クラブハウス移転

横浜FMがクラブハウスを日産自動車本体と共にみなとみらい21地区に移転
公式HPより転載。
三菱自動車は、希望退職を募ったところ社員が千人規模で減り、機能不全に陥ることがわかり、京都への本社移転を断念したが、品川の賃貸料を払うことは、経営上デメリットであると言っているので、横浜もあるかもね。日産以外で、みなとみらいに大型の移転を計画しているのは、SEGA本社とセガが経営するアミューズメント施設かな。

50's THUNDERSTORMより
828 : 三菱車連続発火事件報道の疑問について
Date : 2004-09-15 (Wed)

*ところで、以前、書いた三菱車連続発火事件報道の疑問について。
・知人のルートで、クルマのメーカー関係者から情報を得ました。年間1000台程度が燃えているとのこと(三菱以外も含めて)。毎日、日本全国で平均して、3台は発火している。つまり、あの期間、三菱自動車だけが報道されたというわけです。通常は、自動車メーカーはテレビ局の重要なスポンサーなので配慮するのかもしれませんが、不祥事があったから、制裁したわけですね。三菱に問題があるのは事実としても、報道はそうした全体像も伝えるべきなのではないか。

市民のターミナル@花之木

中間発表時のシナリオ
1)戦後における全国の全接収面積の内62%を占めた横浜は、「街の構造を決める前」に、東京に従属する関係の中で、急速に人口を増やしてきた。その結果、高額な土地に住宅を求める町作りが先行し、都市戦略の無いまま、街のインフラが後追いの町作りになっている。現在は、最も高齢化が進み、東京に次いで都心回帰が急速に進行している。
2)海岸線とパラレルに、東京へ通勤者100万人が毎日移動しているリニアな幹線道路、鉄道が明確に工業地区と住宅地区を分断してきた。もともと工業地区で市民に開放されておらず、ある意味[空地]と言える海岸線が、かつての接収解除のように次々と都市に還元され始めている。
3)東京や大阪といった大都市は、[ランドマーク]をつなぐ町並みと、交通ネットワークで[ノード]を環状に繋ぎ、都市の骨格を明確にしている。しかし、横浜は[ランドマーク][ノード]が連単せず、関外に代表される伊勢佐木商店街のような消費主義の繁華街の背に配してしまっているような大通り公園という空虚を作っている。
4)他方で、国政レベルでは近年の都心回帰が始まった頃に、国土の均等利用がスローガンにあがっていた。そのため大都市への投資が不十分な中「マスタープラン不在」のまま、インスタントな感覚でマンションに代表されるような歴史の象徴性にすがるような家族像によって高層化される建物が、広大な貨物操車場跡地やアメリカ軍基地、臨海の工場跡地といった[空地]を埋め始めている。巨大な価値を持つ可能性がある高密度の中の[空地]が、都市に対する実践権を放棄している。
5)今回、私は[空地]の止められない構築の代替案を提案するのではなく、[ランドマーク][ノード]を連単させる目的の「街の骨格」を提案する。その中で空地の可能性を示唆したい。
6)横浜アイランドタワーの街区と新山下、今回提案する敷地の花之木に市街地の慢性的な渋滞を緩和するために、パークアンドライドの施設を、三角形のかたちをした干拓地の端部に整備する。それらは高速のランプに近く、川沿いにある。
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7)パークアンドライドが機能するためには、目的地にアクセスしやすい必要がある。先の二カ所は市街地まで徒歩で行ける場所にある。花之木は、市街に出るための選択肢に地下鉄、京急線があるが、それぞれ行ける目的地が限られる。しかも元町中華街地区には直接アクセスできない。また、バスは渋滞の餌食になる。そこで、トラムのような速度の遅いネットワークを構築する。具体的には、川が市街地のエッジを形成している事と、みなとみらいや山下公園などを繋ぐシーバスの交通インフラが既にあることを利用して、三つのパークアンドライドの施設とランドマークを繋ぐ環状のシーバスを提案する。既存のインフラを利用する事でイニシャルコストが安く、川を生活動線として使うことで川から見る町作りを促すことも出来る。
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8)従って提案敷地の花之木は、パークアンドライドの施設とシーバス乗り場というプログラムを持つ、交通ターミナル[ノード]としての機能を持つ事になる。現状の敷地には、公園と公共の市民プラザ、幼稚園、駐輪場が建っており、そのまま機能を引き継ぐ。最後に、中村川の上に走る高速道路が敷地を分断しているので、分断されている自転車や人の流れをつなぐ目的で、提案する機能を内包する丘[ランドマーク]を提案をします。
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バスや鉄道が集まるターミナルのように、集まる場所があり、同時にそこから出発する始点となるような市民のターミナルをつくる。

