田原総一朗×花田紀凱×矢崎泰久

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 ちょっと前の話になってしまうんですが、9月8日に“月刊「創」プレゼンツ「メディア・市民・国家」”というイベントへ行ってきました。場所は新宿ロフトプラスワン。このイベントは1部と2部があって、↓のような題材とメンツでした。

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第1部(雑誌論)
【出演】田原総一朗(ジャーナリスト/『オフレコ!』責任編集長)、花田紀凱(『WiLL』編集長)、矢崎泰久(『話の特集』元編集長)

第2部(メディア論)
【出演】森達也(映画監督・作家)、鈴木邦男(一水会顧問)、斎藤貴男(ジャーナリスト)

【総合司会】篠田博之(『創』編集長)
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 第2部に関してはまあいつものメンツでいつものとおり。前日に作家の見沢知廉さんが飛び降り自殺で亡くなってしまい(見沢さんといったら一水会にいるときにやってしまったスパイ粛清事件ということで)、しばらく鈴木さんを中心に見沢さんのことを色々とお話しました。
 本当に惜しい人を亡くしてしまった。見沢さんの著書『天皇ごっこ』や『囚人狂時代』は文学として精度が高くて私も大好きなんですが、『調律の帝国』で三島由紀夫賞を逃してから、どうやら精神的にもしんどかったそうです。見沢さんがペンネームの名字を“見沢”にしたのは、自分の書いた本が本屋に並んだ時、隣に“三島由紀夫”がくるためだったそうで。彼の三島由紀夫に対する情熱は計り知れない。10月3日に新宿ロフトプラスワンで追悼会を大々的にやります。

 第1部のメンツは新鮮でした。矢崎さんはロフトプラスワンのヌシみたいなものなので(笑)見慣れてるんですが、田原さんと花田さんはメディア界の人間にとっては雲の上の存在。かなり期待して行きました。会場も超満員。このイベントのブッキングは衆議院解散の前に行われていたらしく、まさかこんな絶妙なタイミング(この週末が衆議院の総選挙でした)で田原さんの話が聞けるなんて!
 とはいえ、トークショーはほとんど“田原さんに嫉妬する矢崎さん”で終始してしまったのが残念。70歳を過ぎて創刊した『オフレコ!』を田原さんが宣伝し、それに対して矢崎さんがイチャモンをつける、それを隣で花田さんがフフフンと笑っているっていう状況で……んー、もうちょっとなんとかしてほしかった。

 いくつか印象に残ったことを。

 もう選挙から2週間ちかく経つし、キョーレツなメディア戦略(というか、まるでバラエティ番組のようだったけど)で圧勝した自民党に唖然としすぎて各党のマニフェストなんてみなさん忘れてしまったかもしれませんが、“郵政民営化”(による“小さな政府”)をひたすらド派手に叫ぶ自民党のマニフェストに比べて、民主党のマニフェストは年金一元化や子ども手当てなどの一見地味な政策を“8つの約束”として提案するものでした。これを田原さんは「守りのマニフェストになってしまった」と言ってました。これはたしかにそうだなと。
 よくよく読んでみると別に守り体勢ではないんだけど、テレビではマニフェストをいちいち細かく取り上げることなんてしないわけで、そうすると岡田代表が党首討論なんかで言っていた「消費税率を3%あげる」(これはマニフェストに書かれていません。そのことについて「なんでマニフェストに書かないんだ」と指摘された時に「これだけ私がいろんなところで明言してるんだから、マニフェストに書いたも同然じゃないですか」と言っていた岡田代表には失望しました)というイメージだけが印象付けられて、守りどころか逆にマイナスになってしまいました。
 今後、このマニフェスト(と、それに連動するメディア露出)というものをいかに操縦できるかが選挙では重要だということを、民主党は思い知らされたんじゃないかと思います。

 もうひとつは「現実と理念」という話。各党がかかげる外交政策(おもに戦争に関するもの)について、靖国参拝賛成・反対、改憲・護憲、集団的自衛権の是・非などなど、問題に対する解決策を二項化する傾向にあるけど(それは論壇も同様)、実際には現実と理念の微妙なバランスがあるわけで。憲法9条が良い例で、もちろん理念としては非武装、しかし実際には最低限、個別的自衛権は必要。という話になってくると、解決策を二項化することに無理がある、ということでした。これはまったくもってそのとおりで、論壇でいつも壁にぶちあたるポイントなんですね。んー、難しい。

 以上、イベントレポでした。また長くなっちゃった。

行ってきました♪ | Posted by at 9 22, 2005 19:44 | TrackBack (0)

鈴木邦男×松尾貴史×斉藤貴男

 8月10日は新宿ロフトプラスワンで行われた“ここが変だよニッポン──過敏と過剰の間で──ところ変われば愛国無罪、愛国有罪!? 監視カメラと盗撮の違いって?”というイベントに行ってきました。このシリーズはいままでは“幻想まっしぐら”というタイトルで鈴木さん、松尾さん、そして「史的唯幻論」の心理学者・岸田秀さんが勝手気ままに喋るイベントだったんだけど、今回は岸田さんにかわってジャーナリストの斉藤さんが参加。

 内容はまあだいたい『言論統制列島 日本の右翼と左翼』(にしても、この表紙はいつ見ても傑作)に書いてあるようなことと同じでした。国家やメディアを疑いましょう、現在この国はかなりヤバイところまできていますよっていうことで(笑)。ちょうど郵政民営化法案否決→解散総選挙というご時世なので、そのへんのことも喋りつつ。

 具体例でも。

 これは私も気になってて(というか爆笑した)、まわりの友人たちには「見て見て、面白いよねー」と言ってたことなんですけど、斉藤さんもやはり「とんでもない!」と思ったそうで。
 自民党のホームページをなんとなく見ていて、憲法調査会の議事録が読めるページがあったんですね。それ自体はとてもいいことだと思い、「自民党もなかなかやるなあ」と感心していたら……こんなの(第9回会合「議題:国民の権利及び義務について」)見つけました。「国民の権利および義務について」という、直接私たちの生活に関わってくることなのでフムフムと読んでいたところ、驚愕することが書いてありました。以下、伊藤信太郎衆議院議員の発言より抜粋。

 『(略)それから自由という点について申し上げれば、大きく分ければ何々「から」の自由と、何々「へ」の自由があると思う。エーリッヒ・フロム(主著「自由からの逃走」)ではないが、多くの国民は自由を求めているようでいながら、実は自由から逃れたいと密かに思っている。この国の国民はこういうふうにものを考えれば幸せになれるんですよということをおおまかな国のなかで規定してほしいというのは、潜在的にマジョリティーの国民が持っている願望ではないか

 ……え? ……はい? んーと……この人真顔で言ってるんですか? もしくは何かの宗教ですか?

 見ず知らずのどこぞの世襲政治家に、私の幸せを勝手に規定してもらったら困るんですけど。そんな願望は私にはこれっぽちもないし、余計なお世話ですと本人に直接言って差し上げたいんですけど。まわりの友人たちに聞いても「うん、迷惑♪」と言っていて、“潜在的にマジョリティーの国民が持ってる願望”とは到底思えないんですけど。いやー、この発言には本当に驚愕しました。舐められたもんですね私たち国民は。
 で、こういう政治家たちが新しい日本国憲法を作ろうと思っているんですよ。これはもうヤバイですよね。それだったらまだ今の憲法でいいと思います。私は別に護憲論者でもなんでもないし(そもそもすでに今の憲法だって実質的には破られてるわけだし)、信頼のおける人間が新しい憲法を作ってくれるんだったら別に全然オッケーなんですけど、今のこの政治家たちには任せられないなあと。

 他にもたくさん書きたい議論はありますが(なにしろ19時半から始まって23時まで続いたので)、長くなるのでやめときます。最後に松尾さんが言った言葉が印象的でした。「猜疑じゃなくて懐疑しろ」
 日々生活していくのに大変な私たちだけど、いま本当にこの国はキケンな状態になっているので危機感を持って下さい。そんなの関係ない、国民ひとりが考えたってしょうがない、ではもうダメな段階にきているわけで。無責任でその日暮らしの快楽主義者、偽善が大嫌いで性悪説を信じ、ものぐさ、面倒臭がり、飢餓はある意味人類の淘汰だからしょうがない、むしろ他人なんてどうでもいいと思っているこの私(苦笑)が結構焦ってるっていうのは深刻だと思います。


-------------------------以下余談。

 イベント後、楽屋にお邪魔して色々とオシャベリしました。斉藤さんがトークショー中に沖縄県の離島、下地島のことを少し喋っていたんだけど、私も『だれも沖縄を知らない』でこの島のことを読んでいて気になっていたので、斉藤さんとその話で盛りあがる。

 下地島というのは、日本航空や全日空などの航空会社共同の訓練場が造られた島で、島の西側にジェット機が離発着する訓練飛行場があるわけです。しかしながら、最近ではコストダウンをはかった航空会社が訓練を内地でのコンピューターシュミレーションに切り替えたことによって、この訓練飛行場の利用頻度が急激に落ちてしまったんですね。
 もともと訓練飛行場を造るのを反対していた住民たちに、航空会社は「飛行場ができると島も活気付いて、観光業も発達する」とかなんとか、都合よく口説き落として無理やり造ったんですが。
 で、現在どうなっているかというと、最初は米軍の訓練基地にしようかという話があり、反対されて断念。いまは自衛隊の訓練基地にしようと行政が動いているという最悪な状況なわけで。でもこのことは全然知られていないんですね、特に内地では。

 それをふまえて、「沖縄問題は深刻だ」という話を斉藤さんと色々しました。斉藤さんも最近沖縄に行って、ヘリが落ちた沖縄国際大学(この抗議の様子も内地のテレビではほとんど報道されていなかったけど)やら、辺野古(普天間基地を辺野に移動する計画が現在すすめられています。ここも見てみて下さい)やら、色々見てきて衝撃を受けたそうで。
 「でもね、沖縄の問題について、内地の人間はやっぱりすごく後ろめたい気持ちがあって。僕もいつもいろんなことに対して言いたい放題言ってるけど、沖縄のことに関しては今までなんか言えなかったんだよね……すごく後ろめたくて。でもそれじゃあダメだなと思ったんだ」と言っていました。で、「沖縄問題は他人事と思わず、まず知ることが大事だ」という結論で、斉藤さんが野村浩也さんの『無意識の植民地主義』を読んでみるといいよと教えてくれたので、私も『だれも沖縄を知らない』をオススメしておきました。

行ってきました♪ | Posted by at 8 12, 2005 17:59 | TrackBack (2)

綿井健陽×広河隆一×高遠菜穂子

 8月2日文京シビックホールにて行われた、綿井健陽さんの映画『Little Birds イラク戦火の家族たち』上映会+綿井さん、広河隆一さん(「DAYS JAPAN」編集長)、高遠菜穂子さん(イラク支援ボランティア)のトークショーに行ってきました。

 映画に関しては触れません。ここでも何度か書いた(かな?)んですが、実際に自分の目で見てください。2003年3月から1年間、イラクではなにが起きていたのか。戦争に加担した国の国民である以上、目を背けずに見る責任があると思います。私は劇場で1度、上映会で2度観たんだけど、何度観ても色々と考えさせられます。これだけいろんなものを104分の映像の中に詰め込んだ綿井さんは、めちゃくちゃ欲張りな人だなあと(本人に言ったら笑ってましたけど)。

 上映会のあとのトークショーでは綿井さんの司会進行で、私の大好きな(と書くと語弊があるけど)雑誌「DAYS JAPAN」の編集長・広河氏とご存知イラク支援ボランティアの高遠さんが色々とお話をしてくれました。会場の関係上、1時間ちょっとしかできなかったのが残念。そのため質疑応答もナシ。もうちょっと考えてほしかったです。
 とはいえ、この日は貴重なフィルムを見せてもらえました。ちょうどこの日の午後に綿井さんはサマワから帰ってきたのです。まわりにも行くことをナイショにして、1週間ほどサマワに滞在していたんですね。で、現在のサマワの状況を解説を加えてフィルムで見せてもらえました。詳しい内容は綿井さんのブログの「サマワ発」シリーズで読んでみてください。あと、来週あたりくらいからニュース23とかで放送すると思います。といっても、綿井さんが帰ってきた後もサマワの状況は刻々と変わっているわけで、ちょっとニュースを見てみても……

