自由ラジオをはじめよう 毛原大樹レクチャー

2009年2月9日(月)、2008年度第5回ゼミナールとして、アーティストの毛原大樹により、「自由ラジオをはじめよう」と題したレクチャーが行われた。以下はそのレクチャーに対するレポートである。

毛原大樹さんのレクチャーについて
鈴木直樹
 今回レクチャーをしていただいた毛原さんは取手のアートプロジェクトにも参加していて、実際に見学に行ったときにも会った人でした。あの時はラジオ関係の人かと思っていましたが、実は映像作家だと聞き驚きました。映像作家の作品としてはレクチャーの最後で見た「渋谷駅のラインダンス」だけでしたが、たった1分間という中にすごい面白いものが詰まっていました。朝の通勤通学ラッシュのなかであんなに面白いものが見れると思うと1日頑張れるような気がしました、
 レクチャーの主なテーマであった自由ラジオですが、自分はたまにラジオを聞くものの初めて聞く言葉でした。話を聞くと300弱もコミュニティFM、ミニFMがあるらしく自分が今まで知っていたラジオの世界というのは実はもの凄く狭いものだと気付かされました。
 毛原さんは旧小島小学校で活動を行っている「コジマラジオ」をやっていました。廃校となった学校の教室を使って発信しているもので、ラジオを中心とした空間づくりをしたいというもので、空間づくりという点では建築と似ていると思いました。毛原さんの場合は少ない地域に発信しているラジオなので視聴者としてはその発信されている地域に行かなければ聞くことができない。そうすることで人が集まって来てコミュニティの拡大に繋がっていくのだと思いました。そこで放送をしたり、アートプロジェクト・展覧会などさまざまな活動を行っていてすごいと思いました。
 しかし、その飛ばしている電波にも電波法という法律があるということを聞いてとても驚きました。さらに、自分がたまに使っているiPodのFMトランスミッターでも電波は飛びすぎで電波法にふれてしまうという事には一番驚きました。このままだと多くの人が違反者となってしまうので電波法を改正しないのかなと思いました。電波は飛びすぎても飛ばなさすぎてもダメだという状況はとても難しいものだと思いました。
 ラジオのことについて色々と知ることができて良かったです。こんなことを聞くと事ができる機会というのはほぼないと思うのでこれを機に毛原さんがやっている「コジマラジオ」を聞いてみたいと思いました。

「自由ラジオ」についての講演のレポート
永田春輔
 今回の講演を聞いてラジオに対するイメージが大きく変わりました。今までの自分のラジオに対するイメージは聞いている人に情報を提供するものだと思っていました。自由ラジオとは「人々が言っているのではなく、人々が何かを言うことを助けること」と聞いている人が動き出すのを助けるようなラジオでとても興味深いものでした。
 一本のマイクとラジオ送信機でどんな人でも自由にラジオで放送することが出来るという手軽さ、またそれを実際に講演中にやっていただき普段聞き慣れたマイクからの声とは違って実際ラジオから流れてくるような濁った音声が新鮮でした。今回講演をしてくださった毛原大樹さんは大学4年生にも関わらず「コジマラジオ」という独創的な自由ラジオをいうものを大学生活を送りながら作っていっているとこに驚きでした。
 「コジマラジオ」の廃校となった旧小島小学校をスタジオとし「聞くラジオではなく、喋るラジオ」として多くの行事を行っている点など普通のラジオでは考えられない仕掛けが多いラジオという印象を受けました。特に情報を発信する普通のラジオとは違って、コジマラジオは実際にその行事をそこで行ってそれを実況生中継のようなラジオを言う点が今まで聞いたことのないところでした。講演の中でも聞けた「波止場のなすび屋」のおでんを食べながらのラジオ放送は実際にその場の小沢さんの声とは他にそのなすび屋にいるお客さんの笑い声などが聞こえてきてラジオを通して見えないはずのビジョンが見えてきそうな感じがしました。
 またアンテナマップということで各家にたっているアンテナのUHFが横浜のランドマークタワーを指していてVHFが港区の東京タワーを指しその二つにより自分のいる場所が大まかにわかるという電波を受信するという機能のほかに地図としての機能もあるということ(毛原さんが言うにはそんな高性能ではないということでしたが)が面白かったです。
 最後の方にインターネットとラジオの違いについてインターネットは勝手に情報が流れてくるものでラジオは自分でスイッチを入れて聞きたいときに聞くものといっていました。私はそうではなくインターネットを活用することによりラジオが幅広いコミュニティーとして広がっていくのではないかと思いました。他にもミニFMによる微弱電波による誰も聞いていないかもしれないが聞いている人同士でその場所で集まってコミュニティーが発生していくのはとても楽しそうなものだと感じました。

