20世紀の先頭@wien

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オットー・ワグナーの建築をいくつか見たが,中でも「郵便貯金局」(1904-12)のインテリアはすばらしいものだった.天気がとてもよかったことも手伝って,半透明の光天井はとても美しく,構造体の影が消え入るが,上空の青い空は薄らと認識できる.単なる透明なガラス屋根ではないところが,確固としたボリュームを持つ空間を構成しているとともに,そんな曖昧な見え方を生み出しているのだろう.外観こそクラシカルであるが,やはりこのインテリアだけは特別なものだった.

それ以外は,確かにある時代におけるデザインとしては優れたものだが,現在にも通用する感性で作られたものには思えない.「シュタインホーフの教会」(1907)には行っていないので何とも言えないけど,「郵便貯金局」のインテリアは偶然の産物だったのかな?
「マジョリカ・ハウス」(1898)も期待していたんだけれども,予想以上に壁画的であった.ちなみに1階になぜか日本の定食屋が入っていて,思わずそこでコロッケ定食を食べてしまった.

建築 | Posted by satohshinya at July 5, 2006 14:45


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