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建築学生が思いめぐらすインターネット時代の知的生産のツールの可能性

議論が盛り上がっているブログ論(ブログのPage Viewについて以降のエントリー、ブログとは‐はあちゅう騒動から考えるトップブロガーには覚悟が必要など、サイドーバーにある*UPDATED ENTRIESに、更新順で並んでいるので状況が追える)を読みながら思ったこと。以前のエントリーで書いたが、COMZINEのバックナンバーにあるこれからの社会情報論に関する対談の中で「インターネットが登場してきたことで、個人がばらばらになっていた状態が改善された。」という一説があった。当時の読後感としては、体験出来てはいなかったものの、感覚的には説得力のある話だと思っていた。しかし、いまのところ渦中にいるからか、実感がもてない。

梅田望夫さんのBlog論2005年バージョン(2)を借りて、建築学生の身体に置き換えてみる。

「専門家における日米の気質の違い」 日米の専門家を比較して思うのは、日本の専門家はおそろしく物知りで、その代わりアウトプットが少ない。もう公知のことだから自分が語るまでもなかろうという自制が働く。米国の専門家はあんまりモノを知らないが、どんどんアウトプットを出してくる。玉石混交だがどんどんボールを投げてくる。そんな対比をすごく感じる。

課題で建築学生が提案する「なかみ」は、建築界がかかえてる流れや問題の縮図である。なんて、内藤廣さんがどこかで言っていたが、梅田さんの文章を読んで、シリコンバレーの専門家の日米比較によって明らかになった、コミュニケーションレベルでの違いというのは、建築学生間の会話にも言えると思った。皮肉たっぷりに言うと、おそろしく物知りかどうかはわからないが、口にしない。自己主張しない。というのが大枠の流れ。たまにむかつく時さえある。従って、どちらかというと僕はあんまりモノを知らないが、どんどん出す方に近いなぁと思った。一人で考えている時よりも、会話の緊張感の中でのほうが、発見と進展の実感が得られるからだ。どちらが良いというのは分からないが、そういう違った気質の中で共有できるテーブルを見つけられずにいて、最近困る事が多い。まぁ、共有できるところに出て行けばいいという話もわかるんだが、草の根レベルでそれだとやっぱり全体としては、ずれてしまうのではないかという感覚が働くので、切り捨てはできない。

「 裏切られた期待」 日本のIT産業界の超一流の個人が肉声や本音や仮説をどんどんBlogを通して語ってくれるようにはならないものか、という期待であった。〜 大組織に属する超一流の技術者や経営者が本気でBlogを書くということも、どうも日本では起こりそうもない。磯崎さんのBlogのような質の高いものが、ありとあらゆる分野で、これでもかこれでもかと溢れるようになればいいのだが、そういう方向を目指すBlogは相変わらずほんのわずか。日本のBlogは、そちらに向かっては進化していないように思える。残念ながら今のところ、僕の期待は裏切られたのだな、というのが正直な感想なのである。

まだ、日本の建築家の超一流がどんどんBlog(日記)を利用するまではいかない。難波和彦さんや石山修武さんの日記のカミングアウトによって余波が起きることがあっても、僕には議論のためというよりは、自分の戦略のためという色合いに見えている。より研ぎ澄ます方が、一人の建築家の流れとしては当然なんだろうけど…。安藤忠雄さんなんかは、最近では政府の諮問会議なんかで意見を言ったりしているが、もっと市民レベルで話題が共有される必要性があると思う。トラックバックなどで簡単にリンクが貼れるなど、いわゆる計算外を期待できるメディアとして、blogには可能性がある。だから、僕らの世代がやることに十分な意味を感じる。

blogの可能性を感じる一説として。

肉声に耳を傾ける勉強法という意味で、
・1980年代後半から1990年代半ばのインターネット登場まで
・インターネット登場からBlog登場まで
・Blog登場から現在
と三期に分ければ、インターネット登場よりもBlog登場のインパクトのほうが圧倒的に大きかった。つまり2002年後半くらいから、僕の勉強法における「知的生産性」は著しく向上したのである。だって皆が肉声で語り始めたんだものね。