 ・「陸自報じるな」と脅迫状 サマワ地元メディアに (8日22時5分)
 ・イラク各地で30人以上死亡、サマワでも騒乱で1人死亡 (8日8時47分)
 ・知事とサドル派「停戦」 サマワ、夜間も攻撃続く (8日8時35分)
 ・反知事デモ暴徒化、警察発砲=55人死傷、外出禁止発令-陸自活動影響も・サマワ (7日17時1分)
 ・「解任は無効」と知事に反発=サマワの警察本部長-「治安に影響も」 (3日17時1分)

 あきらかに悪化の一途をたどっています。これがいったいどういうことを示しているか、派兵している側の人間はちょっとだけでもいいから考えないといけないんじゃないかなあと思いました。

 で、トークショーでは特に広河氏の発言がとても印象的だったんですが(高遠さんはあまり発言の機会がなかった。これも残念)、いちばん心に残ったのは、DAYS JAPAN創刊号のこの写真について、目を背けたくなるものだけど……というくだりで(この表紙の写真は題字タイトルで女の子の足下を隠しているけど、ページをめくったら壮絶な全貌が見えます)「戦争に加担した国の国民には、撮られているものに対して目を背けていい権利はなくて、見なくてはいけない義務がある」と言っていたことでした。これは本当に衝撃的な言葉だった。
 ジャーナリズムに関しての議論も出ました。これだけ戦争の悲惨な写真や映像がメディアに溢れていて、本来ならばその写真や映像は人々に「戦争は絶対にやってはいけない」という抑止力になるべきものが、人間の感覚が慣れで麻痺してしまっていないか、という話。それに対して広河氏は、本当のジャーナリスト、ジャーナリズムは絶対にあるわけで、それがマイノリティであろうが決してなくなることはない、だから自分たちにできることをひたすらやっていくのみだ、という意見でした。そのとおりだと思います。あとはそれを受け取る側の判断だと思います。こちらも非常に深刻ですが……。

行ってきました♪ | Posted by at 8 12, 2005 16:53 | TrackBack (0)

鈴木邦男×大塚英志

 続き。


 鈴木邦男×大塚英志トークショーは新右翼VS左翼、ということで面白いことになりそうだなと思っていたんですが……とにかく大塚氏がものすごい早口で、鈴木さんが口を挟むスキをまったく与えない怒涛の喋りっぷりだったので、特に前半はまったく議論にならず……残念。大塚氏は『サイコ』や『木島日記』等でいまやすっかり若者のあいだでも人気のオタク、サブカル系の人っていう認識だったんですが、本当はこっちの左翼思想的なことを語るほうが本職? 本筋? な人なんですかね。かなり熱いうえに、見た目も暑苦しい(苦笑)。先述したとおり、のっけから護憲論や天皇制廃止について機関銃のように喋っていらっしゃいました。最初の10分くらいまではすごく面白かった。言うこと全部が的を得てるし、合理的な考え方だし、「なるほど、そういう考え方もあるのか!」と思うことも多い。しかしながら、話すスピードに慣れてくると(あと鈴木さんの絶妙な切り替えしによって)、わりとツッコミどころ満載な持論だっていうことと、言ってる内容が延々とループしてることに気付いてしまって、30分をすぎたところで食傷気味でした。

 大塚氏は護憲論者なんですが、それについて実際に行動を起こした(?)企画本みたいのを出しているんですね。『私たちが書く憲法前文』『読む。書く。護る。―「憲法前文」のつくり方』『「私」であるための憲法前文』の3冊なんですが。これは何かっていうと、一般市民(小中高生、サラリーマン、主婦等々)に日本国憲法の前文を書かせているんです。「改憲や護憲と言ってるけど、まず国民それぞれが憲法について考えなければいけない。そのためには最低でも自分なりに日本国憲法前文を書けるくらいの国語力が必要で、それすらできない、もしくはやろうとしないバカ(←本人の言葉ママ)が改憲だの護憲だの論じるのはおかしい話だ。そんなバカな政治家たちを選出した国民にも責任があるし、前文が書けないくらいレベルの低い人間が多すぎる。だったらそんなバカばっかりのいまの時代で、憲法を改正することは何の意味も持たない。むしろ悲惨な結果になるのは目に見えている。よって護憲」という考えだそうで。「そこまでバカバカ言わなくてもいいんじゃないのぉ~?」とは思いますが、彼の言いたいこともなんとなくわかるような気もします。ただ、ちょっと彼の“インテリ選民意識”は鼻につきました(笑)。ちょっとアメリカ人っぽい発想なので大きい声で主張するのはイヤなんですが、「あきらかにデブで汚らしいオタク丸出しの、セルフプロデュースができない人間が色々言ってもあまり説得力がないなぁ~」みたいな。
 ちなみに鈴木さんは「“前文を書いてみよう!”っていうところで大塚さんは改憲派なのかな? って思ったんだけど、そういうことだったんですよね。で、僕が思ったのは(大塚氏がその前にさんざん「前文を一般市民に書かせてみたら、けっこういいものがたくさんあった」と言っていたのをふまえて)この一般市民が書いた前文は、なんだか全部いまの日本国憲法前文に引きずられてる気がするんですよねえ。面白いのがない。だからいまの前文のままでいいじゃんってことを護憲派の大塚さんはこの本で証明してるんだとアマノジャクな読み方をしたんだけど……違ったんですね(笑)」と、おもいっきり皮肉ってました。

 天皇制廃止については「なにも天皇を引きずり落とそうとかじゃなくて、憲法で天皇制を言及することをやめればいい。ようするに8条までは必要がない。天皇家はそのまま代々続いていけばいいし、古来からの歴史的な伝統としての位置づけでいいんじゃないか。国政に関わるということに反対なだけ。というのも、天皇制が憲法で言及されていることによって、政治家も国民もそこにすがってしまっている。具体的には国民が“小泉はバカで嫌いだけど、今上天皇は嫌いじゃない。むしろ好感を持てる”と思うことで、その意識があるせいで政治家はどんどんダメになっていくし、国民も“まあ首相はダメでも天皇いるし”みたいな感覚で政治家に対して諦めている部分がある。“首相=国の代表”という意識、つまり首相がいちばんトップという意識にならないかぎり、このままダメな政治家たちが増え続けていくだろうから、そういった意味で天皇制を廃止すべき」とのこと。これは私もまったくもって同感でした。本当にそのとおりだと思った。この感覚と発想はとても大事だし、日本人の国民性をよく捉えているなあと感心しました。


 長文おわり。

行ってきました♪ | Posted by at 5 13, 2005 16:38 | Comments (2) | TrackBack (0)

松尾貴史×斎藤貴男

 5月6日から11日まで、THE NEWSPAPERという時事風刺コント集団(?)の第67回“TRICKY LIVE”が下北沢の本多劇場で行われました。ライヴ本編の前にトークショーなどもあったので、私は初日(松尾貴史×斎藤貴男トークショー)と千秋楽(鈴木邦男×大塚英志トークショー)を見てきました。

 時間が経ってしまったのでうろ覚えですが、気になった点を2回にわけて書いてみようかと。

 松尾貴史×斎藤貴男トークショーはおもに憲法改正について。斎藤さんはご存知のとおり『安心のファシズム―支配されたがる人びと』『機会不平等』をはじめとして、身近な問題を通して日本社会を考える興味深い著書をたくさん執筆されている方。トークショーは議論というよりは松尾さんが斎藤さんに色々と質問する形で、とてもわかりやすかったです。

 4月1日から東京都が迷惑防止条例を一部改正したことなどを例に挙げながら、“ここまで管理されるのはおかしいんじゃないか”とかいった話になり(斎藤さんいわく「僕は恐らく日本でいちばん携帯電話がキライな人間だと思うんだけど、公共の場で携帯電話を使うことについて規制する条例を作るなんておかしい。他人に迷惑をかけるなんて個人の常識で判断できるはず」)、ここまで国や地方自治体があれこれと人間の行動を規制してしまうと管理国家になってしまうわけで、もっと言うとかつての軍国主義体制に逆行してしまうおそれがある、とのこと。そういえば、たしかにそうだなと思いました。

 電車の中で携帯電話で話したり、ヘッドフォンからものすごい音漏れしてたり云々はたしかに本当に迷惑で、これを規制するという話が挙がったときは「そうそう、そんな迷惑な人間は罰してしまえ!」と思ったんだけど、よくよく考えるとこれは“罰する”とか以前の問題なんですね。人間としてのモラルの話で、当たり前のことである。ということを忘れてしまうほど、いってみればいまの日本の社会にはモラルを欠いてる人間が多いんですけど……規制をたくさん作ることで、「規制されなきゃやっていいだろ」という本当に幼稚で低俗なレベルにモラルが位置づけされてしまうことについての危機感と、“規制で管理される”ということの本当の意味と恐ろしさを再認識しなくちゃいけないなと思いました。

 もうひとつ、松尾さんが言ってた「いまの日本国憲法は、国民に対して“~しちゃダメですよ”って書いてる項目がほぼなくて、国政に対して規制していることばかりだから、とてもいいんじゃないか」というのが印象的でした。たしかにそうだなあと。で、斎藤さんいわく現在与野党で検討されてる改正案を見ると、どちらも国民への規制がソフトに(←ここポイント)書かれているそうです。でももし憲法改正について国民投票をすることになったら、もちろん一条ごとに賛否をとるなんていう面倒なことはできるわけがなくて、「あなたは憲法改正に賛成ですか? 反対ですか?」という投票の仕方だろうから、ズラズラと難しい言葉で条例が書かれている改正案(と現在の日本国憲法)なんて国民はじっくり読むわけがなくて、「別に変えてもいいんじゃないの?」レベルのメンタリティで投票がなされてしまうだろう、と斎藤さんも松尾さんも懸念していました。たしかに。これはもう国民ひとりひとりが勉強するしかないのかなあと思いますが……無理ですよね。少なくとも前文から40条までは熟読しておかないといけないとは思います。

行ってきました♪ | Posted by at 5 13, 2005 16:36 | TrackBack (1)

塩見塾、テーマは『武士道』

 昨日は“元赤軍派議長の巨頭が闘争の時代と獄中の20余年を語りながら、今を生きる老若男女と未来を模索する「大人の私塾」”と題して先月から始まった「塩見(孝也)塾」に遊びに行きました。塾長が塩見孝也氏(赤軍派元議長)、司会進行役に鈴木邦男氏(一水会顧問)、ゲストが堀辺正史氏(骨法創始師範)、第二回目となる今回のテーマは“武士道”。会場は超満員。私は1時間遅れで参加。
 前回のこの「塩見塾」は“ブルテン”とかの左翼用語ばかりでわかんなかったんだけど、今回はテーマがテーマだけに、すごくよくわかったし、すごく面白かったし、すごく大事な議論がされていました。左(塩見さん)も右(堀辺さん、鈴木さん)もけっきょくのところ、人民のために国を良くしたいと本気で考えている部分では同じだなと。

 以下、興味深かった議論を箇条書き。メモを取れなかったので、お粗末なテキストでスイマセン。

・ナショナリズムというのは必ず最後には暴走し、民族を傲慢にさせる。東アジアのなかでそれを身を持って知ったのは日本のみで、“いままでに他国に侵略されたことがない”という慢心から「日本がアジアの代表になったる!」→「日本が世界の代表になったる!」という傲慢を生んだ結果、大東亜戦争(太平洋戦争)を引き起こして日本は敗戦、無条件降伏した。

