備忘録 060911

 そういえば去年の今日は、目を覆うような出来事がありましたよね……いやまあ、選挙なんですケド。あれから1年ですか。自民党に入れた、大多数の人たちは何を感じているんでしょうか。日本は良くなりましたか? あなたのまわりの人たちに笑顔は増えましたか?

 ……なんつって。

 えーと、突然ですが(?)転職することになりました。9月末で6年間働いてきたいまの会社を辞め、10月から新しい会社で新しい人たちと苦楽をともにしていく予定。環境が変わるということにいまは素直にワクワクしています。6年って長いもんねー。今年中になんとか辞めようとは思っていたものの、次については実は何も考えていなくて、「これまでずっと突っ走ってきたことだし、ま、しばらくボンヤリ過ごすかぁ」と思っていたのですが、運命というか、縁というか、そういう不思議なものに導かれるように出会ってしまいました。これだから人生って楽しい。

 にしても、会社の私のデスクにあるこの大量の書籍、CD、雑誌類をどうすればいいのか途方に暮れる。第2の我が家と化してるこのデスク……。

<行った色々>
・8/16【夏行事】神宮花火大会@神宮球場アリーナ席
・8/19【観賞】マシュー・ボーン『シザーハンズ』@ゆうぽうと簡易保険ホール
・8/21【ライブ出演】角森隆浩withダイナミックオーシャンズ@赤坂グラフィティ
・9/01【観覧】茂木健一郎×是枝裕和“脳とこころを考える─脳と映画”@朝日カルチャーセンター
・9/02【観賞】森山開次ソロ『KATANA』@青山スパイラルホール
・9/02【スタッフ業】WIRE06@横浜アリーナ
・9/06【ライブ+ちょっと出演】角森隆浩ソロ@下北沢lete
・9/10【観賞】パパ・タラフマラ『僕の青空』@下北沢ザ・スズナリ

<観た映画>
・池谷薫『蟻の兵隊』@イメージフォーラム

<読んだ本>
・三好達治『三好達治詩集』
・三島由紀夫『音楽』
・室生犀星『あにいもうと・詩人の別れ』
・森山大道『昼の学校 夜の学校』
・アレクサンドル・ソクーロフ『映画『太陽』オフィシャルブック』
・奥村和一『私は「蟻の兵隊」だった―中国に残された日本兵』


 特筆すべきはイメージフォーラムで観た池谷薫監督『蟻の兵隊』。これはできるだけ多くの人に観てほしいです。

 戦争が悲劇しか生み出さないとか、軍幹部の卑劣さとか、もちろんそういうものもあるわけだけど、なんといっても「ひとりの人間の心の奥底にあるもの」の逃れがたさ、みたいなとんでもないものを目の当たりにしてしまう、というところがね。衝撃すぎて唖然とする。内容は公式サイトで見てください

 カメラワークが圧巻。“慣れないDVカメラを駆使して”とパンフレットには書かれていたけど、撮影の福居正治氏のカメラワークはワンカットワンカットが緻密で、美しく、ドキュメンタリーとは思えないくらい詩的だった。いや、ドキュメンタリーだから詩的だったのかな。
 池谷監督は撮影中もがんがん主人公の奥村さんに対して質問してて、おもいっきり映画に入り込んでいるんだけど、とあるワンシーンを除いては(そのワンシーンだけはどうにも好きになれなかった)、その入り込みぶりが逆にとても客観的なものに感じられて、まあそれは監督の投げかける質問がベタすぎるっていうのもあるんだけど、それが妙に効果的であって。“目の前に展開されているドキュメント”として観客である私も冷静に受け止められたかなあと思う。
 とはいえ、その“目の前に展開されているドキュメント”というのがもうとんでもなくて、人間の本質が垣間見れてしまったような、ギョッとするような衝撃を受けた。おそらく監督もここまで撮れるとは思ってなかったんじゃなかろうか。

 と、まあ私の抽象的な感想はどうでもいいので、とにかくこれは観て下さい。必見。ほんと必見。時間さえあれば何度でも観に行きたいくらいです。今年はほんと、いいドキュメンタリーが映画館で観れるなあと思う。少しはまともな国(?)になってんのか知ら。ダントツで今年いちばん(といってもそんなに映画観てないけど)でした。『送還日記』抜いた。

 茂木さんと是枝監督の対談も非常に面白かったので、これは茂木さんのサイトのMP3で聴いてみて下さいませ。感想はまたいつか書けたら書きます。思うところがたくさんありました。

 室生犀星『あにいもうと・詩人の別れ』が相当良かった。

乙女日記 | Posted by at 9 11, 2006 16:18


TrackBacks