山中新太郎 展示作品

yamanaka_nanzu01.jpg
yamanaka_nanzu02.jpg

旧南豆製氷所  静岡県下田市 2005〜

大正12年頃に建造された伊豆石造の製氷工場跡「旧南豆製氷所(国指定登録有形文化財)」の補修・活用計画。建物は約80年にわたって漁船に積み込むための氷の製造を行っていたが、2004年に廃業。その後、市民などの保存運動によって取り壊しを免れ、自主的な運営によって展覧会や音楽会などさまざまな活動が行われている。建物の構造的な劣化が進行している中で、廃墟的な雰囲気を残しながら、将来にわたっても安全で、市民によって柔軟に空間を使い続けられることが求められている。これに対し、既存建物は最小限の構造補強を施した「空っぽの箱」とし、必要な機能を建物本体とは切り離した「道具箱」によって成立させることを計画している。

設計 山中新太郎建築設計事務所  構造 腰原幹雄
敷地面積 922.56㎡  延床面積 744.00㎡  石造  平屋一部地上2階


yamanaka_satte01.jpg yamanaka_satte02.jpg

幸手ハウス  埼玉県幸手市 2006

日本のどの郊外とも見分けがつかないような穏やかさと凡庸さを持つ風景の中に、ありふれたシルエットである黒い家型を置いた。安易に郊外の景観を批判するのでもなく、反対に郊外に背を向けるのでもない、この場所に溶け込みつつも違和感のある風景を生み出すことを目指した。構造的に家型は独立しているため、内部の間仕切りや床を無関係に変えることで、刹那的な家族の生活に対応することができる。住宅は透明でなければならないという必然性はなく、モノコックな黒い家型の外部とブルータルなコンクリート打ち放しの内部という表裏の違いを持った「不透明な住宅」が意図されている。

設計 山中新太郎建築設計事務所  構造 腰原幹雄 佐藤孝浩
敷地面積 326.86㎡  延床面積 163.80㎡  鉄筋コンクリート造  地上2階

4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 29, 2009 23:01 | TrackBack (0)

松崎正寿 展示作品

matsuzaki_bhouse01.jpg

matsuzaki_bhouse02.jpg matsuzaki_bhouse03.jpg

B house  東京都世田谷区 2005

旗竿敷地に計画された二世帯住宅。住宅密集地の狭小住宅において、「住空間の拡大」と「周囲との調和」という相反する要素を両立させると同時に、開放性を獲得することを目指し、内部である居室の外周に半内部を拡大する。それは、LDK を取り巻くグレーチングのテラスと、隣地との境界を覆うステンレスメッシュで実現されている。2枚の直交するRC壁に木造による居室が取り付き、更に半内部へと拡がる。テラスとその表皮は、周囲に光と風と距離を提供する「靄」として成立し、その「靄」の中で住環境は敷地一杯まで拡大する。

設計 atelier A5  構造 オーノJAPAN
敷地面積 70.02㎡  延床面積 81.69 ㎡  RC造+木造  地上3階


matsuzaki_kahouse03.jpg

KA house  東京都世田谷区 2006

30 坪程度の敷地に計画される住宅の場合、敷地の残余部分が環境的に好ましくない状態となることが多いのに対し、建物と残余部分に積極性を与えることを目指した。敷地が前面道路に対して高台に位置するため、高台の土留めと地下に必要なRCの擁壁を地上の敷地境界壁として立ち上げ、敷地全体を地面と宙に浮いたボリュームで挟んだ半中庭的な空間としている。地下はスロープによって回遊性を保ちながら地上レベルに連続し、LDKに繋がる敷地境界線まで張られたグレーチングのテラスに至る。それにより、建築と敷地の平面的な関係に加え、断面的な関係が与えられている。

設計 atelier A5  構造 オーノJAPAN
敷地面積 99.96㎡  延床面積 170.81 ㎡  RC造+木造  地下1階 地上2階


matsuzaki_imhouse01.jpg

matsuzaki_imhouse02.jpg matsuzaki_imhouse03.jpg

IM house  埼玉県所沢市 2007

敷地は木々に囲まれた緑豊かな環境で、土地全体が約30 度の傾斜地を持つ。傾斜地と建物の関係を深め、内部と連続させるためには、床の接地が重要である。土留めを兼ねたRC造の基礎部分に傾斜と連続するLDKを配置し、その上部に持ち上げられた木造部分を個室としている。また、LDKは敷地の傾斜に沿って視覚的に連続する360 度の開口部を持ち、その中間部の支持には鉄骨柱が用いられている。基礎と土留めを居住空間とすることで、ローコストでありながら、敷地と一体となった住宅を実現させている。。

