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May 11, 2004

無目的な空間

日田市のコンペを議題にしたゼミの中で、
今村案の小ホールが、無目的な箱として、評価出来るという点で、
まとまりのある説明が出来なかったので、
自分のためにも補足すると、
実際のところどこまで考えて、
”スポーツが出来る小ホール”という、しつらえを用意したかはわかりません。
しかし、従来の劇場という形式を崩す。という姿勢と、
一様な公民館的無目的空間ではなく、
小ホールと言ってしまい、スポーツも出来るという言い方は、よい無目的な空間を目指す表現の一つ(ほんのわずかなきっかけ)だと思いました。
ナスカ案のように、誰にでも魅力的と、たやすく想像ができる、屋上という無目的な空間を作ることもあり。
まぁ、あくまで、僕個人が無目的な空間をどうやったら、魅力的な環境にレイアウト出来るか。と言うことを考えているので、書いてみました。
今のところの、言葉の上での整理では、
無目的な空間の目指すところ、
作る側ではなく、使う人がいかに空間を実践できるか。という、ところに視点があり、
現在のリノベーションブームをきっかけに、
メディアが興味を持ち始めたことを利用して、
外から空間に参画することを売りにした、建築家のたち方を、もっと際だたすことはできないかととも考えられないかなど。
新しく見えることは、建築家の責務だという前提では、
その建築が、否定的に見られるかもしれない。
ただ、やれる余地があると僕は思っている。

劇場建築の割合の目安として、
機能を目的として目的的空間55パーセント
機械室10パーセント
残りの35パーセント。
その余白を、どんだけ魅力だと言っても、獲れそうなコンペの質ではないですがね・・・

投稿者 simon : 09:26 PM | コメント (0) | トラックバック