« 2006年06月 | Main | 2006年08月 »

和柄と光

daimyou.jpg

先日、東京国立博物館の「若沖と江戸絵画展」を見てきた。日曜日だったためか閉館直前にも関わらずかなり混んでいて、老若男女がガラスケースにかぶりつき状態。以前、仏像の展覧会をみにいったとき、とても賑わっていたことを思い出すといかに現代美術の展覧会に人が入っていないかと感じてしまう。

伊藤若沖は森美術館のオープニングのハピネス展で見て以来気になっていたので結構期待していた。それに応える十分な密度の展示でかなり満足。入場制限はしたほうがよいと思うが。見方を知らない自分にとってはハワイで売っている和柄のアロハシャツの延長線上で「あ〜、この色でこの組合せ、綺麗だな〜」「これでTシャツがあったら欲しいな〜」といったノリをきっかけにして見ていくうちに日本画特有の奥行きのなさや、デフォルメ具合を少し感じるようなり楽しめた。しかも今回の目玉はガラスケースなしで舞台照明のしくみを利用した光量,輝度が時間で変化するライティングがされている展示があり、そこは今まで見たことのない状況で鑑賞が出来てかなりお勧め。ガラスケース内の展示を見て、いつもしらけると感じていたのはガラスの中で均一な光が普段の日常生活にはない状況に見えてしまうからだ。時間やその部屋の様々に変化する光の中で美術をみたほうが、当たり前に変わり行く日常の延長線上の存在として受け入れられるのだど感じた。「あの鶏のような和柄でアロハつくりたいな〜」と思うことと同じな気もする。下記で展示の様子が少しわかります。
http://www.jakuchu.jp/special/index.html

それにしても何かずれている外国人が多くとんでもないTシャツのやつが多かった。そんな彼らも「あの虎でTシャツあったらな〜」と思っているのだろうか。写真はほぼ僕と同じタイミングで廻ってしまった外国人が来ていたTシャツ。

art | Posted by at 7 31, 2006 16:54 | Comments (4) | TrackBack (0)

北仲OPEN

kitanaka1.jpgkitanaka2.jpg


「北仲OPEN 2006 The Summer」
期間:2006.07.28-08.06
http://www.kitanakaopen.com/
はじまりした、もしよかったら遊びにきてください。
僕が所属している事務所も毎日オープンしてます。

写真はオープニング時の模様。
サロンでパーティが開かれ、映像で彩られた壁面や
いろいろなところから音楽が流れ込み楽しい感じでした。

memo | Posted by at 7 31, 2006 14:26 | TrackBack (0)

夏のスイカ

suika.jpg

 去年,今年と桜木町駅を利用して気付いたことがある。風が抜けるような窓もなければ空調も入っていないため夏場ここの駅はかなり蒸し暑くなる。ただ自動改札機だけは別だ。期間限定で一台ずつにスポットで送風用ダクトが設けられている。改札をとおるときに涼しさは感じないので一体どこまで効果が出ているかは不明だが毎年設けるようなので確実に必要なのだろう。桜木町でこのような状況ではもっと気温が高い地域ではどうしているのか?
 そもそもメンテフリーなんて誰が思いついたのか?、改札機でもメンテが必要ならその他の機械、ましてや建築なんて手がかかるものだと思う。メンテナンスフリーはそもそもはモノ自体のもつ耐久性を上げ使い続ける心持ちのきっかけであって、人が日々の身の回りの生活に無関心にさせ堕落させるものではないはずだ。逆に関心が増したのはメディアによってつくられたわかりやすくタイプ化されたライフスタイルの表の部分で、それに憧れ実践したときに人はメンテナンスなど写真から読みとれなかったギャップを感じ悩む。暮らし方というのはそもそも人によってだいぶ違うものが豊かな状況だと思うのだが、どうも刷り込まれた理想だけが先行してしまっているのでは感じてしまう。毎日タフに使われる機械の無骨なケアをみるとこんなこと少し感じてしまう。

photo | Posted by at 7 26, 2006 17:52 | Comments (2) | TrackBack (0)

大学1年生の夏休み

shinohara.jpg

篠原一男さんが亡くなった。
実は大学1年生の夏休みに建築のスケッチの宿題があって、
その時に選んだものは東工大100周年記念館だった。
たまたま建築mapをぺらぺらめくって比較的近所だったという理由で選び、
スケッチを描いている時なんとも言えない存在感をもつ印象だけは残っている。
だがそれ以降、篠原一男の存在は自分にとっては遠いままだった。
住宅論なども読み少し知識を得てからもなかなか近寄りがたいものだったが、
ここ数年になりようやく彼の建築がみたいと密かに盛り上がってはいたところだった。
写真は以前、足繁く通った現場のそばに建つ「上原通りの住宅」。
shinyaさんのページをみてわかったのだが1976年に竣工ということは自分と同じ歳の建築。
写真は先月撮影したもの、今でもその存在感は他者に追随を許さないと感じた。
ご冥福をお祈りします。

architecuture | Posted by at 7 18, 2006 22:31 | TrackBack (0)