日米地位協定とかトマホークとか

 昨日は一水会のフォーラムに初めてお邪魔してきました。べつに一水会に入ってなくても、誰でも参加できるのでね。会場に行くと、あきらかに場違いな私(ジーンズにセーター)と友人(超ミニスカートにロングブーツ)に驚くみなさん……スイマセン。鈴木邦男顧問に向かって「あ、くーにんだ! こんにちはー!」と手を振り、木村三浩代表に向かって「4代目は私がいただきますっ!」とか言ってる私たちは、そのうち粛清されるんじゃないかと思います……冗談です。ちなみに、なぜか友人は、駅で私を待ってるときに近寄ってきた民主党の人から買ったという機関紙『日本再生』を手にしてました。

 今回のフォーラムのお題は『日米地位協定の諸問題〜国家安保戦略形成に向けて〜』。講師は軍事評論家の宇垣大成氏。

 アテネオリンピックで日本中が沸いている最中、沖縄国際大学へ米軍ヘリが墜落した事件がありましたが、アメリカは事件当初、沖縄県警との合同調査すら許さないで勝手都合よく処理しようとして沖縄の人たちが憤慨していましたね、こういう事件が起こらないと本土の人間は忘れがちになってしまう、日米地位協定について専門家に話をしてもらいましょう……ということでした。
 私は「日米地位協定? ようするにアメリカの治外法権とかすごいんでしょ? 安保条約? なんかよくわかんないけど、井伊直弼が先走って調印した安政五か国条約の現代版みたいな、まだまだ不平等な条約なんでしょ?」くらいなイメージ(たぶん間違ってる)しかないままに参加したので……ちんぷんかんぷんでした。

 というかこの講師の宇垣大成氏ですが、めちゃくちゃ軍事オタクで(ちなみに若かりし頃は鉄道マニアだったらしい)、地位協定とか安保とかをすっとばして、延々とあらゆる兵器の値段やら解説やらを目を輝かせて喋りまくっていたのが笑える。みなさん苦笑。地位協定は? 安保は? あげく携帯の着信音が鳴り「あー、ちょっとごめんなさいね。もしもし〜? え? なに? あ〜、いまねえ、取り込んでんの。え? そうそう。はいはい」とか言って、何事もなかったように講義を続けること2度……携帯の電源切っとけよ。
 そんな無茶苦茶な講義が2時間ちかく続き、ウンザリしてたところに木村さんが話を元に戻すような素敵な質問をしてくれたので、そこからの話は大変おもしろかったです。

 この私の貧弱な理解力と解説力でまとめてみますと……

 日本は自力で兵器を作れるほど、技術が発達していない(世界水準から考えると相当遅れているらしいです)→そのため、どうしてもアメリカ(世界最高水準。いってみれば20馬身差でぶっちぎりくらいに。病院をたくさん潰した費用を軍備にまわすほどの必死さ)から兵器を買うしかない→兵器はアホみたいに高い。維持費も相当かかる(母艦ひとつで3兆円とかいうレベルで)→トマホークはかなりお買い得♪ だけど、トマホークのコントロールシステムはアメリカにあるので、軌道とかはすべてアメリカの監視下に置かれる→でも必要→だから日米地位協定は絶対に避けられない、ということでうまくやれよと。
 ちなみに欧州とかは開き直ってうまく作戦を練ってるようです……たとえばイギリスは、中東のあらゆる国から優れた人材を発掘して、彼らをアメリカで学ばせて技術を習得させ自国に還元し、その見返りとして中東の情報をアメリカに提供する、みたいなシステムをとっているらしいです。賢い。

 まあだいたいそんなカンジの内容だったんですが、最後の「うまくやれよ」ってところが具体的にどうすればいいのかっていうのを聞きたかったです。
 他に興味深い話としては、『国内の貧富の差』について。アメリカ人の87%は、今の国内の凄まじい貧富の差について「私は一攫千金を狙ってるから、このままでいい」という意見らしいです。独立したての頃は人民の平等が盛んに叫ばれていたため、貧富の差が激しいブラジルを「信じらんな〜い」と声を大にして国家レベルでけなしていたアメリカが、いまやこの現状。一方イギリスは75%の人が「人間は生まれながらにして不平等である」という意見らしい(笑)。帝国主義は遺伝子レベルで組み込まれてるんですかね。オランダとかは「平等であるべき」「いや、不平等だ」が半々の割合とのことでした。面白い。
 で、最後に「すでに国民単位で国の姿勢に対しての不平や不満が出てきてるアメリカは、この先どうなっちゃうんだろうかね」みたいな余談になりました。「あと10年以内で滅茶苦茶になって、国としての機能を失うんじゃないか。だから日本はそろそろアメリカから離れといたほうがいいんじゃないの? 共倒れしたらたまんないしー。くわばらくわばら」という結論でした。

