月触歌劇団『家畜人ヤプー』

 1月の中旬に月触歌劇団の『家畜人ヤプー』の初日を観てきました。『家畜人ヤプー』はご存知、沼正三氏の名著なんですけど、本当に素晴らしい作品なんですね。大昔に読んでいて、まだたしか高校生くらいだったと思うんだけど、気が狂いそうになりました。
 白人(=人間/特に貴族階級は神)、黒人(=奴隷)、黄色人種(=家畜ヤプー)の3色構造の世界“イース”の話で、家畜取り扱い法案とか、社会構造とか、本気でものすごい詳細に、延々5冊にわたって書かれている妄想の世界なんですけど。日本人である沼氏が、よくこれだけ自虐的に家畜として扱われる(というか、むしろそれ以下)日本人を描けたなあと。精神が多少おかしくなるかもしれませんが、興味のある方は読んでみてください。だんだん客観的に読めてくるので面白いです。

 そのお芝居ですね。

 月触歌劇団は全然知らなかったんだけど、寺山修司のお弟子さんだった高取英氏が演出をしている劇団で、邪宗門とかもやっているようです。で、『家畜人ヤプー』ですが、演出は良かったんだけど役者がいまいち。脇役たちがなんか素人っぽすぎて残念でした。アニメのコスプレキャラみたいな役者さんが多くて、声もかなりアニメ声なのも違和感がありました。女性中心の劇団なので、どうしても雰囲気が宝塚っていうか、女子高っていうか、秋葉原っていうか……観ていてけっこうきつかった。でもこの劇団はそういうのがウリみたいなのでファンも多いみたいですね。中心人物たちは非常に良かったと思います。あとで聞いたんだけど、ドリス役の愛葉るびさんはこれが初舞台とのこと。いちばん印象に残った役者さんだったので驚き。
 全体的にはもっと陰鬱としていてほしかったです、材料が材料なだけに。わりとサバサバしたお芝居でした。まあでも『家畜人ヤプー』を2時間の舞台でまとめるのは大変だっただろうなあ。

 終演してから、わけもわからず(一緒に観に行った)鈴木邦男さんに連れられて(鈴木さんは高取氏と仲良し)打ち上げに参加しました。が……なんかすごいメンツでビビりました。なんとあの1979年都知事選に立候補した秋山祐徳太子さんがいらっしゃいました(鈴木さんは秋山氏とも仲良し・笑)。ちなみにこの年は今の都知事の石原さんも立候補して落選しましたね。秋山さんは今年で70歳になるっていうのに本当に元気で、話がものすごい面白い。近々自伝を出す予定らしくて、これはぜひ読まねば。
 他には康芳夫さんもいらっしゃいました。アントニオ猪木×モハメド・アリを実現させたイベンターさんですね。で、猪木とアミン大統領を戦わせようとした人ですね(鈴木さんは康氏とも仲良し・笑)。この人もめちゃくちゃ面白い。見た目が往年のサム・ジアンカーナ(シカゴギャングの大ボス)にそっくりで恐いんだけど、実は気さくな方でした。石原都知事が隊長をやっていたネッシー探検隊、ネス湖探検旅行の企画者です(笑)。
 それから寺島しのぶ主演『ヴァイブレータ』監督の廣木隆一氏。彼も非常にフレンドリーでした。あとは月触歌劇団の役者さんとか、アフリカをフィールドにしてる写真家の人とか、なんかもう非常にカオスな状況で……完全に部外者の私は鈴木さんの横で恐縮しまくってたんだけど、みなさんが「で、この子だれ?」と聞いてきて、鈴木さんが「マイちゃん」と答え(なんの説明もなく)、「ふーん、マイちゃんかあ」と妙に納得するみなさん。意味わかんない。

 まあ途中から私の澁澤龍彦好きがバレて、澁澤龍彦、マルキ・ド・サド、四谷シモン、ベルメール、土方巽、室伏鴻とかについてルンルンしながら語ってたら康さんがものすごい食いついてきて、「嗅覚がある! けど、若いのに変わった趣味をしているね」と言われました。秋山さんは四谷シモンと仲良しなので、色々と面白い話を聞かせてくれました。
 そんなこんなでイカレた(かなりタチの悪い)大人たちに囲まれて、「この世代のほうがぜんぜん元気あるなあ」と実感した夜でした。あんな大人たちを放し飼いにしたらマズイと思います(笑)。常になんか悪巧みしてるカンジでした。

行ってきました♪ | Posted by at 1 25, 2005 12:34 | Comments (3) | TrackBack (0)

一般参ガーーーーーーーーーッ!

buonanno2005!!!

