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中崎透レクチャー@オウケンカフェ

2013年9月25日(水)、第1回ゼミナール@オウケンカフェとして、アーティストの中崎透によるレクチャーが行われた。以下はそのレクチャーに対するレポートである。

野口菜々子
 9月25日に行われたオウケンカフェに参加し、中崎透さんのレクチャーを聴いた。中崎さんの話し方は、レクチャーといいつつもお酒を交えていたからか、とてもくだけたものだった。また、内容も難しいものではなかったために聴きやすかった。
中崎さんはアーティストということであったが、活動はアーティストと呼ぶには幅が広かった。現在は山城大督さん、野田智子さんと一緒にナデガタ・インスタント・パーティーというグループを組んで活動もしている。
 私は今回のレクチャーで、袋井市のニュースタイルカルチャーセンターの話題が1番印象的であった。もともと廃墟と化したような場所に少し手を加えることで、ワークショップや講演会、展示会などを行う。こうすることで、幅広い年代の人たちの交流をもたらし、さらには地域の活性化などを考えていると私は理解している。まず、中崎さんはここのことを「どまんなかセンター」と名付けたが、理由は“袋井市のどまんなかにあるから”というところから話が始まった。この時点で会場には少し変な空気が流れていたと思う。数人は小さく笑っていたかもしれない。次に、会場を借りるための苦労話や、地域の高齢者や子どもたちのプロジェクトへの参加について、おもしろおかしく話してくださった。本人の人柄なのか、お酒の力なのかはわからないが会場には笑いが起きていた。最も笑いが起き、なおかつ興味をそそられたのは、小学生?を冒険させるような企画だった。最初からこのような企画になるように狙って子どもたちに場所を貸したわけでもないのに、子どもたちに場所を与えたにもかかわらずゲームしかせずにたまり場になっていることから、この企画を遂行したようだ。おそらく、子どもの年齢・性別を全く違うものに指定し、限定していたら企画は全く違ったものになったであろう。 中崎さんがたの即興のアイディアがプロジェクトをおもしろくさせていることが、すごいと感じた。
 オウケンカフェの全体の感想としては、カフェと名前のつくわりに普通の講義と変わらないと感じた。飲み物が有料で用意されていたが、利用者が少なく、もちろん私も利用しなかった。前半の1時間はレクチャー、後半の1時間は聴講者と中崎さんとの交流を目的としていたのだろうと思ったが、実現はされていなかった。前半は中崎さんのおかげか、二瓶さんの大きな笑い声のおかげか、空気はなごやかであると感じた。しかし、後半は全体交流というより、堅苦しい質疑応答でしかなかった気がした。もっとイスの配置を変えるなり、しんや先生のポケットマネー(!)で参加者に1杯ずつお酒を出したりするだけでも交流の場としてよくなると考える。

儘田祐樹
 私のオウケンカフェのイメージは、かしこまって授業みたいな感じのレクチャーなのではないかと思っていた。最初の1時間は、講演会みたいな雰囲気だった。しかし、質疑応答の時間になったときに普通なら、ゲストの方が「質問なんて何でもいいですよ」という風にはならないと思う。ゲストが中崎さんだったから、そういうゆるい雰囲気になったというのもあるかもしれないが、学生と第一線で活躍している人が和やかにトークをすることは普段はできないので、オウケンカフェは学生にとっていい経験になると思う。そして、これからもオウケンカフェに参加して、質疑応答の時間になったときは、積極的に質問をしたいと思う。
 中崎さんのレクチャーを聞いて思ったことは、建築家とアーティストは似た領域にいるのではないかということだ。例えば、1人で物をつくるときに中崎さんは自分の中で決めたら、どんどん進んでいくとおっしゃっていた。建築の場合も、コンペなどは決まった条件がありながらも、ある程度は自分の好きなことができる。しかし、グループでやる場合は違う。中崎さんは3人で話し合い他の2人に理解を得てから提案を進めてから行うと言っていた。建築の場合も、グループでやる場合は、なぜそのような提案が出てきて、そこにはどんな空間ができてくるのかを説明しなければならない。このようにアーティストと建築家は、人と人の関係が違ったとしても、同じ領域にいるように感じる。中崎さんの今までの活動の中に、地域住民とコミュニケーションをとりながらつくっていくものがあった。初めは、何ができるのかは全く分からない。地域の人が思っていることをアーティストが具現化するという風に私には見えた。場所によって、アーティストがつくったものは全く違うものになると思う。地域にいる人によって、地域特有の形や色が出る。建築の場合はどうだろうか。私の考えだが、これからの日本に新しい建物や新しい形を生み出していくのは難しいと思う。今、使われていない建物があれば全部壊すのではなく、リノベーションや増築をして地域の人に使われていく方がいいと考える。どのようにして、地域の人に使われていくのかと考えたときに、中崎さんがやっていた地域の人とコミュニケーションをとるという行為が必要だと思う。中崎さんがやっていた活動は、これからの建築家がやっていくようなことだと感じた。施主さんという少数を相手にするのではなく、地域の住民や大人数を相手にすることによって、違ったものが生まれてくるのではないかと思う。中崎さんの今後の活動に、私は大変興味が湧いてきた。