*UPDATED ENTRIESについて=上から10番目までは、技術的な問題で、更新状況が反映されにくくなっているものが並んでいる。11番目以降がリアルタイムに、順番が変わる。中には、趣味的なトラップもあるけど(笑)

blog | Posted by at April 28, 2005 7:40 | Comments (1) | TrackBack (0)

28年生まれの建築家

今日は、docomomoに関連した講演会に行けた。失礼極まりないが、三人が、群になると妖怪のようだった。
三人とも生まれが同じなんて、趣味の悪い編集者がレイアウトしない限り、判明するもんじゃないと、林昌二さんが新建築編集長の大森さんに、横ヤリを入れつつ始まった。はっきりいって、この三人が集まれば、場を仕切れないことは想像たやすかったが、案の定、初めから放流された。(笑)
三時間超と長丁場だったので、ここでは印象的だったことをレポートしてみたい。前半は三人のdocomomo選定作品を、本人がプレゼンするという、きわめて貴重な体験。
菊竹清訓さんは、「スカイハウス」と、「出雲大社庁の舎」、「ホテル東光園」を選定されている。ここでは、自分の原風景(筑紫平野)と出雲大社の思い出話がほとんどだった。機能主義を崇拝していた自分を変えた、個人的にも印象的な建物なんだと。打ち合わせするたびに、「ここは何に使っている部屋か」と聞いても、毎回返事が違い、信じるものが何もなくなった状態から構築した。という、体験に基づいた話。加えて、コンクリートで雨仕舞いまで、おさめてしまった結果、さしせまり老朽化という現実にぶつかり、どこを保存するか迷っていると。断面だけ残し、日本の風土も考え、やっぱり木。木を使って再構築しようかと思っているとおっしゃっていました。さいごの質疑で、現在のすがたをとどめて欲しいと、選定委員の建築家が言ってましたが、あっさり、docomomoは、何を保存し伝えるか明快じゃないんだと。まぁ、たしかにテクノロジーが進化したからって、ギブスのように構造体を入れ込んでも、まるで創意がない。建築家がおこなうリニューアルプロジェクトは、おもしろそうだ。
続けて、林さんは、銀座の交差点に建つ、「三愛ドリームセンター」と、「パレスサイドビル」を選定されている。監事というかたちで、docomomo japanに関われているのに、なんで「私たちの家」を選ばないんだと。またまた横やり(笑)。毒本って言うのを出してて、言いたいことは全部そこに書いてあるから、もう何も言うことはない。とか言いながら、スライドの一覧表を手元に持っていて、やる気まんまんじゃん(笑)。パレスサイドに関しては特に新しい情報はなかったが、建築的な工夫をわかやすく説明されていた。パレスサイド、かなり好きだなぁ。屋上を開放している時期があるらしいので、ぜひ見たい。
最後に、槇文彦さん。「名古屋大学豊田記念講堂」と、「代官山集合住居計画」が選定されている。ヒルサイドテラスの後ろに配する旧朝倉邸(LINK:空中写真 S49撮影)が、まもなく公園として開放されるそうだ。東京の街は、前面道路の幅があって、用途が決まる順番だが、26m以上ある道路に面するヒルサイド一体は、都市や街並みが社会遺産として残っていない現状の中、非常に恵まれていると。ずっと残るんだろうなぁ。建築家冥利につきる。そうとう、マンションが建たないように抵抗したと思うけど。菊竹さんも、スカイハウスを建てた時は、崖の上に建っていたのに、いまでは、40mマンションの谷底にあって、今では雨戸も閉め切って、最悪だと言っていた。都市計画、アーバンデザインをやっていかなくてはと。一方、処女作の豊田講堂は、改修するのに、槇さんがすごく張り切っているという話を聞いていたので、やっぱり計画中の模型が出てきた(笑)。大森さん曰く、おおやけな場で槇さんが、豊田講堂についてコメントする事が、貴重だそうだ。計画中の中身については触れられなかった。
(LINK:ヒルサイドスクランブル
休憩後、菊竹さんの意気込みにやられる。谷底のスカイハウスの中で、布団やベッドは、快適ではない。コンパクトで、機能的な寝袋に限る。というコメントを発し、壇上の林さんと槇さんは、目をパッチリさせて唖然としていた。当然会場も、ざわつく。誰もが、スカイハウスのワンルームの真ん中で、ぽつんと寝ている姿を想像してしまったに違いない。話の流れは覚えてないが、建築を社会遺産として残すと考えたとき、自分の家をどうするか分からないと。身も蓋もないことを、だれかが言った。確かに、そうだ。日本の場合は、耐久性を下げやすい湿度や、リセットされるような地震の問題もあるし、物理的にも社会的にも、三世代住める家はない。槇家のように、90代の親と70代の息子と言った、とんでもない核家族像が、そこにはある。林さんは、ストラクチャーは道路並みのインフラとして考えるべきだと。完全に安全なものを作るというより、社会の中で保証される範囲のことをインフラと言っていたと思う。そういう思考の延長にたてば、社会遺産に繋がっていけるかもしれないと。正直、三人とも、どう残していくかを考えて当時、設計してはいなかったが。どこを残し、どこを変えるかを、実践していく必要があると。他にも示唆に富む、多くの事に言及されていましたが、そのためには、制度、都市計画、社会、思潮を含めて建築家が立つ必要があると、熱くおっしゃっていました。
展示自体は、はっきりいって、人と情報量が膨大すぎて、セキスイハウスM1を目的に見た。中村政人さんの発想で、はじまったM1保存企画のひとつ、模型復元。途中経過は写真でいくつか見せて頂いたが、実物を始めて見た。ヤハリすごすぎる、塗装屋が制作者を信頼しきって、と言うより崇めるくらいの精巧な技術で完成していた。
(LINK:MRでモンブラン@上野桜木

