齋藤由和 展示作品

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.730(point730)  沖縄県石垣市

石垣島の石垣港近くに建つ商業ビルである。石垣発のものを扱ったテナントだけが入る、島で最も大きな商業ビルであるため、シンボルとなることと石垣らしさが求められた。1年のほとんどが温暖で、外部がとても心地よい場所であることから、多機能な外部空間が計画された。そこにテラスや動線を兼ねることで、いろいろなテナントを外部から覗くことができ、2つの避難動線を同様に外部に設けることで、18メートル角のテナント部分は柱とエレベータだけの内部空間となる。古屋の解体によって、ごくわずかだが入手できるイヌマキの木をコンクリート部分の型枠として利用し、木目を繰り返し転写することで、半永久的に記憶として残すことを意図した。

設計 ア デザイン  構造 MI+D建築構造研究所/加藤征寛
敷地面積 833.49㎡  延床面積 2,512.12㎡  鉄骨造  地下1階  地上7階


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武蔵小杉の集合住宅  神奈川県川崎市 2008

ワンルーム形式の集合住宅であり、約20平方メートルのワンルームが45戸納まっている。通常ワンルームマンションは、構造上の梁や換気ダクトなどが梁型として天井に現れる場合が多い。6帖ほどしかない居室にとって、梁型の有無がその質を大きく左右する。梁型の無い、すっきりした天井を確保するために逆梁を採用し、床面に現れた梁をキッチンやカウンターテーブルとして使っている。ピロティー形式の1階は、実際のエントランス部分は小さいが、敷地全体を公園のようにすることで、ウエルカムなエントランスとなる。

設計 ア デザイン  構造 中山設計/中山悟
敷地面積 497.38㎡  延床面積 1,393.66 ㎡  RC 造  地上6階


岩城島の家  愛媛県越智郡 2004

愛媛県の人口約2千人の離島に建つ別荘である。1年に数回利用されるだけであったが、水戸に暮らす施主の実家の建て替えであったため、亡き祖先のための記念碑として建てられることとなった。そもそも「家」という施設は、実際に必要とされる以上に堅固な家を構えることで、家族を守っているという安心感を与えるものである。施主にとっては、1年の内に10日程度利用し、あとの355日は遠く水戸から思いを馳せるだけであるが、しっかりと瀬戸内海を眺めている家が、今日も大木のように堂々と建っていることを思い描き、安心させられる。その姿は、夏に法事で集まったときに快適に過ごせるように、敷地に影を落とすように上に向かって広がっている。

設計 ア デザイン  構造 MI+D建築構造研究所/加藤征寛
敷地面積 642.10㎡  延床面積 165.63 ㎡  RC 造  地上2階

4展示作品 | Posted by satohshinya at 3 29, 2009 7:49


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