国際指名設計競技の結果

前に日記で、国際指名設計競技に参加したことを書きましたが
その結果がARCSPACE.COMに記載されています。
結果はすいぶん前に知っていたんだけれども、一般メディアに発表されたので
これで堂々と書けます。

ベルギーのKnokke-Heist市が施主。
Knokke-Heistにあるカジノを、近くに建つホテルと関連付けて改修するというも。
カジノは『Magritteの部屋』という、彼のフレスコ画がある部屋を内包している。
参加者は
STEVEN HOLL Architects(アメリカ合衆国)
ZAHA HADID Architects (イギリス)
Neutelings-Riedijk (オランダ王国)
Jakob+Mcfarlane(フランス共和国)

他の3社はEl Croquisで作品集が出るような、既に世界トップクラスの事務所。
その中で、うちはよくやったと思う。一方でJakob+Mcfarlaneの案では勝てないだろうと思ってもいた。

今回は得意の湾曲ボリュームに精神性が足りていなかった。
言い換えれば、形態遊戯に終始してしまったところがある。
いつも改修設計競技だと、既存のある要素を抽象化し、新築部分にそのリズムを導入するんだけれども、
今回は既存のカジノに対してあまり配慮されていない。

4案をざっくり分類すると、『塊型』のZAHA、JAK+MAK案 / 『タワー型』のHOLL、N+R案。
ARCSPACE.COMにあるように、結果は勝者STEVEN HOLL Architects。

敷地の眼前に広がる水平線。これに拮抗するように建つSTEVEN HOLLのタワー。
敷地周辺にある既存6,7階から、海へ抜ける眺望に削られるように形態が決められているらしい。
でも、これは修辞的な説明で少し胡散臭い。
タワーがこれだけ特殊な形態をしているなら、堂々とモニュメントとしての正当性を言ったほうが良いのに。
市だって、このタワーを『新しい観光地のシンボルになりうるもの』と捉え、選んでいるはず。
Tower/Porosity/既存の3つを、全く異なる「建築形態・表面群」で構成したのかは気になるところ。
例えば、既存のホテルとカジノをつなぐ導線的建築部分が、なぜ Porosityなのかとか。
もしかしたら『ノリ』だけかもしれないけど。

設計競技は結果的に負けてしまったけど、 こんな人たちと戦えて良い経験になった。
次はそんなに緊張せづに戦えそうだ。

個人的な話としては、週末、風邪でダウンしてます。

Architecture Space / 建築 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 9 19, 2005 5:05


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