残すためにつくるって?
うちの実家は、売れるようにつくったって、言ってたな。確かにプランは標準的すぎて、はずかしいくらいだ。でも、その違和感はきっと理解する視点をもっている気がして、ずっと気になっている。しかも、木造で、なんかすごい大工が作ってた。おやじやるな。また、それを無意識にやっているんだろうが。作り込みすぎると、前の人の影を感じてしまう。実家の場合は、敷地に立っていた家に構造上の問題があって取り壊した。
今のところ、単純にかたちを残すという議論は、日本の場合、違うと思っている。土地の値段が上がれば壊されるし、地震や湿度の問題があるから、コンクリートには厳しい。また、マンションや単純なオフィスビルに挙げられるような、経済上の根拠だけでつくられたようなものは壊した方がよい。再構築の中で、何かをキープできないか。
docomomo japanは、ヨーロッパ的な視点での価値を評価する方へ、収斂するだろうか?。言い換えると、社会遺産として実行力のある建築っていう意味が乖離した状態で、立つ墓標のようなものを評価する団体になってしまうのか?。それとも、期待しすぎ?。docomomo japanとしての視点が必要なんでは?
セキスイハウスM1が100番目にエントリーされていることは、評価出来る一端かも知れない。このM1を始めとする箱形構造体を実際に、市場にもどす動きが始まってはいる。実行力のある社会遺産としての、ひとつの方法論かもしれない。経済的な視点だけで作られたバリエーション住宅の企画をやめて、今の技術で作る、市場を流れるM1的な箱。M0を作るプロジェクトなんておもしろそうだ。
LINK:M1居住者インタビュー富田玲子さん

建築 | Posted by at April 25, 2005 1:30 | Comments (2) | TrackBack (1)

