設計の飛躍
先日、A5+大野さんで設計した松蔭神社そばのB邸の見学会にいってきた。規模としてはいわゆる都心の狭小住宅。プランは1フロアに1室+ユーティリティを積み重ねただけ、おそらくほぼ自動的にきめられてしまうぐらいタイトな状況だと思う。大半の狭小住宅はそのタイト状況をどうにか解消するだけで終わってしまうのだが今回は少し違うものだった。設計者はいつも住まい手の要望を100%みたしてあげようとコンサルタントとして努め、さらにその住まい手とのやりとりの中でみつけた暮らしに広がりが出そうなきっかけをたよりに200%満たせる設計に飛躍したいと作家として考えている。その飛躍も間違うと単なる独りよがりのお節介になるため、つねにその飛躍がある種の主観性、客観性両方の軸で成立するものを考えている。B邸では敷地めいいっぱいに張り出したテラスとその上にある庇、そしてその周囲をやわらくつつむステンレスメッシュが先に述べた飛躍部分だ。一見の佇まいとしてはステンレスメッシュにめがいくが、冷静にみると普通の3階建ての家に普段より大きめな庇とテラスをもうけたようにみえる。テラスがなくてもプランとして成立しているため極端な話、あってもなくてもよい。でもそのテラスの場所は解釈のしかたによってはとてもよい場所になる。どの住宅にでもある庇とテラスという要素を解釈をかえていじることでいままでに味わったことのない空間がえられそれが住まい手の邪魔にならずプラスになれている感じがしてよかった。夕方なので写真がよくとれていないが担当者のMさんは下の写真のようにテラスに光がまわっているところの美しさがポイントと話していました(^_^)
architecuture |Posted by hy at January 31, 2005 10:38 PM | TrackBack(0)tkmyさんはほめていたよ。本当に。
ぼくはやっぱり、あの構造の不思議さが気になりました。
構造は僕も同感です。だから構造に関してはうまく書けていない。2階に窓際コーナーに柱を落とさないためにあの構造を選択しているのであれば、極端な話、2階の床はもっと外部っぽくつくるのもありかな。でもそうなるとお節介ですね。
Posted by: hy at February 12, 2005 12:22 PM２階の床というのはインテリアの話？ テラスに延長してゆくように繋がるべきということかな？ ぼくはむしろ、テラスであるにしてもグレーチングの床というのは好きではなくて（容積率の問題もあるのだろうし、Ｍさんは大好きそうだけど……）、どちらかというとテラスの床を内部っぽくつくる方が共感できるかな。どうでしょう、Ｍさん？
Posted by: satohshinya at February 13, 2005 07:52 AMインテリアの話です。僕が思うに内部っぽくつくるのであれば柱はあってもよいと思うのですがね。どうですか、Mさん。
Posted by: hy at February 13, 2005 07:49 PMあのテラスの場所をどのように定義するのかが問題だね。言葉上の問題だけかもしれないけど、ぼくはあそこを半内部にすべきではないかと思った。もちろん、この言葉の意味は、半外部＝半内部ではなく、外部＞半外部＞半内部＞内部と考えるとした場合の話。同じ結論なんだけど、ぼくは柱がない方がよいと思っていて、そうだからこそあのテラスは半内部であるべきと思い、hyが柱があってもと言うのは、テラスが半外部なんだから、どうせ内部とは分断されるということだね。何れにしても、外気に面している以上、半外部であるわけだから分断されちゃうんだけど、視覚的な繋がりだけでなく、例えばあのテラスに内部っぽい造作家具が置いてあったりして、そんな強引な半内部があり得ないのかなと思っただけ。どうせ見てないんだろうな、Ｍ！
Posted by: satohshinya at February 13, 2005 09:04 PMコメントありがとうございます。やはり2Fテラスが今回の設計のポイントでした。実はあの建物は容積率、建蔽率がまだ余っています。テラスをインテリアとして作ることが可能でした。僕らの選択としては、周辺環境を考慮し、部屋を広げるにはどうすればいいかと考えたとき、2層吹き抜けのインテリアでなく、2層吹き抜けのテラス（半内部）を作ることを選択しました。当然、内外のあいまいさがポイントだと考え、コーナーの柱を無くすことや、ステンレスメッシュをすだれ、庇にこだわったつもりです。確かに、もっとインテリア的にもっと作ればと思っています。
Posted by: M at February 15, 2005 07:02 PM