曲がる鉄 その後

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3次曲面への仕上げとしてフェルトをはっている。

曲がる鉄

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仕事で3次元曲面の天井をつくっている。下地は60*30の角パイプ。普段の場合、曲がらないように考えるのだが今回は曲げるように考えらたものを扱っている。良い経験です。

設計の飛躍

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先日、A5+大野さんで設計した松蔭神社そばのB邸の見学会にいってきた。規模としてはいわゆる都心の狭小住宅。プランは1フロアに1室+ユーティリティを積み重ねただけ、おそらくほぼ自動的にきめられてしまうぐらいタイトな状況だと思う。大半の狭小住宅はそのタイト状況をどうにか解消するだけで終わってしまうのだが今回は少し違うものだった。設計者はいつも住まい手の要望を100%みたしてあげようとコンサルタントとして努め、さらにその住まい手とのやりとりの中でみつけた暮らしに広がりが出そうなきっかけをたよりに200%満たせる設計に飛躍したいと作家として考えている。その飛躍も間違うと単なる独りよがりのお節介になるため、つねにその飛躍がある種の主観性、客観性両方の軸で成立するものを考えている。B邸では敷地めいいっぱいに張り出したテラスとその上にある庇、そしてその周囲をやわらくつつむステンレスメッシュが先に述べた飛躍部分だ。一見の佇まいとしてはステンレスメッシュにめがいくが、冷静にみると普通の3階建ての家に普段より大きめな庇とテラスをもうけたようにみえる。テラスがなくてもプランとして成立しているため極端な話、あってもなくてもよい。でもそのテラスの場所は解釈のしかたによってはとてもよい場所になる。どの住宅にでもある庇とテラスという要素を解釈をかえていじることでいままでに味わったことのない空間がえられそれが住まい手の邪魔にならずプラスになれている感じがしてよかった。夕方なので写真がよくとれていないが担当者のMさんは下の写真のようにテラスに光がまわっているところの美しさがポイントと話していました(^_^)

WAIT DOWN @プラダブティック青山店

会場となるプラダはH&deが建ているのだが、実はいままできちんとみていなかった。理由は以前一人で少しこきたないカッコで入店した時にあまり店側によい印象もてなかったのだ。それ以来足が遠のいていたのだが今回の展覧会を契機にいろいろとみれて楽しかった。展覧会自体、ファッションを扱うものの中ではおもしろい。巨大な足、回転するスカート、鏡面の板、ルーペといった仕掛けがいつもと違うスカートの見方を提供してくれていた。
それにしても建物はかなり良い完成度で出来ていた。本当は写真をとって残しておきたいのだがさすがに隠し撮りが敢行できず言葉だけでもメモを残しておこうと思う。自分が忘れないために(笑)。細かい話になってしまうが、徹底的に材料の見切りの数を減らそうと意識されていることがとてもよかった。階段のノンスリップ、エレベーター内のシート貼り、天井のパンチングの穴あけ、どれも大袈裟な加工ではなくちょっとしたアイデアで解消しているところが素敵だ。もちろん構成や中の空間感は各階材料が同じにもかかわずバラエティに富んでいておもしろいです。

工場検査

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工場検査にいってきた。とある仕事で発砲スチロールで巨大なR壁をつくっているのだが、基本は普段、模型でヒートカッターを使う方法と同じ。3m×3mの巨大なヒートカッターの上に発砲スチロールをのっけてカットラインはCADデータで簡単操作。コンマ1mmまで精度がでるとのこと。そのため巨大なものから隣の細かい五重塔も制作可能。カット面の仕上がりも温度と速度の調整でいろいろと選択ができる。日常の中では単なるクッション材でしかない発砲スチロールがこんな精度でつくられていることに大して驚き。いろいろと使い道はあるのになと思った。

