半野善弘と松尾貴史

 近況報告もろもろ。

 10月1日は、銀座のアップルストアへ、サウンド&レコーディング・マガジンが主催してる“Made on a Mac”を見に行きました。ゲストは先日RADIQという別名義でアルバム『GRAFFITI&RUDE BOY 67'』を出したばかりの半野善弘氏(現在フランス在住)です。
 アップルストアではこういう無料の音楽イベントが頻繁に催されていて、いままで何度か行きましたが、どれも内容充実のいいイベントばかりです。これで無料はかなりお得。イベント会場となる3階のシアター空間は、音がけっこうイイので快適だし。機会があったらみなさんも是非。ちなみに明日は同じ企画で、ゲストが半野さんと仲良しの青木孝允さんなので、面白くなりそうです。行けそうだったら行く予定。

 で半野さん。半野さんの音源は今までいくつか聞きましたが、私にはいまいちわからず。んー、なんていうんだろうか、ニュートラルすぎるというか情趣的すぎるというか。もっとソリッドなものが聞きたい私にはちょっと物足りない感があります。CHAOSという、私がよく行くパーティーにもライブで参加したりしていて、まわりはみんな絶賛するも、やっぱり理解できず。おまけに長身でコワモテなので近寄りがたいカンジだし、坂本教授系列の人ってことで敷居が高いというか……ようするに半野さんに関して、めちゃくちゃ偏見があったわけですね(苦笑)。で、今回もぜんぜん期待しないで見に行ったんですが……

 はい、非常に面白かったです。

 今回は半野さんがMacでどんなふうに音楽を作ってるのか、画面をモニターしながら説明するという企画で、彼はおもにMax/MSPを使って曲作りをしてるんだけど、えーと、説明はもちろん素人の私にはぜんぜんわからないわけで。でもなんか「これを押すとこう変わったりですね」とか、視覚と聴覚で確認できるように説明してくれたので、退屈しないで楽しめました。「へー、そーなんだー、おもしろーい」みたいな。
 ヨーロッパとかでのライブ動画もいくつか見せてくれて、これもかなり面白い。それぞれの民族性っていうか、「ドイツ人はぜんぜん踊らないで目の前でずーっとオシャベリしてんのに、ライブが終わったら“いやー、すごいいいライヴだったよー。また来てね”とか普通に言うし(笑)。中国ではレイヴとかで人が集まりすぎちゃったら警察が来るんですよね。なんか思想とかで結託されたらマズイってことだろうけど」みたいな話をしてくれて、それも非常に興味深かったです。
 で、最後に10分くらいライブ。これも画面をモニターしながらやってくれたので、なんかよくわからないなりに楽しめました。こういう企画は面白いですね。実際、ラップトップでライヴしてる人たちって、どんな画面をみて、どんなソフトをいじってやってるのかなあと知りたい欲求が普段からすごくあって、それが全部見れると、理解できなくても面白い。当然のことなんだけど、現場で作ってるんだ! と実感できる。

 ということで、いいイベントでした。ちなみに半野さんはやわらかな関西弁で喋る、すごく気さくで優しい人です。偏見スイマセン。


 おとついは下北沢のしもきた空間リバティで、松尾貴史さんが出るお笑いライブ“絹6”を見てきました。鈴木邦男さんとかと一緒に(笑)。会場で春風亭昇太さんを見かけてご挨拶。あいかわらずの癒しキャラです。

 私はいままでお笑いライブというと、(まだワハハ本舗にいた時代の)吹越満の“フキコシ・ソロ・アクト・ライブ”と、千原兄弟コントライブ『プロペラを止めた、僕の声を聞くために』と、たまにルミネtheよしもとのネタ祭り(新喜劇がない、ネタだけの回)に行くくらいで、そんなに詳しくないんですが。
 この日は ENBU-0410→ユリオカ超特Q→THE GEESE&第三期コントサンプル→バカリズム→松尾貴史→すわ親治 の順番。それぞれ持ち時間は15分。と言われても、なんのことやら、どんなネタをやる人たちかぜんぜん知らなかったんですけどね。

 いろいろ端折りますが、4番目に出てきたバカリズムという人たちのコントが本当に面白かったです。最初から最後まで爆笑して、笑い泣きしてしまいました。ウワサ(どこの?)によると、この人たちは出来不出来の差が激しいらしく、この日はめちゃくちゃ当たり日だったらしいです。らっきー。あと、THE GEESEの片方の男の子がすごくキレイな顔立ちでウットリしました。ごちです。着ていたタンクトップから見える二の腕がまた、えらく貧弱で可愛かったです♪

 肝心の松尾さんは、案の定いろんな人のモノマネをやっていました。小泉首相がかなりツボ。最後に中島らもさんのモノマネを解禁。ご存知のとおり、らもさんと松尾さんは師弟みたいな関係で、本当にお互いを大切にしていたんですね。らもさんが病院に運ばれて生死をさまよっていたころ、松尾さんもふくめて某バーでみんなで飲んでいたんだけど、そのときの彼の心痛は尋常じゃなかったわけで。
 そんな具合だったので、らもさんのモノマネはあれ以来やってなかったらしいんですが、この日に解禁。松尾さんがやるらもさんのモノマネは、細かいところまで本当によく似ていて、その愛情にグッとくる。ライブ後、挨拶に行った私たちに、恥ずかしそうな顔をして「49日も過ぎたしね!」と笑っていた松尾さんのそのカンジにもグッとくる。いつもはイヤミなほどにインテリ風味を(わざと)醸し出してる松尾さんですが、ああいう表情は初めて見た気がする。

 ということで、バカリズム最高。

行ってきました♪ | Posted by at 10 6, 2004 17:14


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Comments

教授ファンとしては、半野氏はやはり教授プロデュース関係(中谷美紀だったかな?)で知っていましたが、教授系列の人が敷居が高いとは知りませんでした。むしろ、低いのかと思ってた。そうでもない?

Posted by shinya at 2004年10月06日 22:56

んー、どうだろ。
エレクトロニカに関しては、私はほとんどクラブでしか聴かないから、CDとかをバーンと出して、ライブをやると人がバシバシ集まっちゃうようなアーティストは敷居が高いっていうだけかも。
たしかに違う意味ではすごい敷居が低い(つまり間口が広い)と思うし、半野さんに関して言えば、『永遠の仔』のサウンドとかやってたから、お茶の間にああいう音楽を広めてくれたっていうのは大切だと思います。

ちなみに中谷美紀のアルバム『私生活』は半野さんや竹村さんとかが参加してて、おもしろい内容ですよね。
友人の鷲見音右衛門文宏という人が2曲ほど参加してて、それもいい曲なんで聞いてみてください。

Posted by mai at 2004年10月07日 17:09