大野博史 展示作品

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NEアパートメント  東京都杉並区 2008

全住戸の1階にビルトインガレージが用意されたバイク愛好家のための長屋。旗竿敷地にアプローチ用の車路を計画し、周囲にメゾネット形式の8住戸が放射状に配置されている。構造は放射状に配置された7枚の界壁と各階スラブによる鉄筋コンクリート構造として計画。界壁内に壁柱、壁梁を配した面内方向のみの耐震壁付ラーメン構造となっており、直行方向に梁はなく、スラブが水平力を伝達している。界壁は基礎からのキャンティレバーであるが、放射状に配置されることによってお互いを支え合っている。放射状の壁配置は原点を中心とした回転に弱いが、各壁がカーブし、角度を変えることで剛性を高め、回転に抵抗している。7枚の界壁のみで建物全体の構造が成立するため、外壁を非構造として扱う乾式工法を採用した。

設計 ナカエ・アーキテクツ 高木昭良建築設計事務所 オーノJAPAN
敷地面積 201.89㎡  延床面積 289.02㎡  RC造  地上3階


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南葉山の別荘2  神奈川県横須賀市 2008

小高い丘に続いた道の途中にある三角州状の敷地に計画された2棟の別荘。南に広がる海を望む敷地であることから眺望とプライバシーが要求され、壁と抜けをどのようにつくるかが課題となった。また、敷地の分筆がそのまま建物形状を規定するため、敷地境界と建物の配置・形状を検討した結果、筒状の空間がねじれたり分節されたりしながら連続する空間が生まれた。それらを包むような鉄筋コンクリートによるラーメン構造を計画している。単純なボックスカルバートによるラーメン構造では壁・床が厚くなってしまうが、ここではねじれ空間に合わせて壁を傾けることで、面内剛性を考慮したラーメン構造とすることで壁厚を抑えている。

設計 ナカエ・アーキテクツ+高木昭良建築設計事務所+オーノJAPAN
A棟  敷地面積 98.80㎡  延床面積 101.18㎡  RC造  地上3階
B棟  敷地面積 107.29㎡  延床面積 101.67㎡  RC造  地上3階


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キッチンのない家  東京都豊島区 2008

敷地は前面道路が狭く、周辺を比較的高い建物に囲まれており、ちょっとした渓谷のようである。そこで、暗い底部を離れ、2階、3階、屋根階が中心となる小住宅が提案された。「軽い屋根が架かったような家」とするため、1階を壁式構造、2、3階を鉄骨造として計画。高さ方向の混構造では揺れのバランスに注意する必要があるため、開口形状を調整することによる鉄骨ブレース構造としている。一方、鉄骨柱脚接合部は、軽快に載せられた屋根となるように露出形柱脚としている。柱と一体化したベースプレートにネジを切ってアンカーボルトを捩じ込み、コンクリートに設けたスリーブ孔にセットし、グラウトを注入することで一体化を図っている。

設計 飯塚拓生アトリエ  構造 オーノJAPAN
敷地面積 53.78㎡  延床面積 80.09㎡  壁式構造+鉄骨造  地上3階

4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 28, 2009 16:51


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