設計 atelier A5   構造 オーノJAPAN
敷地面積 602.33 ㎡ 延床面積 96.05 ㎡  鉄骨造+木造  地下2 階 地上1 階


matsuzaki_kubuilding01.jpg

matsuzaki_kubuilding03.jpg

KU.building  東京都豊島区 2008

都心部の狭小地に計画される事務所ビル。その性質から、最大限の事務スペースの面積確保とともに、空間の快適性、周辺環境との調和が求められた。事務スペースに必要な書棚に注目し、それを出窓として外壁に廻すことでスクエアな事務スペースの確保、周辺からの視線のコントロール、採光、通風を獲得している。また、外壁は書棚部分によってフィーレンデールを構成して水平荷重を担うとともに、空調設備、電気設備が集約される場所となっている。

設計 atelierA5  構造 間藤構造事務所
敷地面積 65.42㎡  延床面積 148.54㎡  鉄骨造  地下1階 地上3 階

4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 29, 2009 17:52 | TrackBack (0)

福田創 展示作品

fukuda_ohguchi03.jpg

大口の家  神奈川県横浜市 2005

狭い敷地の中に家族が集まって楽しめる場が要求され、さまざまな場を兼用することで、ひとつ屋根の下に包まれた家族室の広さを確保している。全体と部分の要素が絡み合い、ダイニングの床が延長してリビングのカウンターとなり、ロフトの床を通して洗面・浴室に光が注がれる。また、敷地は前面道路より高く、駐車スペースのために一部を切り下げる必要があったことから、そのレベル差を上階に取り込むことで大きなボリュームを確保している。RC造の基壇の上に、眺望を持たせるために南西方向へ開口を設けた木造の箱を載せ、屋根架構は予算を考慮して在来大工技術で施工が可能な斜交格子梁を採用した。

設計 福田創デザイン事務所  構造 アトリエ・ナイン/佐藤紀子
敷地面積 71.96㎡  延床面積 88.74㎡  木造+RC造  地下1階 地上2階


fukuda_hayama03.jpg

葉山の家  神奈川県三浦郡 2007

敷地が海から少し離れた山の手の住宅地に位置することから、建物と周辺環境との繋がりをどのように取り入れるかがテーマとなった。そして、施主からは気持ちのよい場所と家族を見守りやすい計画が要求された。敷地の長手方向を有効に使い、隣地の緑を借景として扱うことで、リビングの拡がりを向かいにある竹林の続く小道まで延長している。キッチンを中心に配置し、リビング・ダイニングが庭に開くことにより子ども達を見守りやすくしている。一方で、リビングは前面道路から引きがあるため、開放しても気にならない。2階はプライベートな個室とし、ペントハウスからは360 度開放された景色を楽しむことができ、天気がよければ海が望める。

設計 福田創デザイン事務所  構造 アトリエ・ナイン/佐藤紀子
敷地面積 146.40㎡  延床面積 93.94㎡  木造  地上2階+ペントハウス

4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 29, 2009 17:44 | TrackBack (0)

鍋島千恵 展示作品

nabeshima_wa03.jpg

輪の家  長野県北佐久郡軽井沢 2006

美しい森の中に建つこの週末住宅は、ある一定の方向を望むのではなく、さまざまな高さからあらゆる向きの森を眺められることが意図された。何層なのか、何階建てなのか、わからないように、森の中に溶け込む建築となる。ブレースや耐震パネル部材が一切無い、木造ラーメン構造のこの住宅は、床スラブ、キッチン、薪ストーブ、浴槽、踊り場、照明といった建築のアイテムを、「輪」の高さに揃えることで、建物のボリューム感を消している。室内を通して見える向こうの森と、ガラスに映り込んだ周囲の木々が幾重にも重なり、木造とは思えない軽やかさで佇んでいる。

設計 TNA  構造 ASA
敷地面積 1,387.27㎡  延床面積 101.61㎡  木造   地下1階 地上2階


nabeshima_mosaic01.jpg

モザイクの家  東京都目黒区 2007

1階は寝室と納戸、2階は水廻りと子供室、3階はLDKという、どこにでもある都市型住宅である。唯一つ異なるのは、この家には屋根がない。3階の天井仕上げは「空」である。その空から注ぐ光は、アール壁に沿って下階へと柔らかく落ちていく。敷地は二面道路に接している角地なのだが、向かいには高い建物が建つことから、道路に対して窓を設けるのではなく、空に向かうことが意図された。同時に、狭小敷地において建物の形を大きく左右する北側斜線、道路斜線といった制限を潜在化するように、建物の形と配置が決められている。天井一面に広がる刻々と変化する空模様を見ていると、都心に居ながらも知らないうちに自然を満喫していることに気付かされる。

設計 TNA  構造 ASA/鈴木啓
敷地面積 58.45㎡  延床面積 84.50㎡  鉄骨造  地上3階

4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 29, 2009 17:31 | TrackBack (0)