無題
正井芳奈
 今回毛原さんのお話を聞かせていただいてとても自由ラジオに興味を持つことができました。人が集まってくるという状態をつくるというのは難しいことだとおもいますがとてもおもしろいことだと感じました。今までアートというのは漠然と目で見るものという印象を強く持っていましたが、耳で感じる音と電波で生まれるアートというものに気づくことができてとてもうれしく感じました。ラジオからの音は他できく音とは違い心地よい雑音が入っていることで少し懐かしさが伝わってきて味が出でいました。コジマラジオさんは学校で活動をしているそうですが学校という場所もとても親しみやすく人々が入っていきやすい環境づくりになっていると思います。
 先日行った取手アートプロジェクトではラジオブースでお話させていただきましたがマイクを通して自分の声が数百メートルですが届いていると考えると少しはずかしいけれどうれしい気持ちになったのを覚えています。
 東京タワーはアンテナのメッカというお話でしたが東京タワーは人間だけでなくいろいろなものに愛されているのだと実感しました。もしいつか道に迷ってしまって時間があるときはアンテナの向きを頼りにさまよってみようかと思います。
 山口功さんの「ラブレター特論」にはとてもとても興味があるのでもし次回どこかで開催されるのであれば是非ききに行って道具にもこだわって誰かにラブレターを書きたいです。
 ダンスを踊っている音とその写真を撮っている音を聞いてラジオでお話をするというのは想像力がかきたてられてわくわくできそうでまたラジオを聴いている人の側にも立って音を聞けると思うのでアクシデントから生まれた状況でしたが結果的にとてもいいものになったのではないかと考えました。
 最近はラジオをなかなか聴く機会はありませんがこれからまたラジオを積極的に聴いていきたいです。
 最後に見せていただいた渋谷駅の映像はやさしい笑いが含まれていてとてもやわらかな気持ちになれました。
 とてもわくわくが沸いてくるレクチャーでした。

毛原大樹さんのレクチャーを終えて
藤井悠子
 今回の毛原さんのレクチャーでは終始笑ってしまうことが多く楽しく受けさせて頂きましたが、情報を聞くラジオではなくしゃべるラジオにするという考えを持ち、ラジオを中心とした空間作りの活動をしているとのことでした。その中でもラジオを通して、聞いた人がそこへ行こうとする行動を起こさせたいということについて特に関心を持ちました。ラジオによって人が外に出るきっかけとなり、そこへ行くことで、また新たなコミュニケーションが生まれるという、とても良い“人の動きのサイクル”になっていると思いました。
 ラジオから情報を聞き、それを受け取る。しかし情報を受け取ったところで終わりにせず、受け身になるのではなく、それを人自らが、何かしらへの変換(行動)してしまうという所がコジマラジオのすばらしさだと感じました。
 しかしこのラジオが広範囲で流れていたとすれば、毛原さんも仰っていた通り、遠くだからそこへ行くことができないということが起こってしまうでしょう。だから88MHzという範囲の狭いものにするからこそ、人を自発的に行動させる要因ともなるのではないかと思いました。
 最近ではインターネットでなんでも情報を手に入れることができる世の中になり、ラジオと聞くと、古くさいイメージをもってしまうがラジオにはなにか社会とのつながりを感じるものがあり、さらにテレビとは違って、目に見えないからこそ生まれる想像力がはたらくのではないかと思い、そういう面でも毛原さんの活動はデジタル化された世の中に何か刺激を与えるのではないかと感じました。
 その他にも「アンテナマップ」のお話では東京タワーがアンテナのメッカとなり、アンテナがインフォメーションの役割となるストリートファニチャーになってしまうというおもしろいアンテナの見方を知ることができました。
 また「渋谷駅のラインダンス」の映像作品ではでは、駅員さんが決められた行為をし、普段わたしたちも目にする光景を映像作品にしてしまうことやその着眼点がおもしろいと感じました。是非その他の映像作品も見ていたいと思いました。

