最近のパトロン

「秘すれば花:東アジアの現代美術」「ストーリーテラーズ:アートが紡ぐ物語」(森美術館)を見た.もう今回は,動線に関する悪口とかは書かない(笑).
東アジア展は,予想以上の好企画.展示構成に「風水」を採り入れているとかで,会場内は混沌とした状態で密集している.2フロアもあるんだから,もう少しゆったりと展示してくれてもいいのに,とも思うけれど,これはこれでよいのかもしれない.狭い場所に26人もの作家を押し込んでいるから,少し下がって作品を見ようとすると,後ろの床に置いてある作品を踏みそうになる.更に,観光客たちが平気で作品に触るので,作品の前にもデカデカと触らないように書いてある.それでも他の美術館に比べると,子どもが走り回ったりすることには寛容で,さすが観光名所としての懐の大きさを感じる.タフな美術館だ.もう税金を使った美術館でジブリ展なんかをやるくらいだったら,高い入場料を払ってでも展望台に登る方がよい.
というわけで,場所も客層も展示構成も含めて,今回の企画はピッタリはまっている.もちろん,作品もよい.入り口にある小林俊哉氏の作品をはじめとして,ユ・スンホ,ウ・チチョン,丸山直文,スゥ・ドーホー,リン・シュウミン,須田悦弘,マイケル・リン,奈良美智,ハム・ジンの各氏の作品はおもしろかった.
一方の物語展は,大部分がビデオインスタレーションであったこともあり,あまり楽しめなかった.もし行く人がいれば,十分時間を確保してほしい.下の階では「ジョルジオ・アルマーニ展」をやっている.そのまま降りてきてしまったが,これはグッゲンハイムの巡回展で,展示構成をロバート・ウィルソン氏がやっているそうだ.美術館に300円を加えれば入れるらしい.見た人がいたら感想を教えてください.よかったら見に行こう.

美術 | Posted by satohshinya at April 19, 2005 6:34


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