仲條雪 展示作品

nakajo_shiosai01.jpg

しおさい  茨城県神栖市 2006

2棟のRC造の家を建て、その上に木造の大屋根を載せたような構成である。ホール部分を建物に挟まれた外部にある家族の広場ととらえ、上部にブリッジを渡している。RC部分の壁は杉板型枠による打ち放しであるが、質感を消さない程度に半透明の白い塗装を施している。白く清潔感があるだけでなく重厚に、重厚なだけでなく繊細であることが目指された。2階は、RCの手摺壁の上に木造の柱が立ち、大屋根が支えられた開放的な空間である。

設計 ジャムズ  構造 カラムアソシエイツ
敷地面積 502.18㎡  延床面積 203.72㎡  RC造+木造  地上2階


nakajo_bianco01.jpg

ビアンコネロ  東京都立川市 2004

家族のための黒い箱、それを支えるRCの壁、更に水回りを納めた箱、キッチンや収納を収めた壁、そして、ルーフバルコニーにより構成される。RCの壁に囲まれた部分は、リビングや、テラス、玄関土間など開放的なスペースになり、黒い箱はリビングと吹き抜けを介して緩やかに繋がりながらプライバシーを保つ。

設計 ジャムズ  構造  構造デザインK&S
敷地面積 309.98㎡  延床面積 113.45㎡  木造+RC造  地上2階


そばかす  東京都目黒区 2002

40代の夫婦と高校生の息子、祖母の4人家族のための狭小住宅。外部に開かない代わりに、内部に光庭による豊かな吹き抜けを設け、南側のプライベートな個室と北側のパブリックな共有空間を曖昧に区切っている。道路面には、象徴的な大谷石の壁を配している。

設計 ジャムズ   
敷地面積 62.11㎡  延床面積 83.99㎡  木造  地上3階


ふたつの木箱  埼玉県川越市 2003

アトリエが付加された、夫婦と母親が同居する二世帯的住宅。庭、玄関、リビング部分を地盤面から1段上げ、2階ではダイニングキッチン棟と主寝室棟がデッキを介して向かい合う。ダイニングキッチンのような家族が集う場所と、寝室のようなプライベートな場所の間に、デッキや多目的室を設けることで、「たまたま会える」「よろしかったらご一緒に」といった、家族同士のほどよい距離感を生み出すことが意図されている。2階の外壁は温室部材とスギ板張りの2重壁であり、換気扇を設けることで壁体内換気を行い、断熱・通気性を高めている。

設計 ジャムズ  構造 カラムアソシエイツ
敷地面積 313.32㎡  延床面積 148.10㎡  木造  地上2階


仲條邸  東京都杉並区 2008

施主は設計者の両親であり、デザイナーである父親と設計者自身の2つのアトリエを持つ。北側斜線を避けた西側にスロープによるアプローチを設け、地盤面より上がった1階をエントランスとすることで、3層の上下移動を緩和するとともに、内部の廊下を最小限にしている。吹き抜けにある階段は、等価に並んだ南側の棟と、全く違うリズムの北側の棟を結ぶ。ハイサイドライトを持つ階段室は光庭となり、引き戸で仕切ることで階段室に面した各室を柔らかく閉じる。各室が曖昧に仕切られているために外断熱を採用し、外装はコンクリートレンガ積みの上に塗装を施している。

設計 ジャムズ  構造 構造デザインK&S
敷地面積 97.32㎡  延床面積 145.20㎡  RC造   地下1階 地上2階

4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 29, 2009 16:46 | TrackBack (0)

多田脩二 展示作品

tada_mitsuike03.jpg

tada_mitsuike04.jpg

三ツ池の家  神奈川県横浜市 2007

敷地は起伏の多い横浜の住宅地に位置し、遠くに富士山が見晴らせる崖地の上であることから、両妻面を開口とした一室となる筒状の空間が建築家より提案された。そのため、短辺方向には耐震上で重要となる壁を設置することができない。このような木構造の場合、一般的には接合部を半剛接(完全な固定ではない)によるラーメン構造として設計を行うことが多いが、金物を多用する接合部のコストと性能の評価は非常に難しい。更に大地震時には、接合部のめり込みにより建物自体が大変形を起こしやすく、妻面のガラス部への影響も心配される。今回はツーバイ材による斜材を、意匠上で問題のない範囲に取り付けた偏心ブレースとすることで変形を抑制している。また、木材の部材が全て6メートル以下となるように形状を決定した。

設計 仲亀清進建築事務所  構造 多田脩二構造設計事務所
敷地面積 114.41㎡  延床面積 95.376 ㎡  鉄骨造  地上2階


森の家  長野県軽井沢町 2005

積雪と湿気対策のために地面より1階スラブが浮かせられ、その基壇としての性状を有したRC 造の上に、平屋木造の在来軸組工法が載せられた軽井沢の別荘。ゆるやかに湾曲した形状が特徴的である屋根は、全長約14メートルの集成材を455ミリピッチでジョイスト状に配している。断面形状は全て60×300ミリで統一し、全部材の曲率を徐々に変えて湾曲させる。最大スパンは7.25メートルであるが、ジョイスト梁を受ける壁の無いファサード面や後面に関しては、鉄骨のキャンチ梁(□-100×100)で支持し、梁せい300ミリ のジョイスト梁上部を100ミリ欠き取ってボルト接合することで、天井仕上げ内に収めている。また、徐々に勾配をつけた屋根面の合板は、ジョイスト梁の上部をなめらかに面取りし、形状をなじませながら接合しており、必要な面内剛性としての性能を有している。

