統計ではなくてストーリーを共有する
共通テーマの一文目に衝撃を受けた。「新しい世紀を迎えた今、私たちは依然劣悪な都市環境の中にいる」実は、その劣悪な環境ですら把握せず課題に取り組もうとしているのではないかという、共通の問題意識から議論が始まる。大きくは、20世紀の建築が取りこぼしたことを発見し、展開していこうという認識のもと、提案のガイドラインとなる問題を定義することから始める。<居住><創造>のようなキーワードにそって問題をリサーチし、その問題と同じような状況を抱えた敷地をポートサイド地区から選択し、その土地特有の問題に掘り下げていくというストーリーでアーカイブを作っていくことになった。自分が持つユートピアを洗い出す感覚で、選択したキーワードですら、自らを疑う姿勢を持とういう話などが出る。
何を見立てるか
データを収集する際、自ら主体性を持って情報を選別するという理想にはほど遠く、手探りで自らの勘に頼らなければならない。情報は手にいれよう思えばいくらでも量は増える、また、それだけ情報の選別をする作業をこなさなければいけない。昨年のデータ収集のアーカイブを見たが、何もストーリーを持たず、個々が浮遊しているような状態で、何も頭に入ってこない。何を蓄積し、利用し、批評しようとしたのか跡形も片鱗も感じられない。ただ、形を整えるという行為すら乗り越えられない状況が意味する恐怖感だけが読後感として残った。個人的な意見だが、情報は自ら捻出することによって、その情報が持つ賞味期限や意味を持ち得るのではないかと思う。それは、足を運ぶことだと思う。確かに足を運ぶきっかけにづくりにはブラウザを利用しない手はない。
写真は、公団並木一丁目団地(金沢シーサイドタウン並木一丁目団地 槇文彦設計)の中にある東急スト駐車タワーより、奥に三菱重工、下水処理場。その手前に新都市交通とパラレルに続く斜面の緑道。足下が、広大な駐車場。スプロールの象徴的な風景とも言えるのでは。
何を発見するか
昨日の現地調査は雨の中ざっと中心から八景島まで移動してみた。横浜の街は海岸線に平行に地層のように重なり合っている感じがした。隣り合う地層同士はあまり干渉しあっていない。その境界線で何かがせめぎあっている感じもない。何か予定調和的におとなしく釣り合いを保っている。その境界は首都高速であったり、港の変遷によるものであったりする。まだ港の方へ向かって同じような方向で地層は堆積されている。しゅう曲したり地殻変動していたりしているところはないかな。くさびが入っているところとか。せめぎあわせる仕掛けを作ることはできないかと考えている。
都市的な大きな視点と現地調査からみえてくる発見をする。
横浜市のホームページは結構親切に詳しくデータなどものっていますね。
おもしろい土地
●都市の捉え方について
私は「都市」とよばれる範囲に全員の共通点または、今回の課題に関しての共通点があるとよいと思う。横浜という誰もが知っている都市に対しての提案なのか、それとももっと、地元に密着した話での都市ということなのか、両者によってかなりFWの仕方も変わってくると思う。
●おもしろいということはどういうことか
結局そこに変化を与えることは何か周辺で変化を起こすことになるから、その土地をたまたま見つけて、どうするのか考えていく際に周辺がコンテクストの少ない状況だとしたら、そこを選ばないのか、宮本佳明さんの環境ノイズエレメントの場合のようにたとえば芦屋川のプロジェクトでも、しゅうへんじゅうみんが無意識に感じているものは見えないものだし、おそらく関東に住んでいる人はそんなもの全く知りえない場所で都市の記憶の組み換えが、こうしたらおもしろくなるということや、こうやって捉えなおしたらおもしろくなると、言っていることと、最初からこのばしょがおもしろいと思ってさぎょうにとりかかるのでは違うだろうし。そこで、最初の●の都市のとらえかたが大事なのだと思う。
●FWにたいして
何か取っ掛かりのキーワードを上げてマトリックス分析をするのがいいと思う。先入観を抜きにして。