仲村祥平
 今回、中崎透さんの話を聞いて、普段聞くことのできない人の考えや活動を聞くことができて、作品の面白さ、また関心が湧きました。中崎さんの作品を見ていると、中崎さんがおっしゃっていたように本当につくるということは自由なのだと思いました。自分はパッケージや看板のデザイン、グラフィックにも興味があるので、講義のはじめに出てきた看板をモチーフにした作品にも、かなり食いつきました。というのも、1つ1つ違うデザインの看板を並べて、全体で1つの作品としてみせる表現って面白いなと感じたからです。
 また、中崎さんが活動している「ナデガタ インスタント パーティー」の活動も興味深いです。プロジェクトを実施する場所や状況に応じて、最適な「口実」を立ち上げることから作品制作を開始する。インスタレーション、イベントなどに様々な人々を巻き込み、「口実」によって「現実」が変わっていくプロセスそのものが彼らの作品行為である。とても興味がそそられる活動だと思います。調べてみてもう終わってしまっていたイベントなのですが、「地域とつくる舞台シリーズ いたみ・まちなか劇場」伊丹でドミノ!というイベントを見つけました。まず、全ての作品でも言えるのですが、地域の人が関わるというのが面白いと思います。作品の一部に自分がなれるからです。プロセスが作品と言うように、自分も作品の一つになれるって面白いです。また、ネットを見ると、ドミノ倒しに参加しようというぺージで、ステップ1からステップ5まで、参加からイベントの流れの説明が書かれていて、その中で楽しい物をつくろう!とユニークなグラフィックと一緒に書かれていて、それを目にしたところからもう作品の一部につながっているような感覚になりました。どまんなかセンターや24時間テレビでも共通して、様々な人が集まる、そこで生まれた出来事一つ一つがストーリーになっていく、そこに視点をおいて作品という面白さがあると思います。また、そこでの出会いから人と人のつながりが生まれて、作品の枠をこえて新しい何かが生まれる場にもなっていると思う。自分はふつうなら作品というのは展示されて、それを見るために人々が集まる。そして、作品を見て何か感じたり考えさせられたりする。そんなイメージがありましたが、中崎さんがおっしゃっていたように、自由で、はじめは面白そうじゃん!という気持ちから始まるのだなと感じました。そして、人が集まってその中での出来事がストーリーとなる作品というのは、考え方を変えると、はじめからどんな作品になるか分からないという面白さがあると思いました。このようなことをしようという「口実」と場所、環境だけが固定されている訳で、その中で、自由で、様々な出会いやトラブル、出来事の中で中崎さんは作品をつくっているのだなと感じました。中崎さんの話を聞いて、これからの作品も見てみたいと思いました。

