コピー&ペースト@vaticanæ

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「Musei Vaticani(バチカン美術館)」には13の美術館が複合しているそうだ.更にシスティーナ礼拝堂などの14の部屋が含まれる.何も情報を持たずに訪れたのだが,その迷宮のような館内にいささか参ってしまった.ルーヴルでは館内の案内図が無料配布されているため,それに従って必要なところを見学することができた.しかし,ここにはそのようなものはなく,全体像を把握することができないまま,館内表示板だけを頼りにさまようしかなかった.もちろん,最初から全体を回ることはあきらめていて,主な目的はシスティーナ礼拝堂であったのだが,これが入口からもっとも遠い場所にあった.今更ながらwebを見ると,そのことがよく確認できる.

残念ながら,この美術館に展示されている作品を正しく鑑賞できたわけではないので,今回の話題は2つだけ.退館時に下ってゆくダブルスパイラルの階段がある(参考リンク:動画あり).エントランスが最近改修されたそうなので,てっきりこれも新しいものだと思っていた.なぜならば,このスパイラルと見上げたトップライトが,あまりにもライトの「グッゲンハイム美術館」(1959)に似ていたからだ.なんだか質の悪いポストモダン建築のように思えてしまった.しかし調べてみると,そうではないことがわかる.この階段はGiuseppe Momoによって1932年に作られたものらしい.つまり,こちらの方が先に作られていたようだ.更に調べると,こんなページも見つかった(続きもある).
そしてシスティーナ.ご存じのように礼拝堂にはミケランジェロによる天井画と壁画がある.礼拝堂の空間と作品が一体となったインスタレーション,なんてことを期待しながら見に行ったのだが,礼拝堂に描かれた天井画と壁画という関係以上のものではないように思えた.むしろ見事に修復されてしまった作品は,時代を感じさせてくれないほどに鮮やかすぎるように見えた.それよりも,「システィーナ」とググってみると,ここがトップに表示されるのが笑える.ここには3/5という半端なスケールによってシスティーナ礼拝堂が再現されているそうだ.ハラミュージアムアークに行く際に何度も前を通るのだが,1度も入ったことがない.今度入ってみようかな? 更に日本人による飽くなき探求は続いているようで,ここでは実際のスケールの礼拝堂を,しかも陶板画により作り出そうとしているそうだ.その意味では,これらの作品が礼拝堂の空間と切り離せないものとして認識されているとも言えるのだが,はたしてどんなものだか.

美術 | Posted by satohshinya at December 19, 2006 23:08


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