ねじれと様式

CIBONEで、4色ボールペンを買った。(¥410税込)
CIBONE4c.jpg

このボールペン、どうやってインク交換するんだと思って、はずせるところ外したら、完全に解体してしまった(笑)。中村政人さんが、学生の時バイクとか、とりあえず全部解体して、体で理解したっていう話を思い出しながら。バネの「ねじれ」を使って、ロックと解除をするんだぁ。なんて、有名なロールケーキを食べながら没頭してしまった。結局、交換は、普通にペン先をを出して、それを引き抜いて、さきっちょから突き刺すという、非常にプリミティブな仕組みだった(笑)。いい買い物をした。

今日のデザイン力で日本復権|WBSで、ENZO MARIが、飛騨産業の家具のデザインに関わったという特集をやっていた。そのメーカーが、ミラノサローネに出店し、熱烈にマーリが、伊東豊雄に説明しているようなカットが二回出たのに、伊東さんには全く触れられなかった(笑)。短い時間の中でも彼の判然なアイデアを垣間見れ、面白かった。ご意見番が、日本らしさのわかる「様式」みたいなのがあると、わかりやすくていいのではと言っていた。モダンは様式からの脱却だったのに、そこをあとから作る。それこそが、日本らしさなのかも。
偏った愛国教育。自国経済保全のため、活動家に対する企業の出資など、かなりねじれた近代化を突っ走っている中国。「ねじれ」つながりで、日本は人口をいじった結果、高度経済があり、その反動でバブルがはじけたとも聞く
ヨーロッパなどから、凡例を学ぶだけでなく、日本的な創意、アイデアが、輸出、評価される基盤を作る、ひとつの目的として「様式」があるかもしれない。TOD'Sを伊東さんが作ったときも様式に興味が沸いてきたなんて言っていたな。

最後に、グループ内の資本構造の「ねじれ」によって、引き起こされたホリエモンとフジテレビ騒動。結局、フジが村上ファンドなどの持つ一般株をも含め買収し,TOBと合わせて2200億円近い出資を行い、ニッポン放送の子会社化というかたちになった。個人の創意ある理想=堀江氏の「総合メディアの夢、はたまた妄想」が、「メディアを殺す」という発言まで生み、わんぱくぶりが話題をさらった65日だった。とはいえ、彼の野望が実現するのも、具体化するための執念よって生まれるのであって、これからが正念場。僕は期待している。

今日のLINK:Yahoo!動画|大友克洋特集 ストリーミングの方が、レンタルより楽でよい。

日記, dine | Posted by at April 19, 2005 3:44 | Comments (1) | TrackBack (0)

神田Mビル

妹島さんが担当すると重くなるんだよなぁと 伊東さんがどこかで言ってたなぁ
場所は神田やぶそばナナメ前

設計:伊東豊雄
所在地:東京都千代田区神田須田町1−19
用途:オフィス
竣工:1987年3月
構造:鉄筋コンクリート造一部鉄骨造
規模:地上6階、地下1階

新建築  87|10
建築文化 87|10

日記 | Posted by at April 16, 2005 13:00 | TrackBack (0)

バランス感覚

昨日も、阿部仁史ゆかいな仲間達のレクチャーへ、くりだしてきました。
阿部さんの建築見たことないですが、今回の動機は、完全にゆかいなゲスト達にあります。
そこから、阿部さんを知るのもいんじゃないという。のり。
二回終わった時点の阿部さんの印象。
「モダニズムの反動に陥らず、新しいものを、思考し、実践したいんだ。という姿勢を、かいま見れました。」建築家だから当たり前か。
僕は、(実は)本江さんの後ろの方に座っていたのですが、阿部さんも観客に背中を見せるくらい斎藤環さんに食いついていて、後ろ姿がシンクロした。髪型も。ちなみに、曽我部氏とも、僕の頭の中ではシンクロしていて。SONYの話が出たとき、苦労されていたのを聞いたことがあったので、三人ヒゲ面で並んだら、こりゃ、いい線だなと、ひとり笑いしながら、斎藤さんの軽快なトークに、身をまかせていた。