小坂翔太
 人には誰しもたくさんの可能性を持っている。中崎透さんのレクチャーはそう思わせるものでした。中崎さんは個人としてだけでなく、山城大督さん、野田智子さんと共に「Nadegata Instant Party」としても活動されている。今回紹介してくださった展覧会はどれも今まで見たことのない観点、工夫からとても不思議な形で作品を展覧されていました。しかしそのどれもが、我々見た者皆が目を凝らし夢中になってしまう、そんな作品であると感じました。私は実際に作品を見たわけではないためスライドで見た物と見え方は異なると思いますが、そう思わせてくれたのは中崎さんのプレゼンテーション力も関係していると思いました。作品紹介の時や、質問応答の際も周りの空気、雰囲気を見て感じ、工夫してお話されており、周りを和ませる力がすごいと思いました。また、発想も大胆で各出展場所において最適な「口実」を立ち上げることから作品制作を始め、インスタレーション、イベントなどに様々な人々を巻き込んで「口実」によって「現実」が変わっていくプロセスを作品として展開していると聞き、もはやすっからかんの私の頭では考えることは愚か浮かんでさえしないようなことであり、すごいと思いました。その話術、大胆な発想から今までの作品は成り立っているのだと思います。
 紹介してくださったものは全て興味深いもので、かいわれ大根も候補ではありましたが、一番印象に残ったのは「24 OUR TELEVISION」でした。「24 OUR TELEVISION」は2010年、国際芸術センター青森で行われた100名を越える市民スタッフと共に地元メディアをも巻込んだ、24時間だけのインターネットテレビ局であり、某テレビ局のものと似ているようで異なる。インスパイヤーはされていると思いますが、内容、構成は全く異なり「感動」というよりは「面白おかしく」が主体のような気がしました。「24時間指マラソン」は感動さえしないもののついクスッとしてしまう企画でした。また、エンディングでスタッフ全員が歌っていた歌がとても気になりました。「トイレのかみは~」など歌詞に不思議なフレーズがあり、一日経つと忘れはすると思いますが、一日中フトンに入っても頭の中で流れ続けるようなとてもインパクトのあるものでした。そしてなにより、番組全体の雰囲気がとても良い印象があります。先ほど挙げた「24時間指マラソン」では、指しか動かしていないのに熱を出すというアクシデントを起こしながらも無事ゴールし、スタッフ全員で歓喜し拍手喝采が巻き起こっていました。24時間という長い時間が終わったという安堵感もあると思いますが、番組成功に対し、皆で泣き、笑い、励まし合う姿は、普段そんなこと思わない私でも感動し参加してみたいなどと思わせるものでした。
 中崎さん、Nadegataが手がける作品はどれも人間の「素」から生まれる行動、言動、表情から成り立ち、無限のバリエーション、可能性を持ったものであると感じました。そしてその可能性を最大限に生かすことにより、見る人をより魅了する作品ができるのだと感じさせられました。貴重なお話ありがとうございました。

森徹
 このレクチャーでは、来てもらったアーティストが、その人がどのような場所で、どういった内容の仕事を行っているかを語るのを聞くことで、それに対して、どのようなことを感じ、どのようなことを発想できるかというものであると感じました。厳密に言うと、建築家とアーティストという一軒無関係に見える職業同士の、どのようなことが同じで、どのようなことが違うか、また、その仕事に対して、どう思いながら行動しているか、それが、私たち建築関係者にどのような影響を与えるかといったことを客観的に考察できる場でもありました。
 私は、このレクチャーを受ける前は、建築のレクチャーに、どうしてアーティストが来るのかを疑問に思っていました。しかし、このレクチャーを受け、アーティストの話を聞くことで、その考えは大きく覆りました。建築の人だから、建築の人から建築のことを学べばいいのではなく、一見関係ないように見える職種の人の話でも、自身とは違う概念の話を聞くことで、自身の固定概念に気づくことが出来るということに気づきました。いったん固定概念にはまり込むと、それ以外の見方が出来にくくなってしまいます。私は、どちらかというと固定概念にはまりやすい傾向があったので、このレクチャーは、その自身の問題に対して、大きな改善になったと考えています。
 アーティストが語ってくれたレクチャーの内容で、この人はこんなことを思うのかといったことが多々あります。例えば、雨漏りのする古い民家(?)に対して、普通の建築の人は、雨漏りしていると価値が下がるという考えが一般的だと思いますが、その人は、雨漏りするところにかいわれだいこんを置くことで、あえて変わったインテリアに置き換えています。このことから、物事に対する考え方、対処法は、一つではなく、また、各々の発想力の有無によって、大きく様変わりすること、そして、思いついた対処法のみにとらわれてはいけないということを指し示していると感じました。
 このレクチャーの終わりのほうに質疑応答の時間がありましたが、私は特に質問を思い浮かべることが出来ませんでした。何人かが質問をしていましたが、その質問の内容は、確かにレクチャーの内容に関係することで、語ってはいなかったことでした。このことも、自身が教えられた物事に対して、そうなんですか、と思い込み、それに対する疑問を思い浮かべられないという問題点を大きくあらわにしました。
 今回のレクチャーは、私の固定概念や問題点などを大きく浮き彫りにしました。自身の問題点を把握することは、その問題点の対処につながるので、このレクチャーを受けて大変よかったと考えています。

