ガラス好き@linz

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リンツにある「Lentos Kunstmuseum Linz(レントス美術館)」に行った.最近流行の全面ガラスの四角い箱はスイス建築家Weber & Hoferによるもので,2003年にオープン.理由はよくわからないけれども展示室が2階(といっても中2階があるので,実際は3階くらいの高さ)に持ち上げられていて,その下が巨大なピロティになっている.その軒下ももちろんガラス張り.展示室が最上階に持ち上げられているため,全面にトップライトを持った展示室が同一平面上に確保できているのだが,要するに建築家はこの外観をやりたかったのだろう.展示室の天井高さ自体は低くはないけれど,外形を四角く抑えた結果,全てが同じ高さとなってしまっているためかなり単調になってしまった.

「Nomaden im Kunstsalon」展というテキスタイルからソル・ルウィットまでを並べたよくわからない企画展と,シーレなどのコレクション展を開催中.ガラス天井とコンクリート床の展示室は悪くないかもしれないが,部屋の連続が単純なのか,部屋自体のプロポーションのせいか,あまり魅力的ではない.おまけに企画展エリアではトップライトの照明を交換しているとかで中に入れず,訪れたのは朝一番だったが,昼過ぎには入れるからもう1度来てくれと言われたが時間がなくて断念.そんな作業,開館時間内にやるなよ.結局コレクションは見られたけれども,企画展はテキスタイルを見ることができただけ.外壁のガラスも交換中でクレーンが横付けされていたり,大きな展示室は展示替えで使っていなかったり,全体的にやる気のない時に来てしまったらしい.グラーツ,ウィーンと展示替えに出会うことも多く,どうやらオーストリア中が同じタイミングで入れ替えているようだ.
地下にもプロジェクトルームがあって,Edgar ArceneauxとCharles Gainesというアメリカのアーティストによる「Snake River」展もやっていた.こちらはビデオインスタレーションを中心とした現代美術.黒いテラゾーの床だったと思うけど,この展示室も悪くはない.後で調べたところによると,このメインの展示室が2階に持ち上げられているのは,隣を平行して流れるドナウ川の氾濫を考慮しているとのこと.そうだとすると,この地下の展示室はどうするのだと意地悪なことを考えてしまうが,きっとコレクションの方が高価で大事ということだろう.
ちなみにこの美術館ではweb上でのコレクション公開を行っている.分類分けなどされていないので見にくいのだが,12,549点が収められているらしい.えらい.

美術 | Posted by satohshinya at July 29, 2006 7:22


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