 そのあとみんなで飲んだんですが、木村さんに「今日の感想は?」と聞かれて、「んー、難しくて半分以上わかんなかったけど、ようするにあれですよね? アメリカは“ぶっちぎりで軍備を整えている”っていう部分が最大の武器で、それにしがみついて世界での権威を保っているわけですよね? だったら他の国ぜんぶ、ぜーんぶが軍備を棄てて、“はぁ? あんた何してんの? いまどき流行らないオモチャをそんなに抱えてどおすんの? 誰もそのオモチャ持ってないから遊べないじゃん。バッカじゃないの? だっさー。ちょっとちょっとー、このアメリカっていう人、いまだにこんなダサくて値段だけは高いオモチャ抱えてますよー。見てこれ! うっわー、アホくさ!”ってバカにしてやればいいんじゃないですか? そしたら軍備にお金かける必要もなくなるから家計も潤うし♪」と答えたら、「そうなんだよ! それなのそれ!」と言われました。まあなんか、ようするにそういうことらしいです地位協定って(笑)。

 でもなあ、軍備がもしなくなったとしても、今度は他のどこかの国が、また違うオモチャを作り出してしまう可能性は高いわけで……まあ軍備よりタチの悪いオモチャはないとは思うけど。

行ってきました♪ | Posted by at 10 7, 2004 18:42 | TrackBack (0)

半野善弘と松尾貴史

 近況報告もろもろ。

 10月1日は、銀座のアップルストアへ、サウンド&レコーディング・マガジンが主催してる“Made on a Mac”を見に行きました。ゲストは先日RADIQという別名義でアルバム『GRAFFITI&RUDE BOY 67'』を出したばかりの半野善弘氏(現在フランス在住)です。
 アップルストアではこういう無料の音楽イベントが頻繁に催されていて、いままで何度か行きましたが、どれも内容充実のいいイベントばかりです。これで無料はかなりお得。イベント会場となる3階のシアター空間は、音がけっこうイイので快適だし。機会があったらみなさんも是非。ちなみに明日は同じ企画で、ゲストが半野さんと仲良しの青木孝允さんなので、面白くなりそうです。行けそうだったら行く予定。

 で半野さん。半野さんの音源は今までいくつか聞きましたが、私にはいまいちわからず。んー、なんていうんだろうか、ニュートラルすぎるというか情趣的すぎるというか。もっとソリッドなものが聞きたい私にはちょっと物足りない感があります。CHAOSという、私がよく行くパーティーにもライブで参加したりしていて、まわりはみんな絶賛するも、やっぱり理解できず。おまけに長身でコワモテなので近寄りがたいカンジだし、坂本教授系列の人ってことで敷居が高いというか……ようするに半野さんに関して、めちゃくちゃ偏見があったわけですね(苦笑)。で、今回もぜんぜん期待しないで見に行ったんですが……

 はい、非常に面白かったです。

 今回は半野さんがMacでどんなふうに音楽を作ってるのか、画面をモニターしながら説明するという企画で、彼はおもにMax/MSPを使って曲作りをしてるんだけど、えーと、説明はもちろん素人の私にはぜんぜんわからないわけで。でもなんか「これを押すとこう変わったりですね」とか、視覚と聴覚で確認できるように説明してくれたので、退屈しないで楽しめました。「へー、そーなんだー、おもしろーい」みたいな。
 ヨーロッパとかでのライブ動画もいくつか見せてくれて、これもかなり面白い。それぞれの民族性っていうか、「ドイツ人はぜんぜん踊らないで目の前でずーっとオシャベリしてんのに、ライブが終わったら“いやー、すごいいいライヴだったよー。また来てね”とか普通に言うし(笑)。中国ではレイヴとかで人が集まりすぎちゃったら警察が来るんですよね。なんか思想とかで結託されたらマズイってことだろうけど」みたいな話をしてくれて、それも非常に興味深かったです。
 で、最後に10分くらいライブ。これも画面をモニターしながらやってくれたので、なんかよくわからないなりに楽しめました。こういう企画は面白いですね。実際、ラップトップでライヴしてる人たちって、どんな画面をみて、どんなソフトをいじってやってるのかなあと知りたい欲求が普段からすごくあって、それが全部見れると、理解できなくても面白い。当然のことなんだけど、現場で作ってるんだ! と実感できる。

