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エロール・モリス監督 『フォッグ・オブ・ウォー』

 某所に掲載予定の文章です。長いので別ページにアップ。

 「我々は過去の過ちを繰り返す運命にあるのか? エロール・モリスが『フォッグ・オブ・ウォー』で問いかけたものとは。 」

 本当は憂国記みたいのを書く予定だったんだけど、なぜか映画批評になりました(苦笑)。6000字越え、しかもネタバレ満載なので要注意です。興味のある方は読んでいただけると幸いです。

 ここで書いたことにちょっと関係して、ジャーナリストの綿井健陽さんのブログ最新記事『「戦争」への形容詞』をリンクしときます。こちらは必読。

ちーねま | Posted by at 6 21, 2005 16:12 | TrackBack (0)

備忘録 050609

 毎日がものすごい勢いで過ぎていくため、ゆっくり考えごとができなかったり、あとで考えようと思っていたことをすっかり忘れてしまったり、おまけに超絶鬱期に突入してしまったり(なんとか脱出できたつもり)していて、いったん脳内を整理しないといけないなと思いました。つまらない箇条書きが続くと思うので、「あー、また気持ち悪いことを言ってるなあ」程度に寛大な心で流し読みしていただければ幸いです(苦笑)。


・憲法9条について。ジャン・ユンカーマン監督『日本国憲法』の話を一水会代表の木村三浩さんとしていて、「9条は日本が世界に誇れる憲法で、世界からもものすごい評価されていると言うけれど、それはある意味で思考操作をされているんだと思う。平和というのは相対的なものじゃないといけないんじゃないか」と言われました。ようするに日本だけが9条を遂行していても、まわりの国が軍事武装をしていたらなんの意味もない。本当の意味で日本の9条を評価しているんだったら、自分の国にも9条を作ろうとするはずだ。それをやらないで日本の9条は素晴らしいと言ってるのはオカシイ。ということなんですが、たしかにそれはそうだなと思いました。“平和というのは相対的なものじゃないといけない”という言葉が印象的だった。

・植垣康博さん(元連合赤軍兵士であさま山荘事件から生還した人。27年の獄中生活を終えて、いまは静岡でスナックを経営)と中村うさぎさんの話を聞いてきました。私は植垣さんが言う“兵士”という概念がまったく理解できず(うさぎさんも同じく理解できなかった模様で、「ちょっと下の私たちの世代は個人主義に走ったから~」というお話をしていた)、総括される側も総括する側も本格的なマゾだったとしか思えないんだけど、そこのところは結局わからず。植垣さんにはもうちょっと本音トークしてほしかった。中村うさぎさん独自の連合赤軍の解釈は面白い。ようするに永田洋子(革命左派)と遠山美枝子(赤軍派)の戦いだったんじゃないか、という考え。ひいては“母性の革命左派”と“父性の赤軍派”が連合しようとして、やっぱり無理だったためにああいった事件が起こってしまったんじゃないか、ということでした。これについてはもっと勉強して具体的に書きたいな。

・先日インタビューした綿井健陽さんの記事がアップされました。明日アップ予定の後編は、いい内容だと思います。よかったら読んでみてください。綿井さんの映画『Little Birds -イラク 戦火の家族たち-』は現在アップリンクで上映中。これも必見。私は16日にもう一度観に行こうかなと思っています(森達也さんがゲストのトークショーあり)。

・そういえば日本代表がドイツへの切符を手にしましたね。正直、アジア枠が(39カ国のうち)4.5っていうのはどうかと思います。2.5とかで全然イイのになあ。まあ経済効果等のこともあって、FIFAは日本にどうしても予選通過してほしいっていうのはわかるんだけど、ここまであからさまに(第三国試合の経緯とかを見てもあきらかですね)出来レースみたいにされると喜びも半減……どころか、なんか世間の興奮ぶりを横目で見つつ、自分との温度差に萎えてしまいます。こういうのをアマノジャクっていうんですかね? はぁ……落ち込むなあ。スポーツメディアに属してる身なのに、ぜんぜん乗りきれない。ちなみに各地区の枠は以下のとおりです。非常にわかりやすいというかなんというか……。

   欧   州:(51→)13+開催国ドイツ
   南   米:(10→)4.5
   アフリカ :(51→)5
   アジア  :(39→)4.5
   オセアニア:(12→)0.5
   中南米カリブ海:(34→)3.5

・先日、友人に紹介されて、第47回群像新人文学賞優秀作を受賞した佐藤憲胤氏に会いました。ひとつ年下の佐藤さんはとても落ち着いたカンジの青年で、少しだけ文学談義をしたんだけど楽しかった。哲学もよく勉強されていて、学ぶところが多い。そんな佐藤憲胤氏の著書『サージウスの死神』を読みました。これは一気に読むものですね。物語の流れが驚くほど滑らか、かつ速度があって、終盤の混沌とした描写は夢野久作の疾走感みたいだった。ひとつ印象的だったのは「他者と会話をすることが極上のギャンブルだ」(うろ覚えですが、だいたいそんな内容)という描写で、この感覚はすごく新鮮だなあと思うと同時に、よく考えてみたら私もそれは日々痛感してることだったなと。とにかくオススメです。

・議論の場でよく目にする“インテリの選民意識”みたいのは本当に滑稽で幼稚だと思う。前にも書いたような気がするけど、選民意識を持ってしまった段階でもう成長はないと思います。

・澁澤竜彦『快楽主義の哲学』がもう本当に面白くて笑ってしまいます。

乙女日記 | Posted by at 6 9, 2005 18:29 | Comments (2) | TrackBack (0)