元小学校@kyoto
行ってみようと思っていたのだけれど、これまで1度もその機会がなかったが、ようやく京都芸術センターを訪れることができた。運営の詳しい話を聞かなければわからないが、予想以上に理想的な環境がつくられているように見えた。何よりも元々の小学校が魅力的である。ほとんど内装に手を加えていないようだが、内部にスロープもあったり、余計なリノベーションをせずとも十分だったろう。唯一、エレベータだけが外付けされているが、2階ではそれを繋ぐ廊下が校庭へ向かったテラスとしてうまく機能している。北側のギャラリーが外部からアプローチするところも頼もしい。詳しくはこちらを参照してほしい。この中学校も、このくらいの魅力ある場所として再生することを期待したい。
ようやく訪れるきっかけを与えてくれたのは、Nibrollの矢内原美邦たちによるoff nibrollによる作品。2階の講堂を用いて、『"the only way out of the function" 青春』という映像を用いたインスタレーション作品を展示していた。講堂を暗くして、プロジェクタだったり、モニタだったり、さまざまな形式による映像作品がポツポツと並び、それぞれが独立した作品でもあるようだし、全体で1つの作品となっているようにも思える。そして、真ん中の机に詩が置いてある。これってどこかで読んだことがある。この間の『五人姉妹』のパンフレットだったかな? 最も気に入ったのは、スライドプロジェクタを用いた6枚組(だったと思う)の矢内原本人らしい写真を組み合わせたもの。他の映像作品の方がよっぽど凝っているのはわかるけれども、この静止した写真が最も存在感があった。学校であった場所を用いていることともシンクロしていたのかもしれない。スライドの醸し出す情緒が、記憶を表すのに適しているからかな? 一方で、やはりこういった映像作品が必要とする展示空間の暗さが気になった。もっと展示空間を有効に使う、闇を前提にしない作品も見てみたい。
美術 | Posted by satohshinya at August 21, 2008 22:23
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