 ということで、いいイベントでした。ちなみに半野さんはやわらかな関西弁で喋る、すごく気さくで優しい人です。偏見スイマセン。


 おとついは下北沢のしもきた空間リバティで、松尾貴史さんが出るお笑いライブ“絹6”を見てきました。鈴木邦男さんとかと一緒に(笑)。会場で春風亭昇太さんを見かけてご挨拶。あいかわらずの癒しキャラです。

 私はいままでお笑いライブというと、(まだワハハ本舗にいた時代の)吹越満の“フキコシ・ソロ・アクト・ライブ”と、千原兄弟コントライブ『プロペラを止めた、僕の声を聞くために』と、たまにルミネtheよしもとのネタ祭り(新喜劇がない、ネタだけの回)に行くくらいで、そんなに詳しくないんですが。
 この日は ENBU-0410→ユリオカ超特Q→THE GEESE&第三期コントサンプル→バカリズム→松尾貴史→すわ親治 の順番。それぞれ持ち時間は15分。と言われても、なんのことやら、どんなネタをやる人たちかぜんぜん知らなかったんですけどね。

 いろいろ端折りますが、4番目に出てきたバカリズムという人たちのコントが本当に面白かったです。最初から最後まで爆笑して、笑い泣きしてしまいました。ウワサ(どこの?)によると、この人たちは出来不出来の差が激しいらしく、この日はめちゃくちゃ当たり日だったらしいです。らっきー。あと、THE GEESEの片方の男の子がすごくキレイな顔立ちでウットリしました。ごちです。着ていたタンクトップから見える二の腕がまた、えらく貧弱で可愛かったです♪

 肝心の松尾さんは、案の定いろんな人のモノマネをやっていました。小泉首相がかなりツボ。最後に中島らもさんのモノマネを解禁。ご存知のとおり、らもさんと松尾さんは師弟みたいな関係で、本当にお互いを大切にしていたんですね。らもさんが病院に運ばれて生死をさまよっていたころ、松尾さんもふくめて某バーでみんなで飲んでいたんだけど、そのときの彼の心痛は尋常じゃなかったわけで。
 そんな具合だったので、らもさんのモノマネはあれ以来やってなかったらしいんですが、この日に解禁。松尾さんがやるらもさんのモノマネは、細かいところまで本当によく似ていて、その愛情にグッとくる。ライブ後、挨拶に行った私たちに、恥ずかしそうな顔をして「49日も過ぎたしね!」と笑っていた松尾さんのそのカンジにもグッとくる。いつもはイヤミなほどにインテリ風味を(わざと)醸し出してる松尾さんですが、ああいう表情は初めて見た気がする。

 ということで、バカリズム最高。

行ってきました♪ | Posted by at 10 6, 2004 17:14 | Comments (2) | TrackBack (0)

nino trinca プチワンマンライブ

天才ベーシスト、鹿島アニキ
 最近気味が悪い話題ばかりで申し訳ないので、ちょっと陽気な話でも。

 先日、私もスタッフとして参加してるバンド、nino trincaのプチワンマンライブを下北沢のモナレコードというステキなお店でやりました。

 nino trincaは基本的にはボーカル、キーボード/ギター、ベース/ウッドベース、ヴァイオリン、アコーディオン/ミュージックソウ/クラリネット、ドラム、トロンボーンの7人構成ですが、時と場合によって、いろんな人がいろんな楽器を持って参加(乱入?)してくるアットホームなバンドです。いちおう簡単にメンバー紹介。