・いってみれば今の中国と韓国の過剰な反日感情およびナショナリズム、愛国主義(私は国粋主義だと思うけど)はこれと同じ構造で、中国も韓国も「アジアの代表になったる!」の方向へ進み始めている。こうなると行き着くところは明快で、なんでもう60年も前に日本が身を持って証明したことと同じことを繰り返そうとしているのか。冷静な態度で中国や韓国に教えてあげるべき。

・日本の民族性とは「歴史の上に歴史を重ねることができる」ところだと思う。つまり、いままであったものを根底からすべて壊して新しい文化や支配や社会構造を作り上げるのではなく、すでにあるものに重ねていく民族性。これは世界の他のどの国を見渡しても例がない日本独自の傾向で、おそらく海に囲まれているということから本当の意味での侵略をされていないことが要因となっているだろう。また、ヨーロッパが「いままであったものを根底からすべて壊して新しく作る」のは、石の建築でできた文化ということも要因のひとつと言えるのではないか。

・右翼が左翼から学ぶべきことは、資本主義社会が人民にとって本当の意味では良くないという認識の仕方。資本主義を疑ってかかる姿勢(方法)。つまりマルクス主義、これが左翼思想のなかでいちばん大事。

・竹島は幕府の時代から日本のもので、あの近辺でとれるアワビだかウニだか(失念しました)が季節モノとして将軍の食卓に上がっていたというのは記録にすら残されているのに、なんで韓国人はそういう歴史検証をしないんだろうか。でもまあ欲しけりゃあげちゃえばいいのに。もともとは日本のモノというのは誰の目からもあきらかなので、100年くらい「本当はうちのなんだよねー」と言い続けて、(成長してその事実に気付いた)韓国を世界の恥さらしにしちゃえばいい(笑)。そういう意味での“太っ腹”で“キモがすわっている”“寛大な”指導者がいま世界中探してもどこにもいない。蒋介石だって毛沢東だって「日本政府は罪だらけだけど、人民には罪はない」という考えから、自国民からブーイングを浴びても日本国民に対してはものすごい寛大な処置をしたわけで、あれくらい太っ腹の指導者がいないとダメだ。もっというと、それこそが「武士道」である。

・で、さんざん韓国の恥(もともと日本のモノだという世界の常識を知らずに「返せ返せ」と要求したことに対しての恥ですね)をさらしてから返してもらう(笑)。

・明治維新以後、西郷隆盛を筆頭に日本、中国、朝鮮半島が協力していくべきだと尽力する人々がいたが、大久保利通たち明治政府がそれを阻止したということが近代日本の歴史のなかでもっとも後悔すべき誤りだった。けっきょくそれが日本の傲慢を産むことになった。

・ようするにいちばん大事なのは史実を正確に学ぶことである。

 他にもたくさん興味深い議論になってたんだけど、すでに忘れてしまいました。ひとつだけ理解が出来なかったのは「武士道とキリスト教は似ている」ということ。このことに関しては私はあまりピンときませんでした。両方いちおう勉強したけど……そうかなあ? と思いました。
 ということで今回の「塩見塾」はかなり白熱したし、かなり面白かったです。次回は(なぜか)縄文時代とかの話になりそうなんですが……まだ詳細は未定らしいです。


 この話と関係ないようで関係あるんですが、今回の東アジアの問題について、脳科学者の茂木健一郎さんがこんなことを書いていました。以下、「骨太のセレンディピティ」より部分抜粋(茂木さんスイマセン!)。※セレンディピティ=serendipity:思わぬ発見をする特異な才能

 やはり、みな、近隣諸国とのことが気になるのだろう。
 たとえ、隣人に違和感を抱いたとしても、彼らとのいきかいを創造性のきっかけにしたい。

 自分と異質なもの、やっかいなもの、そのようなものこそを鏡としたい。
 共感や一体感も重要だが、違和感や反発も同じくらい重要だ。
 世の中にはいろいろな人がいるが、そのいろいろな人はきっと意味があって、この世界に、そして自分の前に現れた、と考えることが骨太のセレンディピティであろう。

 いろんな議論と向き合って自分なりに思考するのも大事けど、その合間にこういう感覚をフッと注入することは非常に大事だと思いました。茂木さんがここで言う“骨太のセレンディピティ”というのと、意味や内容はぜんぜん違えど、塩見さんたちが言ってた“太っ腹=武士道”はなにか通じるものがあるんだろうなと感じました。

 以上、毎度ながら長くなってスイマセン……。

行ってきました♪ | Posted by at 4 20, 2005 19:10 | TrackBack (0)

鈴木邦男×朝倉喬司“日本の自殺”

 昨日は鈴木邦男氏がノンフィクション作家の朝倉喬司氏を迎え、日本の自殺について語るというイベントに行ってきました。現在、朝倉氏は日本の自殺(ただし80年代まで)についての本を執筆されているのでそれもちょっと紹介しつつ、という内容。

 以下、長文注意です。

 このトークライブを聞きに行くにあたって、あらかじめ鈴木氏に「なんか読んでおいたほうがいい本ありますか?」と聞いていたんですね。そうしたら高橋たか子『誘惑者』(講談社文芸文庫)保阪正康『死なう団事件 軍国主義下のカルト教団』(角川文庫)を読んでおきなさい、とのことで。
 この『誘惑者』がかなり良かったんですね。久々にいい小説を読みました。なんだろうかこの感覚……すごく共感できるのです。人間(特に女性)のなかにある黒く渦巻く闇みたいなものをかなり正確に描写していて、その曖昧な感覚が的確で驚きました。オススメ。

 で、この『誘惑者』は実際に起こった事件をもとに書いてるフィクションなんですよ。それについての話にもなり、鈴木さんが「マイちゃん読んだでしょ? どう思ったか朝倉さんに話して」と振ってきたので感想を述べさせていただきましたが、実は『誘惑者』はかなり事実を入れ替えたりしていたようで、あんまり私の感想は意味がなかったような。作中にどう考えても澁澤龍彦だろっていうキャラが出てくるので、朝倉さんに「あの澁澤龍彦みたいなキャラはもろに澁澤龍彦ですよね?」と聞くと、「そのとおり。だからね、澁澤世界に足を踏み入れてる人が読むと絶対に気付くんだよね。もっと言っちゃうと、高橋たか子と澁澤は不倫関係だったんですよ。知ってる人はみんな知ってる事実だけど」と教えてくれました。そうだったのかーっ! たしかに共著とかしてるし、親しかったんだろうなとは思ってたけど……高橋たか子うらやましい。

 そんな話はいいとして。

 この『誘惑者』のもとになった事件は昭和8年(1933年)1月9日、当時23歳の女学生、真許三枝子が三原山に投身自殺をしたことが発端で、2月12日にその友人だった松本貴代子が同じく三原山で投身自殺をしたんですね(これが三原山投身自殺ブームを起こしたんだけど)。で、この両方の投身自殺に同行していた富田昌子が“死を誘う女”として話題になってマスコミに追い掛け回され、3ヵ月後に変死してしまうのです。
 たしかに真許三枝子のときはみずからすすんで(?)同行したんだけど、松本貴代子のときはなかば本人に「連れてってくれないと真許三枝子のことをばらす」みたいに脅されて同行したそうで。この3人のなかで松本貴代子がいちばん強い思いで自殺したがっていた、と朝倉さんはおっしゃっていました。小説ではちょっと違うんですけど。

 他に印象的な自殺者として、藤村操(当時16歳)が挙げられていました。彼は明治36年(1903年)5月22日、華厳の滝に投身自殺をしたんですね(これが華厳の滝を自殺の名所にしたわけですけど)。彼は夏目漱石の生徒で、漱石もかなりこの自殺にショックを受けたそうです。『吾輩は猫である』にちょっとそのことについて触れている部分があるらしく。で、この藤村操が印象的だったのは、死ぬときに近くにあった樹を削って辞世の句みたいのを詠んでいるんですね。これがあの有名な「悠々たる哉天壌、遼々たる哉古今」とのことで。知らなかった!

 とかまあこうやっていくつかの事例を挙げて朝倉さんが説明してくれたんだけど、ナルホドなあと思ったのが、野村秋介が言っていたという“右翼の自殺は詩的、左翼の自殺は政治的”という話でした。右翼は死んで高天原(たかまがはら:これは古事記に出てくる天上界ですね)に行く、という共通意識があるから自殺が詩的になるけど、左翼にはそういうものがないから、ただ単に手段としての自殺で政治的だということで。なるほど! 言われてみればそうだなと思いました。
 それから“キリスト教では自殺については禁止されていない”と鈴木さんが指摘していて、たしかにキリストだって「自殺するな」とはひとことも言ってないし、モーゼの十戒にも「自殺するな」とは書かれていない、なのになんとなく“キリスト教=自殺禁止”のイメージがあるのは実は「ローマにおいてキリスト教が国家の宗教になったときに、自殺が法律として禁止された」ということなんですね。なぜ禁止になったかというと簡単で、「労働力が減るから」。これはそういえばフーコーも書いてたなと。そんなもんなんですね社会における人間の命なんて(とか言うと元も子もないけど)。

 で、色々と研究してきた朝倉さんが結局思うところは「自殺する人間は死ぬことで尊厳を守る」ということだそうです。だからよく言われる“尊厳死”というのも、もしかすると自殺の延長線上にあるのかもしれないねぇ~なんて話にもなりました。
 あと最近のネット自殺については基本的にまったく理解できないけど、「自殺する人の感情は自殺してみないとわかりません。もしかすると、やっと死ねる! ってみんなすごく幸せで、ワイワイ言いながら山でバーベキューとかまでしちゃって集団自殺したかもしれないしね」ということでした。たしかに……でも理解できない。

 ということで、『誘惑者』はとてもいい作品なのでぜひ読んでみて下さい……としか言いようがないです。これだけ書いておいて。

行ってきました♪ | Posted by at 4 14, 2005 20:18 | TrackBack (0)

長島昭久『日米同盟の新しい設計図』

 昨日は民主党衆議院議員の長島昭久さんの話を聞いてきました。テーマは『日米同盟の新しい設計図』(彼の著書のタイトルでもあります)。
 先日、ブッシュ政権の2期目がスタートしたわけですが、あのセレモニーの様子はものすごい不愉快だったためにテレビでまったく見ていませんでした。しかもパウエル氏に続いてアーミテージとベーカー大使が抜けたというのがもう本当に信じられなくて、新しいポストに誰がおさまったのかとか私は知らなかったんですね。それをふまえて……。

 長島さんはまず2期目について語ってくれました。就任式での21分間のブッシュ演説で、“freedom”と“liberty”という言葉が42回も出てきたそうです(笑)。あげく「自由を全世界に拡大」とか言って。「そんなのおせっかいなんですけどね」(by 長島さん)。
 長島さんの見解では、次期国務長官のライス女史が狙い目とのこと。彼女はパウエルさんに比べると、もちろん駒としては弱いんだけど、ブッシュとの繋がりが非常に強いらしく。実の娘のように可愛がられて、ブッシュと会談するのに許可が要らない(あのパウエルさんですらいちいち許可を取ってたらしい)ほど密接なんだけど、意志が非常に強く、自分がダメだと思ったことはブッシュに逆らってでも貫き通す根性があるらしいです。彼女がうまい具合にブッシュを導いてくれれば、これはいい方向にいくだろうと。ふーん。
 一方、大使がシーファー(前オーストラリア大使)になったのは残念とのこと。このシーファー氏もブッシュと密接な関係で、いってみればマブダチみたいな立場らしく、しかも彼はライス女史と違ってブッシュの言うことならなんでも聞くタイプらしいです。この人が日本を引っ掻き回さないように気をつけないと、という見解。