ひろば

敷地のくびれ部分から西を見た時の、川と高速のランプ風景。右は、同時刻に東を向いて撮った写真。
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市民が集まる風景が広がる蒔田公園。人が集まる理由を考えてみる。周辺に広域避難施設が多く集まっていることからも分かるように、このあたりは、横浜で人口密度が平均と比べて二倍高く、最も高密度の地区。また、公園を取り囲む街区が全て一方通行とあって、車があまり入ってこれないため、身近な存在にある。パリなどにある街区の真ん中の中庭のようでもある。

大通り公園と接続するもの

市街地化しているかつての干拓地は、戦後東(海)側半分を接収され、残りの中で急速に発展した。その結果、商工住問わず、混在した状態が今でも垣間見える。ディベロッパーによる開発や、一旦停止したvoidという現代的な状況も混ざり、まさに混沌としている。開発は、伊勢佐木商店街を中心に行われ、大通り公園の際は、ほとんど中層マンションによって壁になっている。その谷間から見える風景。木密街と一旦停止voidを見る。
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大通り公園に接続する商店街

関外(大通り公園の北側)の地区は、海から内陸(西)に向かう方向へ商店街が延びている。一方、大通り公園を挟んで南側は、東西に延びる大通り公園から接続して南側に延びる。
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このよこはまばし商店街が大通り公園に接続する商店街で一番栄えている。

石川町の不思議

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「石川町2丁目子供の遊び場」JR根岸線石川町駅高架下の遊具公園。地図には載っていません。南京錠のついた恐ろしい公園。山の下の元町地区の公園はこの公園と厳島神社の前の広場のみ。これだけ緑地があるにもかかわらず一カ所は使えない。

ドーナッツのなか


大黒ジャンクションの内側。建物はなぜか高架の下に高架沿いにつくられている。

解放される港湾

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大黒埠頭の北端から鶴見方面を見る。国際物流特区の後押しで、共有化の進むコンテナの管理と用地。こんな空地が次々と現れてくるはず。

向こうに見えるMM21

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大岡川が視界を開き、向こうのランドマークが見える。

堤防


等間隔に釣り人が立っている。(写真をクリックするとポップアップウィンドウで開きます)
ガントリークレーンをコラージュで消したわけではない。撮影している距離も全く違う。

海から見たガントリークレーン

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中村川

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横浜の市街地を通る高速道路は、東京がオリンピックの時に急造したものを見て、比較的高く持ち上げることによって景観を保とうと考えた軌跡なのかもしれない。(予測)

分流地点

大岡川が中村川と分流する地点
かつての干拓地の起点。
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大岡川沿いにある高校に筏だまりがあって、カヌーを楽しんでいる人もいる。大岡側沿いには、近年プロムナード化する目的で桜を植えられた。

谷戸を利用した寺と鉄道

谷戸の始まり
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境内に上り詰める階段に谷戸の傾斜を利用している。その後、鉄道が谷戸沿いに開発をしたため、このようなダイナミックなスケープを描いている。

グリッドのゆがみ

南太田駅前
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市街地は、谷戸に囲まれており、かつては海だった。そこが300年前に干拓され、干拓地はグリッド状に道と運河を走らせていたが、谷戸とぶつかった途端にグリッドが崩れる。交通インフラ(京急鉄道)は、谷戸沿いに走っていて、ここ南太田駅前には未だに幅一メートル程の抜け道を多くの人が行き交いしている。

大黒ジャンクションを中心に

大黒埠頭ジャンクション(JCT)の向かいからぐるりと90°
現在高速道路は交通動線としての機能を最重要とし、市街の中を縫うように走っている。整備時期の関係上、土地の利用状況をふまえた上で計画されているため、湾岸沿いと内陸を隔てるかたちとなっている。特にJCTでは周辺から切り離された空地をつくり出し、街の中に機能しない場所をつくりだしてしまっている。