設計 三浦慎建築設計質  構造 多田脩二構造設計事務所
敷地面積 2040.66㎡  延床面積 173.19㎡  鉄骨造  地上1階


e -house  東京都世田谷区 2006

この住宅では、敷地の高低差を利用し、中間階の浴室を介して上部階へと繋がる各部屋を緩やかに連続させ、吹き抜けにより一室空間として構成している。室内内部に柱を立てないようにするため、外壁面に耐震性能を有するブレースを設け、繊細な部材断面(H-100×100)の柱と梁による鉄骨造としている。特に上下階の境界部分となる2階床は、視線を遮らないようにできるかぎり薄くするため、RC と鉄板の組み合わせを採用することで厚さ100ミリとしている。接合部は、剛接合を一切用いずにピン接合とした。しかし、多数の部材がさまざまな角度から1点に集中して取り付くため、ディテールの検討と接合には十分な検討が行われた。

設計 福島加津也+冨永祥子建築設計事務所  構造 多田脩二構造設計事務所
敷地面積 111.93㎡  延床面積 100.80㎡  鉄骨造  地上2階


西麻布の集合住宅  東京都港区 2008

六本木ヒルズ近くに位置する集合住宅であり、近隣に建物がびっしりとひしめき合い、接道も狭く敷地は非常にコンパクトである。少しでも室内面積と階高を得るためと、施工時における重機搬入や施工性を考え、繊細な鉄骨断面で構成することを考えた。各階・各方向とも、コア部分や意匠計画上で可能でなる壁部分に耐震ブレースを配置し、□ー150×150 ミリ、またはH-150×150 ミリの柱梁断面によるブレース付きラーメン構造を採用した。高さが20メートルを超える「中層建築物」であることから、一次設計の水平力に対してラーメン部分の分担率を30%以上としている。また、短辺方向であるY方向は「塔状比」がほぼ4であり、C0=0.25 以上での弾性設計と保有水平耐力検討を行っている。長手方向であるX方向は、ブレースの水平力負担が70%以上であることから、応力割り増し1.5 倍のC0=0.3 とする強度型設計である。

設計 川辺直哉建築設計事務所  構造 多田脩二構造設計事務所
敷地面積 115.62㎡  延床面積 435.39㎡  鉄骨造  地下1階 地上8階

4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 29, 2009 8:17 | TrackBack (0)

関本竜太 展示作品

sekimoto_openflat03.jpg

OPENFLAT  埼玉県志木市 2007

事務所を併設した二世帯住宅であり、設計者の自邸である。互いのプライバシーを確保するために、住宅にはフロアで分かれるフラット構成を採用している。しかし、一方では住宅が家族としての親密な結びつきを持つことができるよう、中央には垂直空間としての中庭を挿入した。これにより各戸の視線は大きく開かれ、中庭を介して家族の視線は自由に交わる。構造はボイドスラブによるRC壁式ラーメンを採用。仕上げには多様な素材をパッチワークのように配置し、既知の素材に対する「検証」とともに、未知の素材に対する「実験」を行なっている。

設計 リオタデザイン  構造 与那嶺仁志
敷地面積  150.40㎡  延床面積 222.70㎡  RC造  地上3階


sekimoto_ilma01.jpg

ILMA  東京都目黒区 2003

緑道に面したわずか13坪の敷地に建てられた住宅。南向きの大きな開口部を持つとともに、住宅密集地の中で唯一の自然が残された北側の緑道にも大きな開口部を設け、狭さを感じさせない空間の「抜け」を効果的に獲得している。ありふれた素材をシンプルに使うことによりローコスト住宅を実現。狭小地での建設や搬入を考慮して、工場で組み立てた床フレームを現場で接合するユニットラーメン構造が採用された。「ILMA」はフィンランド語で「空気」という意味。領域を曖昧にし、浮遊感のある空間が意図されている。

設計 リオタデザイン  構造 与那嶺仁志
敷地面積 43.75㎡  延床面積 51.45㎡  鉄骨造  地上2階


sekimoto_hakko03.jpg

HAKKO  山梨県南都留郡山中湖村 2005

ミニマルなデザインとホスピタリティ。シンプルなハコ(HAKKO)であること、しかも力強く、美しい。施主からのシンプルな要望に応える、最小限の設備と空間を持つ週末住宅。視界を遮る大木のほとんどない、一枚の傾斜地に建つ住宅は、その傾斜角とほぼ同じ勾配の屋根を持つ。屋根には、山中湖の厳しい気候条件に対して導入されたOMソーラーパネルを設置。極限的なコストの制約からディテールは「普通」であることにこだわり、特殊な構法や材料は一切使用していない。小さいながらも景観を最大限に取り込み、奥行きと視線の抜けを獲得している。