 それから今後の日米同盟のあり方として、「主体性」について語ってました。長島さんの考えでは、いままでの日米同盟は“有事のリスク(米)×平時のコスト(日)”だったけど、今後はリスクもコストも適度に負担分配するべきだと。
 具体的にいうと、アメリカの(アメリカ兵の)transformation提案を日本はすでに2001年9月から受けていたはずなのに、2004年10月にアーミテージが来るまで何も真剣に考えようとしなかった、ということです。これはどういうことかというと、アメリカだって他国に自分の兵力を置いておくのはコストがかかるので、当面の目標として「他国に駐留させているアメリカ兵7万人を自国に戻す」と掲げているのです。その内訳はだいたいヨーロッパから5〜6万人、朝鮮半島から1万人、そして日本から数千人なんですが、その提案に対しての日本の回答は「……ちょっと待って。どこの基地を潰すか決めらんないから」の一点張り。
 昨年、沖縄の普天間基地に属するアメリカ軍のヘリが大学の敷地に墜落した問題もありましたが、ああいうふうな生活空間に隣接している基地は無くすべきだと思うんですね。そのためにアメリカが提案してきたtransformationは歓迎すべきだと思うんですけど……いろいろとしがらみがあるんでしょうか、ぜんぜん本腰を入れてませんね。

 とかまあ非常に長くなったので……ひとつだけ。

 現在、日本が国連の常任理事国入りをするしないで揉めていますが、ここで出てくるのが“集団的自衛権”(憲章51条)と“集団安全保障”(憲章42条)、そして憲法9条(戦争の放棄、軍備及び交戦権の否認)ですね。
 私はいままで勘違いをしていました。“集団的自衛権”=“集団安全保障”だと思っていたので、日本は憲法9条を変えないかぎり常任理事国に入れないんじゃないの? と思っていました。が、上記のように憲章の条項が違うというのでよくよく読んでみたら、51条の“集団的 / 個別的 自衛権”は国連に加盟している特定の国の都合によって行使される武力であり、42条の“集団安全保障”は国連が「このままでは世界の均衡が保てないから、みんな出動!」と先導する武力であるわけですね。
 ということは、42条の“集団安全保障”に関しては憲法9条が当てはまらないんじゃないかなあと。そしたら常任理事国に入れるじゃん。と思ったんですが、どうやら長島さんに聞いたら、法制局はそういう判断をしていないとのことで。“集団安全保障”に関しても憲法9条が当てはまると勝手に解釈しているので、こんな騒動になってるらしいんですね。

 つまり、いまのまま常任理事国に入ってしまったら「このままでは世界の均衡が保てないから、みんな出動! あ、でもうちは憲法9条があるから行けないけど♪」という、なんともお粗末なことになってしまうらしいです。ある意味非常に日本らしいけど(苦笑)。
 とかそんな話をダラダラとしていました。いろいろと勉強になったし、非常に面白かった。ナルホドーと思うことや、それは違うんじゃないかと思うことや色々。長島さんは夢見がちなところがあると思うけど、モノの考え方は政治家として非常にいいと思いました。熱いんだけど、私情とかには影響されないストイックな部分を持っているという点が特に。

行ってきました♪ | Posted by at 1 27, 2005 18:40 | TrackBack (0)

月触歌劇団『家畜人ヤプー』

 1月の中旬に月触歌劇団の『家畜人ヤプー』の初日を観てきました。『家畜人ヤプー』はご存知、沼正三氏の名著なんですけど、本当に素晴らしい作品なんですね。大昔に読んでいて、まだたしか高校生くらいだったと思うんだけど、気が狂いそうになりました。
 白人(=人間/特に貴族階級は神)、黒人(=奴隷)、黄色人種(=家畜ヤプー)の3色構造の世界“イース”の話で、家畜取り扱い法案とか、社会構造とか、本気でものすごい詳細に、延々5冊にわたって書かれている妄想の世界なんですけど。日本人である沼氏が、よくこれだけ自虐的に家畜として扱われる(というか、むしろそれ以下)日本人を描けたなあと。精神が多少おかしくなるかもしれませんが、興味のある方は読んでみてください。だんだん客観的に読めてくるので面白いです。

 そのお芝居ですね。

 月触歌劇団は全然知らなかったんだけど、寺山修司のお弟子さんだった高取英氏が演出をしている劇団で、邪宗門とかもやっているようです。で、『家畜人ヤプー』ですが、演出は良かったんだけど役者がいまいち。脇役たちがなんか素人っぽすぎて残念でした。アニメのコスプレキャラみたいな役者さんが多くて、声もかなりアニメ声なのも違和感がありました。女性中心の劇団なので、どうしても雰囲気が宝塚っていうか、女子高っていうか、秋葉原っていうか……観ていてけっこうきつかった。でもこの劇団はそういうのがウリみたいなのでファンも多いみたいですね。中心人物たちは非常に良かったと思います。あとで聞いたんだけど、ドリス役の愛葉るびさんはこれが初舞台とのこと。いちばん印象に残った役者さんだったので驚き。
 全体的にはもっと陰鬱としていてほしかったです、材料が材料なだけに。わりとサバサバしたお芝居でした。まあでも『家畜人ヤプー』を2時間の舞台でまとめるのは大変だっただろうなあ。

 終演してから、わけもわからず(一緒に観に行った)鈴木邦男さんに連れられて(鈴木さんは高取氏と仲良し)打ち上げに参加しました。が……なんかすごいメンツでビビりました。なんとあの1979年都知事選に立候補した秋山祐徳太子さんがいらっしゃいました(鈴木さんは秋山氏とも仲良し・笑)。ちなみにこの年は今の都知事の石原さんも立候補して落選しましたね。秋山さんは今年で70歳になるっていうのに本当に元気で、話がものすごい面白い。近々自伝を出す予定らしくて、これはぜひ読まねば。
 他には康芳夫さんもいらっしゃいました。アントニオ猪木×モハメド・アリを実現させたイベンターさんですね。で、猪木とアミン大統領を戦わせようとした人ですね(鈴木さんは康氏とも仲良し・笑)。この人もめちゃくちゃ面白い。見た目が往年のサム・ジアンカーナ(シカゴギャングの大ボス)にそっくりで恐いんだけど、実は気さくな方でした。石原都知事が隊長をやっていたネッシー探検隊、ネス湖探検旅行の企画者です(笑)。
 それから寺島しのぶ主演『ヴァイブレータ』監督の廣木隆一氏。彼も非常にフレンドリーでした。あとは月触歌劇団の役者さんとか、アフリカをフィールドにしてる写真家の人とか、なんかもう非常にカオスな状況で……完全に部外者の私は鈴木さんの横で恐縮しまくってたんだけど、みなさんが「で、この子だれ?」と聞いてきて、鈴木さんが「マイちゃん」と答え(なんの説明もなく)、「ふーん、マイちゃんかあ」と妙に納得するみなさん。意味わかんない。

 まあ途中から私の澁澤龍彦好きがバレて、澁澤龍彦、マルキ・ド・サド、四谷シモン、ベルメール、土方巽、室伏鴻とかについてルンルンしながら語ってたら康さんがものすごい食いついてきて、「嗅覚がある! けど、若いのに変わった趣味をしているね」と言われました。秋山さんは四谷シモンと仲良しなので、色々と面白い話を聞かせてくれました。
 そんなこんなでイカレた(かなりタチの悪い)大人たちに囲まれて、「この世代のほうがぜんぜん元気あるなあ」と実感した夜でした。あんな大人たちを放し飼いにしたらマズイと思います(笑)。常になんか悪巧みしてるカンジでした。

行ってきました♪ | Posted by at 1 25, 2005 12:34 | Comments (3) | TrackBack (0)

一般参ガーーーーーーーーーッ!

buonanno2005!!!

 新年明けましてオメデトウゴザイマス。Buon anno nuovo!!! 今年もステキな年になるといいですね♪ shinyaさんから毎年恒例のかわいい年賀状がきまして(私は毎年年賀メールです……すいません)、今年はオフ会をやろうと書いてありましたが、変態の私でも参加可デスカ?

 ということで、行ってきました一般参ガ(←さる方面の方たちから検索をかけられないように・笑)。初です。

 んもう、めちゃくちゃ面白かったです。かなりのアトラクションっぷりでした。
 まず、二重橋あたりで日本赤十字協会が配布してる国旗(紙製)をもらい、すでにそのへんからウハウハ。意味もなく振ってみたり。そのあと持ち物検査とボディーチェックと金属探知機を通過して皇居の敷地に入っていくと……ずらーっと両サイドに公安が!!!! デジカメを持ってる公安もいて(要注意人物の写真を撮るため)、鈴木邦男氏が『公安警察の手口』で書いてたとおりだ! とウハウハしました。鈴木氏と一般参ガに行ったらかなり面白いだろうなと、年末にさんざん誘ったんだけど、絶対イヤだって言ってたのはこのせいでしょうかね。現在公安の最重要人物ですからね(笑)。

 皇居をひとまわりして(手入れが行き届いてて、どこもかしこも非常にキレイでした。ちなみに順路の左右はびっしりと公安が立ってます)、参ガの広場(?)へ。人がワサワサいて、みんな手に国旗を持っててアガります。残念ながら初回の雅子さまが出てくるのには間に合わず、2回目に参加(一般参ガは10時から15時半まで7回あります)。20分くらい待ってると、皇室ご一家があらわれて、最前列に陣取ってたライトウイングのお兄さまがたが「天皇ばんざーい!」と扇動し、一般市民もわけもわからず「天皇ばんざーい!」とか言っちゃって国旗を振りまくる、かなり面白い光景が見れました。隣に立ってたものすごいオタクっぽい若い女性(ひとりで来てた模様)は「天皇さまぁ〜! 美智子さまぁ〜! 皇太子さまぁ〜! 秋篠宮殿下ぁ〜! 紀子さまぁ〜! 紀宮さまぁ〜!」と全員の名前を叫び、「ばんざーい!」とか言っててホンモノでした。
 お出ましとお言葉はサクッと5分くらいで終わって解散。ライトウイングのみなさんもかなり満足げに帰って行かれました(そのあとまた違うライトウイング団体が来た)。私たちはもっと前で見たかったから、その場を離れずに最前列までガーッと行って、40分くらい待ってもう一度見てきました。今上天皇めちゃくちゃ至近距離(笑)。サーヤさまもこころなしかキレイになったカンジで。

 ということで一般参ガ、かなり面白くてクセになりそうです。 なんていうか、日本人の適当さっていうか。芸能人を見るカンジの心意気で、じいさんばあさんおじちゃんおばちゃんは「見えた」とか言ってウハウハしてるんですよ。で、わけもわからず「天皇ばんざーい!」て……絶対みんな暇つぶしで来てるんだと思います。この国民性たるやいかに。日本は本当に不思議な国ですね。

 えー、ちなみに知り合いの人たちがゲリラ的にこの一般参ガの様子を撮影していたんですが、ちょっとここには書けないようなチャレンジャーな行動をとりまして、ライトウイングのお兄さまがたに睨まれ、出口で待ち伏せされ、追っかけられてました♪ この様子はもしかしたら3月くらいに某深夜ドキュメンタリー番組で見られるかもしれません。

 それでは今年もよろしくお願いいたします。Ciao ciao!!!

行ってきました♪ | Posted by at 1 6, 2005 13:41 | TrackBack (0)

鈴木邦男×森達也

 以前ここに書いた“鈴木邦男×鳥井守幸”と同じ企画で、今回は鈴木邦男氏とドキュメンタリー映画監督の森達也氏のトークライブ「表現・虚と実」に行ってきました。

 森達也氏はご存知『A』『A2』でオウム真理教と徹底的に向き合った監督さんです。この2作品は本当に興味深い内容で、あらためてメディアの恐ろしさとか、集団心理(世論とかね)の危うさとかを体感できるのでオススメです。ウワサの“転び公妨”(わからない方は鈴木邦男著『公安警察の手口』を読んでみて下さい。おもしろいです)も生々しく撮影されています。以下イベント告知より抜粋。

あの『地下鉄サリン事件』から半年が過ぎ、マスコミの熱狂的なオウム報道が続いていた1995年にテレビディレクターとしてドキュメンタリー番組に携わっていた森達也氏。オウム真理教を絶対的な悪として描くことを強要した制作会社との衝突。そして契約解除。その後、自主制作として公開した「A」の社会的波紋。ドキュメンタリー映像という表現の世界の表も裏も知りつくした森田氏が表現の虚と実を熱く語る!!

