どこでも美術@kyoto

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もう誰も読んでいないんだろうな、と思いつつ、久しぶりにアップしてみる。
アサヒビール大山崎山荘美術館で開催中の「アートでかけ橋」を見る。小沢剛、セリーヌ・オウ、パラモデルの3組が、美術館内だけでなく、大山崎町内の神社や集会所でも展示を行うという、今や一般的になりつつあるスタイル。しかし、作品、展示場所ともにおもしろく、久しぶりに展示場所を探して町をさまよう楽しみを味わえた。離宮八幡宮という由緒ある神社での小沢の巨大な写真、集会所を埋め尽くすパラモデルのインスタレーションなど、どれも見応えのある展示だった。区民会館で行われたオウの展示は、単なる蛍光灯の部屋に白い壁がつくられ、そこに整然と写真が展示してあるだけ。あらためて、白い壁が、無理矢理にでも展示空間をつくってしまうことに思い知らされる。
久しぶりに訪れた美術館は、ヨーロッパでいくつも見た邸宅が美術館になったものを思い出す。もう少しインスタレーション的な展示があってもよかったが、この空間でも十分に現代美術に対応できることがよくわかる。展示なんてどこでもできてしまう。しかし、ガラスケースに大事に飾られた醤油画とか、コロボックルの遺跡とか、何も説明が無いので、見た人はどう思うのだろう? こんな美術館での展示なのだから、全般的にもう少し説明があってもよいように思う。一方で、やっぱり安藤忠雄の増築がよくない。床がカーペットだからだろうか? スケールの問題? 山荘との関連性がなさすぎることも問題だろう。目立たないようにすればよいというものでなく、新しい山荘への視点を与えるくらいの工夫がほしかった。

美術 | Posted by satohshinya at August 20, 2008 22:59


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