好きかもしれない建築写真

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>これは写真のようにフレーミングされた風景を示したものですね? 実線のガラスと破線のガラスの違いは?

 (人々が見えること)
 山並みが見えること
 ガラスが見えること
 人々と山並みとガラスが重なって見えること
 (人々が強調されること)
 山並みが強調されること
 ガラスが強調されること
 (光の中に人々が引き込まれること)
 光の中に山並みが消えようとすること、立ち現れようとすること
 光の中にガラスが溶融すること

視界の中に広がるイメージ(印象)の中で
フォーカスされる部分(実線)と 
ピントが飛ぶ部分(点線)と
ゆがんで見える部分(複線)が組み合わさり
行為者が活動するたびに 連続的に絵がすりかわり
「うれしい環境」のイメージが限定されない。

この四枚の絵に加え
人々というパラメータを視野に入れると
「うれしい環境」すべてのピントがボケる。

写真家 杉本博史の シーグラムビルやWTCのように

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建築, monologue | at June 23, 2003 8:00


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» 風景のフレーミング from simon
Excerpt: ...

Tracked: December 13, 2004 5:14 AM




Comments

とりあえず、この説明は了解。ただし、「『うれしい環境』のイメージが限定されない。」と言った場合、「うれしい環境」とは何を指していますか? ガラスを介して見える風景(環境)が「うれしい環境」ですか? もう少し、(これも言葉上の話だけかもしれませんが)「うれしい環境」を正確に示す必要がある。「『うれしい環境』すべてのピントがボケる。」ガラスを通して見える風景だけが「うれしい環境」ではないですよね?

杉本博司(博史ではなく)さんの写真ですか。しかも、最近の建築シリーズを取り上げられると、意図は理解できるが、少し彼の作品を表面的に理解することになる気がする。むしろ、水平線のシリーズの方が、「うれしい環境」ではないか? 何れにしても、「うれしい環境」が同時的なガラスによる視覚の変容であることに対し、杉本さんの作品には時間が繰り入れられている。映画館のシリーズにしろ、三十三間堂にしろ。
余談。直島の「護王神社」にも特別なガラスが使われている。関係ないか?(ちなみに「新建築」の写真も勝手に杉本さんが撮影したらしい。これと同じ写真。)

Posted by shinya at December 13, 2004 5:02 AM