 トークライブの内容は前回同様ほとんどここには書けないんですが(苦笑)、森さんが言っていたことでひとつ印象的なものがありました。松本智津夫被告は実際のところ本当に眼が見えなかったらしく、指示は出すものの監督不行き届きだったわけで、そのためにあそこまで組織が暴走してしまったのではないか、という話で。ヒトラーもそうだったけど、カリスマは持ち合わせているものの、完全には組織をコントロールできない人間が上に立つ組織ほど暴走を起こしやすい、ということを言っていたんですね。
 そこで私は幕末の長州藩のことを瞬時に思い出して「なるほど!」と実感したわけです。というのも、幕末の長州藩主だった毛利敬親は、家臣の提案する事柄ほとんどに「そうせい」と承認を与える、一見愚鈍な藩主だったために“そうせい候”と陰口を叩かれていた人物だったんですが、彼のなんでも許可する気質があったからこそ、長州の過激な活動家たちが大暴れをして明治維新の火種を作ったんじゃないかなあと思うのです。
 過激な組織が作られていくシステムって、いつの時代も、どこの国でも同じなんだなあと思いました。

 トークライブの内容が途中からなぜか“昭和天皇の戦争責任について”になり、お客さん同士で大激論にまで発展していましたが、私は正直、戦争体験をしていないからか実感が湧かない。けっきょく激論の末、「戦後処理については責任を果たしたと思うけど、戦争を始めたことについては責任を取っていないのではないか」というカンジで話がまとまったんだけど、それでもなんかよくわかりませんでした。誰だってあの状況で戦争を迫られたらゴーサインを出しちゃうんじゃないかなあとか思うんですけどね。靖国参拝とかね、本当にわかんないんですよ、毎年毎年騒がれるのが。国のために死んでいった人のお墓参りくらいしても罰は当たらないと思うんですけどね。当事者じゃないと理解が出来ないと思うんですが、なぜ当事者じゃない人たちまで騒ぐのかがわかりません。このへんのことについては勉強不足なので今後、機会があれば調べてみようと思います(最近はもっぱら戦国時代の男色文化に夢中です。かなり面白い!『武士道とエロス』はオススメ本)。
 ちなみに今上天皇は国歌斉唱しないらしいですね。先日の国旗国歌問題についての発言にしても(それにしても米長邦雄さんのキバリっぷりは面白かった)、今上天皇はいい意味で非常にリベラルで、そういった意味でも日本の歴史に大きく名を残す人格だと思うんですけど、いかがでしょうか? 私は大好きです♪

 ……と、わりと内容がギリギリのところにきているので終わります(苦笑)。

行ってきました♪ | Posted by at 12 10, 2004 17:47 | TrackBack (0)

室伏鴻「始原児」

 昨日は麻布die pratzeで室伏鴻ユニットの『Experimental Body』Vol.2「始原児」を観てきました。ご存知のとおり、室伏鴻氏は土方巽に師事していた方ですね。
 今回は室伏鴻氏が振付、構成、演出を手がけ、若手の男性のダンサー3名(目黒大路、鈴木ユキオ、林貞之)がメインで踊り、途中で室伏鴻がソロで踊るというもの。

 パンフレットに書いてあった今回の公演の文章が非常に良かったので全文掲載。


「始原児」

 舞という字は美しい。歩いていると看板に「舞」と書かれていたりして振り向けばバーのネオンだったり、扉を開ければ舞なんて彼・彼女がいたりしたが……舞さんと舞い上がれば必ず墜落や転落があるからカラダにいくつ裏表があっても不足、で、出口と入口のあたりで踏み迷って舞−踏になった……踏み外してダンスだ。
間のハイフンにはなにかあるのか?なーんにもない。ただハイフン、舞い上がらずとも宙吊りのカラダの孤独に見舞われる<間>があるというわけだ。暁には墜落があり、着水がある。

 ……神話的なイメージを反復したいわけではない。昨日置き忘れた記憶をいくら探ぐってもモノは出てこない。思い出そうとして悪戦する現在があるだけだ。わたしたちの、種族の根源のようなところにまでバンジー・ジャンプできたら、できるかもしれない、踊りでそれが出来るかもしれない、って言ってるひとがいたけど、無−起源の無限の飛翔、場所なき場所の孤独の反復があるだけだ。

 忘れた乙女の歩行を憶い出す、童貞の歩行が炸裂する。忘却が捩れ、喉も砕けて声が出ない。「出来あがらない」ための、これからがステージ。函とロープを用意した。そしてジョン・レノンも。

室伏鴻


 素晴らしかったです。ものすごい興奮しました。

 まず幕が開けて、真っ暗なステージにスポットライトが3つ点り、天井からロープで逆さ吊りされてる、黒い下着だけを身につけた3名の男性ダンサーをそれぞれが照らし出してるところでグッとくる。その肉体たるや、驚きますね。ダンサーの筋肉のつき方は本当に素晴らしい。宙吊りから舞踏に入るときの、筋肉のひそやかな、かつ脈々とした流れが、スポットの照明であらわになっててもうその時点から大興奮。
 途中、再び真っ暗になって、3人のダンサーの床を這う音と息遣いしか聞こえないところがあるんですが、それでもその音を伝って、動きが鮮明にイメージされるのは面白いなあと思いました。にしても、土方巽系列の舞踏って、筋力とバランス感が秀でてる気がします(他はあんまり知らないけど)。腕をひとつ動かすにも、ものすごい時間をかけて少しずつ筋肉の収縮を移動させていくというか、そういう踊り方なので、裸体とスポット照明がいちばん効果的。だと思う。

 室伏鴻のソロは時間が短くてちょっと残念だったけど、ものすごく力強いうえに気品溢れてて、それでいてエロで、かなり集中して観る。筋肉の少しの動きも洩らさないように、そのカラダの隅々までなめまわすように観る(笑)。『土方巽 夏の嵐』で観た土方巽の舞踏は、古い映像だったうえにカラダに布とか巻いていたので、ちょっとぼやけたイメージしかなかったんだけど、実際の筋肉のカンジはどうだったんだろ。室伏鴻のカラダは完成されすぎてる気もするかなあと。もう少し貧弱なカラダだったらもっと切実になるような気がしました。でも彼のステージは切実さを求めるものではないと思うので、ひたすら美しいってことでいいのかも。

 全体を通した印象は……「生命体」でした。わりと深いところまで生命体について問われたカンジで。かといって、1時間半強の公演をぶっ通しで真顔で観るってわけでもなく、笑いもあったりして、最後はすごいハッピーな気持ちになる演出もあり(途中はなんだかものすごい不安になったりしたけど。恐怖感とかで)、暗黒舞踏みたいな怪しさはないモダンなステージでした(ちなみに室伏鴻はほぼ前張りみたいなふんどしみたいな下着に、全身銀粉を塗ったくっていました)。

 ともあれ、室伏鴻はクセになりそう。ちなみに外国人のお客さんが多かったです。


 えーと、関係ないけど今日は三島由紀夫の命日です。

行ってきました♪ | Posted by at 11 25, 2004 17:32 | Comments (3) | TrackBack (0)

第7回 サントリープレゼンツ「ウイスキー&ミステリー」

 お久しぶりです。どうにもこうにも仕事が忙しすぎて、もうなんか発狂しそうなんですが、とりあえずこの地獄の日々もあと3日間の辛抱です。あーつかれたー。

 ということで、最近あまり活動できてないんですが、これはどうしても行きたかった第7回 サントリープレゼンツ「ウイスキー&ミステリー」
 ユルめな気持ちで会場の六本木アカデミーヒルズ ライブラリーカフェとやらに向かうと、なんだかとてつもなくセレブっつーか、ラグジュアリーな雰囲気で、みなさんかなりオシャレしてきてて焦りました。黒のニットに迷彩柄のパンツ履いてきちゃったよ……みたいな。

 今回のこのイベントは毎年開催されているものなんだけど、有名作家が6人も見れて100名限定ということで、かなりのプラチナチケットぶりなんだそうです。本当はプレスで入る予定だったんだけど、プレスで入ると石田衣良さんがブレンドしたウイスキーが飲めない(しかも飲み放題)ので、お客さんとして入りました。
 ということで、もちろんイベントが始まる前からウイスキーをグイグイいくわけで。日本推理作家協会オリジナルブレンドウイスキー“謎2004”として今年選ばれた石田衣良さんの“爽”が飲み放題だったんですが、これがものすごい美味しい! あまりウイスキーを好んで飲まない私ですらグイグイいけてしまうほど、口当たりが優しくて、非常に飲みやすいです。オススメ。すでにもう3本予約しちゃいました。お酒に弱い女の子がハーフロックで飲むのに適してるカンジで……私はロックでいいくらいだけども。ちなみに各テーブルにオードブルまでついてて、すっかり飲みモードに。

 そうこうしているうちに作家さんたち登場。会場は広いんだけど、ゆったりめの扇状に席が配置されているため舞台とのキョリが近く、石田さん(この日のいちばんのお目当て)が間近で見れました。想像してましたが、めちゃくちゃ色っぽい。本当にズルイくらい色気ムンムンなのに、本人はどこ吹く風なカンジで3枚目というかイジられキャラに徹してて、うしろに座ってる北方謙三さんからピーナッツを投げられまくってました。
 にしても、北方さんと逢坂さんは本当にオチャメなオジサンでした。すっごいカワイイ。北方さんとはぜひとも酒を飲みたい! ハードボイルドを気取ってるつもりが、すごい気のいいオジサンで微笑ましかった。神崎さんはかなりの男前でした。顔は石田さんなんかよりぜんぜんカッコイイんだけど、真面目だし、かっこよすぎて色気がなかった。篠田さんはカマトトぶったかなりの悪女でステキ。大沢さんもキャラが濃い。

 という具合に、全員アクの強い人ばかりだったので、トークショーはかなり面白かったです。っていうか、客も作家たちも相当飲んだくれて酔っぱらい、エロ話に何度もいきかけていたのが笑える。
 神崎さんのブレンドした“情味”というウイスキーの話になって、神崎さんは「長年連れ添った夫婦が、ホテルの部屋で静かに並んで夜景を眺めながら飲むのをイメージしました」とかいいことを言ってるのに、石田さんがすかさず「え? それってさ、前? 後?」とか茶化し、「君は下品だよ!」とか神崎さんに怒られたり。北方さんは「酒はイイ女を眺めながら一人で飲むんだよ!」の一点張り。

 作家さんたちもかなり酔っぱらってきたところでお客さんからの質問コーナー。これは参加申し込みの時と、イベントが始まる前にアンケートされたなかから、面白そうな質問を大沢さんが選んで発表し、選ばれたお客さんは手を挙げて、なんか記念品までもらえちゃうというので。アンケートされたことをすっかり忘れててボーっとしてたら「えーと、次は……東京都からお越しの富田舞さん!」とか呼ばれて驚きました。とりあえず何か書いときゃいいかと、適当にチャラい質問をしたんだっけなあと聞いてると「えーと、質問は……女性のどんなお酒の飲み方がグッときますか? です」だって(苦笑)。
 石田さんは「僕はねえ、乱れちゃう人が好きだな。ちょっとほら、ダラーン(とシャツの襟元をべローンとまくって鎖骨を見せる)ってカンジで!」とか言ってました……。