設計 リオタデザイン  構造  与那嶺仁志
敷地面積 413.78㎡  延床面積 53.75㎡  木造  地上1階


sekimoto_lightbond01.jpg

LIGHT BOND  東京都渋谷区 2008

「大きなソファとともに暮らす3人の家族の家」というテーマで、リビングデザインセンターOZONEが主催した住宅コンペ「2008 若手建築家・住宅設計P1グランプリ」のグランプリ受賞作品。家族の象徴として大きなソファを住宅の中心に据え、個人のスペースがそれを取り囲む。吹き抜けを通して家族は繋がり、常に互いの気配を感じることができる。プライバシーへの配慮からリビングの中心には大きなトップライトを設け、家中を光で満たすとともに、より強い求心力を持って家族と空間をひとつに繋いでいる。

設計 リオタデザイン 
敷地面積  61.16㎡  延床面積 65.83㎡  木造  地上2階

4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 29, 2009 7:57 | TrackBack (0)

齋藤由和 展示作品

saitoh_730.jpg

.730(point730)  沖縄県石垣市

石垣島の石垣港近くに建つ商業ビルである。石垣発のものを扱ったテナントだけが入る、島で最も大きな商業ビルであるため、シンボルとなることと石垣らしさが求められた。1年のほとんどが温暖で、外部がとても心地よい場所であることから、多機能な外部空間が計画された。そこにテラスや動線を兼ねることで、いろいろなテナントを外部から覗くことができ、2つの避難動線を同様に外部に設けることで、18メートル角のテナント部分は柱とエレベータだけの内部空間となる。古屋の解体によって、ごくわずかだが入手できるイヌマキの木をコンクリート部分の型枠として利用し、木目を繰り返し転写することで、半永久的に記憶として残すことを意図した。

設計 ア デザイン  構造 MI+D建築構造研究所/加藤征寛
敷地面積 833.49㎡  延床面積 2,512.12㎡  鉄骨造  地下1階  地上7階


saitoh_musashikosugi02.jpg

武蔵小杉の集合住宅  神奈川県川崎市 2008

ワンルーム形式の集合住宅であり、約20平方メートルのワンルームが45戸納まっている。通常ワンルームマンションは、構造上の梁や換気ダクトなどが梁型として天井に現れる場合が多い。6帖ほどしかない居室にとって、梁型の有無がその質を大きく左右する。梁型の無い、すっきりした天井を確保するために逆梁を採用し、床面に現れた梁をキッチンやカウンターテーブルとして使っている。ピロティー形式の1階は、実際のエントランス部分は小さいが、敷地全体を公園のようにすることで、ウエルカムなエントランスとなる。

設計 ア デザイン  構造 中山設計/中山悟
敷地面積 497.38㎡  延床面積 1,393.66 ㎡  RC 造  地上6階


岩城島の家  愛媛県越智郡 2004

愛媛県の人口約2千人の離島に建つ別荘である。1年に数回利用されるだけであったが、水戸に暮らす施主の実家の建て替えであったため、亡き祖先のための記念碑として建てられることとなった。そもそも「家」という施設は、実際に必要とされる以上に堅固な家を構えることで、家族を守っているという安心感を与えるものである。施主にとっては、1年の内に10日程度利用し、あとの355日は遠く水戸から思いを馳せるだけであるが、しっかりと瀬戸内海を眺めている家が、今日も大木のように堂々と建っていることを思い描き、安心させられる。その姿は、夏に法事で集まったときに快適に過ごせるように、敷地に影を落とすように上に向かって広がっている。

設計 ア デザイン  構造 MI+D建築構造研究所/加藤征寛
敷地面積 642.10㎡  延床面積 165.63 ㎡  RC 造  地上2階

4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 29, 2009 7:49 | TrackBack (0)

黒川泰孝+馬場兼伸 展示作品

mejiro_takamatsucho02.jpg

高松町ガレージ  東京都立川市 2004

外部に対して開くことが必ずしも心地よいわけではない環境下において、内部と外部が漸近した、包容力のある箱を置くことでさまざまな要求を満たしている。建物の外形は単純な箱形であるが、北側壁面を敷地形状に沿って斜めに振ることで、奥行き方向に伸びやかさを与えている。外壁にちりばめられたライトウォールは、昼夜を通じて内外に淡い光の表情を与える。その中に点在する黒い小さな窓は、周辺の雑多な環境を抽象的な風景としてフレーミングし、間仕切りガラスに反射しながら増殖する。そして、はじめから存在していたライトウォールに影響されて計画されたかのように、各スペースの用途と大きさの関係にルーズさを持たせている。