大黒埠頭には人が生活している様子は見られない。トラックが高速で走り回る322haの広大な島の中には、市民に使わないスポーツ広場と人のいない展望施設があり、JCTによってつくられたドーナッツの中には隔離されたひとつのパーキングアリアがあるだけという現状。
この場所に新しく街ができるという仮説をパーキングエリアにインターチェンジの機能を付加したスマートインターチェンジの普及と、コンテナの移動時間短縮によって徐々に生じる空地という二つの根拠をもとにたてる。このときJCTは新しい街の中にも隔離された場所をつくり出し、高速高架は横浜市街地のように土地を隔ててしまうと考えられる。
今回の提案は、大黒埠頭が巨大な物流拠点から市民が生活する街へと変容する際に、いかに共存しながら街をつくっていくか、ということを構想しつつ、JCTがつくり出す空地を活用し、新しい街の骨格となる中心をつくるということになる。焦点は、いかにして人が集まることのできる場所をつくるか、ということに絞られる。
提案の起点として、関内の横浜公園と等価交換の概念に基づき、横浜スタジアムの機能をこの場所に移動する。目的地を得た大黒埠頭には水上交通の乗り入れが起こると予測する。これら二つと、JCTによって分断されていた公共利用可能なスポーツ広場、展望施設をパーキングエリアを使ってつなぐことで、人の集まる街の中心をつくることが出来ると考える。

内陸工場街

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鶴見川沿いの内陸の工場。
いずれディベロッパーによりマンションに変貌するのか否か。

伊勢佐木モールと大通り公園

モールと公園の位置関係
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伊勢佐木モール付近は、関内に対して、関外と呼ばれていた。どちらも昔からの繁華街です。それに対し、大通り公園は、300年前の干拓時は、川として整備され、戦後、公園として整備された。もともと、干拓地の根幹をなす川として整備されたため、現在の市街地の背骨のような位置に、たまたまある。現在は、大通り公園が、商業的にぎわっている伊勢佐木モールの背面的なヒエラルキーを抱えてしまっている。ただ、言い換えれば、喧騒を逃れられる市民のための場所として存在できるポテンシャルはある気がする。

港北 谷戸

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画像のアップ方法

管理画面のpostの中にあるファイルのアップロードをクリックすると、
別ウィンドウが出ます。
自分のパソコン内でファイルを選択し、
(写真はフォトショップでweb用に保存で、軽くして欲しい。解像度短辺288が適当)
アップロード先は、Local Archive Path を選択し、
追加のパスに 「images」 を追記する。
そして、アップロードをクリックすると、
アップロードしましたウィンドウが出るので、
すでに編集中のエントリーに画像を追加する場合、
アップロードファイルのHTML表示を選択し
EMBEDDEDをクリックすれば、画面が切り替わり
HTMLタグが表示されます。
このタグをコピーして、エントリーにペーストすれば、完了。

横浜を海から見る

11月17日 水曜日 高速艇を借りて横浜の大桟橋のたもとから、扇島(川崎の京浜工場地帯のスケープが見える)を越えて、京浜運河(埋め立て地の間)、アメリカ軍基地の瑞穂埠頭を眺め、戻るコースの見学が出来ます。朝、10:00から二時間程度予定しています。飯田ユニットでなくても、見学が可能なので、希望の方はコメントもしくは、simonにメールまで。(一人当たり千円かかります ユニット7人+10人くらい可能)
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1時間当たり大型の国際船が30隻入港する国際的な港を、海から見れる機会は貴重です。また、今まで立ち入れなかった港湾の埋め立て地は、急速に都市に還元されようとしています。みなとみらいは有名ですが、山の内埠頭なども、埋め立てられ高級マンションコットンハーバーの建設が始まっています。最近開通した伊東豊雄さんらが設計したみなとみらい線などもあり、この機会に是非。飯田さんも来られます。

