至るところで@salzburg

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ザルツブルクでは至るところでアート作品を見ることができた.祝祭劇場前の広場に大きな扉を持つ小さな石張りの建物があって,中を覗くとアンゼルム・キーファーの作品が展示されていた.その建物は明らかに作品のためだけに作られたパビリオンのようで,トップライトまで付いている.こんな旧市街の中で突然キーファーの作品と出会い,一種のパブリック・アートであるのだろうが,選ぶ作家が普通ではないし,その佇まいがとても印象的だった.

丘の上の近代美術館を越えた散策路に面した誰も気が付きそうにもない草むらの中にも,マリオ・メルツの作品が設置されている.これもまた,こんな場所にネオンの作品を作るものだと感心した.もちろん,作品としてもおもしろい.
このキーファーとメルツの作品はSalzburg FoundationによるArt Projectの作品で,1年に1作品ずつ市内に設置されており,後で調べてみるとマリーナ・アブラモヴィッチの作品もあったが,残念ながら見逃してしまった.その他にも,メルツの近くにタレルの作品を示す標識があったそうだが残念ながら発見できなかった.もしかすると2006年作品の予告かも?
市内では「Kontracom06」というフェスティバルが行われていて,コンサートとともに街中にアート作品が設置されていた.中には宮殿であるレジデンツの中庭に実物のヘリコプターを逆さまに展示するものもあって(Paora Piviの作品),何もこんなところにこんな作品をと思うが,その横にはワールドカップ観戦用の巨大スクリーンと客席が準備されていたりするから,世界遺産とはいえ普通に市民に使われている場所なのだろう.

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教会を会場とした展示会も行われていた.フィッシャー・フォン・エルラッハ設計のコレギエン教会の「Blick & (ver)Wandlung」展は,教会自体を分析的に作品化したもの(多分)が並んでいた.日本でも越後妻有では寺院に作品が展示されていたりしたから,これも似たようなものかも知れないが,どんなところにも現代美術は展示できるということだろう.ちょっと乱暴な結論.

美術 | Posted by satohshinya at June 22, 2006 10:14


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