設計 メジロスタジオ  構造 日本大学理工学部/岡田章
敷地面積 118.34㎡  延床面積 158.15㎡  鉄骨造  地上2階


mejiro_hakushu02.jpg

白州山荘  山梨県北杜市白州町 2004

山々に囲まれた雄大な風景の下、甲斐駒ケ岳を眺めるための居場所をつくることが、施主からの要求であった。屋根を架けるだけで大地を領有するような素朴で力強い状態を意図し、方形屋根の持つ自然体のフォルムで内部空間を確保している。主室の床は隣接する水田の稲穂の高さに合わせられ、オレンジ色の床面がそのまま連続していくことを意図している。主室・ダイニング・キッチンは、それぞれ座位・机座位・立位の状態で目線が一致するように段差が設けられている。こうして、周辺の環境を引き込むフロアレベルと、建築的尺度による段差とが起伏を生み出し、内部空間を特徴づけている。

設計 メジロスタジオ  構造 オーク構造設計/新谷眞人
敷地面積 231.15㎡  延床面積 62.94㎡  木造  地上2階


mejiro_kumagawa01.jpg

熊川の集合住宅  東京都福生市 2007

とらえどころの無い郊外の風景に対し、確かな存在感を纏った建築が求められた。北側の住宅地に対する圧迫感を軽減させるため、上階部分をセットバックさせ、反対に南側へオーバーハングさせている。この周辺環境との調整を意図した極めてシンプルな形態操作は、1階部分に軒下のバッファーゾーンを提供し、2階部分に開放的な幅広の共用廊下を生み出している。各住戸には南北を貫く形で、特定の用途に供することの無い自由度の高い通り土間を配し、リビングルームやベッドルームなどの各室はこの土間空間に面している。そして、外壁に開口部が規則的に配列されることにより、不特定な入居者の生活を抽象化することを意図した。

設計 メジロスタジオ  構造 構造計画プラス・ワン/金田勝徳
敷地面積 824.35㎡  延床面積 370.98㎡  木造  地上2階


井の頭の住宅  東京都三鷹市 2006

公園の裏手に建つ木造2階建て住宅の全面改修計画。バブル末期に建てられた既存住宅に対し、計画・設備・構造のあらゆる面を健全化するとともに、発注・解体・施工といった建設プログラムに施主自らが積極的に参加できることが求められた。設計に当たっては、こういった施主の活動を受け入れる「殻」と「中身」を設定し、施主の思いを受け止めながらも空間全体のバランスを保つことを目指した。具体的には、外壁を全面漆喰塗りとして「殻」の強度を担保しつつ、「中身」では素人仕事との相性を配慮し、既存部材を利用しながら極力単純な納まりとしている。

設計 メジロスタジオ   
敷地面積 62.10㎡  延床面積 88.55㎡  鉄骨造  地上2階


劣化によるメモリーのリレー  映像・音楽制作 2006

<情報化社会において私たちの身の回りにある様々なデータは、劣化せずに完全な状態で保たれていることが優れているとされている。しかしながら、例えば人間が辛い記憶を忘却することで社会生活を円滑に営むことが出来るように、また例えば20年前の色あせた写真にはなんとも言えない独特の雰囲気と連続感があるように、記録や記憶といったデータを劣化させることは必ずしも元の状態から劣ることを意味するものではない。/他者によってデジカメで撮影された風景をディスプレイに映し、それをまたデジカメで撮影すると言うことを数回繰り返し、ノイズを加えて劣化させていった。そのなかに私たちの建築作品や設計作業の風景も同様に劣化させ断片化した記憶としての都市の風景に連続させていった。/これら一連の作業は他者がつくった都市のコンテクストをどのように解釈し、そしていかにして建築を造るか、という設計行為そのものである。>メジロスタジオ

4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 29, 2009 7:32 | TrackBack (0)

國武陽一郎 展示作品

kunitake_nhouse01.jpg

N邸  東京都新宿区 2005

都心の密集住宅地に建つ築60年の木造家屋に対し、上げ屋工事による構造材の補修、断熱工事による室内環境の改善などの性能を確保した上で、現代生活に適した住まいへと再生を行った。建物は何回かに亘り増築されてきた形跡が見られたが、まるですべてが最初からあったような自然な佇まいであった。そこで、新たに現れる構成要素によって意味を付加する手法ではなく、存在するものを受け入れた計画が行われた。切妻屋根の内部は、低い天井や部屋を小割りにしていた間仕切り壁を取り払うことでワンルームとなり、妻面上部や屋根などに開口部を穿つことで、異なる光の質を取り入れている。