金沢ツアー/21世紀美術館

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金沢ツアー/玉川図書館

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上記は20年以上前に谷口事務所が設計した図書館。印象としては飽きのこないおいしいサンドウィッチを食べた感じだった。その理由は2つあるのだが一つは材料、色数の多さがあげられる。建物の構成は開架書庫のボリュームと学習室,事務室などの閉じた部屋が集められたボリュームが中庭を挟んでリニアに配置されている。この二つのボリュームが違うデザインボキャブラリーでつくられており、開架書庫の方は天井高は高く中庭に面してガラス張りとなっていてかなり品の良い倉庫ような空間で、中からは木々の様子が伺え気持ちよい読書スペースとなっている。もう一つのボリュームは図書館と隣接している古文書館?にあわせて煉瓦が多様され、丸いトップライトや半円状出っ張っている出窓、さがり天井などかなり手の込んだものとなっている。中庭上部に2階建てとは思えない巨大な鉄骨梁が横断しているのだがこれは中庭面に柱をおとさずサッシだけの軽快な立面にし、閲覧場所と中庭との境界線を出来るだけ小さなものにしようとし、また2種類の建物を繋ぎつつ少し囲われ落ち着いた中庭の場所もつくりだしている。一言でいえばドライ,ウエットの空間と中庭が具になっているとてもおいしいサンドウィッチようだった。もう一つの理由は20年前以上たっているにもかかわずサイン,家具が昔から変わらず当初の設計のまま使われていることだ。どこか破綻を来して当初の計画通りの使われ方はしない場合もあったりするのだが、その変化も許容して現在まできている。飽きることのない定番メニューのようだ。MOMAが出来た今では一般的には谷口事務所はガラスが多く淡く白い石ばりの建築ばかりのイメージを持ちやすいがこの建築はそのことを払拭させるとても饒舌なデザインだった。tkmyさんからおもに設計の方法や建築の考え方など今後この仕事を続けていく上で下地となるようなことを教えてもらった。たまにtkmyさんが「〜は〜するとかっこいいんだよ」と楽しげに具体的なデザインの話していたときはなんだかとても説得力がありうなずいていた気がする。長い時間の中でのデザインのおもしろさ,重要さを考えさせられよい刺激だった。それにしても道路側の雨だれ全開の外壁はヘルツォークも真っ青な感じ。

鶴見ツアー

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「けものファサード」
嗅覚、聴覚も刺激される、なかなかの存在感

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「ハイスペックファサード」
機械仕掛けのハイスペックもの、店内は残念ながらハイスペックな感じはしない

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「味のファサード」
うぃーんってどんな味がするそばかイメージ不可能

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「広場のファサード」
黒塗りタクシーで埋め尽くされた夢広場へようこそ

ペットボトル

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とあるビルの玄関。
このペットボトルは、たぶんねこよけのためなのだろうが、あまり量の多さのため玄関前のデコレーションにもみえる。当然、その中の水は植物のためにも使える。単純に量を増やすだけで一つだけしか意味がもっていないと見えるモノが三つの意味を持っているものに変化してとらえることができる。

植林

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tkmyさん家のそばの駒沢公園。
ここの木はとても立派、tkmyさんに教えてもらったのだが、
当時この公園がつくられたときオリンピックのためということから
最初から大きな木が運ばれ植林されたそうです。
通りの幅はその大きな木を想定されていたのだろうか?
木も立派だが通りもかなり立派な感じの幅で出来ている。

太田市ツアー

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日曜日に群馬県太田市に行って来た。

小嶋研究室設計による太田集会所とC+A設計による住宅を見るためだ。集会所は鉄板と50角パイプといったスチールの箱で出来た3つ部屋をたよりに木の架構がかけられた空間。その箱は周囲の環境と関わり合うため突き出すような格好となっている。ちなみ周囲のアスファルトによる外構も設計されている。

住宅は写真はないが畑の中にアイコンとして目立つ感じの佇まい外壁にベニヤの上にFRP防水を施したものが使われている。ベニヤの節もFRPでつぶされ、その上に5mmぐらいのクリアーのFRP層が設けられている。FRP層はもちろん防水のためだがその奥にあるベニヤはなんのためだったか確認出来なかった。FRPの特性を生かしてベニヤ部分的になしにして内照式の照明になっているところは壁と開口部の関係性がくずれていておもしい。でもメンテどうしているんだろう?いずれも写真がないんですが、、、


