Podcastと美術館
ZKMでもPodcastがはじまっている.といっても「Lichtkunst aus Kunstlicht」展のオーディオガイドのPodcast版で,もちろんドイツ語のみ.ガイド・ツアーをはじめとする観客とのわかりやすい接点を生み出す活動は,Museumskommunikationという部門の仕事だ.
このオーディオガイドは,やっぱり自分のiPodに入れて作品を見ながら聞くことが想定されているのだろうか? こういった記事もあるから,きっとそうなのだろう.しかし,オーディオガイドは最近はどこでも見られるようになり,ヨーロッパの美術館や博物館,観光地では多くの人たちが耳を傾けている.ぼくはこれがあまり好きではなくて,そこから得られる情報が重要であることはわかるのだけれど,作品を見るテンポが阻害されてしまう気がしてイヤになる.事前に作品の背景をPodcastで予習をすると言っても,頭でっかちになってから作品を見るのもまた楽しくない.そうなると,時間の許す限りに読み飛ばすことができる文字情報(印刷物)を配布してくれるのが,個人的にはベターな方法だと思っている.もちろん音声だけでなく,画像や動画までもダウンロードできるようになってくると,確かに別の可能性があるのかもしれない.
そういえばMOTでもネットラジオ「Mot the Radio」をはじめている.もちろんオーディオガイド「Mot the Guide」もある.その他にも,スタッフによるブログ,教育普及プログラムのブログなど,いつもは文句ばかりを書いているが,最近はがんばっているようだ.これについてもリンク記事あり.更に余談.長谷川祐子さんがMOTのチーフ・キュレーターになったようだが,金沢はどうなるの? とにかく,がんばれ東京!
おまけに「Lichtkunst」展について.この展示はとにかく膨大な光る作品が所狭しと3層のフロアに押し込まれていた.まるで秋葉原の照明売場に来ているような感じ(笑).その物量には圧倒されるが,どこをどのように見ればよいのか皆目見当が付かない.結局,光の中をさまようくらいしか手がなくなってしまう.もう少し交通整理がされていれば,本当に素晴らしい展示だと思うのだが,それが残念.webでMovieを見ることができる(右上のTRAILERをクリック).
写真は本題と関係なく,ZKM前のキース・へリング.最初はキースの偽物かと思っていたら,タイトルのパネルが設置されていた.なぜメディア・アートにキース? ちなみに子どもの滑り台と化して剥げている.
@karlsruhe, 美術 | Posted by satohshinya at September 7, 2006 14:20
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Comments
中国の話題を。
最近、聞いた話なんですが、東京画廊は東京と北京別採算で、世界の窓口は北京になっているという話がでていました。展示する作品も、巡回したりせず、それぞれの場所のニーズあわせて、結果的にそうなっていると。
ついでに、ちょっと前のものですが、長谷川祐子さんと山口裕美さんの対談でも中国の勢いが話題になっています。
アートシーンにでも東京よりも、中国の勢いを感じずにいられない雰囲気がありそうですね。リンク先に書いてありますが、それにしても美術館1000個って。
そういえば、飛行場も70個とか。農民が3億から5億都市に移動するとか。すごいわ。
ようは、東京頑張れなんですが。
Posted by simon at September 8, 2006 4:33 PM