「誰も知らない」@渋谷シネアミューズ

日曜日、見てきました。
映画は基本的には娯楽アクションしかみないため誰からか誘われない限りこのジャンルは見ないのですが今回行ってとてもよかった。悲しいとか楽しいとか簡単に表すことが出来ないなんともいえない感情の起伏から涙腺がゆるむ。それで見終わったあとも残像が頭の中に残りまたまた涙腺が。。。という感じ。
「巣鴨子供置き去り事件」が題材とされている。詳しくはリンク先のページで書いてあるため省くが憎しみにみちた凶悪事件というわけではなく、ひょっとすると誰しもがもっているかもしれない当たり前な気持ちや小さなコミュニケーションの積み重ねがずれてしまったために生まれた出来事だと思う。そのためこの映画の中では善と悪の二項対立による大きな物語は存在しない。ただ人と人とが一緒にいるという日々の営みが描かれている。映像から最初はドキュメンタリーっぽい感じを受けてあまり感情移入できなかったが徐々にその自然な演技がはまってしまった。まあとにかくおすすめ。見終わったあと他人との距離の取り方が少し変わった気がする。

movie | Posted by at 9 14, 2004 10:58 | Comments (1) | TrackBack (0)

ギャップ

日曜日の夕方にスチームボーイを見てきた。
映画館は前回のディープブルーに続き六本木ヒルズ。
相変わらず混んではいるがネット予約販売の手続きのおかげで
かなりスムーズに入れた。このスムーズさは他の映画館と比べると
かなり便利、渋谷からバスに乗らなければならないわずらわしさも気にならない。

スチームボーイはshinyaさん同様に不安を抱えていた。たぶんつまらないだろう。どうしてつまないかは自分の中では少しわかっていて、具体的には蒸気機関うんぬんの世界観に魅力を感じていなかったのだ。なんで日本人がイギリスのあのような雰囲気を描かなければならなかったのかが理解できない。まあここで人種のことを語ってもうまくいかないのでやめるが、「あーあ、スタッフはギアをたくさん書かなきゃいけないから大変だなー」とぐらいな感じ思っていた。つまり背景となるイギリスの蒸気機関にまつわる世界観が理解できないのである。
実は「老人Z」「童夢」「AKIRA」「MEMORYS」ぐらいしか大友の作品はしらないのだが、どれもその世界観と圧倒的な絵としての表現力に魅力を感じていた。中でもAKIRAの世界観は特にセンセーショナルなものだったし、あの時の金田のバイクは誰しもあこがれたと思う。いまだにバイクのデザインがもつ未来感はあれを超えるモノがないといっても過言ではないだろう。でもよく考えると確かに特徴的な世界観はあるもののどの作品の主題となるものは人間関係をテーマとしたシンプルな物語なのである。シンプルなことをものすごく大げさに複雑に描くギャップに大友作品の共通の魅力があるのではないのだろうか。そう考えるとスチームボーイも極めて大友らしい優れた作品なんだと思う。それにしても描画はすごかった。映画館でみないとだめですね。

movie | Posted by at 8 11, 2004 23:09 | Comments (1) | TrackBack (1)