ギャップ

日曜日の夕方にスチームボーイを見てきた。
映画館は前回のディープブルーに続き六本木ヒルズ。
相変わらず混んではいるがネット予約販売の手続きのおかげで
かなりスムーズに入れた。このスムーズさは他の映画館と比べると
かなり便利、渋谷からバスに乗らなければならないわずらわしさも気にならない。

スチームボーイはshinyaさん同様に不安を抱えていた。たぶんつまらないだろう。どうしてつまないかは自分の中では少しわかっていて、具体的には蒸気機関うんぬんの世界観に魅力を感じていなかったのだ。なんで日本人がイギリスのあのような雰囲気を描かなければならなかったのかが理解できない。まあここで人種のことを語ってもうまくいかないのでやめるが、「あーあ、スタッフはギアをたくさん書かなきゃいけないから大変だなー」とぐらいな感じ思っていた。つまり背景となるイギリスの蒸気機関にまつわる世界観が理解できないのである。
実は「老人Z」「童夢」「AKIRA」「MEMORYS」ぐらいしか大友の作品はしらないのだが、どれもその世界観と圧倒的な絵としての表現力に魅力を感じていた。中でもAKIRAの世界観は特にセンセーショナルなものだったし、あの時の金田のバイクは誰しもあこがれたと思う。いまだにバイクのデザインがもつ未来感はあれを超えるモノがないといっても過言ではないだろう。でもよく考えると確かに特徴的な世界観はあるもののどの作品の主題となるものは人間関係をテーマとしたシンプルな物語なのである。シンプルなことをものすごく大げさに複雑に描くギャップに大友作品の共通の魅力があるのではないのだろうか。そう考えるとスチームボーイも極めて大友らしい優れた作品なんだと思う。それにしても描画はすごかった。映画館でみないとだめですね。

movie | Posted by at 8 11, 2004 23:09


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» 1ファンのたわごと from shinya
Excerpt: 『スチームボーイ』を見た.正直言って,ほとんど絶望的な気分で映画館へ行った. 僕は『アキラ』の連載が始まる前からの大友克洋の大ファンだった.今でも,最も衝撃を受けたマンガだと思う『童夢』を読んでから,既に20年以上が経過している.その神様みたいな大友が,†...

Tracked: 2004年08月16日 21:52




Comments

TrackBackできました.けど,文字化けしてる?

Posted by shinya at 2004年08月16日 21:53