水平線の色

今まで見たことのない無数のグレーを水平線に見た。

どんなに予定が詰まっていても毎週末欠かさず波乗りに行っている。 夏の間は少し先を見るにも目を開けることができない激しい日差しだった。 しかし、昨日は小雨が降っていて気温も落ち着いていた。

その小雨の景色が胸の深くに飛び込んできた。 それは水平線に広がる無数のグレーで構成された景色であり、まるで水墨画のようだった。

空では立ちこめる雲が背後に広がる青空や太陽光の乱反射で彫刻的な陰影作っている。 足もとから続いていく海水面には一つとして同じ形のない大小の波が波が水平線まで広がりこれもまた空とは別のルールで陰影を作っている。 雲と波の造形が作り出す陰影を海水面の反射が風景の中のグレーの数を無限に増幅させていた。
 
東京都現在美術館で内海聖史さんの作品を拝見した時「緑という色はこんなにも多彩で、奥行きがあるのか?」と驚かされた。

白と黒は色彩のないより単純な色。 でも、その間にですら無限のグレーが存在している、 そんな当たり前の事実を再認識した水平線の色だった。

Dialy / 日常 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 8 25, 2008 11:05


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