ひろげたい視野

>もう1つ、妹島さんの横浜にある高齢者施設のファサードの考え方。
あれはちゃんと使われているのかなぁ?

>光源氏に関しては、確かにプランが類似しているが
ラカトンバッセルは林の中に建っているけど
光源氏の家(=空白の家と呼んでいる)は 家のところにしか 木が立っていない。
空間を目的としたのでなく
空間を包むものすべてを目的としたところ
包むものを 厚みの不均質な透明なもので構成した結果
表情が一定しない空間と外観が得られた。

>ガラスとガラスの間に、それらを支持するものが必要となる。 それはそうなんだ。
スケールを大きくしたり小さくしたりすることを
意図的にエスキスすることで
視野の範囲を狭めないように努力している。

>ミースのやったことは、
余談です。(笑)

>とにかく、次の要素は?

1 コンクリート スティール ガラス
リサイクルできない最も耐用年数の短いコンクリート。
リサイクルできるスティール。
耐用年数が最も長い リサイクルできるガラス。

ニュータウンはいずれ無くなる。
耐用年数が長く リサイクル可能なものだけで構成したい。
アンボンドの構法を提案するのも良いかも知れない。

2 風景スケールとヒューマンスケール
ガラスに透明性だけを求めるという手法ではなく
ガラスも当然汚れる。
原点復帰しても 汚れたままでも
うれしい環境を成立しているものを目ざす。

→風景のスケールならば汚れは消える。

→ヒューマンのスケールなら汚れの方が目に付く。
 本当は汚れている石や木に もたれ掛かるような感覚の ガラスの質感を追及する。

3 シングルとダブル
ガラスという素材は熱負荷が高く
特に日本のような気候の変化に影響を受けやすい。
その結果

内を構成する時
ガラスそのものという 表現は皆無に近い。
ガラスと木を組み合わせる
ルーバーを付ける
ガラスを二重にして間に空気を入れるなどのように
ガラス単体での表現ではなく
サンドイッチされたり
対になったりする。
→二重のガラスはうるさい。青みががり質感が変容する。
→いわゆる室を構成する部分をどうするか?
→ガラスに陥入するプログラムは熱負荷が最も軽視できるもので構成する。
→(ただ 安中の場合 軽井沢のように 冬季 極寒にはならず
東京のように 夏季 灼熱にはならない。→穏やかな気候をうまく利用したい。)
嘸
外を構成する部分
→一枚で構成する。ヒューマンスケールを無視できる。たちさえすればいい。

一枚に見えるガラスの立面を
風景スケールの質感と ヒューマンスケールの質感の ゾーニングをする

4 ガラスに設けられる空に浮くプログラム
ランドマーク
敷地内にまったく均質に並ぶ機能を規定する空間アドレス性
展望/眺望
気候に左右される展望カフェ/レストラン
階段
すべり台
エレベーター

5 ガラス自体に設けられるプログラム

強い陽射しをカットし 涼をもたらす
イベント時の映像の投影
夜間の照明効果

建築, monologue | at June 23, 2003 12:00


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Comments

「家のところにしか 木が立っていない。」これは完全に誤解していた。そうだとすると、ここではインテリアの表現が重要であったはず。これを「うれしい環境」の1つのスタディと考えた場合、建物の中に取り込まれている樹木が歪んで見えることにどのような意味を持たせているのかが気になる。むしろ、素直に周囲の風景が歪んで見える装置という方がわかりやすい。平面が複雑(ランダム)な割には、断面が単純。そのヒエラルキーも気になる。
スケールの話は今の時点ではまだ重要ではないかもしれない。そういう問題があるということを頭に留めておく必要はある。
「コンクリート スティール ガラス」やっぱり、それしかないか? リサイクルできないけれど、積雪の圧力にも耐える、手塚さんたちのやったアクリルの分厚い窓というのも気になる。「アンボンドの構法」それも1つの可能性。
「汚れ」については、おそらく今回のコンペでは扱うべきスケールの話ではないと思う。
「熱負荷が最も軽視できるもので構成する。」最初からそんなに逃げなくても。現在の技術と、実際のプログラムの持たせ方によっては、この辺の話はクリアできると思う。もう少しこの辺は巧妙に仕掛けるべき。
「空に浮くプログラム」前段と同様。これでは当たり前(葛西のレストハウスか?)。
「ガラス自体に設けられるプログラム」これまた当たり前。そんなプログラムしか持ち得ないかな?

Posted by shinya at December 13, 2004 5:07 AM