 新年明けましてオメデトウゴザイマス。Buon anno nuovo!!! 今年もステキな年になるといいですね♪ shinyaさんから毎年恒例のかわいい年賀状がきまして(私は毎年年賀メールです……すいません)、今年はオフ会をやろうと書いてありましたが、変態の私でも参加可デスカ?

 ということで、行ってきました一般参ガ(←さる方面の方たちから検索をかけられないように・笑)。初です。

 んもう、めちゃくちゃ面白かったです。かなりのアトラクションっぷりでした。
 まず、二重橋あたりで日本赤十字協会が配布してる国旗(紙製)をもらい、すでにそのへんからウハウハ。意味もなく振ってみたり。そのあと持ち物検査とボディーチェックと金属探知機を通過して皇居の敷地に入っていくと……ずらーっと両サイドに公安が!!!! デジカメを持ってる公安もいて(要注意人物の写真を撮るため)、鈴木邦男氏が『公安警察の手口』で書いてたとおりだ! とウハウハしました。鈴木氏と一般参ガに行ったらかなり面白いだろうなと、年末にさんざん誘ったんだけど、絶対イヤだって言ってたのはこのせいでしょうかね。現在公安の最重要人物ですからね(笑)。

 皇居をひとまわりして(手入れが行き届いてて、どこもかしこも非常にキレイでした。ちなみに順路の左右はびっしりと公安が立ってます)、参ガの広場(?)へ。人がワサワサいて、みんな手に国旗を持っててアガります。残念ながら初回の雅子さまが出てくるのには間に合わず、2回目に参加(一般参ガは10時から15時半まで7回あります)。20分くらい待ってると、皇室ご一家があらわれて、最前列に陣取ってたライトウイングのお兄さまがたが「天皇ばんざーい!」と扇動し、一般市民もわけもわからず「天皇ばんざーい!」とか言っちゃって国旗を振りまくる、かなり面白い光景が見れました。隣に立ってたものすごいオタクっぽい若い女性(ひとりで来てた模様)は「天皇さまぁ〜! 美智子さまぁ〜! 皇太子さまぁ〜! 秋篠宮殿下ぁ〜! 紀子さまぁ〜! 紀宮さまぁ〜!」と全員の名前を叫び、「ばんざーい!」とか言っててホンモノでした。
 お出ましとお言葉はサクッと5分くらいで終わって解散。ライトウイングのみなさんもかなり満足げに帰って行かれました(そのあとまた違うライトウイング団体が来た)。私たちはもっと前で見たかったから、その場を離れずに最前列までガーッと行って、40分くらい待ってもう一度見てきました。今上天皇めちゃくちゃ至近距離(笑)。サーヤさまもこころなしかキレイになったカンジで。

 ということで一般参ガ、かなり面白くてクセになりそうです。 なんていうか、日本人の適当さっていうか。芸能人を見るカンジの心意気で、じいさんばあさんおじちゃんおばちゃんは「見えた」とか言ってウハウハしてるんですよ。で、わけもわからず「天皇ばんざーい!」て……絶対みんな暇つぶしで来てるんだと思います。この国民性たるやいかに。日本は本当に不思議な国ですね。

 えー、ちなみに知り合いの人たちがゲリラ的にこの一般参ガの様子を撮影していたんですが、ちょっとここには書けないようなチャレンジャーな行動をとりまして、ライトウイングのお兄さまがたに睨まれ、出口で待ち伏せされ、追っかけられてました♪ この様子はもしかしたら3月くらいに某深夜ドキュメンタリー番組で見られるかもしれません。

 それでは今年もよろしくお願いいたします。Ciao ciao!!!

行ってきました♪ | Posted by at 1 6, 2005 13:41 | TrackBack (0)

鈴木邦男×森達也

 以前ここに書いた“鈴木邦男×鳥井守幸”と同じ企画で、今回は鈴木邦男氏とドキュメンタリー映画監督の森達也氏のトークライブ「表現・虚と実」に行ってきました。

 森達也氏はご存知『A』『A2』でオウム真理教と徹底的に向き合った監督さんです。この2作品は本当に興味深い内容で、あらためてメディアの恐ろしさとか、集団心理(世論とかね)の危うさとかを体感できるのでオススメです。ウワサの“転び公妨”(わからない方は鈴木邦男著『公安警察の手口』を読んでみて下さい。おもしろいです)も生々しく撮影されています。以下イベント告知より抜粋。

あの『地下鉄サリン事件』から半年が過ぎ、マスコミの熱狂的なオウム報道が続いていた1995年にテレビディレクターとしてドキュメンタリー番組に携わっていた森達也氏。オウム真理教を絶対的な悪として描くことを強要した制作会社との衝突。そして契約解除。その後、自主制作として公開した「A」の社会的波紋。ドキュメンタリー映像という表現の世界の表も裏も知りつくした森田氏が表現の虚と実を熱く語る!!