設計 one + one+清水淳建築設計事務所  構造 柴村構造設計事務所/柴村豊士
敷地面積 194.92㎡  延床面積 84.38㎡  木造  地上1階


kunitake_yhouse01.jpg

Y邸  神奈川県横浜市 2006

敷地内に1.6メートルの段差があり、採光面となる南側に崖が聳える環境の中で最大限に床面積を確保した、総勢9名の大家族による2世帯住宅である。道路側と崖側にそれぞれ2階建てのボリュームを想定し、それらを噛み合わせて大屋根を掛けている。土留めの基礎立ち上がりが腰壁となり、世帯間の境界となるフロストガラスの連窓ができることで、段差によって生じたズレを吸収し、持ち上げられたボリュームの下が谷のような吹き抜となる。個を主体としているが、適所で繋がりを持ち、閉じた関係性よりも、扉を開けると空気が循環する1つの屋根で覆われたオープンな生活が意図された。

設計 one + one  構造 dos/山田誠一郎
敷地面積 176.89㎡  延床面積 138.96㎡  木造  地上2階


kunitake_hhouse02.jpg

H邸  長野県北佐久郡軽井沢町 2006

将来的に移住も視野に入れた週末住宅。雪や湿気の影響を考慮して少し浮かせた住居棟と、主人の休日工房スペースとなる地面に食い込んだ別棟、それらに挟まれた外部デッキという構成である。将来計画される薪小屋を含め、ボリュームを点在させることで、徐々に植樹される木立の中に静かに佇む姿を意図した。住居棟は、正方形の平面形状により外部と等価に接するワンルームだが、南に角度を振ることで周辺環境との距離感を曖昧にしつつ、面の対峙を避けている。暖炉や鋼板で被った柱や階段などの要素が混在しながらも、くすみや日焼けなどの経年変化によって場の空気に馴染む素材の選定を行うことで、周囲の自然に静かに溶け込むことを目指した。

設計 one + one+清水淳建築設計事務所  構造 柴村構造設計事務所/柴村豊士
敷地面積 799.76㎡  延床面積 105.67㎡  木造  地上2階


小笠原伯爵邸  東京都新宿区 2002

1927年に竣工した邸宅の民間資金活用事業(PFI)による修復工事。大きく原状回復と再生に伴う改装とに領域が分けられ、歴史的建造物としての「質」を保存するとともに、状態の悪い部材であってもその構成部材を保存活用するという「物」の保存を行うことが主題となった。そのため、現場における修復作業の中でも、つくられたものから当時のつくり手の意図や手間を探り、職人とともに再生するプロセスを重要視している。

設計 one + one  構造 梅沢建築構造研究所


凛east+  東京都中央区 2008

落ち着いた趣きを感じさせる銀座木挽町に位置する炭火焙煎珈琲店である。L字で16坪ほどのスペースに、喫茶、ケーキ工房、焙煎室を配置している。街と等価な風景を、建物本体に貫入しているトンネル状の内部空間としてつくり出し、街路に面して表出させる。内部には、木漏れ日のように光が落ち、木の葉が舞い、足下に堆積する。舞い落ちる木の葉のモチーフに紛れ、エアコンの吹出口、ロスナイの給気口、照明を適所に散在させることにより、意匠的な統合を図っている。素材選定は距離によって見え方が異なるものとし、肌の違いが微妙に影響し合い、彩度を抑えた統一感のある風景に彩りを与えている。

設計 one+one++plants
延床面積 53.31㎡  地上1階

4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 28, 2009 17:30 | TrackBack (0)

木内厚子 展示作品

kiuchi_ohouse01.jpg

O邸コンペ案  神奈川県藤沢市 2007

住宅コンペの応募案。広い敷地、周辺とのゆったりした距離、のどかな風景に対し、この環境を活かした伸びやかな住宅を、室内空間の延長となる半屋外空間の充実=いろんなテラス(前テラス、屋上テラス、階段テラス)をつくることで実現させている。それらのテラスを立体的に配置することで、内部空間と庭や周辺を含めた外部空間が立体的に密接な関係を結ぶ。

設計 Studio8 
敷地面積 434.09㎡  延床面積 131.67㎡  木造  地上1階


kiuchi_product01.jpg

アリツギ(左)

木工の伝統技術である仕口・継手には、先人達の智恵と技術のすばらしさがある。それらにインスピレーションを受け、その技術の1つである四方蟻継ぎ手の形を用い、アクリルと異素材である木を組み合わせてできたランプ。木同士だと見えなくなってしまう継手内部の形が、アクリルと木によりはっきり視覚化される。

デザイン 木内厚子

アクリルラウンドボウル(右)