みなさんのサイン で、記念品をいただく。「重いからがんばって持って帰って下さい」と、6人全員のそれぞれの直筆サイン入り著書でした。しかもハードカバー。北方さんにいたっては上下巻(笑)。計7冊総額15000円弱で、相当な重さ。石田衣良『ブルータワー』篠田節子『秋の花火』神崎京介『好きの果実』逢坂剛『恩はあだで返せ』北方謙三『楊家将』上・下大沢在昌『パンドラ・アイランド』
 ぶっちゃけ、ミステリー小説は苦手でほとんど読まないんですけど、せっかくいただいたので頑張って読みます。んで、それぞれのサイン。神崎さんのはなんかカッコイイ。あ、あとなんか日本推理作家協会オリジナルのトランプと、北方さんが原作を書いたお芝居(?)のビデオ(VHSのビデオにペタッとラベルが貼ってあるだけの、ある意味かなりレアっぽいビデオ)もいただきました。

 ということで、2時間近く続いたこのイベントはかなり面白かったです。作家さんたちが酔っぱらって好き勝手言ってるのを、お酒を飲みながらウヒャウヒャ眺めるということは滅多にできないだろうなと。来年も機会があったら行きたいです。
 ちなみにこの選ばれた石田さんのウイスキー、なんと5分でブレンドしちゃったらしいです。「いやー、前の晩飲んでてね、二日酔いでサントリーの蒸溜所に行って、5分でブレンドしたのが選ばれちゃってゴメンナサイ♪ 北方さんや逢坂さんは毎回チャレンジしてるけど選ばれたことないんですよね♪」とかサラッと嫌味を言うと、「樽がよかったんだよ!」と毒づく逢坂さん。「お前の小説みたいじゃないか! 寝かしたら絶対これ不味いぞ!」と、石田さんの後頭部めがけてピーナッツを投げながら言う北方さん。おもしろい。「爽っていうコンセプト? あー、だって僕ほら爽やかじゃないですかぁ〜」とか。ニクイですね石田衣良。

行ってきました♪ | Posted by at 10 26, 2004 17:12 | TrackBack (0)

日米地位協定とかトマホークとか

 昨日は一水会のフォーラムに初めてお邪魔してきました。べつに一水会に入ってなくても、誰でも参加できるのでね。会場に行くと、あきらかに場違いな私(ジーンズにセーター)と友人(超ミニスカートにロングブーツ)に驚くみなさん……スイマセン。鈴木邦男顧問に向かって「あ、くーにんだ! こんにちはー!」と手を振り、木村三浩代表に向かって「4代目は私がいただきますっ!」とか言ってる私たちは、そのうち粛清されるんじゃないかと思います……冗談です。ちなみに、なぜか友人は、駅で私を待ってるときに近寄ってきた民主党の人から買ったという機関紙『日本再生』を手にしてました。

 今回のフォーラムのお題は『日米地位協定の諸問題〜国家安保戦略形成に向けて〜』。講師は軍事評論家の宇垣大成氏。

 アテネオリンピックで日本中が沸いている最中、沖縄国際大学へ米軍ヘリが墜落した事件がありましたが、アメリカは事件当初、沖縄県警との合同調査すら許さないで勝手都合よく処理しようとして沖縄の人たちが憤慨していましたね、こういう事件が起こらないと本土の人間は忘れがちになってしまう、日米地位協定について専門家に話をしてもらいましょう……ということでした。
 私は「日米地位協定? ようするにアメリカの治外法権とかすごいんでしょ? 安保条約? なんかよくわかんないけど、井伊直弼が先走って調印した安政五か国条約の現代版みたいな、まだまだ不平等な条約なんでしょ?」くらいなイメージ(たぶん間違ってる)しかないままに参加したので……ちんぷんかんぷんでした。

 というかこの講師の宇垣大成氏ですが、めちゃくちゃ軍事オタクで(ちなみに若かりし頃は鉄道マニアだったらしい)、地位協定とか安保とかをすっとばして、延々とあらゆる兵器の値段やら解説やらを目を輝かせて喋りまくっていたのが笑える。みなさん苦笑。地位協定は? 安保は? あげく携帯の着信音が鳴り「あー、ちょっとごめんなさいね。もしもし〜? え? なに? あ〜、いまねえ、取り込んでんの。え? そうそう。はいはい」とか言って、何事もなかったように講義を続けること2度……携帯の電源切っとけよ。
 そんな無茶苦茶な講義が2時間ちかく続き、ウンザリしてたところに木村さんが話を元に戻すような素敵な質問をしてくれたので、そこからの話は大変おもしろかったです。

 この私の貧弱な理解力と解説力でまとめてみますと……

 日本は自力で兵器を作れるほど、技術が発達していない(世界水準から考えると相当遅れているらしいです)→そのため、どうしてもアメリカ(世界最高水準。いってみれば20馬身差でぶっちぎりくらいに。病院をたくさん潰した費用を軍備にまわすほどの必死さ)から兵器を買うしかない→兵器はアホみたいに高い。維持費も相当かかる(母艦ひとつで3兆円とかいうレベルで)→トマホークはかなりお買い得♪ だけど、トマホークのコントロールシステムはアメリカにあるので、軌道とかはすべてアメリカの監視下に置かれる→でも必要→だから日米地位協定は絶対に避けられない、ということでうまくやれよと。
 ちなみに欧州とかは開き直ってうまく作戦を練ってるようです……たとえばイギリスは、中東のあらゆる国から優れた人材を発掘して、彼らをアメリカで学ばせて技術を習得させ自国に還元し、その見返りとして中東の情報をアメリカに提供する、みたいなシステムをとっているらしいです。賢い。

 まあだいたいそんなカンジの内容だったんですが、最後の「うまくやれよ」ってところが具体的にどうすればいいのかっていうのを聞きたかったです。
 他に興味深い話としては、『国内の貧富の差』について。アメリカ人の87%は、今の国内の凄まじい貧富の差について「私は一攫千金を狙ってるから、このままでいい」という意見らしいです。独立したての頃は人民の平等が盛んに叫ばれていたため、貧富の差が激しいブラジルを「信じらんな〜い」と声を大にして国家レベルでけなしていたアメリカが、いまやこの現状。一方イギリスは75%の人が「人間は生まれながらにして不平等である」という意見らしい(笑)。帝国主義は遺伝子レベルで組み込まれてるんですかね。オランダとかは「平等であるべき」「いや、不平等だ」が半々の割合とのことでした。面白い。
 で、最後に「すでに国民単位で国の姿勢に対しての不平や不満が出てきてるアメリカは、この先どうなっちゃうんだろうかね」みたいな余談になりました。「あと10年以内で滅茶苦茶になって、国としての機能を失うんじゃないか。だから日本はそろそろアメリカから離れといたほうがいいんじゃないの? 共倒れしたらたまんないしー。くわばらくわばら」という結論でした。

 そのあとみんなで飲んだんですが、木村さんに「今日の感想は?」と聞かれて、「んー、難しくて半分以上わかんなかったけど、ようするにあれですよね? アメリカは“ぶっちぎりで軍備を整えている”っていう部分が最大の武器で、それにしがみついて世界での権威を保っているわけですよね? だったら他の国ぜんぶ、ぜーんぶが軍備を棄てて、“はぁ? あんた何してんの? いまどき流行らないオモチャをそんなに抱えてどおすんの? 誰もそのオモチャ持ってないから遊べないじゃん。バッカじゃないの? だっさー。ちょっとちょっとー、このアメリカっていう人、いまだにこんなダサくて値段だけは高いオモチャ抱えてますよー。見てこれ! うっわー、アホくさ!”ってバカにしてやればいいんじゃないですか? そしたら軍備にお金かける必要もなくなるから家計も潤うし♪」と答えたら、「そうなんだよ! それなのそれ!」と言われました。まあなんか、ようするにそういうことらしいです地位協定って(笑)。

 でもなあ、軍備がもしなくなったとしても、今度は他のどこかの国が、また違うオモチャを作り出してしまう可能性は高いわけで……まあ軍備よりタチの悪いオモチャはないとは思うけど。

行ってきました♪ | Posted by at 10 7, 2004 18:42 | TrackBack (0)

半野善弘と松尾貴史

 近況報告もろもろ。

 10月1日は、銀座のアップルストアへ、サウンド&レコーディング・マガジンが主催してる“Made on a Mac”を見に行きました。ゲストは先日RADIQという別名義でアルバム『GRAFFITI&RUDE BOY 67'』を出したばかりの半野善弘氏(現在フランス在住)です。
 アップルストアではこういう無料の音楽イベントが頻繁に催されていて、いままで何度か行きましたが、どれも内容充実のいいイベントばかりです。これで無料はかなりお得。イベント会場となる3階のシアター空間は、音がけっこうイイので快適だし。機会があったらみなさんも是非。ちなみに明日は同じ企画で、ゲストが半野さんと仲良しの青木孝允さんなので、面白くなりそうです。行けそうだったら行く予定。

 で半野さん。半野さんの音源は今までいくつか聞きましたが、私にはいまいちわからず。んー、なんていうんだろうか、ニュートラルすぎるというか情趣的すぎるというか。もっとソリッドなものが聞きたい私にはちょっと物足りない感があります。CHAOSという、私がよく行くパーティーにもライブで参加したりしていて、まわりはみんな絶賛するも、やっぱり理解できず。おまけに長身でコワモテなので近寄りがたいカンジだし、坂本教授系列の人ってことで敷居が高いというか……ようするに半野さんに関して、めちゃくちゃ偏見があったわけですね(苦笑)。で、今回もぜんぜん期待しないで見に行ったんですが……

 はい、非常に面白かったです。

 今回は半野さんがMacでどんなふうに音楽を作ってるのか、画面をモニターしながら説明するという企画で、彼はおもにMax/MSPを使って曲作りをしてるんだけど、えーと、説明はもちろん素人の私にはぜんぜんわからないわけで。でもなんか「これを押すとこう変わったりですね」とか、視覚と聴覚で確認できるように説明してくれたので、退屈しないで楽しめました。「へー、そーなんだー、おもしろーい」みたいな。
 ヨーロッパとかでのライブ動画もいくつか見せてくれて、これもかなり面白い。それぞれの民族性っていうか、「ドイツ人はぜんぜん踊らないで目の前でずーっとオシャベリしてんのに、ライブが終わったら“いやー、すごいいいライヴだったよー。また来てね”とか普通に言うし(笑)。中国ではレイヴとかで人が集まりすぎちゃったら警察が来るんですよね。なんか思想とかで結託されたらマズイってことだろうけど」みたいな話をしてくれて、それも非常に興味深かったです。
 で、最後に10分くらいライブ。これも画面をモニターしながらやってくれたので、なんかよくわからないなりに楽しめました。こういう企画は面白いですね。実際、ラップトップでライヴしてる人たちって、どんな画面をみて、どんなソフトをいじってやってるのかなあと知りたい欲求が普段からすごくあって、それが全部見れると、理解できなくても面白い。当然のことなんだけど、現場で作ってるんだ! と実感できる。

 ということで、いいイベントでした。ちなみに半野さんはやわらかな関西弁で喋る、すごく気さくで優しい人です。偏見スイマセン。


 おとついは下北沢のしもきた空間リバティで、松尾貴史さんが出るお笑いライブ“絹6”を見てきました。鈴木邦男さんとかと一緒に(笑)。会場で春風亭昇太さんを見かけてご挨拶。あいかわらずの癒しキャラです。

 私はいままでお笑いライブというと、(まだワハハ本舗にいた時代の)吹越満の“フキコシ・ソロ・アクト・ライブ”と、千原兄弟コントライブ『プロペラを止めた、僕の声を聞くために』と、たまにルミネtheよしもとのネタ祭り(新喜劇がない、ネタだけの回)に行くくらいで、そんなに詳しくないんですが。
 この日は ENBU-0410→ユリオカ超特Q→THE GEESE&第三期コントサンプル→バカリズム→松尾貴史→すわ親治 の順番。それぞれ持ち時間は15分。と言われても、なんのことやら、どんなネタをやる人たちかぜんぜん知らなかったんですけどね。

