MindFrames

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「MindFrames」展がZKMではじまりました.
メディアアーティストであるウッディ・ヴァスルカ(Woody Vasulka)とステイナ(Steina)を中心として,ニューヨーク州立大学バッファロー校メディアスタディで活動した人たちを紹介しています.参加アーティストはヴァスルカ夫妻,現在はZKMの館長であるペーター・ヴァイベル(Peter Weibel),メディアスタディのディレクターであったGerald O' Grady,映像作家のHollis Frampton,Paul Sharits,James Blue,Tony Conradの8人.その展示の中心となるラボラトリーをウッディ・ヴァスルカとともに設計しました.
お近くに来ることがあればぜひ.

MindFrames
Media Study at Buffalo 1973-1990

16.12.06-18.03.07, ZKM | Medienmuseum, Lichthöfe 8+9

Gerald O' Grady, Hollis Frampton, Paul Sharits, Woody Vasulka, James Blue, Tony Conrad, Steina, Peter Weibel

Kuratoren/Curators: Woody Vasulka, Peter Weibel
Co-Kuratoren/Co-Curators: Steina, Tony Conrad, Thomas Thiel
Projektleitung/Project Management: Thomas Thiel
Technische Leitung/Technical Management: Martin Häberle, Matthias Ossmann
Technische Unterstützung und Programmierung/Technical Support and programming: Robert O' Kane, David Link
Ausstellungsarchitektur/Exhibition Architecture: Shinya Satoh, Woody Vasulka

アーティストの参考リンク:Peter WeibelHollis FramptonPaul SharitsTony Conrad

@karlsruhe, recommendation | Posted by satohshinya at December 16, 2006 11:15 | TrackBack (0)

近所の交通博物館

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交通博物館とは名ばかりの,日曜の10時から13時までしか開館していないマニアックな場所がカールスルーエにある.「Verkehrsmuseum Karlsruhe(カールスルーエ交通博物館)」がそれだが,古い工場のような建物にさまざまな自動車やバイクなどが並んでいる.そこにこのスチームボーイもあった.

「MONO-KRAD」という名前で,1928年にイタリアで作られたそうだが,名前でググッてみてもこの博物館に訪れた人がいるくらい.と思ったら,こんなページを作っている人もいるようで,どうやら同じようなものがたくさんあるらしい.
この博物館の最上階には鉄道模型コーナーがあって,多くのおじさんと子供たちが集まり,模型の運行について議論している.このためにこの博物館を存在させているのではないかと思えるくらい.ほとんど趣味でやっているのではないだろうか? と思ったら,ドイツ観光局によるこんな紹介もあるくらいで,どうやら由緒ある博物館らしい.とてもそうとは思えないけど.

@karlsruhe, イベント | Posted by satohshinya at October 28, 2006 16:45 | Comments (2) | TrackBack (0)

音楽と映画と美術館

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ZKMMedienmuseumに新しいスペースが登場した.「Das Museum der zeitbasierten Künste : Musik und Museum - Film und Museum」展と題し,音楽と映画という時間芸術を美術館の展示スペース内に組み込むためのものであり,音楽(Institut für Musik & Akustik)と映画(Filminstitut)のそれぞれの部門を持つZKMならではの試みである.

コンサート映像を上映するKonzertRaum,電子音楽アーカイブを常設するHörRaum,映画を上映するFilmRaumの3室が新たに作られた.とは言っても,ビデオインスタレーションを上映していた展示室を改造しただけで,残念ながら特別に建築的な仕掛けがあるわけではない.しかし,企画展に関連した映像を上映するだけでなく,美術館に展示されている作品として映画や音楽を扱うとことはあまり例がないように思う.
KonzertRaumでは「Ein Viertel der Neuen Musik」と題し,ルイジ・ノーノヴォルフガング・リームヘルムート・ラッヘンマンなどの現代音楽家による作品のコンサート映像に解説テキストを被せたものが上映されている.HörRaumでは,国際的な電子音楽アーカイブであるIDEAMA(The International Digital ElectroAcoustic Music Archive)から好きな作品を自由に選び出して鑑賞することができる.FilmRaumではアニエス・ヴァルダの作品や,FilminstitutのディレクターであるAndrei Ujica自身による宇宙飛行士のドキュメンタリー作品などが上映されている.残念ながらフィルムではなくビデオプロジェクターを用いているのだが,貴重な作品を見ることができる.
しかし,確かにおもしろい試みではあるのだが,美術館に長時間滞在して映像を見続けるのは骨が折れる.これはこのスペースに限らず,ビデオアートの持つ問題でもあるだろう.美術館で日常的に貴重なコンサート映像や映画を見ることができる,という意味では画期的であるかもしれないが,既に映像を見るアートがこれだけ溢れている現在において,この行為にどのような意味があるのかを考えなければならない.もし上映(展示)される場所やクオリティがどのようなものでもかまわないのであれば,いっそのことYouTubeで見ることができればもっと画期的なのかもしれないけれど.

