グリッドのゆがみ

南太田駅前
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市街地は、谷戸に囲まれており、かつては海だった。そこが300年前に干拓され、干拓地はグリッド状に道と運河を走らせていたが、谷戸とぶつかった途端にグリッドが崩れる。交通インフラ(京急鉄道)は、谷戸沿いに走っていて、ここ南太田駅前には未だに幅一メートル程の抜け道を多くの人が行き交いしている。

大黒ジャンクションを中心に

大黒埠頭ジャンクション(JCT)の向かいからぐるりと90°
現在高速道路は交通動線としての機能を最重要とし、市街の中を縫うように走っている。整備時期の関係上、土地の利用状況をふまえた上で計画されているため、湾岸沿いと内陸を隔てるかたちとなっている。特にJCTでは周辺から切り離された空地をつくり出し、街の中に機能しない場所をつくりだしてしまっている。

大黒埠頭には人が生活している様子は見られない。トラックが高速で走り回る322haの広大な島の中には、市民に使わないスポーツ広場と人のいない展望施設があり、JCTによってつくられたドーナッツの中には隔離されたひとつのパーキングアリアがあるだけという現状。
この場所に新しく街ができるという仮説をパーキングエリアにインターチェンジの機能を付加したスマートインターチェンジの普及と、コンテナの移動時間短縮によって徐々に生じる空地という二つの根拠をもとにたてる。このときJCTは新しい街の中にも隔離された場所をつくり出し、高速高架は横浜市街地のように土地を隔ててしまうと考えられる。
今回の提案は、大黒埠頭が巨大な物流拠点から市民が生活する街へと変容する際に、いかに共存しながら街をつくっていくか、ということを構想しつつ、JCTがつくり出す空地を活用し、新しい街の骨格となる中心をつくるということになる。焦点は、いかにして人が集まることのできる場所をつくるか、ということに絞られる。
提案の起点として、関内の横浜公園と等価交換の概念に基づき、横浜スタジアムの機能をこの場所に移動する。目的地を得た大黒埠頭には水上交通の乗り入れが起こると予測する。これら二つと、JCTによって分断されていた公共利用可能なスポーツ広場、展望施設をパーキングエリアを使ってつなぐことで、人の集まる街の中心をつくることが出来ると考える。

内陸工場街

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鶴見川沿いの内陸の工場。
いずれディベロッパーによりマンションに変貌するのか否か。

伊勢佐木モールと大通り公園

モールと公園の位置関係
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伊勢佐木モール付近は、関内に対して、関外と呼ばれていた。どちらも昔からの繁華街です。それに対し、大通り公園は、300年前の干拓時は、川として整備され、戦後、公園として整備された。もともと、干拓地の根幹をなす川として整備されたため、現在の市街地の背骨のような位置に、たまたまある。現在は、大通り公園が、商業的にぎわっている伊勢佐木モールの背面的なヒエラルキーを抱えてしまっている。ただ、言い換えれば、喧騒を逃れられる市民のための場所として存在できるポテンシャルはある気がする。

港北 谷戸

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画像のアップ方法

管理画面のpostの中にあるファイルのアップロードをクリックすると、
別ウィンドウが出ます。
自分のパソコン内でファイルを選択し、
(写真はフォトショップでweb用に保存で、軽くして欲しい。解像度短辺288が適当)
アップロード先は、Local Archive Path を選択し、
追加のパスに 「images」 を追記する。
そして、アップロードをクリックすると、
アップロードしましたウィンドウが出るので、
すでに編集中のエントリーに画像を追加する場合、
アップロードファイルのHTML表示を選択し
EMBEDDEDをクリックすれば、画面が切り替わり
HTMLタグが表示されます。
このタグをコピーして、エントリーにペーストすれば、完了。

横浜を海から見る

11月17日 水曜日 高速艇を借りて横浜の大桟橋のたもとから、扇島(川崎の京浜工場地帯のスケープが見える)を越えて、京浜運河(埋め立て地の間)、アメリカ軍基地の瑞穂埠頭を眺め、戻るコースの見学が出来ます。朝、10:00から二時間程度予定しています。飯田ユニットでなくても、見学が可能なので、希望の方はコメントもしくは、simonにメールまで。(一人当たり千円かかります ユニット7人+10人くらい可能)
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1時間当たり大型の国際船が30隻入港する国際的な港を、海から見れる機会は貴重です。また、今まで立ち入れなかった港湾の埋め立て地は、急速に都市に還元されようとしています。みなとみらいは有名ですが、山の内埠頭なども、埋め立てられ高級マンションコットンハーバーの建設が始まっています。最近開通した伊東豊雄さんらが設計したみなとみらい線などもあり、この機会に是非。飯田さんも来られます。

ひでおしなりお2

現在の本牧ポートハイツは港湾労働者の共同住宅で、ソーシャルハウジングとして昭和43年から今まで増築を重ねてきた団地である。全部で18号棟まであり、1280戸ある。5、8号棟は平成4年に改造され、最後の18号棟は平成3年に竣工している。その他の棟の大半は老朽化しており、6畳、4.5畳、バス、トイレといった構成は家族が住む器としてのモデュールとしては合わなくなってきている。しかし、全部建て替えるといったことは無理があるし、そのような捨てられていくモデュールと今まで積み重ねられてきた配置、団地の風景を活かしながら、持続的な再構築を考える。
既存の住戸は安い家賃を活かして、個人レベルで都市に参画する人達を受け入れる。この敷地は交通のノードであるし、これから港の中心となる本牧、南本牧を背後にベンチャーやSOHO、アトリエ、ショップ、カフェ、船員のための宿泊施設、学生など今まで港湾関係者のみであったコミュニティを都市に対して開いていくきっかけとし、街の要素を増やし、コンパクトシティーへと変容させていく。既存の棟は減築をし、そのようなプログラムが入ってきやすいようにストラクチャーを残して改築デザインする。
新築は港湾関係者はもちろん、市営の団地として、付近の工場の関係者などが居住する。
そして団地の中央には貨物線である神奈川臨海鉄道が縦断している。この路線はこれから港湾の中心となり、産業の発展が期待される本牧、南本牧埠頭と根岸を結んでいる。これを産業トラムとして再構築し人の流れをつくる。本牧は鉄道インフラの孤島で、環状鉄道が計画されているが実施も程遠く、地下鉄の初期投資の5分の1程度でさらに既にある軌道を利用してトラムを計画する事は有効である。
そこの貨物線の敷地には現状はトラックなどがとまっているが、そこにトラムのターミナルと、これから埠頭が24時間化されることをにらんで、そこにトラック関係者、港湾関係者、物流関係者が24時間利用できる施設が計画される。それは分断された団地をつなぐ役割もする。線上に長いため、集会場やそこの団地のサポートセンターも計画する。

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