そういえば外人率が高かった)、前の席のアームレストに足を引っ掛け、そっくり返りながらビールを飲み、映画観賞する女27歳(金曜夜6時半ですでに酔っぱらい)……そんな具合だったので、まあ感受性も豊かになっていて、笑うところは大いに笑い、ちょっとしたところでボロボロと涙を流し、途中10分ほど爆睡し(記憶がストンと抜け落ちてる)、かなり満喫してきました。
かんじんな内容ですが。きちんとエンターテインメントになっていたのに感心する。まあ途中多少ダレたけど。ドキュメンタリー映画、しかもテーマが重いということで、ドキュメンタリー番組をデカい画面で観てるだけ、という状況に陥りやすいだろうなと思っていたんだけど、あんまりそういうことはなかった。皮肉ったセリフと皮肉った音楽がテンポよく埋め込まれてるからでしょうか。オムニバスの短編諷刺映画を観てるカンジかな。しかしムーアは本当に地道に、自分の足で材料を探してルポルタージュしてる、記者のカガミみたいな人ですね。その労力と情熱は本当にすごいと思う。
特に(以下ネタバレ注意)、911が起こったちょうどそのとき、フロリダのとある小学校を訪問していたアメリカ合衆国大統領のところにスタッフが寄っていて「アメリカが攻撃を受けています」と耳打ちされたときのアメリカ合衆国大統領の表情。あれはもうなんというか、「あー、これが今のアメリカのトップに立ってる人間なんだ」と諦めにちかい気持ちで見るしかなかった。そのあと7分間(だったかな?)も、そのバカ面をさらしたまま『ペットの小羊ちゃん』という童話を生徒と読んでいたアメリカ合衆国大統領……。もうあの映像を手に入れたところでムーアは素晴らしい仕事をしたと思うんだけど、もっと驚いたのはそのビデオを映してた学校の教師のところへ、それまでに誰も、どのジャーナリストも訪れていないってことで。これはいったいどういうことでしょうか。
たぶん普通に好奇心のある人間だったら、911の瞬間、アメリカ合衆国大統領はどこで何してたんだろうと思うはずで、フロリダの小学校を訪問してたことくらい簡単にわかるわけ。そしたらテロ攻撃を受けている瞬間、アメリカ合衆国大統領が子供たちと本を読んでたのもたぶんすぐわかるだろうし、その光景をだれかビデオに撮ってるだろう、どんな様子だったか見てみたいなー、という発想は普通に出てくるんじゃないかと思う。ジャーナリストだったらなおさら。それをいままで誰もやってなかったっていうのが不思議でしょうがない。その教師はべつに圧力をかけられて、いままでビデオを隠していたわけでもないのに(だから言ってみればムーアは普通に好奇心と探究心のままに動いて、大ネタを掴んだんですね。ちくしょー、私が先に行っときゃよかった)。
アメリカのメディアも終わってるんですかね? まあFOXはとっくの昔に終わってると思いますが、他のメディアにはもっとがんばってほしいものです。自由とか独立とかを嫌味なくらい掲げてるアメリカ合衆国なんだからね。
あとはそうですね、戦争に常につきまとう悲しい話や、目を覆いたくなるくらい下劣で無知なアメリカの兵士のコメントとか、顔に“欲まみれだもんねっ!”って書いてあるんじゃないかコイツってくらい低能の上院議員とか、かなりツライものもいっぱい見ました。最後がアメリカ合衆国大統領の、すばらしい言葉で終わるところも最高! あー、なんかブルーになってきた。
私は戦争に関して、いまだによくわからないことが多い。実際に体験していないということが大きいわけだけど。それでも戦争というのは絶対にあってはいけないこと、してはいけないことだと思っていました。でもこないだ、某氏がふと呟いたことがすごく心に残っていまして。
「しなくてはいけない戦争もあると思います。だって、大事な家族を攻撃されたら、守るために戦うしかないでしょ」
たしかにそうだなと思う。だったら仕掛けなければいいってことで、特に今回のイラク攻撃なんて、大義名分は911だけれども、たしかな裏付けもなく起こっているのはもう明らかで(仕掛けた連中にとってはたしかな裏付けなんてむしろ迷惑なだけだし)。そのへんのところがよくわかる映画でした。
