フェスティバルの時には@linz

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リンツの最後は「O.K Centrum für Gegenwartskunst(O.K現代美術センター)」.現代美術を対象とした実験的な施設だそうで,1930年代に作られたビルをPeter Rieplという建築家が98年にリノベーションしている.周辺が工事をしていたためか,今回の展示のためかよくわからなかったが,仮設の階段でいきなり2階に登らされる.webの写真と見比べてみると,正式な入口が塞がれていることもわかる(ブリッジもなくなっている!?).そんな導入部分に加えてラフな材料を多用したデザインも手伝って,建築までが仮設的なものに見えてしまった.

ここは企画展のみを行う場所で,「You'll Never Walk Alone」展が行われていた.ワールドカップ(ドイツ語圏なのでWM)に合わせた企画で,サッカーに関する作品が集められていた.訪れた時には「O.Kセンター」経営のカフェも設置されていて,イングランド×パラグアイ戦に盛り上がっている真っ最中だった.そんなタイミングに相応しい企画ではあると思うが,並んでいる作品がどれもこれもイマイチに思えた.建築自体が安普請に見えたために作品まで安っぽく見えてしまったのか,またはその逆なのかはよくわからないが,あまりよい印象を残さぬままに立ち去った.
後から知ったところによると,ここはアルス・エレクトロニカ開催時に関連展示が行われる場所であるらしい.確かに「アルス・エレクトロニカ・センター」よりはメディア・アートの展示場所に相応しいかもしれない.また「アルス・エレクトロニカ・センター」についても建物を中心に批判的なことを書いたが,その中の展示はフェスティバルから翌年のフェスティバルまでの1年間常設され,市民の誰もが作品と密接に関わることができることを意図しており,十分な作品の理解を助けるためにトレーナーも必要となるということらしい.(参考リンク:
何れにしてもフェスティバル期間中にリンツに行ってみないことには,これらの魅力が十分に理解できないのかも知れない.時間があればぜひ行ってみたい.
おまけに,リンツでもミュージアムの地図付きガイドブックが配布されていて(webではPDF版がダウンロード可能),街の中心にあるインフォメーションではお得な「Linzer Museumskarte」が販売されている.

美術 | Posted by satohshinya at August 3, 2006 0:16


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