角森隆浩(ボーカル)
  普段は某百貨店の店員としてあくせく働く変態ボーカル。
ゲイ疑惑あり。というか、今年中に彼女ができなかったらゲイになるらしい。
鹿島達也(ベース)
  知る人ぞ知る天才ベーシスト。nino trincaの頼れるアニキ。
オリジナルラブ、堂島孝平、玲葉奈、真心ブラザーズ、the Pillows等、数多くのアーティストと共演。
HONZI(ヴァイオリン)
  知る人ぞ知る天才ヴァイオリニスト。nino trincaの妖精。
フィッシュマンズ、UA、有山淳二、リクオ等、数多くのアーティストと共演。
CHACO(ドラム)
  かなり天然なnino trincaのマスコットガール+歌姫。
森山良子、高橋徹也、東田トモヒロ等のツアーサポートで活躍中。
Alan Patton(アコーディオンetc)
  外見はイギリス人ぽいけど、本当は変態アメリカ人で変態画家。
アコーディオン、ミュージックソウ、クラリネット等々、音の鳴るものは何でも触る。ヴァイオリンとのデュオ、ケチカブラスカでも活躍中。
Yassy(トロンボーン)
  いつも陽気なパワフル天才トロンボーン奏者。
ホームバンドのBlack Bottom Brass Bandは現在三越のCMで全国区。こちらも最高。
上田禎(キーボード / ギター)
  nino trincaの最高責任者。“帰属意識”について延々と語ってくれる人。
オリジナルラブ、フィッシュマンズ、bird、SCOF、あがた森魚、The Carnation、加藤いづみ等、数多くのアーティストと共演。映画音楽制作などを手掛ける。
松本健一(サックス / フルート)
  前回からnino trincaにゲスト参加してくれているステキな殿方。
オリジナルラブ、world's end girlfriend等を強力サポートしてるすごい人。このままnino trincaに居ついてくれることを願って、他のメンバーよりも大事に扱い中。


 という具合なんですが、おわかりのとおり、けっこう玄人向けなメンツなんですね。よくよく見たら、あちこちで活躍してる流しの(?)ミュージシャンが集まっているバンドだった、っていう(ちなみに結成当時はデミセミのエミ・エレオノーラさんもいました。この人も、とある業界では超有名人)。よく言われるのが、“ミュージシャンズミュージシャン”。つまり音楽をやっている人たちに人気があるバンドです。
 が、普通の人たちでも十分楽しめます。というのもボーカル角森隆浩の話術がすごい! 春風亭昇太氏に似た風貌で、コテコテの関西弁で下品なネタをまくしたてる彼のMCは、1度聞いたら病みつきになります。品のいい(歌詞はかなりふざけてる)ヨーロピアンな音楽と不釣合いなMC、そして、なんだかわかんないけどステージにはメンバー以外のミュージシャンがいたりして、まあ簡単にいうと変態バンドなので、みなさんよかったらぜひ遊びに来てください。私はだいたい受付とかやってますので。

 ……と、うっかり宣伝してしまいましたが、こないだのライブのことを書くんでした。

キュートなサックス奏者、マツケンさん こないだはドラムのチャコちゃんとトロンボーンのヤッシーが欠席だったので、急きょ助っ人でSmall Circle of Friendsや遊佐未森等で活躍中のドラマー楠均さんと、ナゾのパーカッショニスト宮ちゃんが参加。せまいステージに大人8人ギュウギュウ詰めで。
 お客さんもいい具合に入り、会場は満席。ボーカルの乗ったメロディアスな曲から、鹿島さんのウッドベースとHONZIさんのヴァイオリンと松本さんのアルトサックスがギュンギュンうなるインストもの、ふたたびボーカルが乗ってルンバのリズムでガシガシ躍れる曲などなど、めちゃくちゃ盛り上がりました。MCも絶好調。楠さんと宮ちゃんは当日のリハーサルで初めて譜面を見たという状況で、即席だったためにハラハラしてたらしく、1曲終わるごとにふたりで「できたよー! 叩けたよー! よくやったー!」とジャンプしながらハイタッチしてました(笑)。オツカレサマでした。本当はアラン(クラリネット)、松本さん(サックス、フルート)、ヤッシー(トロンボーン)の3人がそろえば、ホーンが3つで豪華なのになあ。

 にしても、こないだはHONZIさん(ヴァイオリン)が欠席だったので気がつかなかったんだけど、フルートの音にヴァイオリンが乗ると、めちゅくちゃイイですね。どっちもソロより音がグンと引き立つ。ウッドベースとヴァイオリンしかり。こういう楽器の相性とかを聞き分けるのは楽しい。