ようは“無知は罪 ”ってことなんだと思う。これはすべてに言えることですが。無知というのは本当に罪深く、「知らない、わかんない」ですむことってほとんどないんですよね。偉大なる哲学者が“無知の知”から始まると言ってましたが、本当にそうだと思う。考える前にまず自分は知らないということを知らないといけない。そして知ろうとしないといけない。この地球上で今いったい何が起こっているのか、とか。これまでにこの自分が生まれ育っている土地で何が起こってきたのか、とか。
……話がわりとカオスになってきたので(苦笑)このへんでやめますが。
ようするに賛否両論はあるだろうけど、この映画は観たほうがいいと思います。どこぞの誰かのように「政治的に偏っているから見たくない」と言って知ることを放棄するのは本当に愚かしいことだし、逆に「ムーア最高!」と手放しで絶賛することがファッションだと思ってる頭の悪そうなアーティストとかも本当に愚かしいと思う。
みずから知を欲し、そのために勉強し、自分の頭で考えて、自分のなかで消化することが大事だと思う。そのあとですよ、他者と議論できるのなんて。
ちーねま | Posted by at 9 13, 2004 0:27 | TrackBack (0)
鈴木邦男×鳥井守幸
昨日は高田馬場にて“大人のしゃべり場”ジャーナリスト・ウィーク、鈴木邦男×鳥井守幸トークバトル「週刊誌よ、元気出せ!」へ行ってきました。
……なんのこっちゃ? って話ですケド。
最近なぜか仲良くしていただいている(もとはと言えば、ウンチク王の松尾貴史さんに紹介されたんですが)、一水会顧問の鈴木邦男さんが月に一度、高田馬場で各界著名人(前科持ち多数)を呼んでオシャベリする、という企画があって、今月のゲストが元『サンデー毎日』編集長、現・日本ジャーナリスト専門学校校長の鳥井守幸さん。これは面白いことになりそうだから行かねば! ということで。
内容のほとんどはここに書けないんですが(笑)、たいへん楽しかった! 鳥井さんといえば有名なのが“イエスの方舟”事件。
まだ新興宗教というのが今ほど身近じゃなかった当時、“イエスの方舟”という千石剛賢が主催した宗教団体が世間で問題になっていたわけです。というのもこの宗教、なぜか若くてキレイな家出女性ばかりが集まってる(本当は22人のうち7人しか女性はいなかったけど)ということで、なんだか怪しいハーレム状態になってるんじゃないかと女性たちの家族が警察に届けを出したりしていたのです。実際のところはそういう事実はまったくなかったんだけど、とにかく悪の宗教みたいにメディアにも扱われていたなかで、鳥井さんが直感的に「それは違うんじゃないか?」と思って直接交渉を行い、極秘で『サンデー毎日』が彼らをかくまって独占取材をしたため、警察につかまった、という事件です。詳しくはこちら(ここにも書いてあるとおり、鳥井さんが編集長だった当時の編集部には鳥越俊太郎氏もいました)。
で、昨日はその詳しい話を全部してくれて、その直感はなんだったのかとか、ジャーナリズムのあり方や手法とか、そういう話を色々していたんですね。最初は邦男さんと鳥井さんの対談を聞くかたちで、最後はみんなで車座になってダラダラしゃべるカンジで。19時から始まって、延々23時まで。
非常に刺激的でした。まあ私はスポーツジャーナリズムしか知らないけど、現状はあきらかに低調で、雑誌を作ってもぜんぜん売れないし、八方塞がりな感が否めないわけで。自由度が高いイメージがあるWEB媒体にしても、競技ごとに報道規制が違ったりして(日本サッカー協会とJリーグでもWEB媒体に関する規制がぜんぜん違う)、実はものすごい閉鎖的な世界のなかでなんとかやりくりしている状況……ということで、いったいどうすればいいんだろうかと日々模索しているところに、昨日の鳥井さんの話はなんかとても可能性を秘めていました。んー、がんばろ!
