備忘録 061204

 ごぶさたしていました。転職でバタバタしていたら、あっというまに12月。いやはや、時間の流れが速すぎてどうにもこうにもなりません。新しい職場はとても楽しいんですが、モーレツに忙しいです。

 そいえば先日、高宮先生の退官本についての打ち合わせで久々に大学を訪れました。善さんや創順さん、吉岡君、ナカジさんなど、なつかしいみなさんにお会いできて楽しい時間を過ごせました。5号館の製図室も懐かしかったなあ。なんかもうだいぶ遠い昔の記憶になってしまったんだけど、その場に戻ると一瞬にしてあの頃に引き戻されますね。場の持つ力ってすごいなと実感。また遊びに行きたいです。

<行った色々>
・9/15【観賞】梅田宏明、鈴木ユキオ、遠田誠(まことクラヴ)『Three men's Choreography』@吉祥寺シアター
・9/16【観賞】渋谷慶一郎×池上高志『filmachine』@山口YCAM
・9/16【観賞】渋谷慶一郎×evala×maria×クリストフ・シャルル×逢坂芳郎『musimissile』@山口YCAM
・9/19【ライブ出演】角森隆浩withダイナミックオーシャンズ@渋谷CAMP
・9/21【鑑賞】渋谷時代 vol.24“伊藤啓太 NO! PROJECT”@公園通りクラシックス
・9/29【社会科見学】目黒寄生虫館
・9/29【社会科見学】蕎麦の会@西麻布某蕎麦屋
・10/08【鑑賞】nino trinca@上野水上音楽堂
・10/10【ライブ出演】角森隆浩withダイナミックオーシャンズ@渋谷 7th floor
・10/14【鑑賞】唐組『透明人間』@ジブリの森記念館横
・10/20【ライブ出演】角森隆浩withダイナミックオーシャンズ@横浜ファイブスターレコード
・10/22【取材】miroque“映画『ストロベリーショートケイクス』を巡る音の旅”@UPLINK
・10/22【鑑賞】ダンストリエンナーレ(上村なおか「最後の星」、カンパニー7273「Simple proposition」)@スパイラルホール
・10/29【鑑賞】ダンストリエンナーレ(斉藤美音子「整形」、トンミ・キッティ&カンパニー 「Pasos Nuevos, second movement」)@スパイラルホール
・11/04【鑑賞】ダンストリエンナーレ(ル・カルデロンブ「Dous pour corps et instruments」、まことクラヴ「むつかしはなし」)@青山円形劇場
・11/14【ライブ出演】角森隆浩withダイナミックオーシャンズ@赤坂グラフィティ
・11/19【鑑賞】ダンストリエンナーレ(美加理×種子田郷、マシモ・モリコーネ 「「#06 & #07.2006 skin-fatman/ littlebastard」)@スパイラルホール
・11/25【鑑賞】大駱駝艦『天体のズー』@壺中天
・11/25【取材】op.disc showcase hub@代官山UNIT
・11/26【鑑賞】フィリップ・ドゥクフレ『SOLO』@天王洲銀河劇場

<観た映画>
・フーベルト・ザウパー『ダーウィンの悪夢』@映画美学校(試写)
・ハンス・カノーサ『カンバセーションズ』@松竹試写室(試写)
・山海塾『卵熱』
・デイヴィス・グッゲンハイム『不都合な真実』(試写)

<読んだ本>
・阿部和重『ニッポニアニッポン』
・金子達仁、戸塚啓、中西哲生『魂の叫び』
・オスカー・ワイルド『獄中記』
・筒井康隆『笑うな』
・新潮45『殺ったのはおまえだ―修羅となりし者たち、宿命の9事件』
・新潮45『その時、殺しの手が動く―引き寄せた災、必然の9事件』
・Jeffrey Kipnis『Perfect Acts of Architecture』
・フォークナー『フォークナー短編集』
・『色川武大・阿佐田哲也エッセイズ3 交遊』
・『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』


 えーと、まあ色々あるんだけど今回はふたつだけ。『ダーウィンの悪夢』と『不都合な真実』について。

 まず『ダーウィンの悪夢』。これはもうすぐシネマライズで公開しますね。ぜひ見てください。以下感想。ネタバレもあるかも!?

 インタビューや話がひとつひとつ短くて、しかもポンポン飛ぶので映画としてはかなり観辛かった。全部観てから「なるほどなあ」と頭の中で整理する必要がある。この監督、編集はあまり上手くないんじゃないかな。
 しかしながら、ここで綴られているドキュメントはそれぞれ壮絶で、まったく救いようがないし、はっきり言って手立てはナイと思う。たまたまこれはタンザニアの“巨大魚が放されて産業形態が激変した”という特異なドラマがあるために映画になったんだろうけど、アフリカ各地ではなんのドラマのないところでもこの救いようのなさっていうのは、それこそ宿命のように散らばってるんだろうなあと思うと本当に恐ろしい。

 そしてもちろんそれはアフリカを蹂躙し続けてきたヨーロッパ諸国の問題でもあって、さらには日本の問題でもある、というのを意識しないといけないなと。私もナイルパーチを口にしている可能性だって大いにあるわけで。(※ちなみにナイルパーチとは、2003年までは“白スズキ”という名で日本では流通しており、現在では“ナイルパーチ”と表記されている。外食産業や給食などの白身魚フライによく使われるほか、スーパーで味噌漬け、西京漬けなどとして並ぶこともある。だって)

 で、まあ私は偽善者みたいなことは言いたくないので、「だからこれからは白身魚は口にしない」とかはまったく思わないけれど、自覚して食べるようにはなると思う。たとえばファミレスとかで白身魚を口にしたとすると、この映画のことを思い出すだろうなと。というか、それくらいのことしか想像がつかないくらい、本当にアフリカ大陸は悪夢で覆われているんだなあと再認識しました。キビシかった。


 一方『不都合な真実』。これももうすぐ公開でしょうかね?

 これも重かった。なんかもう人類が滅びればぜんぶ解決するじゃーん、と思った(苦笑)。ちょうど試写を観たときに、私の精神がかなり不安定だったっていうこともあって、いろいろと考えたり、危機感を持ったり、心配したりするの面倒だから早く滅びちゃえばいいじゃん、とけっこう真顔で思ってしまいました。それくらい現実を突きつけられる、重い映画です。

 まあでもこの映画はエンドロールで興醒めしましたが。「あー、けっきょくアメリカさんが作るのってこういう映画だよね」みたいな。アル・ゴアのやってることはまったく間違ってないし、あの時本当に大統領になっていたらなあと思うけど。それにしてもどうかと思います、この映画のスタンスは。でもこういうのがみんな好きなんだろうなあというのは容易に想像できる。

 ……と、臭わすだけ臭わせておいてすいませんが、興味のある方はぜひ映画館へ。

 試写はだんぜん『不都合な真実』のほうが入ってたけど(すでにものすごい人気)、私は『ダーウィンの悪夢』のほうが説得力あるし、誠実だと思った。


 久々にフォークナーを読み直したら、その秀逸さにあらためて脱帽しました。おもしろいなあフォークナー。

乙女日記 | Posted by at 12 4, 2006 1:05


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