 トークライブの内容は前回同様ほとんどここには書けないんですが(苦笑)、森さんが言っていたことでひとつ印象的なものがありました。松本智津夫被告は実際のところ本当に眼が見えなかったらしく、指示は出すものの監督不行き届きだったわけで、そのためにあそこまで組織が暴走してしまったのではないか、という話で。ヒトラーもそうだったけど、カリスマは持ち合わせているものの、完全には組織をコントロールできない人間が上に立つ組織ほど暴走を起こしやすい、ということを言っていたんですね。
 そこで私は幕末の長州藩のことを瞬時に思い出して「なるほど!」と実感したわけです。というのも、幕末の長州藩主だった毛利敬親は、家臣の提案する事柄ほとんどに「そうせい」と承認を与える、一見愚鈍な藩主だったために“そうせい候”と陰口を叩かれていた人物だったんですが、彼のなんでも許可する気質があったからこそ、長州の過激な活動家たちが大暴れをして明治維新の火種を作ったんじゃないかなあと思うのです。
 過激な組織が作られていくシステムって、いつの時代も、どこの国でも同じなんだなあと思いました。

 トークライブの内容が途中からなぜか“昭和天皇の戦争責任について”になり、お客さん同士で大激論にまで発展していましたが、私は正直、戦争体験をしていないからか実感が湧かない。けっきょく激論の末、「戦後処理については責任を果たしたと思うけど、戦争を始めたことについては責任を取っていないのではないか」というカンジで話がまとまったんだけど、それでもなんかよくわかりませんでした。誰だってあの状況で戦争を迫られたらゴーサインを出しちゃうんじゃないかなあとか思うんですけどね。靖国参拝とかね、本当にわかんないんですよ、毎年毎年騒がれるのが。国のために死んでいった人のお墓参りくらいしても罰は当たらないと思うんですけどね。当事者じゃないと理解が出来ないと思うんですが、なぜ当事者じゃない人たちまで騒ぐのかがわかりません。このへんのことについては勉強不足なので今後、機会があれば調べてみようと思います(最近はもっぱら戦国時代の男色文化に夢中です。かなり面白い!『武士道とエロス』はオススメ本)。
 ちなみに今上天皇は国歌斉唱しないらしいですね。先日の国旗国歌問題についての発言にしても(それにしても米長邦雄さんのキバリっぷりは面白かった)、今上天皇はいい意味で非常にリベラルで、そういった意味でも日本の歴史に大きく名を残す人格だと思うんですけど、いかがでしょうか? 私は大好きです♪

 ……と、わりと内容がギリギリのところにきているので終わります(苦笑)。

行ってきました♪ | Posted by at 12 10, 2004 17:47 | TrackBack (0)

室伏鴻「始原児」

 昨日は麻布die pratzeで室伏鴻ユニットの『Experimental Body』Vol.2「始原児」を観てきました。ご存知のとおり、室伏鴻氏は土方巽に師事していた方ですね。
 今回は室伏鴻氏が振付、構成、演出を手がけ、若手の男性のダンサー3名(目黒大路、鈴木ユキオ、林貞之)がメインで踊り、途中で室伏鴻がソロで踊るというもの。

 パンフレットに書いてあった今回の公演の文章が非常に良かったので全文掲載。


「始原児」

 舞という字は美しい。歩いていると看板に「舞」と書かれていたりして振り向けばバーのネオンだったり、扉を開ければ舞なんて彼・彼女がいたりしたが……舞さんと舞い上がれば必ず墜落や転落があるからカラダにいくつ裏表があっても不足、で、出口と入口のあたりで踏み迷って舞−踏になった……踏み外してダンスだ。
間のハイフンにはなにかあるのか?なーんにもない。ただハイフン、舞い上がらずとも宙吊りのカラダの孤独に見舞われる<間>があるというわけだ。暁には墜落があり、着水がある。

 ……神話的なイメージを反復したいわけではない。昨日置き忘れた記憶をいくら探ぐってもモノは出てこない。思い出そうとして悪戦する現在があるだけだ。わたしたちの、種族の根源のようなところにまでバンジー・ジャンプできたら、できるかもしれない、踊りでそれが出来るかもしれない、って言ってるひとがいたけど、無−起源の無限の飛翔、場所なき場所の孤独の反復があるだけだ。