@karlsruhe, 映画, 美術, 音楽 | Posted by satohshinya at October 27, 2006 17:40 | TrackBack (0)

美術館のショーウィンドウ

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市制記念日に続いてこれも古い話だが,ZKMのSubraumでの展示について.ZKM自体は元兵器工場を機能転用しているが,そのエントランス横にガラス張りのヴォリュームが増築されている.2階はコンサート用スペースのKubusで,その下にSubraumは位置している.

つまりZKMの顔とも呼べる場所なのだが,実際には周囲を巡るガラスは部分的にルーバーのように傾けられた半外部となっており,内部は中央に円形のステージがあって,周囲には水が張られている.なぜ水が用いられているかは,設計時のコンセプトの変遷による名残とかで,とにかく正面に位置しながらもなかなか有効に使うことが難しい場所となっている.ちなみにこの全面ガラス張りの増築だが,Kubusもホールであるために窓がなくて青い壁面が見えるだけで,結局ガラスは単なるスキンとなってしまっている.一応Subraumは作品を展示するショーウィンドウとして利用されているものの,この環境では展示できるものが限られてくるだろう.
そこにイタリア作家Stefano Scheda『Meteo 2004』が設置された.この作品はサッシ割に合わせて並べられた6面のスクリーンに映像が映し出され,それに合わせてマシンガンの音が付近に響き渡るというもの.映像は19時頃からスタートするのだが,展示期間が夏だったため,周囲は21時頃にようやく暗くなり始める.作品をまともに見ることができるのは大分遅い時間になってからで,オープニングも22時から行われたほど.その一方で,スクリーン自体はガラスのすぐ後ろに設置されていたために,昼間は内部の目隠しとなってしまっていた(もちろん内部には何も展示されていなかったが).作品自体は外部に展示するにはやや暴力的ではないだろうかと思うが,確かに迫力のあるものだった.展示室でこぢんまりと見せるよりは,このくらいの方がよいのかもしれない.建物と一体となって外部へメッセージを発する,という意味では成功と言えるだろう.

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@karlsruhe, 美術 | Posted by satohshinya at October 27, 2006 15:21 | TrackBack (0)

市の誕生日

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マルクト広場にあるラートハウス(市庁舎)でZKMの出張展示が行われた.

カールスルーエの市制記念日に行われるイベントの1つで,あちこちの広場でコンサートなどが行われている中,やはりメディア・アートらしく暗い室内での展示だった.もっとも,内容としてはアートというよりは,360°のパノラマスクリーンを紹介するもので,撮影した素材を連続した1つの映像に変換させるシステムが重要であるようだ.webで詳細なMovieを見ることができる.
写真は秋のカールスルーエ.

@karlsruhe, 美術 | Posted by satohshinya at October 26, 2006 16:59 | TrackBack (0)

Interconnect・Georg Nees・Ignasi Aballí

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ZKMMedienmuseumではいくつかの展覧会がはじまっている.

「Interconnect@ between attention and immersion」展は,副題に「Medienkunst aus Brasilien」とあるようにブラジルのメディア・アートを集めたもの.2000年以降6回目を数えるPrêmio Sergio Motta de Arte e Tecnologia(セルジオ・モッタ賞)の受賞作と候補作から12作品(内1作品はパフォーマンス)が選ばれている.出品作家はLucas BambozziGiselle Beiguelman作品),Caetano Dias,Luiz Duva,Grupo Poéticas Digitais,Raquel KoganDaniela Kutschat + Rejane Cantoni作品),Katia Maciel,Alice Miceli,Simone Michelin作品),Gisela Motta + Leanoro Lma作品),André Parente.展示構成の手伝いをしました.

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「Georg Nees – Die große Versuchung」展はコンピュータ・アートの先駆的アーティストの1人であるGeorg Neesの回顧展.1960年代の初期の作品も並ぶ,クンストハレ・ブレーメンのコレクションを中心としたもの.小さな展示だが,歴史的に重要な作品ばかり.展示構成を行いました.

