同じ都立だけれどこっちの方がよっぽど現代美術館

「超(メタ)ヴィジュアル」東京都写真美術館)を見た.写美の地下にある映像展示室でやっているのだが,この場所が時々意外な展示を行う.美術館の名前は写真だが,このフロアでは映像に関係する作品が展示される.先日もOTAKU展が行われたばかり.今回は開館10周年記念による特別展としてコレクションが展示されているのだが,その辺(例えば東京)の現代美術館よりもよっぽど質の高い作品が集められている.
岩井俊雄氏の『時間層2』は何度も見たことのある作品だが,やはりすばらしい.最初期の作品でありながら,非常に高いレベルで完成している.もう1つの岩井作品(題名忘れた)は立体視による作品で,これも気持ちよい.名和晃平氏の作品も気持ちよい(というより気持ち悪い).名和氏の作品は,先日見学に行った竹中工務店東京本店新社屋のエントランスロビーにもあったのだが,どうせならこちらを置いてほしかった.竹中の作品はつまらない.minim++の『Tool's Life』も楽しい.ほとんどふざけた作品しか作らないタムラサトル氏の近作もある.石野卓球氏の『The Rising Suns』のプロモーションビデオ(田中秀幸氏)も,ついつい見とれてしまう.他にもiPod photoを用いた作品として,何人かの作家のアニメーション作品が展示されている.新しい使い方だ.その中に,なぜか舞城王太郎氏の例の山手線漫画が全て収められている.山手線以降のものも含まれていて,55枚(?)による大作として(多分)完成している.本屋で直筆の絵を見て回るのも楽しかったが,iPod photoをクルクル回しながら小さい画面で見るのもまたふざけていておもしろかった.
この展示は今週末までが前期で,部分的に展示替えをして後期が開催される.行っても損はない.

美術 | Posted by satohshinya at June 2, 2005 6:37


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Comments

名和さんの部屋、影が落ちない仕上げになっていましたね。だからきもちわるかった。
あーいう仕上げで出来るんだーと。
すべてを漂白する行為をつきつめたそこには?。影を消し、物質としての意味をこえた時、偏向フィルムを透過してあらわれる虚像の小さいしまうま。
キューブより、光源からの距離が同じになる球体のほうが、どこからみても、おなじ像が追随してくるようなイメージへ近づく気がするのだけど。むづかしかったのかなぁ。
iPodは、あーいう使い方すると、画面も含めサイズがちっこすぎる。笑。内容をよみこむというよりは、ばかにしてせせらわらうくらいの、手の上感がきもちよいのか。
全部見終わったあと、みょうに目が疲れてたなぁ。笑

Posted by simon at June 23, 2005 11:17 AM