 いろいろ端折りますが、4番目に出てきたバカリズムという人たちのコントが本当に面白かったです。最初から最後まで爆笑して、笑い泣きしてしまいました。ウワサ(どこの?)によると、この人たちは出来不出来の差が激しいらしく、この日はめちゃくちゃ当たり日だったらしいです。らっきー。あと、THE GEESEの片方の男の子がすごくキレイな顔立ちでウットリしました。ごちです。着ていたタンクトップから見える二の腕がまた、えらく貧弱で可愛かったです♪

 肝心の松尾さんは、案の定いろんな人のモノマネをやっていました。小泉首相がかなりツボ。最後に中島らもさんのモノマネを解禁。ご存知のとおり、らもさんと松尾さんは師弟みたいな関係で、本当にお互いを大切にしていたんですね。らもさんが病院に運ばれて生死をさまよっていたころ、松尾さんもふくめて某バーでみんなで飲んでいたんだけど、そのときの彼の心痛は尋常じゃなかったわけで。
 そんな具合だったので、らもさんのモノマネはあれ以来やってなかったらしいんですが、この日に解禁。松尾さんがやるらもさんのモノマネは、細かいところまで本当によく似ていて、その愛情にグッとくる。ライブ後、挨拶に行った私たちに、恥ずかしそうな顔をして「49日も過ぎたしね!」と笑っていた松尾さんのそのカンジにもグッとくる。いつもはイヤミなほどにインテリ風味を(わざと)醸し出してる松尾さんですが、ああいう表情は初めて見た気がする。

 ということで、バカリズム最高。

行ってきました♪ | Posted by at 10 6, 2004 17:14 | Comments (2) | TrackBack (0)

nino trinca プチワンマンライブ

天才ベーシスト、鹿島アニキ
 最近気味が悪い話題ばかりで申し訳ないので、ちょっと陽気な話でも。

 先日、私もスタッフとして参加してるバンド、nino trincaのプチワンマンライブを下北沢のモナレコードというステキなお店でやりました。

 nino trincaは基本的にはボーカル、キーボード/ギター、ベース/ウッドベース、ヴァイオリン、アコーディオン/ミュージックソウ/クラリネット、ドラム、トロンボーンの7人構成ですが、時と場合によって、いろんな人がいろんな楽器を持って参加(乱入?)してくるアットホームなバンドです。いちおう簡単にメンバー紹介。

角森隆浩(ボーカル)
  普段は某百貨店の店員としてあくせく働く変態ボーカル。
ゲイ疑惑あり。というか、今年中に彼女ができなかったらゲイになるらしい。
鹿島達也(ベース)
  知る人ぞ知る天才ベーシスト。nino trincaの頼れるアニキ。
オリジナルラブ、堂島孝平、玲葉奈、真心ブラザーズ、the Pillows等、数多くのアーティストと共演。
HONZI(ヴァイオリン)
  知る人ぞ知る天才ヴァイオリニスト。nino trincaの妖精。
フィッシュマンズ、UA、有山淳二、リクオ等、数多くのアーティストと共演。
CHACO(ドラム)
  かなり天然なnino trincaのマスコットガール+歌姫。
森山良子、高橋徹也、東田トモヒロ等のツアーサポートで活躍中。
Alan Patton(アコーディオンetc)
  外見はイギリス人ぽいけど、本当は変態アメリカ人で変態画家。
アコーディオン、ミュージックソウ、クラリネット等々、音の鳴るものは何でも触る。ヴァイオリンとのデュオ、ケチカブラスカでも活躍中。
Yassy(トロンボーン)
  いつも陽気なパワフル天才トロンボーン奏者。
ホームバンドのBlack Bottom Brass Bandは現在三越のCMで全国区。こちらも最高。
上田禎(キーボード / ギター)
  nino trincaの最高責任者。“帰属意識”について延々と語ってくれる人。
オリジナルラブ、フィッシュマンズ、bird、SCOF、あがた森魚、The Carnation、加藤いづみ等、数多くのアーティストと共演。映画音楽制作などを手掛ける。
松本健一(サックス / フルート)
  前回からnino trincaにゲスト参加してくれているステキな殿方。
オリジナルラブ、world's end girlfriend等を強力サポートしてるすごい人。このままnino trincaに居ついてくれることを願って、他のメンバーよりも大事に扱い中。


 という具合なんですが、おわかりのとおり、けっこう玄人向けなメンツなんですね。よくよく見たら、あちこちで活躍してる流しの(?)ミュージシャンが集まっているバンドだった、っていう(ちなみに結成当時はデミセミのエミ・エレオノーラさんもいました。この人も、とある業界では超有名人)。よく言われるのが、“ミュージシャンズミュージシャン”。つまり音楽をやっている人たちに人気があるバンドです。
 が、普通の人たちでも十分楽しめます。というのもボーカル角森隆浩の話術がすごい! 春風亭昇太氏に似た風貌で、コテコテの関西弁で下品なネタをまくしたてる彼のMCは、1度聞いたら病みつきになります。品のいい(歌詞はかなりふざけてる)ヨーロピアンな音楽と不釣合いなMC、そして、なんだかわかんないけどステージにはメンバー以外のミュージシャンがいたりして、まあ簡単にいうと変態バンドなので、みなさんよかったらぜひ遊びに来てください。私はだいたい受付とかやってますので。

 ……と、うっかり宣伝してしまいましたが、こないだのライブのことを書くんでした。

キュートなサックス奏者、マツケンさん こないだはドラムのチャコちゃんとトロンボーンのヤッシーが欠席だったので、急きょ助っ人でSmall Circle of Friendsや遊佐未森等で活躍中のドラマー楠均さんと、ナゾのパーカッショニスト宮ちゃんが参加。せまいステージに大人8人ギュウギュウ詰めで。
 お客さんもいい具合に入り、会場は満席。ボーカルの乗ったメロディアスな曲から、鹿島さんのウッドベースとHONZIさんのヴァイオリンと松本さんのアルトサックスがギュンギュンうなるインストもの、ふたたびボーカルが乗ってルンバのリズムでガシガシ躍れる曲などなど、めちゃくちゃ盛り上がりました。MCも絶好調。楠さんと宮ちゃんは当日のリハーサルで初めて譜面を見たという状況で、即席だったためにハラハラしてたらしく、1曲終わるごとにふたりで「できたよー! 叩けたよー! よくやったー!」とジャンプしながらハイタッチしてました(笑)。オツカレサマでした。本当はアラン(クラリネット)、松本さん(サックス、フルート)、ヤッシー(トロンボーン)の3人がそろえば、ホーンが3つで豪華なのになあ。

 にしても、こないだはHONZIさん(ヴァイオリン)が欠席だったので気がつかなかったんだけど、フルートの音にヴァイオリンが乗ると、めちゅくちゃイイですね。どっちもソロより音がグンと引き立つ。ウッドベースとヴァイオリンしかり。こういう楽器の相性とかを聞き分けるのは楽しい。

 という具合でした。よろしかったらみなさんもぜひ! 次回ライブは……未定。みんな年末に向けてそれぞれの活動が忙しく。

行ってきました♪ | Posted by at 9 28, 2004 18:01 | Comments (5) | TrackBack (0)

『ヤマトタケル』読書会

 先週は“『ヤマトタケル』読書会”なるイベントに行ってきました。これは何かというと、一水会顧問の鈴木邦男氏の著書『ヤマトタケル』を、氏を囲んでみんなで読もうというものです。

 ヤマトタケルはもちろん古事記、日本書紀に出てくる我が国のヒーロー、景行天皇の皇子である“やまとたけるのみこと”ですが、古事記と日本書紀では若干(というか、だいぶ)違うイメージで描かれています。そもそも古事記では“倭建命”、日本書紀では“日本武尊”と、表記からして違うし。
 かんたんに言うと、『古事記』は宮中だけで読まれた物語なのでかなりフランク、『日本書紀』は中国正史みたいのを日本も作ろう! ということで、意図的に神々や皇族をキレイに描いた歴史書なので堅い。そんなことはまったく知らなかった私は、ずっと昔に『日本書紀』だけ読んで「全然おもしろくない」と『古事記』は読まなかったわけで……もったいない。『古事記』はかなり面白いので、興味があったら読んでみてください。その前に阿刀田高氏の『楽しい古事記』をザーッと読むとさらにわかりやすいと思います。

 前置きが長くなりましたが、読書会です。

 ご存知のように鈴木邦男氏は右側の人間なのですが、そういった右の人間にヤマトタケルを描かせるっていうのは画期的だと思いました。現代書館が出してる、このFOR BEGGINERSシリーズはかなり面白い企画ばかりでオススメ。文章と絵が6対4くらいなので読みやすいし、前田哲男氏が「日本の軍隊」を書いてたり、竹中労氏が「大杉栄」を書いてたりしています。三浦実氏の「吉田松陰」も面白かった!

 読書会ではこの『ヤマトタケル』に対する鈴木氏の思い入れ等を聞きながら、学生さんが音読して感想を述べあったりするんですが、まあすでに読み終わっていた私は新しい発見もそんなになくてイマイチ。いちばん好きだった「魔性の女・美夜受比売」っていう章は読まなかったし。
 本のなかにクリムトの『ユーディット?』が載ってて、「鈴木さんクリムト好きなんですか?」「うん、マイちゃんも?」「普通に好きなんだけど、ユーディットだけはものすごい好き! 一緒に琳派展見に行きましょうか、クリムト2つしかないみたいですけど」とか言って、邦男さんがクリムト好きっていうことがわかったのが新発見ですかね。あ、あとボツになったエロい挿絵を見せてもらいました。あ、それから挿絵を描いてる清重伸之氏は右嫌いのわりと左寄りの人らしく(笑)、この本を作るにあたって一度も顔をあわせなかったんだけど、原稿を書いたあとに挿絵入りで返ってくるゲラに挑戦的な(っていうか、清重氏の思いみたいな)吹き出しがあったりして面白かったと言ってました。それをふまえて読み直してみたらかなり面白い。

 そのあとの雑談で、なんで神話って人種も土地もぜんぜん違うところから発生してるのに、似たような話が出てくるんだろうねという話になりました。これは私も古事記を読んでて思ったんだけど、ギリシャ神話に出てくる話と同じような概念がけっこうあるんです。
 美夜受比売はヘレネみたいなもんだし、弟橘比売命はアンドロメダみたいだし(アンドロメダは助かったけど)、雄略天皇はゼウスみたいにどうしようもない女好きだし、描かれてるキャラクターがことごとく重なるんですね。これはすごく不思議。やっぱり人間は遺伝子レベルで繋がってるってことでしょうかね。

 ま、とにかく機会があったら『ヤマトタケル』、読んでみてください。基本的には古事記のヤマトタケルの解説ですが、なぜか梅原猛や鶴見俊輔、右翼の中村武彦や平泉澄のことも書いてあるし、あげく邦男さんと野村秋介氏のツーショット写真まで載ってます(笑)。野村氏めちゃくちゃカッコイイ。

 ……とか書くと、またshinyaさんをハラハラさせちゃうわけですね♪

行ってきました♪ | Posted by at 9 22, 2004 18:29 | Comments (1) | TrackBack (0)

鈴木邦男×鳥井守幸

 昨日は高田馬場にて“大人のしゃべり場”ジャーナリスト・ウィーク、鈴木邦男×鳥井守幸トークバトル「週刊誌よ、元気出せ!」へ行ってきました。

 ……なんのこっちゃ? って話ですケド。

くーにんと鳥井さん 最近なぜか仲良くしていただいている(もとはと言えば、ウンチク王の松尾貴史さんに紹介されたんですが)、一水会顧問の鈴木邦男さんが月に一度、高田馬場で各界著名人(前科持ち多数)を呼んでオシャベリする、という企画があって、今月のゲストが元『サンデー毎日』編集長、現・日本ジャーナリスト専門学校校長の鳥井守幸さん。これは面白いことになりそうだから行かねば! ということで。

