作品でお茶@graz

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グラーツに流れるムーア川にヴィト・アコンチ『Murinsel(ムーア島)』という作品が浮かんでいる.両岸から桟橋で渡る金属とガラスの島には,カフェと円形劇場,子どもの遊び場が入っている.まるで学生の設計のような冗談みたいなものが,しかも世界遺産でもある旧市街を流れる川に浮かんでいる.パブリック・アートもここまでいくと圧巻.

法律上の問題,構造上の問題,環境状の問題,景観上の問題などがあるとは思うが,アート作品という名目による超法規的措置なのか,とにかく川の真ん中に建築物が作られている.一時的なものであるようだが,少なくとも既に建設されて3年は経つようだ.すぐ横の川岸に建つクンストハウスの方が,いわゆる一般的な敷地に建っている分だけ普通に見えるくらい.
もちろん中のカフェでお茶を飲んでみる.確かに川の真ん中の水面ギリギリに位置するカフェ(もちろんガラスで覆われている)は気持ちがいい.こんなところにカフェでも作れたらと多くの人が考えるだろうが,建築物として実現させるのは困難で,しかしアートとなると話は別なのだろう.ところで,これはアート? それとも建築? まあ,どちらでもよいのだけれど,何れにしてもアーティストだからこそ実現できたものだと思う.

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グラーツでは現代建築のガイドブック(独語版,英語版あり)も配布されていて,『ムーア島』の隣にある本物の橋(写真,構造は張弦梁)はギュンター・ドメニクの設計であることがわかる.もっともそれほど有名な建築家による作品があるわけではないのだが…….

美術 | Posted by satohshinya at July 4, 2006 18:47


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Comments

カフェのページみました。
すごいですね、この規模でやるとは。
日本でも最近、天王洲のあたりに
船を利用してその上にカフェをつくっているのが
あったり、ヨコトリでもパージ船をつかった
作品とかもありましたがはるかにこえていますね。

Posted by hy at July 5, 2006 12:54 PM

超えてるよね.アホだよね.
図面らしきものを見ると,浮かせているようにも見えるけど,揺れているようには思えなかったし,もちろん両岸にブリッジがしっかり渡っているし.少なくとも船上にカフェがあるというものでは全く違うよね.
実際は建築家が実施設計をしたのだろうけども,そこがもう少し繊細にやっていれば本当におもしろいものになったかもしれないんだけれど,そこまではいっていないという感じ.

Posted by satohshinya at July 6, 2006 10:06 AM

北京からはカフェのページ見れないなぁ。グーグルも検閲されているし、最近はスカイプすらも検閲されてるし、この国はいずれ、大きな転覆をする時が来る気がするなぁ。表層と実態のかけはなれは、情報の制御だけによって、すれすれの状況で保たれている気がする。今、海外で留学したり、働いている若い人たちが、たくさん戻ってきたときに、どうなるか。

Posted by simon at July 6, 2006 11:24 AM