自由ラジオ コジマラジオ
浜津徹平  
 小島小学校を拠点としたコジマラジオという団体を同じ学生が中心となって活動していることで、とても興味深いレクチャーでした。私は、ラジオをよく聞いていたが、個人で少しの機材で発信できるということにも驚いた。自由ラジオという歴史も世界では、第二次世界後から、日本でも80年代のミニFMブームからあり、とても長い歴史があるが自由ラジオということを知りませんでした。現在では、あまり知られていない自由ラジオを使い、また、ラジオを聴く人が昔と比べれば少ないと思われる現在、なぜ、自由ラジオを使うのか、自由ラジオを知ったきっかけなど、とても気になりました。
 ラジオがどのようにアートとして使われるのかと想像することはとても難しかったが、ラジオを使って人を集め、人とのコミュニケーションを作るという考え方もあるのだと思いました。自由ラジオということで、電波の範囲が狭く、世界中に発信できるインターネットとは違い限られた人しか聞くことができないが、人が集まる空間づくりというコンセプトの下では、自由ラジオの方が実現性があると思いました。しかし、実際に偶然聞いてひとは集まってくるのか、どのような人が集まってくるのかなどの結果がどうしても気になってしまいました。営利目的ではないため、結果を大切にしていないなど気にしていないかもしれないが、アートをやっていなく、また、就職活動をやっている現在の自分にとっては、気になる点でした。
 また、自由ラジオの微弱電波と同じように、パンの香りでも人を集めることをやっていることには、とても共感しました。香りは、ラジオと違い、機材などを必要としないため、周辺の人を誰でも集めることができ、また一緒に食べることなどでコミュニケーションを産むものだと思いました。コミュニケーションするまでもいかなくても、気になる存在になると思いました。自由ラジオにも、気になる存在になり、そして聞くためにも近くに行かなければならない、そして人が集まるという段階的に成り立つのではないかと思いました。そのためにも、気になる存在になることが大切であり、パンの香りで人の気を引くことや宣伝が必要になるのではないかと思いました。
 また、コジマラジオだけでなく、アートということで様々なことをやっていて、同じ学生とは思えないほど、とても活動的な人だと思いました。スタンプアートや子供が撮る家族写真、GRカメラ写真展など多くのことを聞いたが、ホームページを見てみると、もっと多くのことをやっていることを知り驚きました。また、藝術大学には、さまざまな人がいてとても面白そうな学校だと思いました。最後に見た、渋谷駅のラインダンスも普段目にするものだが、これをアートとしてとらえる視点もとても面白く、卒業作品もとても興味深いものだと思いました。普段、アートをやっている人の話を聞くことはないため、このようなことをやっている人がいるのだと知り、とても興味を持ちレクチャーを聴くことができました。