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「0–24 h. Ignasi Aballí」展はスペイン作家Ignasi Aballíの個展.バルセロナ現代美術館,ポルトのセラルヴェス美術館(アルヴァロ・シザ設計),バーミンガムのIkon Galleryを廻ってきた巡回展.こちらはメディア・アートというよりはミニマルな現代美術.作家本人も河原温に影響を受けていると語っていた.
近くに来る人はいないと思いますが,もしお近くに来ることがあればぜひ.

@karlsruhe, recommendation | Posted by satohshinya at September 9, 2006 7:55 | Comments (3) | TrackBack (0)

Podcastと美術館

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ZKMでもPodcastがはじまっている.といっても「Lichtkunst aus Kunstlicht」展のオーディオガイドのPodcast版で,もちろんドイツ語のみ.ガイド・ツアーをはじめとする観客とのわかりやすい接点を生み出す活動は,Museumskommunikationという部門の仕事だ.

このオーディオガイドは,やっぱり自分のiPodに入れて作品を見ながら聞くことが想定されているのだろうか? こういった記事もあるから,きっとそうなのだろう.しかし,オーディオガイドは最近はどこでも見られるようになり,ヨーロッパの美術館や博物館,観光地では多くの人たちが耳を傾けている.ぼくはこれがあまり好きではなくて,そこから得られる情報が重要であることはわかるのだけれど,作品を見るテンポが阻害されてしまう気がしてイヤになる.事前に作品の背景をPodcastで予習をすると言っても,頭でっかちになってから作品を見るのもまた楽しくない.そうなると,時間の許す限りに読み飛ばすことができる文字情報(印刷物)を配布してくれるのが,個人的にはベターな方法だと思っている.もちろん音声だけでなく,画像や動画までもダウンロードできるようになってくると,確かに別の可能性があるのかもしれない.
そういえばMOTでもネットラジオ「Mot the Radio」をはじめている.もちろんオーディオガイド「Mot the Guide」もある.その他にも,スタッフによるブログ教育普及プログラムのブログなど,いつもは文句ばかりを書いているが,最近はがんばっているようだ.これについてもリンク記事あり.更に余談.長谷川祐子さんがMOTのチーフ・キュレーターになったようだが,金沢はどうなるの? とにかく,がんばれ東京!
おまけに「Lichtkunst」展について.この展示はとにかく膨大な光る作品が所狭しと3層のフロアに押し込まれていた.まるで秋葉原の照明売場に来ているような感じ(笑).その物量には圧倒されるが,どこをどのように見ればよいのか皆目見当が付かない.結局,光の中をさまようくらいしか手がなくなってしまう.もう少し交通整理がされていれば,本当に素晴らしい展示だと思うのだが,それが残念.webでMovieを見ることができる(右上のTRAILERをクリック).
写真は本題と関係なく,ZKM前のキース・へリング.最初はキースの偽物かと思っていたら,タイトルのパネルが設置されていた.なぜメディア・アートにキース? ちなみに子どもの滑り台と化して剥げている.

@karlsruhe, 美術 | Posted by satohshinya at September 7, 2006 14:20 | Comments (1) | TrackBack (0)

the carnival is over

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カールスルーエの城(宮殿)の前で行われたパブリック・ビューイングで,ドイツ×ポルトガルの3位決定戦を見た.バーデン・ヴュルデンベルク州を巡回しているこのイベントの最後の2試合は,ここを会場として行われた.

ドイツの人たちは3位決定戦であるためか,アルゼンチン戦の時のような悲壮感の漂う雰囲気ではなく,リラックスして試合を楽しんでいた.カーンがカールスルーエ出身であることもあって,大きく映し出される度にそれだけで盛り上がっていた.結果はご存知の通りドイツの圧勝だったが,試合後もさすがに今までのような盛り上がりは見せず,鳴り響くクラクションも控え目だった.日本で例えるならば夏の終わりに行われる夏祭りのようで,ドイツの試合が終わってしまったこと,そしてワールドカップ自体が終わってしまうことを惜しむような,そんな寂しげな雰囲気ですらあった.
その後の決勝戦はジダンの1人舞台.そして,中田にはこんな記事もあり.日本,ドイツと偶然にも開催国での生活が続いたので,4年後は南アフリカに住もうかな?

@karlsruhe, イベント | Posted by satohshinya at July 12, 2006 6:17 | TrackBack (0)