イメージをつくる美意識のひとつ

HRSMch.gif
面出薫と伊東豊雄の対談 (光の建築をめざしてー「風の塔」から「せんだいメディアテーク」まで TOTO出版) の中で、ブルーモーメンントという言葉が出てくる。簡単に言うと、昼と夜の間にある短い瞬間。面出さんの説明を拝借すると、「日没の直後、地平線に沈んだ太陽の光が天空に拡散して青い波長の光に包まれる瞬間。その青の瞬間というのは、胸騒ぎの時間、とても不安定な情緒になるのですが、気持ちが吸い込まれるような美しい時間です。」さらに、メモによるとジャンヌーベルさんは、建築家は昼と夜の二種類の図面を書けと言っております。伊東さんは、昼と夜の交差する時間に現れる建築は、その建築が美しいのかを見るひとつのものさしである。というようなことを言っています。メディアテークのコンペ時の衝撃の模型は、その背景が目に見えて表現されたものだと思います。ブルーモーメントに輝く建築を目指すというのは、ひとつの美意識として頼もしいものだと、コンペ案を思いだし、トッズを見て (パークドームも見て) 思いました。そういや、横浜の調査してたのに、風の塔見てねーや。今度行こーっと。

写真は、コンペ史上まれに見る、審査委員長の村野籐吾が設計した広島世界平和記念聖堂。

建築家 難波和彦のホームページにある青本往来記で、下記の一文を検索すると、当時の状況が少しわかる。
「広島平和祈念聖堂コンペ」の審査委員で、後に聖堂の設計を担当することになる村野籐吾の位置も興味深い。

建築 | at January 7, 2005 22:19


TrackBacks




Comments

『天国の日々』という映画では、そのブルーモーメント、ちなみに一般的にはマジックアワーと言うと思うのだが、その時間にひたすら撮影を行っている。監督がテレンス・マリックで、撮影がネストール・アルメンドロス。そんなものもありますね。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD6133/
http://www3.ocn.ne.jp/‾zip2000/days-of-heaven.htm

Posted by shinya at January 8, 2005 12:07 AM