にしても、インターネットがここまで普及していなかった時代のジャーナリズムの現場って面白かったんだろうなと思います。鳥井さんは「そういうわけでもないと思うよ。今だって面白くしようと思ったら、やり方はいくらでもあるわけだし。編集者たちに元気がないだけなんじゃないの?」なんて言ってましたが。たしかに鳥井さんは72歳と思えないくらい、よく喋ってよく笑う、元気いっぱいの人でした。
ちなみに昨日はそれだけでは終わらなくて、邦男さんに誘われるままに一水会の事務所にお邪魔してきました(笑)。ちょうどロシアで行われた世界愛国者会議から帰ってきたばかりの木村三浩代表がいて、色々とオシャベリする。吉田松陰のことを熱く語ったら「……なんでまたそこに興味を持ったの?」なんて苦笑していましたが、木村さんはとてもソフトな物腰の紳士でした……が、ホンモノでした。なんていうか、本気の大人のオーラがビリビリ出てて、「あー、この人本当に死ぬ気でやってるんだなあ」と思う。“一水会=右翼”と簡単に思われがちだけど、もっと複雑かつ本質的なことだということがわかりました。
にしても、こういったいろんなことをいろんな方向から考えてる、いろんな立場の大人に会って話を聞くのは本当に楽しい! すごい大人はいるところにはたくさんいるんだなと思います。近々、赤軍派元議長の塩見孝也さんにも会う予定♪
行ってきました♪ | Posted by at 9 9, 2004 17:43 | Comments (2) | TrackBack (0)
明日は舞踏会
えーと、わたくし、鹿島茂氏が大好きなんですけど、なかでも『明日は舞踏会』と『悪女入門 ファム・ファタル恋愛論』を生きるバイブルとしている淑女でありまして……こんなことを書いたらモテてしまいそうですが☆
今日はそんな私が敬愛する鹿島茂氏の著書『明日は舞踏会』から学んだ、革命前のフランス貴族の素晴らしき生態をご紹介したいと思います。非常に参考になりますので覚えておいて下さい。簡単に言うとフランス貴族最高! ものすごい合理的!
つまりこういうわけです。
1. 若く美しい貴族令嬢が年老いた資産家貴族と結婚。
2. 子供を作っちゃったら夫婦はまるで他人のように家庭内別居し、好き勝手な生活をする。夫婦が顔をあわせるのは朝ゴハン(といっても、貴族は朝に寝て昼過ぎに起きる生活)のときだけ。で、ゴハンのあと、ママンが身支度を整えて部屋で待機してると、裏階段から若くて美しいツバメくんがやってきてランデブー。
3. 年老いたパパンが死んでしまったら、その遺産がママンに転がり込み、ツバメくんたちを増殖していってウハウハ。
4. そのうちママンも年老いて、いちばんお気に入りのツバメくんに財産を譲渡して死亡。
5. そのツバメくんも気が付いたら年を取っていて、若くて美しい貴族令嬢を嫁にもらう。
6. 1に戻って延々ループ。
どうですか! この合理的なシステムは! なんというか、これを読んで私は目からウロコが落ちました。“金は天下のまわりもの”っていうんでしょうかね。ホントすごいと思う。おもわず「これだ!」と、本に折り目を入れてしまいました。日本もこういうシステムを作ればいいと思う。
ホストクラブなんて貧乏臭いこと言ってないで、舞踏会ですよ舞踏会。
乙女日記 | Posted by at 9 7, 2004 17:04 | TrackBack (0)
もう終わったけどオススメ選手inアテネ
本題の前に、simonさんがコメントして下さったように、私の最愛のジョカトーレであられます、ファビオ・カンナバーロさまがビアンコネッロ(イタリア語でビアンコは白、ネッロは黒、ようするにユヴェントス。というふうにカルチョではユニフォームの色でチームを呼ぶことが多いです。赤と黒のACミランはロッソネッロ、黒と青のインテルはネラッズーリなどなど)に正式に移籍しました。
