偽物の本物

「スターウォーズ サイエンス・アンド・アート」国立科学博物館)を見た.小学校5年生で見た『スターウォーズ(エピソード4 新たなる希望)』(そして,同年に見た『未知との遭遇』)は,僕にとって原体験とも言える映画で,大きな影響を受けてきた.そんなスターウォーズ・サーガの撮影で使用された,様々な本物が展示されているということで,京都国立博物館で展示が開始された頃から大変楽しみにしていた.『エピソード5 帝国の逆襲』『エピソード6 ジェダイの帰還』までは,文字通り実際に映画に登場する模型などが展示されている.それに対し,特殊視覚効果の技術的な進歩が背景にあって,『エピソード1 ファントム・メナス』『エピソード2 クローンの攻撃』の展示では,衣装や実物大の乗物を除けば,模型の大半が実際の映画では使われていない参考のためにつくられたものであり,使われていたとしてもCGによって処理されているため,どちらかというと撮影の素材という感じであった.
それでは,『エピソード4〜6』の本物の展示が感動的なものであったかというと,思ったほどではなかった.展示の内容に不満があったわけではないのだが,結局,これらの展示は本物であるかもしれないが,僕にとっての本物ではなかった.いくら撮影に使われた本物のミレニアム・ファルコンが目の前にあったとしても,映画の中で飛行しているミレニアム・ファルコンが僕にとっての本物であって,今回の展示物は偽物のようにすら見えた(ちょっと極端だけど).
オマケに書くと,僕にとっての(フィルムで撮影されている)映画は,映画館のスクリーンで見るものが本物であって,ビデオで見ることは偽物を見ているようなものだと思っている(これも極端だけど).少なくとも,別のものだとは思う.更にオマケに,『エピソード2』はフィルムを全く使っておらず,全てデジタルビデオで撮影された.日本でも数カ所ではデジタル上映が行われたが,僕はフィルム上映しか見ていない.それでは本物を見ていないのではないか,という話もあるが,どうなんでしょうか?

映画 |Posted by satohshinya at June 20, 2004 10:45 AM | TrackBack(0)
Comments
Post a comment









Remember personal info?