 内容のほとんどはここに書けないんですが(笑)、たいへん楽しかった! 鳥井さんといえば有名なのが“イエスの方舟”事件。
 まだ新興宗教というのが今ほど身近じゃなかった当時、“イエスの方舟”という千石剛賢が主催した宗教団体が世間で問題になっていたわけです。というのもこの宗教、なぜか若くてキレイな家出女性ばかりが集まってる(本当は22人のうち7人しか女性はいなかったけど)ということで、なんだか怪しいハーレム状態になってるんじゃないかと女性たちの家族が警察に届けを出したりしていたのです。実際のところはそういう事実はまったくなかったんだけど、とにかく悪の宗教みたいにメディアにも扱われていたなかで、鳥井さんが直感的に「それは違うんじゃないか?」と思って直接交渉を行い、極秘で『サンデー毎日』が彼らをかくまって独占取材をしたため、警察につかまった、という事件です。詳しくはこちら(ここにも書いてあるとおり、鳥井さんが編集長だった当時の編集部には鳥越俊太郎氏もいました)。

 で、昨日はその詳しい話を全部してくれて、その直感はなんだったのかとか、ジャーナリズムのあり方や手法とか、そういう話を色々していたんですね。最初は邦男さんと鳥井さんの対談を聞くかたちで、最後はみんなで車座になってダラダラしゃべるカンジで。19時から始まって、延々23時まで。

 非常に刺激的でした。まあ私はスポーツジャーナリズムしか知らないけど、現状はあきらかに低調で、雑誌を作ってもぜんぜん売れないし、八方塞がりな感が否めないわけで。自由度が高いイメージがあるWEB媒体にしても、競技ごとに報道規制が違ったりして(日本サッカー協会とJリーグでもWEB媒体に関する規制がぜんぜん違う)、実はものすごい閉鎖的な世界のなかでなんとかやりくりしている状況……ということで、いったいどうすればいいんだろうかと日々模索しているところに、昨日の鳥井さんの話はなんかとても可能性を秘めていました。んー、がんばろ!
 にしても、インターネットがここまで普及していなかった時代のジャーナリズムの現場って面白かったんだろうなと思います。鳥井さんは「そういうわけでもないと思うよ。今だって面白くしようと思ったら、やり方はいくらでもあるわけだし。編集者たちに元気がないだけなんじゃないの?」なんて言ってましたが。たしかに鳥井さんは72歳と思えないくらい、よく喋ってよく笑う、元気いっぱいの人でした。

 ちなみに昨日はそれだけでは終わらなくて、邦男さんに誘われるままに一水会の事務所にお邪魔してきました(笑)。ちょうどロシアで行われた世界愛国者会議から帰ってきたばかりの木村三浩代表がいて、色々とオシャベリする。吉田松陰のことを熱く語ったら「……なんでまたそこに興味を持ったの?」なんて苦笑していましたが、木村さんはとてもソフトな物腰の紳士でした……が、ホンモノでした。なんていうか、本気の大人のオーラがビリビリ出てて、「あー、この人本当に死ぬ気でやってるんだなあ」と思う。“一水会=右翼”と簡単に思われがちだけど、もっと複雑かつ本質的なことだということがわかりました。

 にしても、こういったいろんなことをいろんな方向から考えてる、いろんな立場の大人に会って話を聞くのは本当に楽しい! すごい大人はいるところにはたくさんいるんだなと思います。近々、赤軍派元議長の塩見孝也さんにも会う予定♪

行ってきました♪ | Posted by at 9 9, 2004 17:43 | Comments (2) | TrackBack (0)

metamorphose

metamorphose 行ってきましたメタモルフォーゼin苗場!
 台風とかなんとかで、正直行くのが面倒だったんだけど、去年買った愛車のBMWミニクーパー(めちゃくちゃカワイイ!)に最近ぜんぜん乗ってなかったので、ドライブがてら関越をぶっ飛ばして苗場まで。

 イベントは28日の昼12時から始まっていたんだけど、目当てのアーティストたちがイベント後半に集まっていたため東京を28日の24時くらいに出るユルさ加減。途中の上里SAで、オリンピックサッカー男子決勝ライブ中継に見入ってしまったり。
 今回初めて関越に乗ったんだけど、すごいですね、関越。なんですかあのアホみたいに長い谷川岳のトンネルは。全長11キロもあるらしい。時間が時間だったので、私の車の前後には一台も車が走ってなくて、対向車線もぜんぜん車が来ない。友達を乗せての乙女ふたり旅だったんだけど、トンネルの圧迫感に恐くなって「トンネルを抜けたらインドだったらどうする?! 売られちゃうよ!」「歳だから売られないって!」とかムダにハシャぐしかなく。あー恐かった。トンネルを抜けて湯沢ICを降りてからも、真っ暗な山道をミニ助でクイクイキビキビ走りました。怪しげなトンネルが多い。この時間帯にひとりでこの道を走ってたら発狂しそうなくらい恐かったです。幽霊とかバシバシ出てきそう。

 そんなこんなで3時ちかくに到着し、昼から来てる友達大勢と合流し(すでにみんな泥酔で、なにを喋ってるんだかわかんない状態)、GREEN VELVET→THE ORB→FUMIYA TANAKA→JAMIE LIDELL→RICARDO VILLALOBOSの順で踊り狂いました。現地組から寒いと聞いてたから防寒対策もバッチリで、かなり快適に楽しむ。以下それぞれの感想。

 GREEN VELVET:昨年ものすごい盛り上がりをみせたと聞いてて期待するも、アゲアゲすぎてついていけず。

 THE ORB:相変わらず哲学入ってて、なにがいいのかサッパリわからず。

 FUMIYA TANAKA:序盤に相当アゲてきて戸惑うも、途中から淡々とミニマル+クリックで心地よい。すっかり空も明るくなった5時すぎくらいから大きな波がきて、いつもの盛り上がり曲WIGGLEもいい具合にじらし引っ張りつつ。終盤は淡々ミニマルとアゲアゲの繰り返し。

 JAMIE LIDELL:今回はこの人を聴くために行ったわけですが、期待を裏切らない変態ぶりで最高! パジャマにレインコートを羽織って、首にはなぜかシャンプーハットをつけてて、ゴキゲンにサンプリングしまくっていました。それぞれの音の精度がかなり高くて本当に素晴らしいアーティストなのに、アホな格好+ときおり入るJAMIEのマジ歌(ものすごい気持ち良さそうにバラードとか歌ってるし)が変態すぎて、おもいっきりコミカルなイメージになってしまっているのがまたイイ! 予定時間を大幅にオーバーしてもJAMIEは気持ちよさそうに歌っていましたが、次にひかえてるリカルドが舞台脇でものすごい心配そうにしていたのが面白かった。

 RICARDO VILLALOBOS:そんなリカルド(また前髪が伸びた)は、序盤からものすごい淡々とミニマルを刻み、朝の7時ということをまったく気にしてないような深夜プレイで相変わらず。でもやっぱりこの人のミニマルは安定してるし心地いいなと思う。終盤は徐々にアゲていき、いいカンジになっていました。

 総評。楽しさの内訳で 運転:JAMIE LIDELL:その他=5:4:1

 イベントは続いていたけど、井上薫とかまったく興味ないので8時すぎに退散。朝の山道はすごいモヤがかってて、中国の秘境に迷い込んだみたいでした。神様とか出てきそうな勢いで。

 これでなんか夏も終わったかなあという気分です。秋は何しよかな。ともあれJAMIE最高! こういう殿方と結婚したい。

行ってきました♪ | Posted by at 8 30, 2004 16:19 | TrackBack (0)

きゅぴきゅぴ

キュピキュピ グランド歌謡ショー キャバロティカ” 行ってきました、青山スパイラルホールでのキュピキュピ“グランド歌謡ショー キャバロティカ”

 このキュピキュピという人たちはぜんぜん知らなかったんだけど、先週、会社帰りに表参道を散歩してたらばったり友人のプロマリンバ奏者・三村奈々恵嬢に会い、やたら興奮してるので、どうしたのか聞いたところ「きゅぴきゅぴ観てきた!」と言ってて。詳しく聞くと、なんだか面白そうなイベントだったので私も行ってきました。ちなみに先日まで上京してたYCAMの主任キュレーターである阿部さん(相当なおもしろ毒舌キャラ)も観たらしく、「最悪だった」とのこと。

 えーと……いや、面白かったですよ。面白かった。面白いとは思うんだけど、東京、というか、特に青山およびスパイラルホールというのは最もバッドなチョイスだったのでは。場所を持て余していた感いっぱいでした(後ろの席はガラガラだったし)。これを歌舞伎町の狭いキャバレーホールみたいなところでやるのはものすごいベタなんだろうけど、東京でこれをやれるのはおそらくもう新宿しかないんじゃないだろか。新橋とか。

 ようするにファン以外の東京の人は「……?」という状態なんじゃないかと。歌い手のお姉さんはものすごい歌が上手で、昭和歌謡という、聴いててすぐに飽きるタイプの音楽を飽きさせないように歌っていたのは圧巻だった。けど、ダンサー陣は最初の衝撃を通り越すとマンネリ。映像も別になあ……というカンジ。ウッドベース、アコーディオンはまあまあ。ヴァイオリンはけっこう上手。パーカッションの人はかなり良かった。セミヌードのダンサーは、身体がキレイすぎてエロ感ゼロ。残念。

 給仕のお兄さんが小柄の細身で地味なんだけど、よく見たらかなりカッコイイというのに気付いてウフウフした。というのがいちばんの収穫でした♪

行ってきました♪ | Posted by at 8 27, 2004 15:41 | Comments (2) | TrackBack (0)

らんぽ♪

バラデロビーチ!

 なんだか涼しすぎてフキゲンです。8月なのにこの涼しさは男気がない。もっと気合を見せてくれ! ということで、上の写真は今年の5月末から6月あたまにかけて、10日弱でキューバ+メキシコを旅行したときのものです。6月あたまから男気バッキバキのバラデロビーチ(ハバナから車で2時間半くらい)、ここは最高にオススメ。

 今日は半休をとって“江戸川乱歩と大衆の20世紀展”に行ってきました。旧江戸川乱歩邸のマニアな蔵書を見るのが楽しみだったんだけど、少ししか見れなくて残念。入って右脇の棚には男色、好色、惨殺、拷問系の、かなりステキな見たことのない本が並んでてウットリする。
 東武のほうは低調。ひそかに期待してた『芋虫』の草稿がなかったし。死ぬまでに一度でいいからあの草稿を見たいものです。あ、でも山田風太郎からの手紙が見れたのは感激した。仲良しだったとは知りませんでした。嬉しい。山田風太郎の字はすごく可愛かった。

 まあなんていうか展示はぜんぜん面白くなかったけど、乱歩は非常に几帳面で、本当に字を書くことが好きだったんだなあということはわかりました。実物の人間椅子とかあったらよかったのに。カップルで入れんの。「ちょっ、みんな見てるからアナタってば!」「ダイジョウブだよ、見えないって」とか言って(妄想スイッチオン)。屋根裏の散歩者体験ができたりとか。

 ずっと買おうと思って忘れてた、多賀新の『銅版画・江戸川乱歩の世界』を会場で購入して、ルンルンしながら帰ってきました。多賀新は本当にカッコイイ! 「うわ、すげー! かっこいー!」と、会社で版画集を開いていたら、「また気持ち悪いもの買ってきた……」とみんなに言われる。私の会社の机には、秋山まほこの人形作品集(看護婦シリーズが好き)とか、マゾッホの小説とか、情念のCDとかが転がっているので気味悪がられているようで。失礼しちゃいますね♪

行ってきました♪ | Posted by at 8 23, 2004 17:39 | Comments (1) | TrackBack (0)