無理のないこと

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美しが丘の家をみせてもらった。設計は小泉雅生+メジロスタジオ。構造は木造2階建て。2階建てといっても平屋の上に部分的部屋がのっかっていてそれ以外の部分は微妙に勾配が違う屋根の上にデッキや芝がはられている。そのため、外観全体像はみる方向で違うため一見把握しづらい佇まいとなっている。
平面的には1階は四角い部屋を坪庭のような外部?みたいなものがえぐられており、内と外が積極的に関係づけられようとしている。部分的な2階建てもある庭の中に小屋が点在されている印象に近い。当然、その小屋となっている部屋と部屋は一度外部に出ないと行き来は出来ないためここでも、内と外は強く意識される。断面的には部分的に設けた2階部分がスキップフロアとなっており1階との連続感を意識していることを伺える。内と外、室と室、これらがなるべくいろいろなレベルで無理のない状況で空間として連続感を体験でき、生活の幅、アクティビティが広がっていく場所としてこの住宅はつくられている。
この無理のない状況をつくりだせている要因はこの住宅に使われているアイテムの影響が大きいと感じた。ここで述べるアイテムとは例えば、高性能なサッシやガラス、床暖房、屋根の芝生といった、温熱環境を大きく左右するものから、柱とは思えない60角の木、間柱をかねたルーバー、部屋内も軒先も同じ天井仕上げ、存在がうすい抗菌まな板の階段(丸ノコで加工出来るのでいつか使いたいと思っているが結構高い)などの空間の印象を決める意匠的なものも含む。この住宅ではこれら一つ一つのアイテムが高性能なものとして感じた。当然この高性能は設計者の膨大な知識量によってえられたもの。だいたい高性能なものばかり集めて一つのパッケージにしたとき、その性能は悪い方向に干渉され性能が発揮されにくいがそれが嫌みなくまとめられている。たまに高性能住宅とうたわれ気味の悪い感じのものがあるがここではそのような印象はまったくない。パッケージがよいので高性能な部分としては目にはとまりづらくわかりにくいが無理のない快適な開放感ある空間が獲得されていると思う。屋上でBBQしてみたい。
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architecuture | Posted by at 10 16, 2004 19:52


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