ひでおしなりお2

現在の本牧ポートハイツは港湾労働者の共同住宅で、ソーシャルハウジングとして昭和43年から今まで増築を重ねてきた団地である。全部で18号棟まであり、1280戸ある。5、8号棟は平成4年に改造され、最後の18号棟は平成3年に竣工している。その他の棟の大半は老朽化しており、6畳、4.5畳、バス、トイレといった構成は家族が住む器としてのモデュールとしては合わなくなってきている。しかし、全部建て替えるといったことは無理があるし、そのような捨てられていくモデュールと今まで積み重ねられてきた配置、団地の風景を活かしながら、持続的な再構築を考える。
既存の住戸は安い家賃を活かして、個人レベルで都市に参画する人達を受け入れる。この敷地は交通のノードであるし、これから港の中心となる本牧、南本牧を背後にベンチャーやSOHO、アトリエ、ショップ、カフェ、船員のための宿泊施設、学生など今まで港湾関係者のみであったコミュニティを都市に対して開いていくきっかけとし、街の要素を増やし、コンパクトシティーへと変容させていく。既存の棟は減築をし、そのようなプログラムが入ってきやすいようにストラクチャーを残して改築デザインする。
新築は港湾関係者はもちろん、市営の団地として、付近の工場の関係者などが居住する。
そして団地の中央には貨物線である神奈川臨海鉄道が縦断している。この路線はこれから港湾の中心となり、産業の発展が期待される本牧、南本牧埠頭と根岸を結んでいる。これを産業トラムとして再構築し人の流れをつくる。本牧は鉄道インフラの孤島で、環状鉄道が計画されているが実施も程遠く、地下鉄の初期投資の5分の1程度でさらに既にある軌道を利用してトラムを計画する事は有効である。
そこの貨物線の敷地には現状はトラックなどがとまっているが、そこにトラムのターミナルと、これから埠頭が24時間化されることをにらんで、そこにトラック関係者、港湾関係者、物流関係者が24時間利用できる施設が計画される。それは分断された団地をつなぐ役割もする。線上に長いため、集会場やそこの団地のサポートセンターも計画する。

シナリオ1

これまで湾岸部は港湾部、工業地区、住宅地が安全面や構造上、単純に交わらないように分離されて開発されてきた。今回横浜港で旬な埠頭本牧、南本牧埠頭を含む湾岸に注目し、その港湾を中心として持続できる港湾、ひとつの副都心をつくる。
自分の提案の核となる物として現在の神奈川臨海鉄道の貨物線をトラムと併用することで根岸から鉄道インフラの孤島である本牧地区まで人の流れを作り出す。
臨海鉄道は物と人の流れをつくる、重要なインフラとなる。
そして、トラム計画の成功の鍵を握るのが、今回のデルタ状の敷地である。その敷地は本牧ふ頭の最前線に位置し、トラムのターミナルとなるところである。すでに物流のノードとなっているが、この敷地は現在港湾労働者の共同住宅となっている。そこにはもっと複数のプログラムが入り、投資される価値のある場所となる。

ガントリークレーン

デルタの中央から見えた風景
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コンテナトレーラーにしてもこのクレーンにしても非日常的なスケールである。だからなんか興奮するし、港のダイナミックさがでている。空港で飛行機を見る時の感覚と似ているかも。大桟橋にクイーンエリザベス号が泊まっているのを見た時は鳥肌がたった。空港と違い、海の港は日常スケールと非日常スケールがすぐそこで交錯している。大桟橋と飯田さん設計のシーバスの赤煉瓦倉庫前の駅が隣り合っているといった、非日常と日常のスケールの対比もすごくおもしろい。

デルタ

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本牧ふ頭の付け根の敷地である。港湾労働者住宅のど真ん中を貨物の線路が走っている。三角形の敷地で3辺はそれぞれ違ったエッジに面している。港湾、住宅地、工業地。しかし交通インフラで囲まれているため、孤島状態である。貨物はベルトコンベアーのように交通インフラの上を自動運転で絶えず流れている。人は全く流れていない。横浜港の中心である本牧埠頭の最前線に位置する敷地なのだから積極的に投資をできる場所のような気がする。

大黒埠頭

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大黒埠頭で唯一人が歩ける大黒パーキングエリア。周囲をぐるりと囲む高速道路の中にあり、まるで監獄の中にいるよう。この外では高速でトラックが走り回り身の危険すら感じる雰囲気です。