 忘れた乙女の歩行を憶い出す、童貞の歩行が炸裂する。忘却が捩れ、喉も砕けて声が出ない。「出来あがらない」ための、これからがステージ。函とロープを用意した。そしてジョン・レノンも。

室伏鴻


 素晴らしかったです。ものすごい興奮しました。

 まず幕が開けて、真っ暗なステージにスポットライトが3つ点り、天井からロープで逆さ吊りされてる、黒い下着だけを身につけた3名の男性ダンサーをそれぞれが照らし出してるところでグッとくる。その肉体たるや、驚きますね。ダンサーの筋肉のつき方は本当に素晴らしい。宙吊りから舞踏に入るときの、筋肉のひそやかな、かつ脈々とした流れが、スポットの照明であらわになっててもうその時点から大興奮。
 途中、再び真っ暗になって、3人のダンサーの床を這う音と息遣いしか聞こえないところがあるんですが、それでもその音を伝って、動きが鮮明にイメージされるのは面白いなあと思いました。にしても、土方巽系列の舞踏って、筋力とバランス感が秀でてる気がします(他はあんまり知らないけど)。腕をひとつ動かすにも、ものすごい時間をかけて少しずつ筋肉の収縮を移動させていくというか、そういう踊り方なので、裸体とスポット照明がいちばん効果的。だと思う。

 室伏鴻のソロは時間が短くてちょっと残念だったけど、ものすごく力強いうえに気品溢れてて、それでいてエロで、かなり集中して観る。筋肉の少しの動きも洩らさないように、そのカラダの隅々までなめまわすように観る(笑)。『土方巽 夏の嵐』で観た土方巽の舞踏は、古い映像だったうえにカラダに布とか巻いていたので、ちょっとぼやけたイメージしかなかったんだけど、実際の筋肉のカンジはどうだったんだろ。室伏鴻のカラダは完成されすぎてる気もするかなあと。もう少し貧弱なカラダだったらもっと切実になるような気がしました。でも彼のステージは切実さを求めるものではないと思うので、ひたすら美しいってことでいいのかも。

 全体を通した印象は……「生命体」でした。わりと深いところまで生命体について問われたカンジで。かといって、1時間半強の公演をぶっ通しで真顔で観るってわけでもなく、笑いもあったりして、最後はすごいハッピーな気持ちになる演出もあり(途中はなんだかものすごい不安になったりしたけど。恐怖感とかで)、暗黒舞踏みたいな怪しさはないモダンなステージでした(ちなみに室伏鴻はほぼ前張りみたいなふんどしみたいな下着に、全身銀粉を塗ったくっていました)。

 ともあれ、室伏鴻はクセになりそう。ちなみに外国人のお客さんが多かったです。


 えーと、関係ないけど今日は三島由紀夫の命日です。

行ってきました♪ | Posted by at 11 25, 2004 17:32 | Comments (3) | TrackBack (0)

第7回 サントリープレゼンツ「ウイスキー&ミステリー」

 お久しぶりです。どうにもこうにも仕事が忙しすぎて、もうなんか発狂しそうなんですが、とりあえずこの地獄の日々もあと3日間の辛抱です。あーつかれたー。

 ということで、最近あまり活動できてないんですが、これはどうしても行きたかった第7回 サントリープレゼンツ「ウイスキー&ミステリー」
 ユルめな気持ちで会場の六本木アカデミーヒルズ ライブラリーカフェとやらに向かうと、なんだかとてつもなくセレブっつーか、ラグジュアリーな雰囲気で、みなさんかなりオシャレしてきてて焦りました。黒のニットに迷彩柄のパンツ履いてきちゃったよ……みたいな。

 今回のこのイベントは毎年開催されているものなんだけど、有名作家が6人も見れて100名限定ということで、かなりのプラチナチケットぶりなんだそうです。本当はプレスで入る予定だったんだけど、プレスで入ると石田衣良さんがブレンドしたウイスキーが飲めない(しかも飲み放題)ので、お客さんとして入りました。
 ということで、もちろんイベントが始まる前からウイスキーをグイグイいくわけで。日本推理作家協会オリジナルブレンドウイスキー“謎2004”として今年選ばれた石田衣良さんの“爽”が飲み放題だったんですが、これがものすごい美味しい! あまりウイスキーを好んで飲まない私ですらグイグイいけてしまうほど、口当たりが優しくて、非常に飲みやすいです。オススメ。すでにもう3本予約しちゃいました。お酒に弱い女の子がハーフロックで飲むのに適してるカンジで……私はロックでいいくらいだけども。ちなみに各テーブルにオードブルまでついてて、すっかり飲みモードに。