毛原大樹さんのレクチャーについて
薄葉唯
 私は普段そんなにラジオを聴く習慣がなかったので、今回のレクチャーを受けてまた新しいラジオの世界のお話を聞け、興味深かったです。
 私は普段の生活でどうしても目に頼ってしまうところがあります。しかし、ラジオは耳からの情報だけで人に伝え、人を集め、と大変なことだと思います。それに挑戦し、また実際に人を呼び込んでいる毛原さんはどのような活動をしているのか、また、どのようなことを発信しているのかなどと思いながらお話を聞いていましたが、レクチャー中はしっかりと笑いもとり、面白く、さすが話を専門にやっている方だと思いました。また、活動も興味深く、聴くラジオではなくしゃべるラジオというテーマを基に、人と人とのコミュニケーションを大事に活動していることが、今までのラジオのイメージとは大きく違いました。私は今まで、ラジオを聴いて、はがきを出すなど何らかのアクションを起こす人もいますが、大半の人が聴くことで終わってしまい、どうしても受動的になってしまいがちなイメージをもっていたので、人と人との繋がりがラジオというツールを使って行えるということに驚きました。
 また、インターネットの進歩・普及により、情報がどんどん高速化され、世界中にどれだけ速く伝えることができるかが評価を受け、You Tubeなど世界中の人々と瞬時に共有できる時代のなかで、時代の流れに流されずに、範囲の狭い自由ラジオを使うことで、狭いからこそ興味をもった人が集まれ、お互い顔を見てコミュニケーションがとれるという、ラジオを中心とした建築とはまた違う空間づくりができることを知り、自由ラジオの魅力がわかりました。インターネットの普及により人間関係が「広く・浅く」となり、希薄になってしまったとよく言われますが、コジマラジオはその真逆をいく「狭く・深く」であると思いました。今度はぜひ実際にコジマラジオを聴いて、コジマラジオがどのように人を集めているのかを体感してみたいと思いました。
 最後の「渋谷駅のラインダンス」は学校に行くときに渋谷駅を利用し、山手線に乗っているので、よく見ている風景で、駅員さんも見ていたはずなのに、映像を見るまで気付かなかったことに少し悔しかったですが、日常の中の面白さに気付ける毛原さんの感性に感心しました。

毛原大樹さんのレクチャーを聞いて
島田梨瑛
 今回のレクチャーで、初めて“自由ラジオ”というのを聞きました。自由ラジオには歴史的背景が大きくあり、ナチスに対するフランスのレジスタンス活動の中から初めて生まれた言葉であることを聞き、驚きました。またコジマラジオでは周波数88Hzで放送することでラジオ番組を作れるということがわかり、簡単に自分でラジオ局を作ることができるのだと思い、面白いと思いました。普通のラジオは聞くことを目的とするのに対して、喋るラジオとし、ラジオを中心とした空間作りを行なっていて、空間を構成するのには建築だけでなくともいろいろな方法で作れるのだと思い、その放送をする事で人を呼び込むというところが新しい考え方なのだと感じました。
 また、お話の中でアンテナの話が出てきてUHFは横浜のランドマークタワーの方を向いていて、一方VHFは港区の東京タワーの方を向いていることを知り、このアンテナを通して、だいたいの自分がいる場所の位置が分かり、インフォメーションの看板と似ているというところに驚き、街並みをいろいろな角度で見ることで今までにはわからなかった新たな発見があるのだと思い、何気なく街を歩くだけでなく、これからはいろいろなものに目を向けてみたいと思いました。また東京タワーの方にアンテナが向いている写真を見て、その視点から見てみると面白いと思いました。
 小沢剛さんの“波止場のなすび屋”では空間を居酒屋風にして、トークをしていて白鳥の湖がバックで流れているなど独特であると感じ、一つの空間を使っていろいろな取り組みをなさっている事がわかりました。ラジオという放送伝達の機械によってアートが生まれることを知り、ひとつの放送をきっかけとして人がその空間に集まってくるというのは素敵だと感じ、その発想が建築にも活かせるのではないかと思いました。取手アートプロジェクトのように芸術と建築はやはり近い関係があり、それらをコラボレーションすることで新たな考えや物がつくられると思いました。
 旧小島小学校を使ったこのプロジェクトは1階で行われるレクチャーの様子をマイクとケーブルを通して地下の食器棚型調整室へと送って、屋上までつなげていて、一つの建物を一体化させる役割をなしているのだと思いました。
 また食器棚にミキサー、マイク、録音機材と会場の様子がわかるモニター画面、LDプレーヤーとそれを見る為のCRTモニターや照明、など多くの機能を取り入れていて、レクチャーの様子に音楽をのせたり、ラジオのジングルを入れていたりなどディレクターのような作業ができて面白そうだと感じました。またそこから音声はがさらにケーブルでザイムの階段を駆け上がって屋上へ行き、そこにトランスミッタとアンテナがあって、ザイム界隈に88MHzで放送されていると聞き、ラジオを使って建物全体をつなげている所に魅力を感じました。レクチャー会場のPAがすべてラジオで行われているために、会場では地下からの声が、まるで「天の声」であるかのように流れるところもすごいと感じました。
 短い距離の電波によって空間を区切ったり、つくっていき、聞きたい場合にはそこへ行くという仕組みを取っていて、特にラジオの場合には聞きたくなければスイッチを切ればいいし、聞きたい場合にはスイッチを入れるなど、自分自身の意思によって決まり、インターネットの場合には人とコミュニケーションを取らなくても一つの部屋にいれば情報が伝わるという面がありますが、同じ情報の伝達手段でも大きく異なっていくと思い、空間構成においてラジオというのは大きな可能性を引き出すものであると感じました。