インタラクティブな関係

shinyaさんのコメントに対するエントリーです。ドメスティックなコミュニティの感覚は否めないですね。隔離された村に等しい。僕が、教示的なコントロールを仕掛けている点はいいんですが、それとインタラクティブに全体を良くしていこうというと仕掛けをたくらむ人がいなくて、いっこうに盛り上がらない。八代のコンペの時なんか極度に明らかだった。アクティブなデザインプロセスとしては論外な事をしている事に誰も気づいていない。気づかない人に言っても危機感まで達しない。自分が前進している事実を、足を踏みしめる感覚でしか、自分を上昇できないようでは、きっとデザインで人を興奮させることは難しい。そういう局面に出会わない、出会おうとしない人たちに僕ははっきり言って、うんざりしている。
「一刀両断」というのは、横浜というバックグラウンド(生活)を知らない僕たちが、飯田さんが言うキーワードを頼りに、恣意的な視点に寄りすぎず、知るという事を意味していて、大げさに振る舞っているだけです。建築家なしの建築みたいなフレーズの感覚ですね。言いたいけど、言えないことはわかっていて、突っついて欲しいという事。(笑)
飯田さんは、個人の視界でリサーチの幅を狭めないで欲しいという事を、様々な言葉に置き換えてコントロールしてくれていて、温度ののっていない情報を検索する必要性と同時に、恣意的な視点を持って整理することを強く言っている。批判的な姿勢や自己陶酔が大切だと言っている。そのフレーズが頭に入っていても技に出来ないようだ。

(仮)記述システム v1.1

横浜ポートサイド地区を一刀両断するために、まず理想をもった妄想ごしに、見渡した。その結果、(従来的な建築が持つ受容的な側面の見える)ネガティブな環境を体質改善する建築タイプ。と、(建築が本来的に備えているストラテジーを売りにするような)投資の盛んな状況下で未知を予見する建築タイプ。の二種類があるのではないかという仮説にたどりついた。この仮説(=勘)を正しく見せるために、共有できる切り口を必要とした。そこで、都市スケールで群れになっている状況を平面的な広がりで把握することにした。そのことによって、制度の境界や慣例化された呼び名などを越えて、ニュートラルな話題のシンボルを獲得することにした。そのシンボルをマトリクスの行とする。

[都市という密度下で際立つ空間的特徴]
district / 面
linear / 線
dot / 点
たとえば、商店街は線的なパースペクティブをもったものから、面的な街区を形成するものまである。それぞれの項目は、建築計画学上の機能と呼ばれるものを持つ「マッス(mass)」と持たない「ヴォイド(void)」のどちらかの性格を持つ。線的なマッスの商店街。線的なヴォイドに川。といった具合。dotというのは、建築単体の話で、電波塔と言ったたぐいは、点的なヴォイドで、ランドマーク的な価値を持つものだったりする。都市的な密度だから、ヴォイドという価値は見いだされる。港湾のコンテナバースは人の立ち入れない面的なヴォイド、緑地やアメリカ軍基地などもそれに属する。

行がフィジカルな性格付けで、列はその状況を表す価値(value)によって構成される。
[都市的状況下で生まれる価値(value)]
node/結節点 (焦点 集合点 集中点 コア 線と線が重なっていたり、面と面が重なっているところ)
edge/接続関係 切断関係の境界的特徴
landform/土地的特徴 (谷戸)
investment/投資 (公共事業 制度変更 特区構想 民間事業)
human/人的資産 (NPO 人口増減 人の流れ)
landmark/風景 (看板 商店 建物 山 スタジアム)
network/交通 流通
historical/歴史的な 文化的な
junk/無駄

白地図でプロットされた特殊な状況を抱えた場所が、マトリクス上で領域的にアプライされる。

遠藤政樹の渋谷円山町の建築に関すること。難波和彦のホームページより
ラブホテル街や斜線制限といって敷地のコンテクストと、クライアントの要求するプ
ログラムとを調整する形態として回転楕円形という幾何学的形を選んだことを理由に、
あのような特殊な表現を相対化しようとしている。僕が「勃起建築」と呼んだのに対
して、彼はむしろ「都市に漂うクラゲ」ではないかといっているが「逆さクラゲ」は
ラブホテルのことだから語るに落ちたというべきだろう。彼としては、現段階はすべ
ての条件を疑ってかかることをテーマにしたいらしい。ひたすらトンガッタ建築を追
求するのが若さということか。「建築が出来てしまえば、それ自体がプログラムを正
当化する」といったのは山本理顕だが、僕の目から見ると、あの建築もそのような現
実の力に寄りかかり過ぎている。「今」のコンテクストから生まれたのだとしても、
時間的・歴史的コンテクストが欠けているからだ。それがあの建築の最大の問題だ。

時間的歴史的コンテクストという感覚をうまく話してくれていると思います。
今回のマトリクスのhistoryというkeywordがタイムアクシス(時間軸)のことを意識していて。humanは、どちらかというとソフト的なこと。