重合法によってできる自由な着色、2つの色の重なりでできる色、厚みの違いによるグラデーションの面白さなど、素材の魅力を伝えるアクリル製のボウル。

デザイン 木内厚子  販売元 livingplus by acr-ya.com


久留和海岸の住宅  神奈川県横須賀市 2004

久留和海岸を望み、谷を挟んで緑豊かな山の環境にも恵まれた、造成された傾斜地である敷地は、接道する駐車スペースから地盤面へ4.5メートルほど下がる高低差を持つ。そのため、2 階からアプローチを取り、デッキやLDKからは山と海の自然豊かな環境を楽しむことができる。施主が観葉植物の鉢を多く持つことから、住宅の内部に土を入れたプランターを計画し、トップライト、吹き抜け、階段、プランターを中央に集約することで、明るく、観葉植物が豊かさをつくり出す場となっている。構法的にはツーバイ材を外壁と屋根に用い、内部は1階では壁、2階では天井面に現しで見せている。

設計 Studio8  構造 佐藤淳構造設計事務所
敷地面積 170.00㎡  延床面積 96.9㎡  木造  地上2階


南伊豆のセカンドハウス  静岡県下田市 2006

敷地は30年ほど前に分譲された南伊豆の南欧風別荘地にあり、赤や黄の洋瓦と白い外壁の家々に囲まれ、緩い傾斜地の先には相模灘を望むことができる。敷地の東傾斜に合わせて床レベルを変えながら、居室を細長く並べ、一部上階があるものの平屋のような住宅となっている。居室間には間仕切りがほとんどなく、レベル差と段差を活かした造作家具によって、その場所の使い方を決めていく。床レベルを変えていること、上階寝室の床の回りが吹き抜けになっていることにより、平面的なものでは感じられない視界の広がりや、間接的に回る光を感じることができる。

設計 Studio8  構造 佐藤淳構造設計事務所
敷地面積 325.99㎡  延床面積 110.05㎡  木造  地上2階

4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 28, 2009 17:21 | TrackBack (0)

大野博史 展示作品

ohno_neapartment02.jpg

NEアパートメント  東京都杉並区 2008

全住戸の1階にビルトインガレージが用意されたバイク愛好家のための長屋。旗竿敷地にアプローチ用の車路を計画し、周囲にメゾネット形式の8住戸が放射状に配置されている。構造は放射状に配置された7枚の界壁と各階スラブによる鉄筋コンクリート構造として計画。界壁内に壁柱、壁梁を配した面内方向のみの耐震壁付ラーメン構造となっており、直行方向に梁はなく、スラブが水平力を伝達している。界壁は基礎からのキャンティレバーであるが、放射状に配置されることによってお互いを支え合っている。放射状の壁配置は原点を中心とした回転に弱いが、各壁がカーブし、角度を変えることで剛性を高め、回転に抵抗している。7枚の界壁のみで建物全体の構造が成立するため、外壁を非構造として扱う乾式工法を採用した。

設計 ナカエ・アーキテクツ 高木昭良建築設計事務所 オーノJAPAN
敷地面積 201.89㎡  延床面積 289.02㎡  RC造  地上3階


ohno_minamihayama01.jpg

南葉山の別荘2  神奈川県横須賀市 2008

小高い丘に続いた道の途中にある三角州状の敷地に計画された2棟の別荘。南に広がる海を望む敷地であることから眺望とプライバシーが要求され、壁と抜けをどのようにつくるかが課題となった。また、敷地の分筆がそのまま建物形状を規定するため、敷地境界と建物の配置・形状を検討した結果、筒状の空間がねじれたり分節されたりしながら連続する空間が生まれた。それらを包むような鉄筋コンクリートによるラーメン構造を計画している。単純なボックスカルバートによるラーメン構造では壁・床が厚くなってしまうが、ここではねじれ空間に合わせて壁を傾けることで、面内剛性を考慮したラーメン構造とすることで壁厚を抑えている。

設計 ナカエ・アーキテクツ+高木昭良建築設計事務所+オーノJAPAN
A棟  敷地面積 98.80㎡  延床面積 101.18㎡  RC造  地上3階
B棟  敷地面積 107.29㎡  延床面積 101.67㎡  RC造  地上3階


ohno_kitchen01.jpg

キッチンのない家  東京都豊島区 2008

敷地は前面道路が狭く、周辺を比較的高い建物に囲まれており、ちょっとした渓谷のようである。そこで、暗い底部を離れ、2階、3階、屋根階が中心となる小住宅が提案された。「軽い屋根が架かったような家」とするため、1階を壁式構造、2、3階を鉄骨造として計画。高さ方向の混構造では揺れのバランスに注意する必要があるため、開口形状を調整することによる鉄骨ブレース構造としている。一方、鉄骨柱脚接合部は、軽快に載せられた屋根となるように露出形柱脚としている。柱と一体化したベースプレートにネジを切ってアンカーボルトを捩じ込み、コンクリートに設けたスリーブ孔にセットし、グラウトを注入することで一体化を図っている。

設計 飯塚拓生アトリエ  構造 オーノJAPAN
敷地面積 53.78㎡  延床面積 80.09㎡  壁式構造+鉄骨造  地上3階

4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 28, 2009 16:51 | TrackBack (0)

 1 | 2 | ALL