八王子の鉄塔

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この鉄塔は高層住宅における配管実験、高所における心理的不安などの調査が目的で建てられている。デザイン監修は伊東豊雄建築設計事務所。

季節による佇まい

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懐かしかったので自分のパソコンあさったら画像が出てきました。
冬と夏で見比べて錆びた鉄板の雰囲気はは冬の白い景色の中でも、夏の緑をバックにしてもなじんでいると思う。それと同時に直線がつくりだすフォルムは自然の中でいかに不自然(悪い意味ではない)なものかと感じる。そのおかげでなじみつつ存在感のある佇まいを得られているのだろう。

地上108mの床

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八王子の街が一望できる鉄塔は床が全てグレーチング。
そのため108m下の地面を見ることが出来る。なかなかない体験。

コンペ的な思考

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大きな倉庫の中に手を加える現場を見ているのだが、そこで使用されている仮設照明。直接見てもあまりまぶしくないわり意外と光が遠くに届く。レンタル代は月2万円程度。

「コンペ的な戦略ですべての建築が片づくわけではないけれど」
コンペで求められる思考回路としてはその都度かわる形式の中で「新しさ」「驚き」を持つ「最適解」を導き出すことだと定義してみる。そうであればその定義は実作の建築を作る上でも僕は有効だと思っている。定義の言い方をすこし変えると「その都度変わる条件に対して既成概念に引っ張られずに最適解をみちびく」。この中での「既成概念」というのはつまらない常識からつくり手の美意識や趣味まで含む。つまらない常識に対しては日々の批評的なまなざしで乗り越えることはできるが、個人が持つ美意識や趣味は何をもってして解体、整理、再構築がその個人の中で出来るかが未だにわからないのが悩みである。そんなの出来ないのかもしれない、それを目標とすることが間違っているのかもしれないが自分としては意識としては大事だと思っている。

無理のないこと

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美しが丘の家をみせてもらった。設計は小泉雅生+メジロスタジオ。構造は木造2階建て。2階建てといっても平屋の上に部分的部屋がのっかっていてそれ以外の部分は微妙に勾配が違う屋根の上にデッキや芝がはられている。そのため、外観全体像はみる方向で違うため一見把握しづらい佇まいとなっている。
平面的には1階は四角い部屋を坪庭のような外部?みたいなものがえぐられており、内と外が積極的に関係づけられようとしている。部分的な2階建てもある庭の中に小屋が点在されている印象に近い。当然、その小屋となっている部屋と部屋は一度外部に出ないと行き来は出来ないためここでも、内と外は強く意識される。断面的には部分的に設けた2階部分がスキップフロアとなっており1階との連続感を意識していることを伺える。内と外、室と室、これらがなるべくいろいろなレベルで無理のない状況で空間として連続感を体験でき、生活の幅、アクティビティが広がっていく場所としてこの住宅はつくられている。
この無理のない状況をつくりだせている要因はこの住宅に使われているアイテムの影響が大きいと感じた。ここで述べるアイテムとは例えば、高性能なサッシやガラス、床暖房、屋根の芝生といった、温熱環境を大きく左右するものから、柱とは思えない60角の木、間柱をかねたルーバー、部屋内も軒先も同じ天井仕上げ、存在がうすい抗菌まな板の階段(丸ノコで加工出来るのでいつか使いたいと思っているが結構高い)などの空間の印象を決める意匠的なものも含む。この住宅ではこれら一つ一つのアイテムが高性能なものとして感じた。当然この高性能は設計者の膨大な知識量によってえられたもの。だいたい高性能なものばかり集めて一つのパッケージにしたとき、その性能は悪い方向に干渉され性能が発揮されにくいがそれが嫌みなくまとめられている。たまに高性能住宅とうたわれ気味の悪い感じのものがあるがここではそのような印象はまったくない。パッケージがよいので高性能な部分としては目にはとまりづらくわかりにくいが無理のない快適な開放感ある空間が獲得されていると思う。屋上でBBQしてみたい。
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