もっぱら、斎藤さんがゲストで来ていたので、ヴェネツィアビエンナーレの日本館の話題から、始まり。一貫して「おたく」。
ちなみに、今回の日本館は、他の楽観的な展示(明るい未来)にくらべ、未来喪失の街をテーマにしている点でプライオリティがあったとおっしゃっていました。
阿部氏の執念によって、僕の交感をくすぐるコメントが斎藤氏から出る。
「ソフトのアクセシビリティという身体性」っていうのが、あって。(ちなみに、今日のテーマは、「リアリティの身体」)。自身が、ヘビーローテーションを、すぐ手にとれない部屋のレイアウトでは、おたく失格らしい。(ソフトって、DVDとかCD、本のこと。この語呂はかなりヒットした。ギャルゲーが、手の届きやすいところにあるっていう話なんだけど。ね)
僕が、一番共感出来たのは、斎藤氏の口から聞けたというのもあって、「身体の多層化」は、本当だと思う。
要は、携帯電話での自分。ネット上の自分。会話している自分。というように、リアリティ(身体)が、複数ということ。
それをまとめる総体としての自分は、ないんではないか。という話まで及んでいました。斎藤氏の本を読めば出ているのだと思うけど。
まぁ。おもしろいこと、いろいろ言ってましたが、阿部さんに質問もされてました。ビフォーアフターって、番組あるけど、阿部さんだったらどうする?。あれって、構成上、家族関係と内部空間を一致させようとしていて、家族の問題は、水戸黄門のような匠によって、解決するって言うストーリーだけど。あれって、結局、天窓や、ウッドデッキといったギミックからの発想で、ものが、できているし、折りたたまれて出てくる机とか、壁に埋め込まれている椅子とか、ちゃんと使ってんのか。その後のレポートの方がおもしろそうだ。なんて言ってました。
僕は、ああいう番組や、メディアにでてくる妄想(ギミック)は、一括して「チープモダン」って呼んでますが…。
斎藤氏によって、阿部氏の身体がはがされそうな場面がいくつかありましたが、僕の中にしまっておきます。というか、うまく説明できない。ということに。

一つ前のエントリーの追記に、一回目のレクチャーの事を少し書きましたが。これを見ながら、思い出したことが。
山中俊治さんが、おもしろいことを言っていた。
「パソコンは、薄くすると、重くなる。ずんぐりしているほうが、軽くなる。だから、マックは重い。」
アメリカ人の身体感覚から言えば重くないっというのも、デザイン上のふっきる要素としてあると思うけど。
Tigerの供出が決まりましたが、G5のマシン、重いんだろうなぁ。

新四年も研究室に入ってきたようだし、自分で実践し、態度としてみせたい。自戒を再確認。
よいプロジェクトに必要な要素「方法論・スキル・自分のテーマ」
方法論っていろいろあると思うが、プロジェクトが、ある公式に還元されるっていうのも、大事。
自分の「ユートピア」と都市や社会に潜む「ヘトロピア」をつなぐ、「システム」を提案する。っていうような。
それよりも、完成度か。

今日のおもろLINK:住宅都市整理公団|団地一覧/公団

建築 | Posted by at April 14, 2005 6:21 | Comments (2) | TrackBack (1)

韻松亭

花見してまーす ぴ

花見の前に、阿部仁史さんの展示に、関連したレクチャーを聞いてきました。内容については、後に、ギャラ間のホームページに載ると思うので、特に書きませんが、工業デザイナーと建築家が並んでいるのもあって、ずいぶんと、ものをつくる時の感覚に差異があるなぁと、感じた。「技術とかたちが比較的近い」という発言のように、前者はすごく素直に仕事をされている印象をうけました。建築家が、まるで混沌としていて、理不尽で、不条理な中で、かたちを作っているようにすら見えてしまった。(笑)

LINK:韻松亭
LINK:Motoe Lab, MYU|「情報技術時代の身体」 

日記, dine | Posted by at April 8, 2005 22:52 | Comments (2) | TrackBack (4)