毛原大樹さんのレクチャーを聞いて
大澤梢
 私は、“自由ラジオ”の存在を取手アートプロジェクトで知り、今回のレクチャーで“ラジオアート”という分類があることを知りました。私は中学生の頃一時期、ラジオにはまって、FAXを送ったり、電話で録音に参加したり、公開録音に行ったりしていました。なので自分が放送に参加することのできる楽しさがすごくわかります。その感覚を誰でも簡単に、自分の地域の中で味わうことができるようにする活動はとても素敵だと思いました。
 『コジマラジオ』は、旧小島小学校をスタジオとして、数100mしか飛ばない電波にのせて毎回の放送を行っているそうです。前持って打ち合わせはせずに、“その場で起こっている”ことをラジオで放送し、放送を聴いてその場所にくるきっかけをつくることが目的だとおっしゃっていました。この目的のために、住宅などが近くに多く存在する小学校を拠点とし、活動することはすごくいいなと思いました。けれど、銀座のアートギャラリーで、このコジマラジオが放送をするということが、本当にこの目的を意図した活動になっているのか、私にはよくわかりませんでした。様々な場所で活動をしていて、私たちの地域にも来るかもしれないという一種の宣伝を兼ねた活動であるというならば、この銀座での放送の意図もわかります。また、銀座では放送を聴くことによって人が集まってくるのではなく、それ以前にそのような活動をするというポスターなどの1次的な宣伝の効果が大きすぎるのではないでしょうか。
 自由ラジオ以外の活動で、パンを焼くにおいで人を呼ぼうとするパティスリーの活動もとても素敵だなと思いました。様々なアートの中でも、やはり視覚に訴えるアートが1番多いと思います。その中でラジオだったら聴覚、においだったら嗅覚など、視覚以外の人間の感覚を使って感じるアートをいろんな人に伝えていくことができる活動だなと思います。取手アートプロジェクトの時にも感じましたが、アートは私たちの身の周りのいろんなところに常に存在しているもので、それをあまり普段から感じることはありませんが、このような自分たちに近い、人との関係に重点を置いたアートプロジェクトの活動を通して、いろんな人が身の周りのアートに気づくことができます。私自身、いろんなアートプロジェクトに参加してみたり、身の周りのアートに気づいていけるようになりたいなと思いました。

