トップライト@basel

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クンストハレはコレクションを持たずに企画展示を中心に活動する施設であることがわかった.そしてバーゼルにも「Kunsthalle Basel(クンストハレ・バーゼル)」がある.

ここもクラシカルな外観にホワイトキューブの展示室という毎度おなじみとなってきた取り合わせで,バーゼル芸術家協会の展示空間としてJohann Jakob Stehlin設計により1872年に完成した建物.何度か改修が行われており,2004年に改修された際に「Architekturmuseum(建築博物館)」が併設された.
中ではLee Lozanoというアメリカの画家による「Win First Dont Last, Win Last Dont Care」展をやっていて,コンセプチュアルに見える作品があったり,展示壁面を黒く塗った上に抽象画が掛けられていたり(これは作家自身による指示らしい),その一方でドリルの先端を描いたような具象画があったり,なかなか一筋縄ではいかない作品が並んでいた.
ここの展示室もトップライトによる光天井を持ち,当たり前の話かもしれないが,機能転用による美術館にはトップライトはなく,元々美術館として作られた建物にはトップライトを持つものが多いことに気付く.20世紀以前に建てられたクラシカルな建物の場合,内部空間のスケールの違いがあるものの,一見すると元々美術館であったのか機能転用されたものなのかわからないときがある.結局は室内を真っ白く塗り潰してしまえば,それだけで展示空間になってしまう.それらの違いの1つにトップライトのある/なしが考えられるかもしれない.しかし現代の美術館では,いかに天井から自然光を入れるかという課題に真剣に取り組んだものがある一方で,そんなことにはお構いなく照明を均質に配置するだけのものも少なくない.
「クンストハレ」の横にはバーゼル劇場があり,その前の広場にはリチャード・セラの作品とジャン・ティンゲリーの噴水もある.

美術 | Posted by satohshinya at August 12, 2006 0:46


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