カルチョメルカートが終了するギリギリのタイミングで、かなりハラハラしましたが、なんとか滑り込めたようで。というか、インテルなんかに行かないで、最初からユーヴェに行ってりゃよかったんですけどね。ともあれこれで私の世界最愛のトライアングル(ファビオ+ブッフォン+テュラム)が4シーズンぶりに復活。早くシーズン始まんないかなあとワクワクしています。
ということで写真は2002年ワールドカップ、イタリア×メキシコ@大分でのオーロラビジョンです。ちなみに私はこの試合(たしか19時からとかだった)、昼から別府で見知らぬメキシコ人サポーターたちとテキーラを痛飲していまして、ほぼ覚えていません。泥酔とかそういうレベルではなかったような。スタジアムまでの道のりとかぜんぜん記憶にないし。
で本題。
オリンピックが終わってしまって、かなりションボリしている日々ですが、以前書いたオススメ選手の後編です。ちょうどカルチョ話も出てきたのでね。
オススメ選手その2はサッカーのイタリア代表キャプテンだったアンドレア・ピルロ(25)。彼は本当に素晴らしいです。ちなみにオーバーエイジでの参加。
日本の予選敗退が決定した試合がまさに日本×イタリアだったんですが、あの試合でのアンドレアは渋いプレー満載でした。勝ったとはいえチームはわりと低調。そんななかでもボールを持っていないときのアンドレアは献身的なフリーランニングで地味にチームをフォローしていました。その前の試合はトップ下のわりと高い位置でプレーするように指示されていましたが、この試合はミランで普段やってるレジスタだったため、ものすごい安定したプレーで中盤の底にどっしりと構えていました。ステキです。
そんなアンドレアですが、私がなぜ好きかというと……“いつも眠たそうな顔をしている”からです。チームメートが得点しても「おーよくやったなー」と遠巻きに眠たそうに眺め(※いちおうチームキャプテンです)、両チームの選手がエキサイトして掴みあってるときも眠たそうに我関せず(※いちおうチームキャプテンです)。試合終了で両チームの選手たちがユニフォームを交換し、健闘を称えあってるのを尻目に眠たそうにさっさと退場(※いちおうチームキャプテンです)。
……すばらしい!
今回は特にオーバーエイジということでチームに馴染めてない様子で、ジラルディーノにいたっては「ピルロのことはよく知らない」とあっさりコメントしていました。でも本人は「キャプテンとしてメダルを持ってイタリアに帰りたい」とか、めずらしくやる気まんまんで臨んだオリンピック。イタリアは残念ながら銅メダルでした。
アンドレアだけで言うと、ベストゲームは準々決勝のマリ戦だと思います。延長後半残り5分くらいでアンドレアからの素晴らしいクロスをボボが押し込んだ試合。この試合のアンドレアは再びトップ下を任されていましたが、んもう絶好のタイミングでスルーやクロスをバシバシ放ってて(もちろん目はうつろ)、本当に素晴らしかった。
前日にイラクでイタリア人の人質が殺されたため、すごい微妙な雰囲気で迎えた3位決定戦、イタリア×イラクでのアンドレア。……こんな恐い顔しなくてもいいのに。これでも25歳です♪
ということで長くなりましたが(ピルロに関してはまだまだ書きたいことが山ほどあるんですが、某メディアで延々と書いたので自粛)、オリンピックの注目選手を挙げてみました♪ 終わったけど!
すぽると | Posted by at 9 1, 2004 17:00 | TrackBack (0)