朝川奈帆
 私は、オウケンカフェがどんなものか知りませんでした。「カフェ」とつくのだからきっと講談会よりはゆるい雰囲気の中、ゲストのお話を聞けるのかなと解釈していました。実際は、ゲストである中崎透さんのお話を静かに聴くという、普段学校で受ける講義のようでした。ただ、学校の講義と違ったのは、講義をする人がお酒を飲んでいるという点でした。そのせいか、多少砕けた感じでお話をされていて、ずっと座ってスライドを見ながら聴いているのも飽きなかった印象がありました。
 まず興味を持った話は、どまんなかセンターです。かつて洋裁学校だった建物をリノベーションし、期間限定で地域に提供するというのは面白い提案だなと思いました。そこでは写真展をやったり、演劇やお茶会を開いたりと、ちょっとした地域センターのような空間になっていて、皆が好きなことを出来るから周りの人とのコミュニティが更に広がっていき、活気に満ちた場所になったのだろうなと思いました。こういった場所を作って提供したのは中崎さんたちNadegata Instant Partyというユニットですが、最終的にこの建物と、そこを使って何かを成し遂げる人たちの動きで、その場所が生きていくのだなと実感しました。期間限定なのがもったいない気もしましたが、期間が決まっているからこそ、皆そこに集まって何かをしようかと考えるのではないかとも思いました。
 もう一つ印象に残ったのは24 OUR TELEVISIONです。明らかに真似をしていると思いましたが、こちらは青森のインターネット放送局を使い、24時間、一般公募したスタッフと共に番組を作って放送していくという内容でした。番組はバラエティに富んでいて、生ドラマやニュース、クイズやダンスなど、テレビでやるバラエティ番組となんら変わりない内容の濃いもので驚きました。あと、指マラソンのくだりには思わず笑ってしまいました。マラソンしたいけれども、疲れるから指だけ走る、といったブッ飛んだ発想が他ではできないオリジナリティのあるものだなと感じました。ですが、途中の走者が倒れるというアクシデントは、実際に走っていないのに何故倒れるのだろうという疑問も感じました。スライドで最後の部分を動画で見たとき、盛り上がっていて楽しそうだなと思いましたが、中崎さんの「大勢の人間を一つの所に 一日監禁すると異常なテンションになる」みたいなことをおっしゃっていたのには笑ってしまいました。
 アーティストとして、こういった活動をして世間に関わっていくという、中崎さんの仕事にとても興味が湧いたお話でした。私たちが勉強している建築という建物を建てる仕事と似ているようで全く違う、接点のないような感じでしたが、空間を作るだけではなくその先の誰かに使ってもらって初めてその空間は生きていくのだなと感じました。活動費なんかは自腹で、貰えても安いとおっしゃっていましたが、面白いと思ったことを大切にするというスタンスで活動を続ける中崎さんのお話はとても実になりました。