最近よく使う検索ツール

「まとめ検索」
試用版とはいえ、使える。主に、関連した記事を探すときに使う。作成者ブログによると、「matome.jpを、単なるブログ検索エンジンや検索トップページとしたいとは思っていません。あくまでも今の姿は仮の姿に過ぎません。知的生産性を高めるための支援ツール、特定テーマの自動まとめツールとして使えるサービスを目指しています。」と。こころざし、高し。

「訳GO.com」
やや、ふざけた名前だが(笑)。使いやすいインターフェイスの割に、あっとう的な速度で、情報を提示してくる。辞書の延長だけど、英単語覚えるのにいいなぁ。関連語が連結して整理される。

「google サジェスト」
これまた、試用版だが、検索窓に単語を入れると、検索の多い関連語が、まさにサジェストされる。

「YouSendIt」
検索ではないが。1GB/fileまでのデータを7日間ネットワーク上における。最近うざい広告がつき始めたし、速度は遅いが、確実にでかいファイルが無料で送れる。昨日は、ADSLの環境で、611Mbのデータを一時間半くらいで転送完了した。ネットワークストレージのコストが急激に落ちているおかげだ。

「ドメイン登録.net ずっと無料サーバー」
ついでに、tkmy.netが、使っているホスティング業者。対応早く、よいです。

趣味, apple | Posted by at April 4, 2005 6:20 | TrackBack (1)

コンペにおける憂鬱から解放されるのか

最近、エントリーのペースが途絶えがちでしたが、理由は歴然。
コンペをしていたから。
先日、結果的に一ヶ月半におよんだプレゼン作りに区切りがついた。
幾度におよぶ提出期限の変更に、テンションがうまくコントロール出来ない不思議な環境での作業だった。
手は尽くしたとまではなくとも、そこそこ言いたいことを言って、やりたいことをやった気がして、満足している。
(大学院の授業の事まで話すことが出来た。もっと、煽らないのも悪いんじゃない。と、言っときました(笑)。→一応、ウケテました。)
まぁ。最後の提案をまとめる段階で自分の提案を、引っ込めたことだけが、悔やまれるが。
期限が、曖昧なコンペだった事からわかるように、要求も自由に解釈出来るものだったので、あらゆる想定を頭の中で組み立てた結果。アイデアをあたためて、実施に近くなった段階で、出すのもいいんではと、思ったのです。
FIAS.jpg
僕は、一貫して、システムの変更を提案することに徹底した発言をした。
最終的にはアーキテクトが決めるので、そういうことが出来たのですが。
様々なリサーチの結果、既存のシステムに新しいシステムをアディションする事で、結果的に大きなリダンダンシー(冗長性)が得られることを提案しました。
ここでのリダンダンシーとは、「長く使い込んでいける融通さ」というニュアンスであって、
アディションしたモデュールが、例えば気候や風土、オリエンテーションと言った、ローカリティに対応しながら、
共通した自動車工場としての風格が保てるというようなこと。クライアントから求められていたのは、あくまでも工場のヴィジュアルアイデンティティ。
(今回の公式は、ローカリティに対応したエコロジカルなシステムを持つアディショナルモデュール=サスティナブル と言ったところ。)
ただ、アディションするシステムが簡単なコストで解決するのかという、実現性における一押しがないのが、どう見られるか。わからない。現在、コンペティターは三者まで絞られていて、僕らのプライオリティは、エコロジカルな話を唯一していたこと。
そこで、今回の投資は限定的な範囲ではあるが、エコロジカルな機構をまとうことで、それが全体に好影響を与えるという「押し」で僕らはイケルと判断した。
あ。コストにおけるアルゴリズムを書かないことはまずいんじゃないかと言ったら、…そんなん分かるか。って言われたのを思い出した(笑)。フランスだしな。

