更に同時代の作家

阿部和重氏の『シンセミア』を読み始めているが,m-louisさん提案のように2日間で読むことができそうもなく,ダラダラと読んでいる.その前に『アメリカの夜』をようやく読んだのだが,それと比べるまでもなく,やはり『シンセミア』から阿部氏の作品に変化が出てきているよう.何れにしても感想は読了してから.
『シンセミア』は1,600枚だそうだが,村上龍氏の最新作『半島を出よ』は微妙に多い1,650枚だそうだ.『コインロッカー・ベイビーズ』『愛と幻想のファシズム』に続く,久しぶりの上下巻大作ということで,思わず買ってしまった.
村上春樹氏も,『アフターダーク』には少しがっかりしたが,アメリカで編集された短編集の日本語版という『象の消滅』を出した.つまり,アメリカ版と同じ順番で並び直しただけの本なのだが,1編だけ『レーダーホーゼン』という作品が,アメリカの編集者が縮めて収録されたこともあって,その短縮版を村上氏自身が日本語版を参照せずに和訳している.それはともかく,代表的な短編が多く収められており,もし村上氏の短編に馴染みのない人にはお買い得な一冊.ただし,かなり文字が小さく読みにくい.ちなみに,村上氏は元々短編には手を入れることがよくあって,ほとんどの短編が『村上春樹全作品』に収録される際に書き直されている.新しい短編集はこれらを定本としているので,文庫版とは少し違うから,文庫で読んだ人にもお薦め.

| Posted by satohshinya at April 14, 2005 6:24


TrackBacks




Comments

なんだかすっかり文学ブログになってますね(笑)
『シンセミア』はだらだら読むのもまた一興だと思いますが、私の場合、アサヒグラフ掲載時にすでに読んでたのを読み直す形になったので早かったってのはあるかもしれません。でも、妻も『アメリカの夜』は途中で挫折してたのに『シンセミア』は数日で一気に読んでしまってました。というか、読んでる間、他のことをあまりしなかった(汗)

ところで文学とは全然関係ないですが、私がお世話になってたH音すまい研究所のY原氏がH音をやめられるそうです。何でも旅に出たいとかで、、ある意味、Y原氏らしいなとも思いましたが、shinyaさん交えて谷中で飲む機会が持てなかったのが残念です。
まあ、実家が東京のようなので、また会おうと思えば会えるとは思いますが。。

Posted by m-louis at April 17, 2005 3:54 PM

ただいま現代文学キャンペーン実施中です(笑).
少なくとも,ここは建築ブログではありません.どうぞご贔屓に.

Posted by satohshinya at April 18, 2005 10:44 PM