 そうこうしているうちに作家さんたち登場。会場は広いんだけど、ゆったりめの扇状に席が配置されているため舞台とのキョリが近く、石田さん(この日のいちばんのお目当て)が間近で見れました。想像してましたが、めちゃくちゃ色っぽい。本当にズルイくらい色気ムンムンなのに、本人はどこ吹く風なカンジで3枚目というかイジられキャラに徹してて、うしろに座ってる北方謙三さんからピーナッツを投げられまくってました。
 にしても、北方さんと逢坂さんは本当にオチャメなオジサンでした。すっごいカワイイ。北方さんとはぜひとも酒を飲みたい! ハードボイルドを気取ってるつもりが、すごい気のいいオジサンで微笑ましかった。神崎さんはかなりの男前でした。顔は石田さんなんかよりぜんぜんカッコイイんだけど、真面目だし、かっこよすぎて色気がなかった。篠田さんはカマトトぶったかなりの悪女でステキ。大沢さんもキャラが濃い。

 という具合に、全員アクの強い人ばかりだったので、トークショーはかなり面白かったです。っていうか、客も作家たちも相当飲んだくれて酔っぱらい、エロ話に何度もいきかけていたのが笑える。
 神崎さんのブレンドした“情味”というウイスキーの話になって、神崎さんは「長年連れ添った夫婦が、ホテルの部屋で静かに並んで夜景を眺めながら飲むのをイメージしました」とかいいことを言ってるのに、石田さんがすかさず「え? それってさ、前? 後?」とか茶化し、「君は下品だよ!」とか神崎さんに怒られたり。北方さんは「酒はイイ女を眺めながら一人で飲むんだよ!」の一点張り。

 作家さんたちもかなり酔っぱらってきたところでお客さんからの質問コーナー。これは参加申し込みの時と、イベントが始まる前にアンケートされたなかから、面白そうな質問を大沢さんが選んで発表し、選ばれたお客さんは手を挙げて、なんか記念品までもらえちゃうというので。アンケートされたことをすっかり忘れててボーっとしてたら「えーと、次は……東京都からお越しの富田舞さん!」とか呼ばれて驚きました。とりあえず何か書いときゃいいかと、適当にチャラい質問をしたんだっけなあと聞いてると「えーと、質問は……女性のどんなお酒の飲み方がグッときますか? です」だって(苦笑)。
 石田さんは「僕はねえ、乱れちゃう人が好きだな。ちょっとほら、ダラーン(とシャツの襟元をべローンとまくって鎖骨を見せる)ってカンジで!」とか言ってました……。

みなさんのサイン で、記念品をいただく。「重いからがんばって持って帰って下さい」と、6人全員のそれぞれの直筆サイン入り著書でした。しかもハードカバー。北方さんにいたっては上下巻(笑)。計7冊総額15000円弱で、相当な重さ。石田衣良『ブルータワー』篠田節子『秋の花火』神崎京介『好きの果実』逢坂剛『恩はあだで返せ』北方謙三『楊家将』上・下大沢在昌『パンドラ・アイランド』
 ぶっちゃけ、ミステリー小説は苦手でほとんど読まないんですけど、せっかくいただいたので頑張って読みます。んで、それぞれのサイン。神崎さんのはなんかカッコイイ。あ、あとなんか日本推理作家協会オリジナルのトランプと、北方さんが原作を書いたお芝居(?)のビデオ(VHSのビデオにペタッとラベルが貼ってあるだけの、ある意味かなりレアっぽいビデオ)もいただきました。

 ということで、2時間近く続いたこのイベントはかなり面白かったです。作家さんたちが酔っぱらって好き勝手言ってるのを、お酒を飲みながらウヒャウヒャ眺めるということは滅多にできないだろうなと。来年も機会があったら行きたいです。
 ちなみにこの選ばれた石田さんのウイスキー、なんと5分でブレンドしちゃったらしいです。「いやー、前の晩飲んでてね、二日酔いでサントリーの蒸溜所に行って、5分でブレンドしたのが選ばれちゃってゴメンナサイ♪ 北方さんや逢坂さんは毎回チャレンジしてるけど選ばれたことないんですよね♪」とかサラッと嫌味を言うと、「樽がよかったんだよ!」と毒づく逢坂さん。「お前の小説みたいじゃないか! 寝かしたら絶対これ不味いぞ!」と、石田さんの後頭部めがけてピーナッツを投げながら言う北方さん。おもしろい。「爽っていうコンセプト? あー、だって僕ほら爽やかじゃないですかぁ〜」とか。ニクイですね石田衣良。

行ってきました♪ | Posted by at 10 26, 2004 17:12 | TrackBack (0)