毛原大樹さんのレクチャーを聴いて
石川雄也
 今回、毛原大樹さんのレクチャーを聴いて、アートという領域の広さをさらに実感することができました。
 毛原さんはラジオを媒体としたアート活動を展開していて、レクチャーが終わってからレポートを書こうと思ったとき、毛原さんのラジオアートをどういうふうにアートとして捉えればいいのか少し戸惑う部分がありました。たぶんそれは、私が普段から絵画や音楽や彫刻などの非常にわかりやすいタイプの表現をアートとして表面的に受け入れているためではないかと思いました。なので、今回のレクチャーは私にとって、アートとは何なのかを深い部分から考え直す良いきっかけとなりました。
 毛原さんのレクチャーに影響を受けながら考えた結果、アートとは日常に新しい価値観をもたらしたり、新しい関係性を生み出したりするものなのかな、と漠然と感じました。
 そう考えると毛原さんの自由ラジオでの活動は、「ラジオは聞くだけではなく、参加するものだ」、というように新しい視点を提示してくれている点で非常に刺激的でしたし、私自身はラジオの新しい魅力に気づくことができました。
 レクチャーの内容はユニークで楽しく、芸大には本当にいろんな人がいるんだなぁ、と驚いたり、自由ラジオの空間にいろいろな人が集まることに興味を持ちました。
 また「アンテナマップ」や最後に見せていただいた映像作品でも、毛原さんの視点の置換によるユーモアが詰まっていて本当に面白かったです。「子供が撮る家族写真」は是非見てみたいと思いました。
 今回の毛原さんのレクチャーを聴いて、アートの幅広さを実感すると共に、自分も毛原さんのように行動力と魅力的な人間性と柔軟な視点を身につけて、ユーモアのある人になりたいなと思いました。

無題
三平奏子
 毛原さんのお話を聞き始めて最初に思ったのは、人を自分の話に引き込むのがすごく上手だなあと思いました。あの笑顔から発せられる言葉と、あの独特のフォントから始まる映像は私たちを楽しませ、とりこにするものでした。ラジオでアート。新しいけどどこか懐かしい、人の心の奥をくすぐるような、そんな作品でした。
 「その場所、そこに集まることが大事」だと、毛原さんは何度も繰り返していました。誰も聞いていないかもしれないけどその場に集まるしくみをつくりたい。その空間が大事。そして、「ラジオが飛びすぎても意味がない、すぐに行ける範囲じゃないと。」そこにすごくこだわりがあるんだというのが強く伝わってきました。「受け身じゃダメ。まずは行動。」そう言っているような気がします。でも、実際ラジオを聞いていて、そこに行こうと思うには勇気がいると思うのです。それなのに、コジマラジオはたくさんの人を集めている。う〜ん、すごいです。
 私はたまにラジオを聞くのですが、ラジオから聞こえる音はどこか居心地が良く、話している人の人柄も伝わってくるというか、なんだか近い存在のように思える時があります。それもラジオの良さであり、醍醐味なのかなぁと、ふと思いました。
 何よりコジマラジオ、めちゃくちゃ楽しそうです。自分たちで空間造って、ポスター作って、パン焼いて、すごい人がサンタの格好して……最高ですね。そんなの絶対楽しいです。そりゃあ人も集まるわ! と思いながら聞いていました。というか、毛原さんの人間くささがめちゃめちゃ出ていてそれがまた良かったです。最後の「渋谷駅のラインダンス」、心を奪われました。毛原さんは人が大好きなんですね。 
 世の中にはおもしろいことをしている人達でたくさん! そのことに私は感動しました。もっとたくさんのことを知って、感動して、人に繋げていきたいです。受け身ではなく、まず行動! これからしっかり意識していきたいと思います。

ゼミナール | Posted by satohshinya at February 10, 2009 15:46 | TrackBack (0)