たゆたう
ずいぶんと時間が空いてしまった。書いていない間に、何人か首相が入れ替わり、アメリカ式の金融システムが崩壊し、車がガスから電気へ移行しようとしている。政権交代から一ヶ月で70兆円もの資金注入する国がある一方で、いまだに100円も落とせない国があり。TVCC火災…。これだけでも毎日驚かずにいられないはずだが、淡々と過ごす自分ももちろんいる。グローバルとローカルを自由に行き来できる時代の中で、日本で仕事をしている自分がどこへ向かっているのか。淡々というのは、将来への期待を見定めているという気分である。
中国での経験はアジアへの興味に繋がり、日本の起源を知りたいという欲求に駆り立てられ、幕末を中心に読み進めていく中で、日本という枠組みを意識したのは、ペリーという外圧が来てからであり、100年経った今、日本という枠組みの意味合いがだいぶ変わってきたことが分かった。むしろ、希薄になってきている。意識する必要がないので、他のフレームを次々と入れ替えながら妄想出来る時代。枠組みを意識するというのは、対立の構図がはっきりしているということであり、対立していたものがどんどんとなめらかになってきている。結構良い時代へ向かっているのではないかと思えないだろうか。確かに、今までの枠組みで作られた組織や制度へ強い刺激を与えることになるが、長い目で楽しめる空気感を作りたい。仕事へ対する態度はこういう気分によって自分を制御している。なんだか楽しいのである。次々とフレームを入れ替えながら、形を与え、時代と思想と、技術が一体となった建築をつくる。最近やっとそう思えるようになってきた。頭では理解しているつもりでも身体がついてきていなかった。苦しかった。もう絶対この仕事をやっていくのだと心から思えるようになった。
それにしても幕末はおもしろい。次はそのあたりを書こうか。
建築 | at February 22, 2009 21:15