「曖昧さ」と「多様さ」

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10月17日、Theatre National de Chaillotに歌舞伎を見に行きました。

開演前に片岡市蔵さんの楽屋にお邪魔する。
色々聞きたいことがあるのに鋭い質問が出てこない
出てくるのは平凡な質問ばかり。
「何でも聞いてください。」との言葉に逆に緊張して
ただただ、メークの工程を眺めていた。
またとないチャンスだったのにと後悔し、自分の勉強不足を痛感する。

歌舞伎は非常に楽しませていただきました。
面白かったのは舞台装置による「遠近関係」の表現。
建物や背後の風景の部分部分が、
・大小関係があったり、無かったり
・ パースがかかっていたり、無かったり
する状態で同時に、同次元で舞台上に配されているので
それ単体では「距離感」が把握できない。

このように、あらかじめ「距離感の曖昧さ=多様性」を設定して置くことで
話の流れや、演者の配置によって自由に「距離感」を変更することができる。

「距離感」が明確に設定されている西洋舞台装置には
このような「距離感」の把握はあるのだろうか?
今思い起こしても、非常に不思議な体験でした。

その他にも発見が多くありました。
日本の文化はやはり注目すべき点が多い。

Architecture Space / 建築, Event Lecture / イベント, 映画・演劇 | Posted by SUGAWARADAISUKE | 菅原大輔 at 11 1, 2004 10:26


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