加藤栄里
 初めてオウケンカフェに参加させて頂いたが、武蔵野美術大学を卒業し、現在非常勤講師として武蔵野美術大学にお勤めになっている中崎透さんの講義を聞き、建築とは違った観点で空間構成からできる建築を見ることができた。講義の中でも紹介されていた、「どまんなかセンター」や「24 OUR TELEVISION」は今までに聞いたことのない新しく、面白い企画だと思った。
 「どまんなかセンター」は元洋裁学校をリノベーションし、期間限定の施設として住民が自由に使用できる場所となっていて、自然とにぎわいができていたのには驚きだ。勝手に個展を開いていた方、看板の文字を自ら名乗り上げて書くと言ってくれた方など、いろんな人が協力し合ったことによってコミュニティーができていることがこの「どまんなかセンター」で改めてわかった。さらに、別館では地域住民が撮影した写真展が行われていていることを聞き、この施設では個々のスキルをみんなにお披露目することができる場でもあるなと感じた。
また、一番面白いと興味を持ったのが公園などでPSPやDSをしている子どもたちに部屋を貸してあげると言うと、だんだん子どもたちが集まり子どもたちの「たまり場」となっていったことだ。これは子どもだからこのように自然と「たまり場」ができたのではないかと考えた。大人に場所を貸すと言っても、きっと「遠慮」や「警戒」というのが初めに出てしまい「たまる」ということはしないだろう。このように自然と住民たちのコミュニティーが生まれ、施設となっていくところが空間構成から見る建築なのかと思った。
 「24 OUR TELEVISION」に関しては本物に近いことを行っていたことに驚いた。指マラソンや限界大運動会などに100人もの人が集まって行っていたことは、大学生らしさがでているなと思った。指マラソンは指を動かすだけで、そんなに辛くはないものでとても地味だと最初は笑ってみていた。だが、話を聞いていくうちに指をずっと動かすということはなかなかないことなので、普通のマラソンより辛いものなのではないかと感じた。限界運動会は皆徹夜明けの中、運動会をしてみようというもので、大学生じゃないとこの考えはでないのではないかと思った。他にも、クイズ大会やドラマなどもやっていて、地域の方を交えて一緒に番組を作っているのが地域の紹介や活性化にも繋がっていくのではないかと感じた。
 このオウケンカフェで中崎透さんのお話を聞いて、建築があって、コミュニティーが出来るものだと思っていたが、人々がいて、何かを行い、建築というものが出来上がっているなと感じ、私の中での建築の可能性というものが広がった気がした。また、中崎透さんのお話を聞く機会があれば、ぜひ参加したいと思う会であった。

安西彩香
 今回初めてのオウケンカフェに参加し、ゲストであるアーティストの中崎透さんのお話を伺った。アーティストと聞くとどうしても絵を描き、白い箱の中に展示することを思い浮かべる。しかし中崎さんは映像ドキュメントや演劇手法、インスタレーションなどを組み合わせながら作品を展開している現代アーティストだった。彼の創り出すアートは「空っぽな中から口実を立ち上げ、その過程をストーリー化させ、口実を現実にしていく」という言葉そのものである。最初は正直なにを言っているのかわからなかったが、今回話を伺った2つの彼の創り出した作品からその言葉の意味を学ぶこととなった。半分廃墟となり現在使われてない場所に魅力を見いだし、その場所をつかって活動の拠点とし、人々とアートをつくっていく。まるでアートというよりもある種のワークショップのようにも見えた。しかしそうやって彼は確かにその場に魅せるものをつくり、いつのまにかその場にあったアート作品を創り出しているのであった。もう一つ紹介していただいて面白いと思ったのが、24ourテレビジョンという地域配信型のコンテンツである。このコンテンツは某テレビ番組の真似であるようにも見えるが、たった24時間だけ開局されたテレビ局で何ができるのかをテーマにしている。アート作品に、時間も関わってくる変わった作品となっている。正直、笑いあり涙ありといった感動した内容とは言えないであろう。しかしそこには確かに未来を創り出す力や、絆が見えたような気がした。そしてどちらのプロジェクトも地域の方と密接に関わっており、人が集まらないと意味がない。集客する大変さはわかっているつもりだがそれを苦にせず自然と人が集まってくると言ってしまうのが中崎さんのすごいところである。アートとは堅苦しいものではなく、小さい箱に閉じ込めておくものでもなく、みんな集まって楽しんで創るもの、そうおしえてもらった中崎さんの講義であり、オウケンカフェだった。

ゼミナール | Posted by satohshinya at October 2, 2013 6:54 | TrackBack (0)