 という具合でした。よろしかったらみなさんもぜひ! 次回ライブは……未定。みんな年末に向けてそれぞれの活動が忙しく。

行ってきました♪ | Posted by at 9 28, 2004 18:01 | Comments (5) | TrackBack (0)

『ヤマトタケル』読書会

 先週は“『ヤマトタケル』読書会”なるイベントに行ってきました。これは何かというと、一水会顧問の鈴木邦男氏の著書『ヤマトタケル』を、氏を囲んでみんなで読もうというものです。

 ヤマトタケルはもちろん古事記、日本書紀に出てくる我が国のヒーロー、景行天皇の皇子である“やまとたけるのみこと”ですが、古事記と日本書紀では若干(というか、だいぶ)違うイメージで描かれています。そもそも古事記では“倭建命”、日本書紀では“日本武尊”と、表記からして違うし。
 かんたんに言うと、『古事記』は宮中だけで読まれた物語なのでかなりフランク、『日本書紀』は中国正史みたいのを日本も作ろう! ということで、意図的に神々や皇族をキレイに描いた歴史書なので堅い。そんなことはまったく知らなかった私は、ずっと昔に『日本書紀』だけ読んで「全然おもしろくない」と『古事記』は読まなかったわけで……もったいない。『古事記』はかなり面白いので、興味があったら読んでみてください。その前に阿刀田高氏の『楽しい古事記』をザーッと読むとさらにわかりやすいと思います。

 前置きが長くなりましたが、読書会です。

 ご存知のように鈴木邦男氏は右側の人間なのですが、そういった右の人間にヤマトタケルを描かせるっていうのは画期的だと思いました。現代書館が出してる、このFOR BEGGINERSシリーズはかなり面白い企画ばかりでオススメ。文章と絵が6対4くらいなので読みやすいし、前田哲男氏が「日本の軍隊」を書いてたり、竹中労氏が「大杉栄」を書いてたりしています。三浦実氏の「吉田松陰」も面白かった!

 読書会ではこの『ヤマトタケル』に対する鈴木氏の思い入れ等を聞きながら、学生さんが音読して感想を述べあったりするんですが、まあすでに読み終わっていた私は新しい発見もそんなになくてイマイチ。いちばん好きだった「魔性の女・美夜受比売」っていう章は読まなかったし。
 本のなかにクリムトの『ユーディット?』が載ってて、「鈴木さんクリムト好きなんですか?」「うん、マイちゃんも?」「普通に好きなんだけど、ユーディットだけはものすごい好き! 一緒に琳派展見に行きましょうか、クリムト2つしかないみたいですけど」とか言って、邦男さんがクリムト好きっていうことがわかったのが新発見ですかね。あ、あとボツになったエロい挿絵を見せてもらいました。あ、それから挿絵を描いてる清重伸之氏は右嫌いのわりと左寄りの人らしく(笑)、この本を作るにあたって一度も顔をあわせなかったんだけど、原稿を書いたあとに挿絵入りで返ってくるゲラに挑戦的な(っていうか、清重氏の思いみたいな)吹き出しがあったりして面白かったと言ってました。それをふまえて読み直してみたらかなり面白い。

 そのあとの雑談で、なんで神話って人種も土地もぜんぜん違うところから発生してるのに、似たような話が出てくるんだろうねという話になりました。これは私も古事記を読んでて思ったんだけど、ギリシャ神話に出てくる話と同じような概念がけっこうあるんです。
 美夜受比売はヘレネみたいなもんだし、弟橘比売命はアンドロメダみたいだし(アンドロメダは助かったけど)、雄略天皇はゼウスみたいにどうしようもない女好きだし、描かれてるキャラクターがことごとく重なるんですね。これはすごく不思議。やっぱり人間は遺伝子レベルで繋がってるってことでしょうかね。

 ま、とにかく機会があったら『ヤマトタケル』、読んでみてください。基本的には古事記のヤマトタケルの解説ですが、なぜか梅原猛や鶴見俊輔、右翼の中村武彦や平泉澄のことも書いてあるし、あげく邦男さんと野村秋介氏のツーショット写真まで載ってます(笑)。野村氏めちゃくちゃカッコイイ。

 ……とか書くと、またshinyaさんをハラハラさせちゃうわけですね♪

行ってきました♪ | Posted by at 9 22, 2004 18:29 | Comments (1) | TrackBack (0)