タグの効用

タグの性質はエントリーの概要を示すことにあります。示すという意味ではカテゴリーも同じですが、情報を整理するスタンスが違います。
カテゴリーは、従来的な整理の手段といえます。Movable Typeのマニュアルに、「エントリーが追跡できるので、運用管理に役立ちます。たとえば、特定のカテゴリーに属するエントリーを一覧表示したり、エントリーをカテゴリー別に分類してアーカイブしたりできます」とあることからも、情報を整理する棚を設定し、そこにコンテンツを詰め込んでいくといった、体系的(ヒエラルキー的)な意味合いが強いものとなっています。重量を持つ情報を扱う、図書館やブックストアの本棚の整理に近いとも言えます。
一方で、タグは重量を持たない情報のために発想された、整理のための手段(の一つ)と言えます。この手段の着想点は、必要とする情報、拡張してくれる情報への「たどり着きやすさ」にあると思います。
大きな効用としては、検索技術の進化に伴い、閲覧数の多さや更新の頻度など、ある強度をもった情報に到達しやすくなったと言えます。しかし、あくまでも単純化された方程式に基づいた結果にすぎないとも指摘できます。タグは執筆者の意志によって強調された単語となるので、タグをたよりにした適切な情報への「たどり着きやすさ」へ近づくと想像できます。
僕が感じる個人レベルの効用としては、(エントリーのタイトルが持つ質に近い)意志を持ったキーワード、すなわちタグを使うことで、エントリーの概要を顕在化できることにあると思います。関連していなかったキーワードが同居していたりすると、あれっ?! 楽しいと思うのです。これは、後付けのタグだからなせるわざと言えます。また、フラットな関係性でしかないタグ同士をどう関連づけるのか・人によって違う文字の揺れをどうマネジメントしていくのか・タグをたよりにした検索によってどのような実感が得られるようなものにするのか。など大きな余地が残されているので、今後に期待したいところです。
さいごに。到達のしやすさの実現によって閲覧者が増えると、うれしいリアクションが増えたりすることがあるかも。このツールがもたらす恩恵はまだまだありそうと予感しております。この予感は、初めて見たときのかっこよいと感じた第一印象から変わっていません。

参照:jkondoの日記 - 興味の対価 うれしい実感の顕在化を真剣に考えている。

blog | at March 21, 2006 23:40