それにしても、はやく、コンペティションをめぐる憂鬱から、解き放たれたい。

以下は、やりとりの一部。
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Yさんには、翻訳という作業の中で、
企業が持つ思想(アイデンティティ)をリサーチしてもらう。という事ですが、
コンペにおいて大事なことは、やはり、一発のアイデアがあるかどうかです。
建築家が審査するコンペならば、
その審査員の嗜好などを考慮して、イメージが鮮やかに伝わるように、
パーソナルなレベルで寄り添ったりするものですが、
今回は、企業戦略のコンサルタントのような感じなので、
僕らが、実践しようとする具体的なアイデアが、
「どういう新しい仕事場の風景を獲得できるか」や、
「どのように対外的な会社のPRに役立つのか」というメリットが明確になっていると、
相手にも好印象だと思います。
従って、ただ見た情報を整理するというより、
恣意的な視点をもって、編纂するような感覚も必要だと思います。
言い換えると、具体的なアイデアをイメージしながら、リサーチすると効率的だと思います。
単純に自分の興味もあるでしょうから、そちらも同時に深められれば、良いと思います。

・話し合いの中で僕が思いついたこと。→リサーチしたい項目。
・貧弱なエントランスの改善に伴って、会社がもつ判然なアイデアを、プレゼンテーションできるような目的で、共用部の展示方法など、空間を使い込んでいく提案。または、通常、ストレージとして使われるところが、イベントスペースとなるような、ドラスティックに風景が変わる提案。(日本の伊豆にある特種製紙の工場は、坂茂 設計の逆シャッターの倉庫なんかは、原弘賞の展示を行うとき、倉庫を開放して使用したりしています。)→CBDが言っているサポートファシリティの再構築のための調査。
・工場の立地が、人目に付かない場所ならば、風景が際だつような工場の全体像を作って、それが、企業パンフレットやWEBのイメージになるような提案。→立地を調べる。現状の企業PRのパンフレットを手に入れる。ロゴや会社名の由来を調べる。
・もしグローバルに展開している(しようとしている)企業ならば、工場を地球のディテールとみなして、地域に合わせた展開力を持つ一つのアイデアで、様々な工場をつくる提案。→今後の進出予定地域を調べる。
・建材が、自社製品でまかなわれるような、エコシステムの提案。→リサイクルされているマテリアルを調べる。

あと、知りたいことと言えば。
・工場の拡張のルール。例えば、1サイクルごとに展開されるものであれば、その1サイクルのサイズ。
・会社の一般的な概要。社員数や売り上げの伸び。今後の戦略。
などなど。

CBDが、閣下さんに依頼してきたのは、精度の高い建築のイメージと、精巧な部品のイメージがマッチしたからなんじゃないかなぁ。と思いながら聞いてました。そこら辺が、建築の提案に繋がってきても面白いかなぁ。

よいアイデアは、複雑な問題を、非常にシンプルに答えられるものだと思います。
無数の解答がありえる中で、何をたよりに自分のアイデアをシンプルに整理し、
多くの可能性が示唆(しさ)できるものになるか。
それが、次回の打ち合わせの論点になると思います。

建築 | Posted by at April 4, 2005 5:00 | Comments (4) | TrackBack (0)

テレビ東京 新番組 Design Channel

テレビ東京 新番組 Design Channel
4月2日(土)3:10〜3:40

本日は伊東豊雄さんが講師です。
次回は、伊東さん part2。

建築だけでなく、広くデザインに関係する番組のようです。
もっと、たくさんの人が見れる時間でもいいのに。次のクールからかな。

たまたま、発見して、途中から見れました。
よく見ている伊東さんなので、新しい一面を発見する事は、なかったですが、簡単に言うと。
メディアテークと、サーペンタインを挙げ、共通して「柱、梁、から出来ているという箱」からの脱却を目指しているんだと。
それが、「いかに美しく実現したのか。」という流れで話をされていました。
僕の美しさの追求を楽しんでよ。という意志が十分に伝わるものでした。
来週は、進行中のプロジェクトなどが出るのでしょうか。

番組の後半は、微妙なデザインニュース。この落差なんだ。

番組のエンドロールによると。企画 インタープラネッツ のようだ。
LINK:c-channel|TOYO ITO

LINK:テレビ東京 Design Channelの新着Blog検索結果

建築 | Posted by at April 2, 2005 3:29 | TrackBack (0)